今回はネットワークについてのブログ最終回となる5回目になります。

まだ1回目〜4回目を読んでいないよという方は以下のリンクからアクセスしてみてください!

 

 

 

 

 

 

ネットワークの基礎知識

ネットワークを勉強していく上で入門書で必ず登場するものを紹介します。

どれもコンピューター同士が通信を行うために必要な技術・知識になるので是非覚えてみてください!

 

・通信プロトコル

・OSI参照モデル

・IPアドレス/サブネットマスク

・MACアドレス

・DHCP

・ネットワーク機器とその役割(ルーター/スイッチ)(今回の内容)

 

ネットワーク機器とその役割

今回はネットワークを構築する上で欠かせない機器について、

代表的なネットワーク機器であるレイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチ、ルーターの3つを紹介します。

 

 

レイヤ2スイッチ

OSI参照モデルの第2層であるデータリンク層までを使用して通信を行うスイッチです。

レイヤ2スイッチはLayer 2 Switchの略であるL2スイッチと呼ばれることもあります。

 

レイヤ2スイッチは接続されている機器のMACアドレスと、機器がスイッチのどのポートに接続されているかの情報を記録しています。

このMACアドレスと接続ポートの対応情報をMACアドレステーブルといいます。

 

データを受信したレイヤ2スイッチは宛先MACアドレスの情報を使用して、

MACアドレステーブルから宛先となる機器がどのポートに接続されているかを判断します。

 

宛先となるMACアドレスがMACアドレステーブルに登録されている場合は対応するポートのみにデータを送信します。

 

また、レイヤ2スイッチにはVLANという仮想的にネットワークを分割する機能を持つものがあります。

ポート1,2がVLAN10、ポート3,4がVLAN20といったようにポートごとにグループ分けをすることで、

ブロードキャストドメインを分割することができ、あたかも複数のスイッチでネットワークが構成されているような状態になります。

 

レイヤ2スイッチではVLAN機能によりネットワークを分割することはできますが、分割したネットワーク間(VLAN間)で通信を行うことができません。

 

レイヤ3スイッチ

OSI参照モデルの第3層であるネットワーク層までを使用して通信を行うスイッチです。

レイヤ3スイッチはLayer 3 Switchの略であるL3スイッチと呼ばれることもあります。

 

レイヤ3スイッチはレイヤ2スイッチの機能に加え、異なるネットワーク間でも通信を行えるようにルーティングと呼ばれる機能を持っています。

 

同一ネットワークでの通信であればOSI参照モデルの第2層であるMACアドレスを利用して通信を行いますが、

異なるネットワーク間での通信となるとIPアドレスを使用する必要があります。

 

レイヤ3スイッチは第3層に対応しているためIPアドレスの情報をもとに通信相手の特定をすることができるというわけです。

 

また、レイヤ3スイッチではレイヤ2スイッチでは行えなかったVLAN間での通信が行えます

これはVLAN間ルーティングと呼ばれる機能を持っているためです。

ルーター

OSI参照モデルの第3層であるネットワーク層までを使用して通信を行う機器です。

ルーターはWANとの接続に使用されています。

 

現在では機能的にルーターとレイヤ3スイッチは明確に区別しなくなってきていたりしますが、

ルーティングをソフトウェアで処理しているものをルーター、ハードウェアで処理しているものをレイヤ3スイッチというように呼び分けることもあります。

 

他にはルーターはマルチプロトコルに対応しているのに対し、レイヤ3スイッチはTCP/IPのみなどの違いがあります。

 

参考:はじめてでもわかる 今どきのL3スイッチ(前編)

おわりに

いかがだったでしょうか?

全5回にわたりネットワークについてご紹介してきました!

 

IPアドレスなどの聞いたことのあるものから、OSI参照モデルやDHCPなど聞き慣れないものもあったと思います。

このブログを読んでくれたみなさんが少しでもネットワークに興味を持っていただけていたら幸いです。

 

 

 

 

全5回を予定しているネットワークについてのブログの4回目になります。

まだ1回目〜3回目を読んでいないよという方は以下のリンクからアクセスしてみてください!

 

 

 

 

 

 

ネットワークの基礎知識

ネットワークを勉強していく上で入門書で必ず登場するものを紹介します。

どれもコンピューター同士が通信を行うために必要な技術・知識になるので是非覚えてみてください!

 

・通信プロトコル

・OSI参照モデル

・IPアドレス/サブネットマスク

・MACアドレス

・DHCP(今回の内容)

・ネットワーク機器とその役割(ルーター/スイッチ)

 

DHCPとは?

前回までで通信を行うためにはIPアドレスとMACアドレスの2つのアドレスが必要になるということをご紹介しました。

MACアドレスはネットワークインターフェースに元から割り当てられているので自分で設定する必要はありませんが、

IPアドレスは利用するネットワーク環境に合わせて設定を行う必要があります

 

ここで、ご自宅でPCやスマートフォン、ゲーム機などをLANに繋ぐための設定をしたことがある方は

「IPアドレスの設定? そんなの自分でやったことないよ」と思うでしょう。

 

実はこれ、IPアドレスが自動で設定されているからなんです!

 

このIPアドレスが自動で設定される仕組みのことをDHCPといいます。

DHCPはDynamic Host Configuration Protocolの略で、ネットワークに必要な基本的な設定を自動的に行なうためのプロトコルです。

 

DHCPの登場人物は主に以下の2つです。

 

■DHCPサーバー

IPアドレスなどのネットワークの基本的な設定内容を管理する機能、またはそれを実行しているサーバーのこと

DHCPクライアント(後述)からの要求によりIPアドレスなどの払い出しを行う。

(一般家庭ではルーターがDHCPサーバーの機能を備えている場合が多い)

 

■DHCPクライアント

DHCPを用いて、ネットワーク上のDHCPサーバーからIPアドレスなどの基本的な設定を取得し自動で設定する機能、

またはその機能を有するコンピューターのこと

 

 

DHCPの仕組み

DHCPクライアントがDHCPサーバーからIPアドレスなどを取得し自動で設定を行うまでに、

以下のような流れで通信を行います。

 

【DHCPの流れ】

1.DHCP Discover:DHCPクライアントからDHCPサーバーに対してIPアドレスの払い出しを依頼

 送信元IPアドレス:0.0.0.0

 宛先IPアドレス:255.255.255.255 

 送信元MACアドレス:DHCPクライアントのMACアドレス

 宛先MACアドレス:FF:FF:FF:FF:FF:FF

 

2.DHCP Offer:DHCPサーバーからDHCPクライアントに対して割り当て可能なIPアドレスを送信

 送信元IPアドレス:DHCPサーバーのIPアドレス

 宛先IPアドレス:255.255.255.255 

 送信元MACアドレス:DHCPサーバーのMACアドレス

 宛先MACアドレス:DHCPクライアントのMACアドレス

 

3.DHCP Request:DHCPクライアントからDHCPサーバーに対して割り当てられたIPアドレスを使用することを通知

 送信元IPアドレス:0.0.0.0

 宛先IPアドレス:255.255.255.255(またはDHCPサーバーのIPアドレス)

 送信元MACアドレス:DHCPクライアントのMACアドレス

 宛先MACアドレス:FF:FF:FF:FF:FF:FF

 

4.DHCP Ack:DHCPサーバーからDHCPクライアントに対してIPアドレスの使用を承認

 送信元IPアドレス:DHCPサーバーのIPアドレス

 宛先IPアドレス:DHCPクライアントのIPアドレス(3.で通知されたIPアドレスが設定される) 

 送信元MACアドレス:DHCPサーバーのMACアドレス

 宛先MACアドレス:DHCPクライアントのMACアドレス

 

以上の4つの工程を経て、IPアドレスなどの基本設定を自動で行っています。

 

赤字で示している宛先アドレスはブロードキャストアドレスといわれる、ネットワーク上の全ての機器に対して通信を行うためのアドレスです。

これは、DHCP Discoverの時点ではDHCPクライアントがDHCPサーバーのアドレスを知らないため、

ネットワーク上にいる全ての機器に対してパケットを送信し、ネットワーク上にある機器の内DHCPサーバーだけが応答を返すようにすることでDHCPクライアントとDHCPサーバーの通信を行えるようにしています。

 

 

【参考】

 リミテッドブロードキャストアドレス

  ビットが全て1のIPアドレス(255.255.255.255)

  ローカルネットワーク上の全ての機器に対して通信を行う際に使用する。

  リミテッドブロードキャストが指定されている通信はルーターを越えて、

  他のネットワークと通信を行うことは出来ません。

  

 FF:FF:FF:FF:FF:FF

  MACアドレスでブロードキャストを指定するときに使用するアドレス

  ブロードキャストドメイン内の機器と通信を行う際に使用する。

  (使用例:ARPリクエストの宛先MACアドレス)

 

 RFC2131 Dynamic Host Configuration Protocol(英語)

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

今回はDHCPについてご紹介しました。

 

PCやスマートフォンなどをネットワークに接続したとき、何も設定しなくても通信ができるのはDHCPという仕組みがあるからということを知ってもらえたんじゃないかなと思います!

 

次回はネットワークについて最終回!! ネットワーク機器とその役割についてご紹介する予定です!!

全5回を予定しているネットワークについてのブログの3回目になります。

まだ1回目・2回目を読んでいないよという方は以下のリンクからアクセスしてみてください!

 

 

 

 

 

ネットワークの基礎知識

ネットワークを勉強していく上で入門書で必ず登場するものを紹介します。

どれもコンピューター同士が通信を行うために必要な技術・知識になるので是非覚えてみてください!

 

・通信プロトコル

・OSI参照モデル

・IPアドレス/サブネットマスク

・MACアドレス(今回の内容)

・DHCP

・ネットワーク機器とその役割(ルーター/スイッチ)

 

MACアドレスとは?

前回は通信を行うために必要なアドレスとしてネットワーク層で使用されるIPアドレスを紹介しました。

今回は通信を行うために必要なもう一つのアドレスであるMACアドレスについて紹介します。

 

MACアドレスMedia Access Control addressのことでOSI参照モデルのデータリンク層で使用されるアドレスです。

 

アドレスの値はネットワークインターフェース固有の48ビットで構成されており、

上位24ビットOUI(Organizationally Unique Identifier)というベンダコード

下位24ビット各ベンダが重複しないように管理しているベンダ管理番号が割り当てられています。

 

具体的なMACアドレスの例は以下のようなものになっています。

 

MACアドレス例)

 00:00:5e:00:53:68

 OUI   ベンダ管理番号

 

上のようにMACアドレスは通常48ビットの2進数を12桁の16進数で表します。

 

IPアドレスとMACアドレスの違い

通信を行う上で必要なアドレスにIPアドレスとMACアドレスがあるということは前回と今回のブログでご紹介しました。

では、この2つのアドレスの違いは何でしょうか?

 

その違いはアドレスの宛先となる範囲です。

 

IPアドレスはエンド・ツー・エンドの通信、つまり通信のスタートからゴール(目的地)を表します。

自身のPCからYahooにアクセスする場合を例にすると、

スタートとなる自分のPCが送信元IPアドレス※、ゴールとなるYahooのサーバーが送信先IPアドレスというような感じになります。

(※NAT/NAPTを利用している場合、インターネットへパケットが送信される際に送信元IPアドレスがプライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスに変換されるためこの限りではありません。)

 

対して、MACアドレスは隣接するコンピューターとの通信を行うための宛先を表します。

先ほどと同じように、自身のPCからYahooにアクセスする場合を例にします。

前提として以下のような構成になっているとします。

 

ネットワーク構成)

[PC]===[自宅ルーター]===(インターネット)===[Yahooルーター]===[Yahooのサーバー]

 

PCとルーターが繋がっており、自宅ルーターはインターネットに繋がっているという一般家庭でよくある構成です。

 

上のような構成の場合、PCはまず隣接している自宅ルーターとの通信を行います。

PCから自宅ルーターへの通信を行う際の宛先イメージは以下のようになります。

 

送信元・送信先 IPアドレス・MACアドレスイメージ)

[送信元IP:自宅PCのIP |送信先IP:YahooサーバーのIP送信元MAC:自宅PCのMAC送信先MAC:自宅ルーターのMAC]

 

上のイメージの赤字部分は最終的な目的地となるYahooサーバーのIPアドレス、

青字部分は送信元を表す自宅PCのMACアドレス、自宅PCから次にパケットを送信する宛先を表す送信先MACアドレスです。

 

送信元IPはスタート地点、送信先IPは最終的なゴールとなる宛先を表しているため通信の途中で変わることはありませんが※、

送信元MACアドレスと送信先MACアドレスはルーターを経由するたびに変わっていきます

(※NAT/NAPTを利用している場合、インターネットへパケットが送信される際に送信元IPアドレスがプライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスに変換されるためこの限りではありません。)

 

このように、IPアドレスはネットワーク間の通信(ネットワーク層)、MACアドレスは隣接した機器間の通信(データリンク層)と使用ケースが異なっており、インターネットへの通信を行うためにはMACアドレスとIPアドレスを併用しながら目的となるサーバと通信をしているということになります。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

今回はMACアドレスについてと、IPアドレスとMACアドレスの違いについてご紹介しました。

 

普段当たり前のようにインターネットなどの通信が行えているのは、

これらのアドレスによって通信相手を特定できるようになっているからということがおわかりいただけたんじゃないかなと思います!

 

次回はDHCPについてご紹介する予定です!!