50席ほどの小さなシアターの、シネマハウス大塚で「新渡戸の夢」を観てきました。

 

 

明治27年、新渡戸が32歳の札幌農学校教授時代に、貧しくて学校に通えない人々の

ために妻メアリーと「遠友夜学校」を始めました。

授業料無料・男女共学・年齢制限なしという当時としては画期的な学校でした。

昭和19年の閉校まで50年間で約1170人が卒業し、富や名誉より人格形成を重んじた

教育が行われました。

 

この映画は「遠友夜学校」に込めた新渡戸稲造の想いは、現在どう継承されているのだろうか? その答えを探るドキュメンタリーです。

 

平成2年に新渡戸の意思を継ぎ設立された、札幌遠友塾自主夜間中学を舞台に、学ぶ人、伝える人、さまざまな新渡戸の教育精神を現代に受け継ぐ人々とその活動を紹介しています。

 

 

1960年(昭和35年)永六輔 作詞、いずみたく 作曲、坂本九が歌った

「見上げてごらん夜の星を」は、地方から東京へ集団就職した定時制高校に

通う生徒たちを励ます歌でした。

当時は、まだまだ日本は貧しく労働環境も今よりは数段劣ってはいましたが、

精神とか品性とかは、今よりは数段優っていたと思います。

 

東京藝大が、ピアノを売却しないと学校経営が成り立たないなんて、悪い冗談より

質が悪すぎます。教育資源を減らしに減らした結果がいまの日本です。

本当に、新渡戸の原点に帰らないとと強く思います。