情報は漏れなく正確に

情報は漏れなく正確に

仕事で伝えるべきこと。どうやって簡潔にまとめる?

看護師の申し送りは、2交代や3交代制のシフト勤務をする看護師が入れ替わるタイミングで行われる。
申し送りには、情報の伝達や共有という目的があるため、限られた時間の中で患者さん一人ひとりの状態を引き継ぐ看護師へ伝えるわけだが、どのぐらいの時間をかけるのが一般的なのだろうか。

申し送りにかける時間は、どの規模の病棟でも約20分から30分程度に限定されていることが多い。

その理由は、それ以上の時間をかけてしまうと、看護師の日常業務に影響が出てしまうからだろう。患者数が多い病棟では、この時間内により多くの患者さんの申し送りを行うことになる。そのため、てきぱきと簡潔に患者さん一人ひとりの状況を説明することが必要だ。

この申し送りの作業に関しては、どの職場でも時間がかかりすぎると感じる看護師はとても多い。情報を伝達する目的で行うなら、テクノロジーを導入したり工夫することによって時間短縮を測れないかと模索する病棟もある。


時間短縮法として多く用いられている方法は、申し送りのテンプレート化だ。

フリーなフォーマットで記入するよりも見やすく、誰が記入してもテンプレートが同じなら理解しやすいというメリットが期待できる。また、申し送りのデジタル化も推進されており、紙に書くよりも効率的だと好評だ。

近年では、職場内SNSを活用して、担当する患者さんの状況や状態をリアルタイムで発信するという方法を採用している職場もある。今後は、申し送りの方法が多様化していくことが期待されることだろう。

看護師の申し送りは、上手な人もいれば苦手だという人もいる。申し送りの途中で話の腰を折られたり、突っ込まれたりすると、苦手意識がさらに強くなってしまうこともあるだろう。
そうならないためには、申し送りをスムーズに進められる3つのポイントを知っておきたい。

1つ目のポイントは、時系列に沿って客観的事実のみを伝達するという点だ。

時系列に沿っていると、聞いた側は理解しやすいし、状況を把握しやすくなる。そして客観的事実のみを伝えることによって、必要な情報のみが簡潔そして明確に伝わるため、申し送り中に質問されることが減るだろう。


2つ目のポイントは、必要な情報は漏れないようにしっかり伝えるという点だ。

申し送りの記録として残っていても、口頭で伝えていなければ、後任看護師に正確な状況が伝わったかどうかが分からない。そうしたトラブルを未然に防ぐためには、必要な情報を洩れることなく簡潔にまとめ、申し送りで伝えるのが賢明だ。


3つ目のポイントは、普段から信頼を得られるような仕事を心がけるという点だ。

これは申し送りという作業には直接関係ないものの、普段から責任をもって職務を遂行する看護師だと思われていれば、申し送りで細かい点が抜け落ちていても、突っ込まれて先に進まないという事態は回避できるだろう。
もし突っ込まれても、信頼のある看護師なら、「後ほどメモを見て回答します」という回答でも問題ないケースは多い。

また申し送りで注意を受けたら、真摯に受け止めて同じミスを繰り返さないよう気を付けることも大切なポイントだ。