地震を予知する人、予測しようとする人は多い。
でも、地震を止めれる人は…

もし、地震を予知、予測はできないが、
止めれる人がいたら

私はそれができる人を1人だけ知っている。
最初は偶然だと思っていたそうだ。
彼の行く場所には大きな地震は発生しなかったらしい。
ただここ最近の地震ではそのジンクスは無くなり、遭遇することになったという

そして彼は地震が起こった時に、試してみたそうだ。
すると地震は瞬く間におさまっていったらしい。

当然、1回くらいでは偶然かもしれない。
だが2回目は思いのほか早く来た。
彼は試してみた。
するとまた地震は瞬く間に止まっていった。

不思議なことに、彼はそれができることを昔から知っていた気がしていたらしい。
地震に遭遇するようになったが、止めれることに確信に近いものを得た彼は、
1人の女の子にその力を少し与えた。
短い呪文とともにどうすれば良いのかを伝えたそうだ。

地震を予知、予測する人はニーズがあるだろう。
だが地震を止めれる人は何の価値も無い。
何故なら、地震が起こってから彼が止めたところで、誰も彼のおかげで止まったとは思わないからだ。
それどころか、地震を止めれると公言した途端、狂人扱いされることになるだろう。

彼は力を与えた女の子にだけ内緒で伝えたそうだ。
絶対誰にも言っちゃいけないよ と。

彼は言う。
「きっと内緒って言っても喋ってると思うし、
自分が地震に遭遇しているのを知って、女の子のお母さんや周りの人達は、自分を嘘つきで頭がおかしくなったと思っていることだろう。
でも、最後の別れの時だった。あそこであの女の子に力を与えて言わなければいけなかった。そしてこれはハッキリと言えない。」

私は彼に、なぜ別れるんですか?と尋ねると
彼は、
「婚約者の気持ちが変わったから…。それだけです。」

彼には時間が無かった。そして言いたくても言えないことだったんだろう。
確かに、もし私が彼の立場であれば、結婚する予定だった者と別れるわけなので、辛い以上にこれから来る地震のことを考えるだろう。
そして彼女さんは何も知らないのであれば、女の子にだけ伝えて力を与える。
それが愛する者を陰から守る唯一の方法だからだ。
私は彼の深くて悲しいほどの愛を感じた。


他にもいろいろインタビューしたが、
書き切れないほどいっぱいあり過ぎて…

「いろんな愛の在り方がある。」
彼はそう言って去って行った。

愚かであさましい人間が多い中、これほどピュアな人間と出会ったことは無かった。