『魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えよ』
というわけで、私なりの旅の計画の作り方をまとめました。
私は西国三十三所の先達なので
【西国三十三所を巡る】
をテーマに説明していきます(・ω・)ノ
西国三十三所の札所は四国八十八ヶ所と違って順番に並んでいないので、組み合わせは無数にあり、パズルのような感じになります。
もし、下記の内容を『めんどくさい!』と思う場合は、マイカーや旅行会社のツアーをお勧めします(´・ω・`)
◆手順1【目的地を決める】
目的のない ぶらり旅、って場合を除いて、旅には目的地があります。
テレビで観た,雑誌で読んだ,ブログで読んだ,きっかけは何でも良いのですが、とにかく目的地を決めます。
目的地を決めたら、公式サイトや観光協会などで
・営業時間や行事の開始時間
・入園料などの必要料金
・住所
・アクセス方法
を調べます。
場合によっては公式サイトだけではなく、地元の観光協会や公式のブログ,Twitter,Facebookなどに情報がないか?もチェックして、行事の情報を仕入れます。
とはいえ、やはり基本の情報収集は公式サイト。
西国三十三所の公式サイトから、各札所の公式サイトへのリンクがあるため、活用して情報収集します。
◆手順2【日程を決める】
行事に合わせるのか、自分の休みに合わせるのか。
前泊するのか、後泊するのか、何日滞在するのか。
これを決めることで、ようやく旅の計画を考えることが出来ます。
◆手順3【鉄道以外の交通手段の要不要を調べる】
公式サイトのアクセス情報から、最寄り駅を調べます。
今回は西国三十三所の33のお寺全てを対象にします。
施福寺のようにバスが必須の札所もありますので、まずは鉄道以外の交通手段が必須の札所をリストアップ。
そうすると
・青岸渡寺
・施福寺
・壺阪寺
・岡寺
・岩間寺
・善峯寺
・穴太寺
・勝尾寺
・播州清水寺
・一乗寺
・圓教寺
・成相寺
・宝厳寺
・長命寺
・観音正寺
・華厳寺
となります。
地図アプリを使い、最寄り駅〜札所までの距離を調べて
『自分が歩いても良い距離』
『歩ける許容範囲の距離』
といった感じの距離にある札所を抜き出します。
私の場合だと
・壺阪寺
・岡寺
・穴太寺
・観音正寺
・華厳寺
が『徒歩で行くのも可』という範囲。
このあたりの許容範囲は体力や経験により個人差が大きくなりますので、自分の体力や体調はもちろん、予定日の天候などとも要相談。
時間に余裕があるのであれば、ブログなどで体験談を探す,地図アプリで勾配を調べるといったことも有効です。
なお、例外として松尾寺のように『距離はあるが、バスが存在しない』というパターンもあります。
体力に自信がある場合は『レンタサイクルを使う』という選択肢を取れるので、もっと多くの札所が対象となる可能性もあります。
◆手順4【交通アクセスの難易度分けをする】
手順3で分類した札所のうち、徒歩の許容範囲に
・あがらなかった所は『難しい』
・あがった所は『やや難しい』
といった感じに分類します。
次に『難しい』に分類した札所へのバスの時刻表を調べて
・バスがない
・バスの本数が少ない
・バス→バスの乗り継ぎがある
などのお寺を『とても難しい』
逆に、バスの本数がとても多いお寺は『やや難しい』
に分類します。
私の場合だと
・青岸渡寺→やや難しい
・施福寺→とても難しい
・壺阪寺→やや難しい
・岡寺→やや難しい
・岩間寺→とても難しい
・善峯寺→やや難しい
・穴太寺→やや難しい
・勝尾寺→とても難しい
・播州清水寺→とても難しい
・一乗寺→とても難しい
・圓教寺→やや難しい
・成相寺→難しい
・松尾寺→とても難しい
・宝厳寺→難しい
・長命寺→やや難しい
・観音正寺→やや難しい
・華厳寺→やや難しい
となります。
逆に、六角堂,総持寺,中山寺,葛井寺などの駅から近い札所は『易しい』に分類します。
手順5【目的地をエリアや路線毎に分類して組み合わせる】
例えば
・紀三井寺
・粉河寺
は近いので1セット。
施福寺と葛井寺は最寄り駅の路線が同じ(厳密には別路線ですが、直通運転されている)なので、1セット。
善峯寺と穴太寺は嵐山経由で乗り換え出来るので1セット。
そんな感じで地図や鉄道路線図と睨めっこしながら、セットを組んでいきます。
組み合わせの優先順位は
とても難しい札所→やや難しい札所→分類していない札所
という感じで行います。
『易しい』に分類した札所は
「何処とでも組み合わせられる」
という利点がありますので、セットは組まず、一旦除けておきます。
まず『とても難しい』を優先し、1日の計画立案の軸にします。
そうしないと『とても難しい』だけが残って、組み合わせられなくなる可能性が高くなります。
結果、交通費も余計に必要となりますし、満願までの必要日数も増えてしまう事にも繋がるので注意。
◆手順6【1セットあたりの所要時間を調べる】
特にバスのダイヤは季節や月によって変わる事も変わることも多く、イベント時などは臨時ダイヤなどもあります。
乗り換え検索に出ない便などもあるため、必ず交通機関会社の公式サイトの時刻表や検索を使用して検算します。
ちなみに西国三十三所は
などで鉄道やバスの時刻表が調べられます。
なお、高速バスも予約なしで現金で乗ることも出来ますが、通常の路線バスとは違い『着席が義務』であるため、満席だと乗車できないので高速バスネットで席の空き状況を確認したり、予約したりすると安心。
◆手順7【セット同士を組み合わせ、分解して組み直す】
1セット毎の時間が把握できたら、次はセットとセットを組み合わせて、その隙間時間を『易しい』に分類した札所で埋めて行きます。
例えば、善峯寺と穴太寺のセット。
組み合わせとしては
・善峯寺とJRの路線が同じ 総持寺
・嵐山で乗り換え→天神川で乗り換え→六角堂や&革堂
などがあります。
革堂の最寄り駅の市役所前駅は、醍醐寺の最寄り駅と路線が同じなので、そちらの方へ行く選択肢もあります。
三室戸寺は一番近い札所が醍醐寺なので、醍醐寺とセットにしたくなりますが、計画の真ん中に組み込めない場合は1日の計画最後や最初に行けば良いわけですから、組み合わせ次第で色々な選択肢があります。
善峯寺と穴太寺のセットを分解して
・三室戸寺→醍醐寺→革堂→六角堂→穴太寺
・善峯寺→総持寺→勝尾寺
という感じで組み直してしまうのも一つですし。
そうやって、組んでは分解し、分解しては組み直し。
時間を試算して、日程とダイヤを考慮して。
三歩進んで二歩下がるの精神で分解と再構築を繰り返します。
これが正解があるのかどうかの解らないパズルみたいなもので
『マイカーで行けばいいじゃん』
『ツアーで連れて行って貰えば良いじゃん』
という気持ちがあると、この繰り返しの途中で心が折れることも(´ω`)
最終的に、時間もお金も効率良く公共交通機関で巡礼できるかどうかは、閃き次第(・ω・)
なお、これを繰り返すと
・どの札所は、どの交通機関が最寄りか
・札所間のアクセス方法と大体の時間
くらいはサッと思い浮かぶようになり、急に予定を変える時などでも柔軟に対応できるようになります。
◆手順8【お得なきっぷを探す】
手順7でプランを構築したら、最後は『出来るだけ安く!』でしょう。
これは鉄道会社やバス会社などのサイトを見て回ります。
西国三十三所だと
JRグループの青春18きっぷ
JR東海の南紀・熊野古道フリーきっぷ
近鉄の近鉄週末フリーパス
京都市営地下鉄・バスのフリー乗車券
丹後陸海交通のお得なチケット各種
といったあたりが定番でしょうか。
スルッとKANSAI加盟交通機関のお得な乗車券にも色々載ってますので、ご参照ください。
その他にも、季節物のイベントきっぷなどがある場合がありますから、そのあたりも要チェック。
ちなみにJR西日本はお得なきっぷが多いので、結構便利だったりします。
よく勘違いされますが『お得なきっぷ』は『交通機関の運営会社』が公式で販売している物です。
《ぷらっとこだま》のような『ツアー会社でチケットのみ手配する』タイプとは違います。
『特急に乗れない』
『指定されたエリア内でしか使えない』
『特定のエリアでしか売っていない』
『前売り限定』
『特定の期間しか販売していない』
など、利用や販売に条件や制限が付く代わりに、安いのが『お得なきっぷ』です。
ここで交通費を優先し、お得なきっぷを基準にして計画の組み直し、ということもあります。
お得なきっぷ重視の旅か、目的地重視の旅か。
これは個人差がありますが、交通費の安さを重視する場合は手順7と手順8は入れ替えるのもアリです。
◆まとめ◆
最終的に出来上がるのが西国三十三所 乗り換えプランみたいな感じのものです。
これに
・お得なきっぷに拘らない
・宿泊あり
という条件を追加するなら発願から満願まで10日くらいですね。
一度 叩き台となる計画を作ってしまえば、後はダイヤ改正などで更新していけば長く使えます。
ただし、叩き台を作るのには調べる手間と時間がかかります。
◆宿泊について◆
使いやすい価格帯の大手チェーン店のホテルは
あたりですね。
全国に店舗がありますので、便利です。
チェーン店のため、何処のホテルでも基本は同じなので
・旅の楽しみになるような、宿の個性がない
・ベストではないけど、万人向けのベターな宿
という点で、賛否が別れる感はありますけれども(´ω`)
ちなみに東横インは会員(年会費無料)になると宿泊割引があり、10泊すると1泊無料になります。
◆余談◆
私は全てタブレット(iPad)でダイヤを調べて、試算しています。
使っているアプリは
・Webブラウザ
・メモ帳
・Googleマップ(最近はYahoo!マップも併用)
という、パソコンやスマホならほぼ100%入っている基本的な物だけで、特別な物はありません。
やる気と時間があれば旅の計画はいつでも何処でも作る事が出来ます(・ω・)ノ