【お遍路のルール】

お遍路さんは橋の上で杖をついてはならない



【理由】

弘法大師さまが橋の下で休んでおられるから



【疑問】

『暗渠』にどう対応するべきか。

『目に見えるものにのみ対応する』ということは巡礼者として正しいか。



【定義】


[暗渠の定義]

地下に埋設された河川や水路。


[補足]

地下水脈は含まない。

人が入れる(マンホールが付いてる)くらい大きな土管が使われているもの暗渠に含まれる。


[建築的な橋の定義]

河川、渓谷、湖沼、海峡あるいは他の道路、鉄道、水路等の上方にこれらを横断するために建設される構造物。


[国内の橋の一般基準]

橋の定義を満たし、総長2m以上のもの



【結論】


弘法大師さまが

暗渠の中でお休みになられている

と思うか否か、自己判断。



【考察】


建築の定義では『横断するため』とされている。

このことから『横断』を目的としない暗渠は橋ではないと思われる。


例.道路拡張のため、川に蓋をするカタチで設置された暗渠


これは川を『縦断する』ためのものなので定義として『橋ではない』ということになると思われる。

明確な定義はされていないものの、おそらくは『蓋』とか、そんな感じの扱い。



[一般基準]

国内の一般基準では橋というものは、総長が2m以上とされる。

つまり、横断を目的とする構造物であっても2m未満は『橋』とはカウントされない。

例.家に出入りするために水路に架けられた0.5m程度の石の板


そのため、側溝の蓋などの2mに満たないものは『橋ではない』ということになる。



[補足]

現代のものは車両の通行を前提とした定義であり、橋は平面であることが前提になっている。

そのため、太鼓橋のような立体的に湾曲した橋は

・起点〜終点までの平面距離

・立体的な道のり距離

どちらで計測するのかは定義されていない模様。

※アーチ橋で有名な山口県岩国市の錦帯橋は地図上の平面距離表記のようです。



[暗渠は四国お遍路道にあるのか]

地形図などを参照する限り、都市部にはある模様。


四国に限らず、暗渠は基本的に工事や点検などの作業員以外が行く用事はほぼない場所のため、生き物が豊富で

・川の生き物獲って食べる系YouTuber

・自然観察系YouTuber

といった方々が入っている動画が確認可能。


おおよそ、河川が交わる土手などから川を遡る形で容易に侵入できる構造が多い…?




[一般呼称と定義の擦り合わせ]

マンホールを通って侵入する必要のある大きな地下水路なども暗渠とされる。


この辺りを考え始めると

『人が通れる大きさの空間がある』

『出口と入口となるところが複数ヶ所存在する』

『人工物である』

くらいの広い定義になりそうな気もするものの

・地下鉄

・山のトンネル

・防空壕

などの『下に向かって穴を掘り、地下に空間を作った』という構造物は暗渠とは呼ばれない。


このことから

『露天掘りをして、構造物を埋め、蓋をした』

『予め存在した凹みに蓋をして、平らにした』

というのがポイントになりそうな印象を受ける。


ただ、大規模な地下鉄駅などの工事の例にあるような

深さ数十m、周囲数百mという巨大な空間を露天掘りし、線路や駅などの構造物を埋設する

という場合、それは『暗渠』なのか、『駅やトンネルの屋根』なのかというあたりの定義は不明。




[まとめ]

素人の主観に基づいて

『暗渠の上で杖をついてはならない』と主張することは難しい

という印象。


『弘法大師さまはマンホールの中にお入りになり、下水道管の中でお休みになられている可能性が存在する』

と認識しているなら

『暗渠のうえで杖をついてはならない』

という主張するのも正解ではないかな、と。



〜余談〜

お遍路さんが持っている金剛杖=弘法大師さま


金剛杖の杖先が傷んでもナイフなどで削ってはならない=杖先は弘法大師さまの足だから


弘法大師さまが『橋の下で休んでおられる』から、杖を突いてはならない。



つまり、お遍路さんルールとして説かれている事を文字通り当てはめると

「弘法大師さまは、ご自身の足音が煩くて休めない」

ということに???( ̄▽ ̄;)