それでもあたしは謝りながら生きていたくなんかねえよ、って思ったので日記書こうと思います。
ヒーヒズヒムイズムのボーカルの横溝鞠子です。






先日は、おなじみヒーヒズヒムイズムのなんちゃってギタリストのぺよんの引っ越しの手伝いをしてきました。


ぺよんはずっと引っ越し自体はしたかったようなのですが

「長年住み慣れた土地を離れるのもなあ」とか
「今の家も便利は便利だしなあ」とか
「でも新しい家で新生活とか、してみたいなあ」とか

引っ越しをする際には誰しもが感じる特有の高揚感と
新しい土地や家での生活の不安感の入り混じった感覚なのか
それでも、かねてよりうれしそうに色々と話していました。


そうして遂に引っ越しをするに値する良い物件が見つかったとき、

「新しい家、決めちゃった。うふふふふ」とか
「新しい家、俺にはもったいないくらいの、設備。うふふふふふ」とか
「新しい家、誰か一緒に住まないかなあ。うふふふふふふふ」とか
「新しい家、設備にアレとコレとアレがあって、うふふふふふふふふ」とか

決断をした喜びと「もうこれでやらねばならぬ」と云う責務感が入り混じった感覚を抑えきれないらしく、
それはもう、うれしそうに色々と話していました。









「気にいらねえ」って、思いました。








引っ越し前には、ヒーヒズヒムイズムのスタジオリハが何回かありました。

ぺよんは「引っ越し当日、××さんが車出して、××さんと××さんが手伝ってくれるって。助かるなあ」って云ってました。
あたしは「おまえ、友だちいたんだな」って云いました。

ぺよんは「ああ、まだ引っ越しの準備何もできてない…!」って云ってました。
あたしは「もうやめちゃえよ、引っ越し」って云いました。

ぺよんは「久しぶりにスタジオ入ったらギター弾かなすぎたせいで手が痛い」みたいなことをツイートしました。
あたしは「おまえ、引っ越し失敗すれば良いのに」って返信しました。

あたしは「明日の引っ越し、もしも手伝いに行けたら行くね」と云っていました。
ぺよんは「じゃあもし来られるなら13時集合ね!」と云いました。





とりあえず、遅れて行きました。





途中で「あたし、今日、必要?」って電話しました。
ぺよんは「じゃ、じゃあ、新居がオートロックだから、鍵あけたりしてくれると助かる」って云いました。
あたしは「ちぇっ」って思いました。




そうして一人でぺよんの新居に向かう途中、道に迷いました。
ぺよんに迎えに来て貰いました。




ぺよんや集まってくださった有志の方々は、
今までの家のほうで荷造りをし、運んできて、荷物を降ろし、運び入れる作業をしていました。
あたしは新居で一人待機し、ぺよんたちが来たときに鍵を開けたり閉めたりしました。あと、エレベーターのボタンの「開」と「閉」も押したりした。

みんなが荷物を運んでくるまでの間、
何もない新居で一人で待機してるのは退屈だったので、段ボールをあけて、勝手にどんどんレイアウトしてみました。
キッチン周りの片付けをしている時に、段ボールに入れられた食器がそれはもう異常なくらい執拗に紙にくるまれていて「あいつ、生き難いのかなあ」ってすこし心配になりました。
でもすぐに「まあいいや」って、思いました。





あたしは用事があったので途中で一度中抜けをしなければいけなかったのですが
その頃にはすっかり段ボール破壊が楽しくなっていたので
「また、戻って来る」と云い残し、新居を後にしました。

駅に向かう途中で、ちょっとした予定変更より急遽用事が消滅しました。
「よーしじゃあ片付けまりこ再始動~」と意気揚々と新居に戻ろうとしたら、





また、道に迷いました。





ぺよんに迎えに来て貰いました。
(あたしを迎えに来たとき、ちょっと悲しそうな顔をしていたのが忘れられない)






そろそろ申し訳なくなってきたので、その後は本気を出して片付けをしました。

一人で黙々と段ボールを開け、物をしまい、
一人で「これはフックがあったら便利だよ!ぜったい!」と叫びフックを買いに走り
一人でフックをつけて「ほらね!ちょう便利ー!」と喜び
一人で「まりこ、やっる~う。まりこ、実はできるコ~」と自分を励ましました。


その後、荷物の運び出しが全て終わったと云うぺよんが戻ってきてからは
ぺよんがレイアウトを考え、二人で黙々と段ボールを開け、片付けをしました。

せっかく一人の世界から脱却したと云うのに二人で黙々と作業をしていて
「ああ、またも、単純作業のおでましだ(By 鳥肌実)」と思ったので、
その状況を打開するために、とりあえず歌いました。

ぺよんはパソコン周りの片付けをしていて、わたしは冷蔵庫を動かそうとしていたので、冷蔵庫を運ぶ動きにあわせて
THE BACK HORNの「扉」と「運命複雑骨折」をチョイスして歌ってみました。



ぺよんは聴こえているはずなのに相変わらず黙々と片付けをしているので
あたしが「ぺよんが寂しいかと思って」と云うと、
ぺよんは「……ありがとう」と云いました。






あたしは「こいつ、いいヤツだなあ」って思いました。







そんなこんなで色々な人の助けがあり、
新居も「むしろぺよん、実は何ヶ月かここに住んで生活してた?」と思うくらい
きれいに片付いて、ぺよんも驚きながらも喜んでたみたいでした。


新居はすごくきれいで設備もよくて、すごく良いお家でした。

あたしが「新居でパーティーしようぜ」って云ったら
ぺよんは「じゃあ土鍋とか買わなくちゃ~」って云っていました。

あたしが「引っ越し蕎麦が必要だ」と云い蕎麦を二人で買いに行ってる時にも、
引っ越しの時にも片付け後にもずっと「本当にありがたい」「みんなのおかげだよう」って云っていました。


でも多分、すごくきれいなお家に住むのも、
引っ越しをする時にたくさんの人が集まってくるのも、
それもこれも、ぺよんがあーいうヤツだからなんだなあって思います。

自分が作っている状況や過ごしている環境を一人の人間として見ていて
その中で更に自分の尺度で楽しんだり感謝したり、
さらにより快適に楽しめるように考えたり工夫したり、無意識にもそういうことを感じたりしてるんだろうなあ、って、それって、すごく素敵なことだなあって、思いました。


あたしは時々「まりこは優しいね」だとか「まりこは楽しいね」と云ってもらえることがあるのですが、あたしは優しくもないし、楽しい人間でもないです。

だけれどそれでも「優しいね」だとか「楽しいね」と云ってくれる人に思うのは

あたしが優しかったり楽しかったりするのではなくて、
「君が人に対して優しいと感じられて、楽しいと感じられる人間なんじゃあないかしら」って、

「あたしが優しくて楽しいのではなくて、あたしに対して今そう思えるのは、
本当は君が優しくて、楽しい人間だからなんじゃないかしら」って、思うのです。




だからあのコはしきりに「みんなのおかげだよう」と云うけれど
きっとみんな、君と関わることが嬉しくて、君のおかげで楽しいんだ。













引っ越し、面白かったです。
今度は遅刻しないで行くからさ、
ぺよん、また引っ越しやろうよ、近々。


















今回の引っ越しで、
あたしは引っ越しもぺよんのことも意外と好きなんだなあって改めて分かりました。

だけれどね、



一人でぺよんの新居で黙々と片付けてる時に
ぺよんの洋服が入った衣装ケースを手が滑って3回くらい落としてしまって
「ここって、欠けたらいけないんだろうな」ってところが欠けて、
「ここって、割れたらいけないんだろうなあ」ってところが、割れたんだ。
そりゃもう、盛大に欠けたし、盛大に割れた。


そうしてぺよんが後から来て二人で片付けてるときに
「そういえば、衣装ケース、どこに置こうかなあ」って云ったんだけれど、

何故か瞬時にあたしは「ヤバい、バレる。でも、なんかわかんないけど、絶対に謝りたくない…!」と思って、








「あー、じゃあその洋服とか掛けてるところの下らへんにさ、全部いれちゃえば良いじゃん。そうしたら見えないし、衣装ケース出てるとやっぱ生活感でちゃうから、これなら隠れて部屋もスッキリして見えるし、うまく空間使ってる感じでイイと思うよ。いれちゃえいれちゃえ。ほーら、イイ感じじゃん、サイズもぴったり。いやー、よかったよかった。ね。」って









しれーっと答えた自分が、あたしは一番大好きです。









***





起こった事実を時系列で書いているだけなのに、自分の性格の悪さがどんどん露呈されて途中で嫌ンなるどころか

「すごい性格わるいなあコイツ。あ、自分か」とか
「性格悪すぎて面白いくらいだなあ。あ、自分か」とか

自分の性格の悪さを褒めてやりたいくらいになりました。
でもゼッタイ、謝ってやんない。
多分、衣装ケース壊したのとか、ゼッタイあたしが悪いし、早く謝ったほうが良いって分かってるんだけど、でも、ゼッタイ謝んない。何となく。


いやまあでも、引っ越しが無事に完了してヨカッタよね。よかったよかった。

ヒーヒズヒムイズムの再始動が来年の2月11日(土)ですから
実際のところ、もう残すところ2ヶ月を切ったわけです。

やはり活動休止によるブランクは1年以上になるわけで、
現状やらねばならぬこともありますし、何よりも、1年以上ぶりのステージにてやりたいことがとても多くて、
時間も身体も足りず、メンバー全員、2月11日に向けて嬉しい悲鳴をあげております。


ですから引っ越しなんぞに手間取って、時間をとられている場合ではないのですよ。
ほんと、なんであいつ、この忙しい時期に引っ越しとかそんな一大イベントをしてるの?
っていうか、なんでこの時期に引っ越ししようと思っちゃったの?
なんなの?


まあそれは今度ぺよんに改めて小一時間聞く(問いつめる)として、
2月11日の詳細は満を辞して近日中に発表できると思いますので、そちらもどうぞご期待下さいね。



さて、
そんな性格のくそ悪い女がボーカルをつとめておりますヒーヒズヒムイズムですが、そのボーカルである私、横溝鞠子、
先日、と或るアーティストさんのモデルをやらせていただきました。

そして、展示場所、日時がコチラ↓

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LosingMySilentDoors / strange world's end / LIFESHOP / 海の上のプールサイド presents

音景その8 『失われた12月』 curator by LosingMySilentDoors
LosingMySilentDoors 1st full album [Blue Shift : Prelude to Space]レコ発記念イベント!

日時 2011年12月17日(土) 開場17:30/開演18:00
場所 新宿motion (HP : http:// motion-web.jp/ )
料金 前売/当日ともに2,000円(ドリンク代別)

● 出演バンド(全6バンド)
LosingMySilentDoors / LIFESHOP / strange world's end / apple light (from Nagoya) / Honeydew / sugran

● MC Ko-hei(LIFESHOP) & Misaki
● VJ Bori(LosingMySilentDoors)
● FC (Food Coner) 平食堂
● PC (Paper-Cutting)切り絵展示 大原彩花 ←ココ★

【イベント詳細はこちら】
http://mixi.jp/view_event.pl?id=65318646&comm_id=4925221


● 当日はイベント全体をUSTREAM「LIFESHOP TV」にて生放送します。
twitterやmixiの連動有り。

※番組URL
● LIFESHOP TV
http://www.ustream.tv/user/LIFESHOP

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切り絵アーティストである 大原彩花さん よりひょんなことからお声を掛けていただき、先日、作品内で使用する素材のモデルをやらせてもらいました。


撮影の様子については今は「さむかった。まじで」としか云いようがないのですが、それはまた後日書かせていただくとして、
撮影は深夜にまでおよびましたが、大原彩花さんのおかげで終始楽しい雰囲気で撮影も終了し、ほんとうに感謝。


切り絵に、横溝鞠子が、コラボですよ。
構想をきくまで、あたしも何が何だかサッパリでしたよ。


このわたしがフューチャリングしている作品は、
今週末の12月17日(土)新宿Motionにて行われる上記の『音景』(読み方は "おんけい")と云うイベントにて、フロアに展示されます。


当日、音景の出演者にはヒーヒズヒムイズムも共演をさせてもらったことのある
strange world's endにLIFESHOPが出演してますし、
今回のcuratorであるLosingMySilentDoorsのライヴ自体は先日初めて観たのですが、ネオサイケな中にも大人のお茶目な部分がところどころにしきつめられていて、とても良い感じです。

当日は出演バンドでもあるLIFESHOPのUstream番組「LIFESHOP TV」にてイベント全体をUst放送するそうです。
なのでイベント風景は遠方の方も楽しんでいただけるかと思いますが、
切り絵作品は現地に来ないと見られないので、お時間ある方は是非会場に足を運んでイベントを楽しんでもらえたら、と。

そしてあわよくば「横溝鞠子、まじかわいい」となってもらえたら、と。
そして「切り絵みましたよ」と声をかけていただけたら、と。
そしてあたしの性格の悪さの洗礼を、生で喰らっていただけたらな、と。





まあ、そんなあたしの私利私欲はさておき、





大原彩花さんの切り絵作品、本当に素晴らしいです。
撮影にも作品にも感動して、わたしは、ちょっと泣きそうになったよ。

当日出演するバンドも全て非常に恰好良いので、是非スタートの18時からいらしてください。あたしもオープンくらいから居ます。


そんなこんなで、12月17日(土)は、新宿Motionでお待ちしております、横溝鞠子でした。
新宿Motionでお逢いしましょう、アデュー!

約束は、破るためにする、だなんて最後に君は云うけれどさ、
約束を、守りたい、と思ったから、最初に君もするんだよね。




だからさ、あたしは君との約束を守るよ。
君が少しでも守りたいと思ったものを、全身全霊懸けて、守るよ。







ヒーヒズヒムイズム、活動再開します。







■■■ ヒーヒズヒムイズム 活動再開 自主企画公演 ■■■

【日時】
2012年2月11日(土・祝)


【場所】
三軒茶屋heaven's Door


【詳細】
後日公開


【出演者】
後日発表


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あたしが大丈夫って云う時は、大丈夫なんだよ。

あたしが大丈夫って云う時は、大丈夫になるんだよ。





「大丈夫。必ず、戻って来るから」 ってさ、





あたし、何回も云ったでしょ。

あたし、何回も約束したでしょ。
















ほら、ね。大丈夫、だった。












ヒーヒズヒムイズムOfficialBlog
約束は、守るよ。
mixi版とアメブロの日記はちょっと違う内容にしている、
もしくは全く別の内容にしている、でおなじみ、横溝鞠子です。御機嫌いかが。

相変わらず、マイペースですね。
年々マイペースになっていくような気がしますし、事実そう云われる回数も増えてきたのですが
遂に、最近知り合った方には「マイペースすぎてこわい」とまで云われるようになりました。
トホホですね。まあ、何でも良いんですけど。


だけれどもそんなさなか、
全世界のテンパり女子の気持ちを総括してみようと思ったので日記書きます。



最近はとても忙しかったです。
バンドが活動休止中で別にすることないはずのに、忙しかったです。
こうやって書くと、あたしほんとにバンド以外にすること無い人間、みたいな感じですげえヤダなって、思った。妙齢の女子なのに。


でもつまり、あたしがいつもバタバタしていたのはバンドの所為じゃないって事が分かったよ。
なんだ、これ、ただのこういう仕様か。
ただ、あたしがテンパり侍なだけでしたか。アハハ、アハハ。



・・・ハァ。



ここ最近何をしていたのかと云うと、色々していました。
出会いがあり別れがあり、更にまた出会いがあり別れもあり、そうしてその中でも変わらず周りに居る人たちも居て、
簡単に結論を云うと「人と人との繋がりってSOミラクルですね」と云うことです。
今ならば「いやあ、映画って、本当に良いものですね」くらいの笑顔で、云える(By水野晴郎)



その中で、週4~5回くらいの勢いで、Garrett隼人くんと会っていました。
主に、路上で飲んでた。
ヒーヒズヒムイズムのミーティングもしました。
主に、路上で話し合ってた。
友だちやバンドマンや、色んな人と会いました。
主に、路上で飲んでた。
懐かしい友だちとも会いました。
主に、路上で飲んでた。




えっと、
事件は会議室で起きてるんじゃない、路上で起きていたんだね。




しかしそんな中で思ったことは、
あたしはとてもしつこくて粘着質な性格でそのくせ非常にドライだと云われ単純に性格が悪い、と云われますし、ひどい時には気が違っている、と云われたりもして、
他者がそう思うのならばそれはそうなんでしょうしその評価に対して全く自分が何を云うところではないんだけれども、
それでも、こうやって周りに居る人たちのお陰で本当に色々と、少しずつ自分は変わってきて居るんだな、と云うことです。



勿論、色々定義もありますし礎となるものや場合や方向性にもよりますが
変わらないことも素敵ですし、
変わろうとして変わることも素敵ですけれど、
時には自分が気付かないうちに変わっていたって云うのも、それも素敵なんじゃあないかしら、と思いました。



例えばあの人のこう云うところが好きだな、素敵だな、と思いながらその人と一緒に居たならば、自ずとそう云うところを吸収してゆけるのでしょうし、
例えばこの人のこう云うところが苦手だな、困るな、と思いながらその人と一緒に居たならば、自ずと自分の姿を省みるのでしょうし、
「他人は自分を写す鏡」だと云い、全くよく云ったものだと感心しますが、
あたしには鏡でありながら、水のような、カメラのレンズのような気もします。
良い意味も、そうで無い意味も含めて。



ここ最近の怒濤の全てが終わった後、
「わたしはそんな風に思ったのだ、正誤や結果の話ではなく、今のわたしは、今回に関してはこれを通じてこう思ったのだ。わたしは成長してるよ、確実に、少しずつ」と云うことを
信頼できる人間相手にタイマンで切々と池袋で語っていました(無論、安心と信頼の、路上で)
そうして彼が「まあ落ち着け、気持ちはわかってやりたいが、俺は尿意だ」と云い放ち少し席を外した間、
わたしは非常に酔っ払った男性に、絡まれました。




全力で、無視しました。
丸で、酸素を吸うように、鮮やかに。




それでも近寄ってくる男性、彼は何か色々云いながら隣に腰をおろしたので
全力で、無視しました。
丸で、道路標識を見やるように、なめらかに。




その頃、尿意を終えた知人が戻って来たのですが、
絡んできた男性は「お前、なんだよ、彼氏?彼氏かよ?」と云いながら彼に絡み始めました。

彼は即答で「違う、全然違う。全く違う。違う。」と否定しました。
彼もまた、丸で、酸素を吸うように、鮮やかに。




たとえ本当に恋人でないにしろ、余りにも恋人でないことを「違う、全然違う」と鮮やかに連続で、しかも単語の羅列で否定されると傷つくどころか笑えるなあ、シュールだなあ、と思いつつ、
暫くその不毛な「お前彼氏なんでしょ?そうなんでしょ?この子と付き合ってんでしょ?何なの?この子の何なの?うざいんだけど」「違う、全然違う、全く違う」と云うやりとりを見ていたのですが、


「ねえ、じゃ、ホテル行く?一緒にホテル行く?それとも、俺の部屋行く?」
「俺、今日彼女いないからさ、一人で寂しいからさ、ホテルいこうよ、ね?」


と、わたしにほこさきが向いた瞬間、
わたしはふと、自分が、自分であることを思い出しました。



いくらわたしが変わったとは云え、基本コマンドは「ヨコミゾマリコ」。
生まれた時から今の今まで、まごう事無く誰よりも「ヨコミゾマリコ」です。
誰よりもわたしであるわたしが、わたし以外にはなれないわたしが、
そんなわたしがその時、酔っ払いに云った言葉は










「別に何でも良いんだけど、あたし、男だよ」 でした。











池袋の街角の一角に一瞬走る静寂と云う名の絶句。

距離が段々と近くなり、にじりよって来ていたにも関わらず表情と動作が一気に固まる酔っぱらい。

突然のわたしの言葉に隣で必死に笑いをこらえる知人。











酔「・・・え?う、うそお。そんなわけないじゃん、うそでしょ?だって、こんな可愛いのに・・・え、うそ?ほ、ほんと・・に!?」


私「可愛いって云ってくれてありがとう、すごく嬉しいよ。でも、男なんだ」


酔「・・・え、ええええ・・・?!・・・まじかよ!なんだよ!まじかよ!!男かよ!」


私「ごめん、男なんだ。立とうか?」


酔「いや、いいよ、立たなくていいよ!なんだよ、男かよ!信じらんないよ!」


私「いや、いいよ、立つよ。立ったら多分信じるよ、ほら」


酔「・・・ッ!! ・・・背、でか・・・ッ!背、たかッ!!!!なんだよ、ほんとに男かよ!!」


私「だから、さっきから男だって云ってんじゃん」



















最近あたしが思ったのはね、
こうやって周りに居る人たちのお陰で、本当に色々と、少しずつ自分は変わってきて居るんだな、と云うこと。
ドライだとか性格が悪いとか云われてそれを気にしなくたって、決して自分に満足しているからってわけではなくて、それで良いだなんて思ってはいなくって、
あたしなりに周りの人から沢山を学びたいなあ、学ぶところが多いなあと思って、一生懸命に考えて悩んで失敗してまた考えて、良いか悪いかなんて分からなくって、それでも少しずつだけど進もうとしているし、だけれど前よりも少しは進んできている気がするんだってこと。
その中で変わらないことも素敵ですし、
変わろうとして変わることも素敵ですけれど、
時には自分が気付かないうちに変わっていたって云うのも、それも素敵なんじゃあないかしら、と思ったんだよね。










だけど、
自分の「性別」までは、変えるつもりは、なかった、のになあ。

なあ?

















引き続きショックを受けている酔っ払いと、無表情の私を見かね
「まりこ、もう、帰ろう」とその場から連れ出してくれた彼。
彼は駅へ向かう道中「まりこは、よく、やったよ」と云ってくれた。

あたしはテンパることなく依然と、悠然とただ無表情で

「あたし、試合には負けたけれど、勝負には勝ったよ」

と答えたけれど、

あたしが酔っ払いに「別に何でも良いんだけど、あたし、男だよ」と云い放った時に、彼があたしの後ろで瞳孔が開きそうなくらいに笑いを堪えていたあの顔を、


一生忘れることはないだろう。














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