山と花と旅 Japan Alpine Flowersのブログ

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開聞岳

薩摩富士標高924M

歩程約8キロ 約6時間

予期せぬ花の妖精

純白の猩々袴(筑紫猩々袴)

Mt.Kaimon is in the southernmost tip of Kyushu. A white Shojyobakama was in blossom in March.

開聞岳Mt.Kaimon Kagoshima-prefecture Japan 3月 March

筑紫猩々袴(開聞岳登山道で撮影した白いショウジョウバカマ)

猩々袴  ショウジョウバカマ  Shojyobakama  Heloniopsis orientalis  Japanese Hyacinth
飯豊山麓の赤い猩々袴

大雪山全域で撮影した薄紫色の猩々袴

 

大雪山中岳温泉の白い猩々袴

尾瀬の猩々袴

2024年の今から17年前。64歳の時。平成19年3月18日。鹿児島空港に着いたその日に高千穂峰に登った。標高1574m。歩程約5キロメートル。登下山約3時間30分。晴れ渡った山頂に日章旗がひるがえっていた。翌3月19日に「韓国岳」「獅子戸岳」「新燃岳」「中岳を縦走した。稜線では小雪が吹きつけた。ミヤマキリシマのつぼみは固く、小枝に雪の花が咲いた。寒かった。春の花に出会うことはできなかった。「指宿温泉」で太ももをもみほぐした。ふくらはぎやひざの痛みは残った。3月20日。九州3日めの今朝は、朝食6時45分。ホテル前の海辺にはブーゲンビリアが咲いている。前日までと違って、温かい。適度な湿度もある。7時30分に「休暇村指宿」を出発した。バスは薩摩半島南端の海岸線を走行する。凹凸の激しい地形の中に民家がある。赤松が多い。蘇鉄がある。照葉樹がある。「開聞山麓ふれあい公園」で下車した。ふれあい公園には寒緋桜が咲いていた。くさむらにキンポウゲが咲いている。登山口の広場から開聞岳の全景が見えた。広場に大きな山桜があった。満開だった。山岳ガイドは開聞ガイドクラブの方。気さくで明るい女性だった。広場でストレッチをした。登山口は標高120m地点。標高差800mを登る。8時30分に登り始める。青木の赤い実が目に入る。アセビ。ヤブツバキ。ヒトツバタゴ。シロダモ。タブノキ。ミヤマシキミは白い花を咲かせている。照葉樹が多い。登山道を登り続ける。ヤンバルの森で見かけたような草木が目立つ。高千穂峰や韓国岳とは違った植相である。円錐形の開聞岳。巻くようにして登山道が続く。傾斜のある登山道が続く。「これはイズセンリョウ。これはアリドオシ。」登山ガイドが説明してくれる。アリドオシの緑の葉にまっ赤な実が引き立っている。スミレが咲いていた。ハクサンボクがあった。フユイチゴが赤い実をつけていた。シュスランがあった。1時間くらい登る。薩摩半島の最南端。長崎鼻がかすんで見えた。照葉樹の巨木にノキシノブが寄生している。大岩にマメズタが巻きついている。「開聞岳は二重式火山です。数千年前の爆発で開聞岳ができました。2回目の爆発で高くなりました。7合目付近。 裂け目付近が境目です。」「おやっ。純白のかわいい花。」ショウジョウバカマだった。登っていくと、また、白いショウジョウバカマ。7合目付近から9合目付近の登山道近くに20株くらい。純白のショウジョウバカマが咲いていた。緑の葉が水に濡れて光っている。こぶりでかれんな白い花。「ああ、これがツクシシヨウジョウバカマなのかな。」うれしかった。感動した。雪深い東北の山地。雪融けとともに開花するまっ赤なショウジョウバカマの花。その名のとおり猩々色である。北海道大雪山一帯のショウジョウバカマは薄い黒紫色。妖艶だった。大雪山中岳温泉近くにたった1株純白のショウジョウバカマがあった。「開聞岳のショウジョウバカマは白です。大隅半島のショウジョウバカマはピンクや白です。九重連山のショジョウバカマは淡いピンクです。」九州各地には白を基調にした筑紫猩々袴があるようだ。九州最南端の開聞岳で、北国の高山植物だと思いこんでいたショウジョウバカマに出会えるとは。意外だった。しかも、ことごとくが純白のかれんな花。はるばると九州最南端まで登山にきてよかった。今回も心満ち足りた山旅となった。ツルリンドウやホトトギスも見かけた。北国の野草と思っていたツルリンドウも開聞岳に自生している。百聞は一見にしかず。山旅の楽しさである。登山開始から2時間40分。11時20分。開聞岳山頂に立った。眼下に九州の海が見える。山頂の岩盤の上で昼食をとった。1時30分に下山した。登山口付近のキンポウゲを撮影した。くさむらに咲く黄色鮮やかな花。別名ウマノアシガタ。近年減少しているようだ。「おやっ。ヒメイチゲかな。」道端にかれんな花が咲いていた。ヒメウズ。1属1種。始めて見る花だった。うれしくなった。「開聞岳登山証明書 本日あなたは、日本最南端の地にそびえる秀麗『開聞岳』(標高924m)の頂上を踏破し、その足跡を印したことを証明します。指宿市長」。かいもん山麓ふれあい公園で、開聞岳登山証明書を発行してくれた。休暇村指宿」で指宿温泉につかった。疲れを癒し、着替えた。預けていた荷物を引き取り、大きなリュックに詰めた。鹿児島空港で夕食をとった。日本航空1878便は、19時45分、鹿児島空港を離陸した。一行16人は羽田空港から、関東各地、それぞれの自宅に戻った。遠く岩手から来たご婦人もいた。夜行バスで岩手に着くのは、翌日。21日とのことだった。