今年も豊川稲荷へ行ってきました(`・ω・´)
昨年も参加させていただいた仏教講座〜。
昨年に続き
テーマは『正法眼蔵随聞記に学ぶ』
【講師】
角田 泰隆 老師
【肩書き】
常圓寺(長野県伊那市)28世住職
駒澤大学 仏教学部 禅学科 教授
教科書は『道元と生きる 正法眼蔵随聞記』角川ソフィア文庫
という内容(`・ω・´)
この講座は『7月23日固定』という定例行事なので、今年は年次有給取得で参加⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
【移動】
結果、特にトラブルなく豊川に到着⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
講座のスケジュール\_('ω' )コウデス
開式の法要は新築の本堂で〜
新しい木の香りに包まれ、なおかつ[空調完備]←重要 という本堂。
ちなみに従来のご本尊様は、新しい御本尊様の体内仏として納められている、とのこと。
新しいご本尊様は千手観音様。
西国5番札所の葛井寺と同じ『腕が1000本』の御姿。
この御姿の千手観音様は珍しいですね⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
今回の講義の重点は
『出家とはなんぞや?』
『僧侶とはなんぞや?』
という感じの話。
【午前の部】
僧侶のシンボルアイテムとして『袈裟』を特に取り上げられていて。
実際に講師の先生が着用されているものを見せていただけました。
ちなみに僧侶の着用している『黒い衣』は、厳密には衣ではなく『直裰(じきとつ)』という羽織のようなものっぽい。
僧侶の衣は正式なものが『糞掃衣(ふんぞうえ)』で、『俗世の人が使い道がないと判断し、廃棄した布』を繋ぎ合わせたもの、と定義されているとのことで、これが袈裟だそうです。
袈裟の名称で共通する『條』というものは『縦の升のライン』の数で。
9本(九條)以上の袈裟が『大袈裟』と呼ばれる儀式用
7本(七條)以下の袈裟が普段使いor修行僧
みたいな位置付けとのこと。
升の配列は
『短・長・長』
『長・長・短』
『短・長・長』
となっていて
・奇数である
・上下のどちらかの升は必ず短い
という構造である、とのこと。
『僧侶にとっての清浄な衣』というのは『一般人が使い道がないと判断し、廃棄した布』であるため
『より利用価値の低い小さな布』を繋ぎ合わせて作った衣=條が多い
という理由から、條の数が多いものほど格の高い衣という仕様であるそうで…
細かい方が作るのが大変=格が高い、みたいな作業工数や部品点数に基づくものではない模様。
ちなみに講師の先生の袈裟は全て手縫い。
『利用価値の低いもので作った方が格が高い』というようなら話でしたが…
これ、糸は長いもの(=利用価値の高いもの)を使ってるんでしょうか…?
と思って全体を細部まで確認しましたが、糸は長いっぽい。
※触ってOKとのことなので、糸の細部を確認した
触ってみた感じ、1mくらいの糸で並縫いしてる印象。
半返し縫いなどではないようなので、一ヶ所切れるとかなりの範囲がほつれるんじゃないでしょうか、これ…
ちなみに裏地は普通に大きな布でした( ॑꒳ ॑ )
袈裟の模様に関しては、密教などだと寺紋とか宗紋をよく見ますが…
こちらの袈裟は『山』がパッチワーク的な感じで縫い付けられていました。
特に宗教的な深い意味があるわけではなく『自然』を現すモチーフにして、山が無難であるため、みたいな理由とのこと。
袈裟の縁取りの最外周は補強の為か、縫い目が1本多くなっていますね。
袈裟の表面を確認したら、刺子になってました。
全面が刺子って…((((;゚Д゚)))))))
手縫いで成人男性の全身を覆えるような布に…
いったい何週間かかるんでしょうか(^◇^;)
パッチワーク的な感じで縫い付けられていた『山』ですが、剥がれな難いように糸が露出を抑えて、かなり細かく縫い付けられている印象。
ただ、布をそのまんま切って縫い付けてるだけで、折り返してはいないようで…
布の端っこがモサモサって感じになってますね。
擦れやすい部分であるためか、ボタンホールステッチが施されていました。
布の紐自体は並縫いで袈裟に縫い付けられているようで…
あんまり引っ張ったりしない想定なのか、高負荷の際には糸の破断で生地を守り、補修するという設計コンセプトなのか、判断に悩むところですが…シンプルな仕上がりですね。
※紐の取り付け部分などは半返し縫いなどで×字に縫って補強するのが一般的
仕上がりを観ると、僧侶の袈裟は死装束とは異なり、玉結び&玉止めがされていました。
※死装束は『死者が現世に想いを留めないように』などの意味で玉結びや玉止めを行わずに縫って作ったりする(地域差あり)
その他にも、禮拝に使用する座具(拝敷)も見せていただけました。
こちらは袈裟のように小さい布を集めたものではなく、一枚布がベースですね。
縫い方などは袈裟と同じようです。
ちなみに使用方法は
・そのまま広げて使う
・片裾折り(Z折り)で使う
の2通りとのことでした。
※片裾折り=A3の紙をA4ファイルに綴じる時などによく見かける折り方。
どうやら座具は『片裾折りにした際、模様が+になる様に出来ている』という仕様の様です( ॑꒳ ॑ )
ちなみに、袈裟も座具も全てが刺子になってる理由は不明。
模様を兼ねた補強かなぁ…?
地域によっては『縫い目が多い=目が多い=魔除け』とか、糸で空間が出来るから保温性UPとか、いろいろ意味はあったりしますが…
こんな感じで、袈裟の構造や縫製について、講座参加者のお姉様方と観察&ガチ議論したりしておりました(笑)
趣味の手芸ガチ勢は話が合います⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
【午後の部】
『仏教で最も重要なこと』に関する講義でした。
鳥窠禅師と白楽天の問答
Q.仏教とは何か
A.悪い事をせず、善い事を行うこと
白楽天「そんなことなら三才の子供でもわかる」
鳥窠禅師「三才の子供でもわかるが、八十才の老人でも難しい」
という話を軸に
「当たり前に知っていることでも、当たり前に行うには難しい」
ということを説かれました。
『善行』については
僧侶の善行とは
『ただひたすら修行すること』
であるというお話があり、その具体例として
『親しい身内が結婚した』
という状況において、身内である僧侶から贈れる最大の祝福とは
『ただひたすらに修行に打ち込む』
であって
『式典に出席したり、祝いの言葉を述べたりすること』
はない
というお話がありました。
このあたりは
僧侶というのは『出家した身』であり
『世俗の価値観とは異なる』
という存在
という視点が重要という話ですね( ॑꒳ ॑ )