2.3 早朝 好きだと言われた。正直もうこの子の中に俺はいないし、でもまぁお互い気は許している関係だから、仲良い友達以上恋人未満な感じなのかなと思っていた。だって、もう再び会うようになって、半年だったのだ。その間に僕は、自分のことなどもう過去の男として処理されている。そう感じたからこそ、これ以上自分が傷つかないようにと、自己防衛的に好きを膨らませることをやめたし、自分の将来のことばかりで頭がいっぱいでそれどころじゃなかった。
いつの日か、日常を取り戻すまでが失恋。そんな言葉を聞いたことがあるけれども、僕は完全に日常を取り戻していた。形の上では。
この半年、就活というプレッシャーに押し潰されそうになりながらも、それでも夢を信じ、そこに向き合い続け、上手くいかないことばかりで沈む自分を誰かに埋めてもらいたい、そう思って、別に好きでもない人を家に呼ぶこともあった。でも、その行為こそ虚しさの象徴で、結局僕が欲しいのは本当に好きな人に愛されること、愛が見える場所にいることであった。そんなことに気がつきながらも、でもそんな荒んだ生活をしていた。
自分の仕事の都合で東京に行く機会があり、あの子はもう東京に住んでいるから、泊めてもらうことになった。そしたらあの子は、もし予定があいているならば、ディズニーに行こう。そう言ってきた。シーのショーが新しくなったのが見に行きたかったらしい。
僕も折角ならと思いそれに賛成した。
ちょうど1年前、まだ僕たちが付き合っていたあのころ、彼女の誕生日に僕はディズニー旅行をプレゼントした。彼女が喜ぶその顔が見たい一心で、自分が祝ってもらった時にこんなにも幸せな気持ちにさせてもらったからこそ、恩返しの思いも込めて。そんなあの日から、約1年後に、僕達は以前とは異なる友人という関係でディズニーに行った。アフター5で行くことになったので、築地市場で食べ歩きをしてその後に向かった。
その日一日、そこには僕が大好きな、素直で天真爛漫なあの頃と何にも変わらないその子がいた。そして、やっぱり誰といる時よりも一番素直で、本当に心の底からその瞬間を楽しんでいる自分がそこにはいた。
1年前、付き合っていた頃と何にも変わりのない2人の姿だ。
でも、一年前よりは、2人とも顔も少し大人びて、考え方だって前よりもそれぞれ成長をしていた。
2人別々に生きていれば、どんどんと大人らしさを見に纏い、顔立ちだって変化していく。これは必然のことで、それを恐れることは何もない。変化は楽しむものだ。
でも気がついた。あの子と時間を共有することで、もちろんお互いの成長を認め合いながらも、きっといつまでもその素直な僕達。ちょっぴり幼い僕達になることができる。
あの子はどうやらこの半年間で少しずつ僕にまた恋をしてくれていたみたいで、会う前にはそう伝えると決めていたようだが、あの子はあの子で、僕と自分を比べてしまっていたあの頃から成長したら、貴方の変わらない好きな部分に改めて気がついたと言ってくれた。
僕は僕であの頃の自分と彼女を比較して勝手に押しつぶされそうになっていた頃から成長し、自分の人生を全うすることを心に決めた中で貴方とやっぱり一緒にいたい。そう思って半年前自分から振ったはずのあの子に電話した。
お互いに大人になって、それでもお互いを必要と思たこと、それって全然当たり前なんかじゃなくてとてもとても尊いことで、僕が心の底から愛し、リスペクトしている貴方が、大人になっても僕を好きになってくれたこと。それが凄く嬉しい。遠距離なんて初めてだし、多分そう簡単ではないけれど、あの時とは変わった僕達で、あの頃以上を幸せを噛み締めて行こうと思う。
また自分に負けそうで、逃げたくなって別れたくなった時の僕、あの頃は自分を守ることで必死だったけど、今度はこれを思い出して読み返してほしい。今の貴方の環境は当たり前じゃなくて、ほんとに本当にいろいろな積み重ねによる奇跡なのだと。そんな奇跡、責任をもっと改めて考えてみるべきだと、今の僕は願う。
日々に感謝しながら生きていこう。