ジェイカス株式会社代表取締役のブログ

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 皆さん今日は!ある事情でお休みをしておりました、ドンと来い経営術の時間がやってきました。

本日の提供は大阪ミナミ千日前のジェイカス堂がお送りします。


♪ 千日前のジェイカス堂~♪ 甘党ファンのジェイカス堂♪ 

                        ♪食堂百貨のジェイカス堂へいらっあいいまあせ~♪ 


               第13話 「 宅配王とプラスマイナスの預金口座 」


 さてバブルが崩壊し第12話でお話したとおり税務署に売上を差し押さえられ、何とかそれを分割払で切り抜けた私は成功者の教えのとうり、何を目的に生き10年後をどうするか計画しながら仕事をしようと決めたのですが、またしても日々に流され毎日でした。


 それから数ヶ月がすぎ平成4年のある日、日〇通運梅田支店の課長から呼び出しがあり『加賀澤君ゼ〇ックスあんたの社員に任せて、明日から豊中ペ〇カンで配達を当分手伝う余裕あるか?』。


 『えぇ~課長!今度は豊中ペ〇カンの応援ですか、住宅街の宅配なんか長時間で偉いばっかり、売上もあがれへんがな~? そんなカスみたいな仕事酷いわ~!』。


 『そんな事言わんとうちのエースやないか加賀澤君は2週間だけお願い、その期間あんたの社員のゼ〇ックスの単価チョット上げたるから頼むわ~、明日7:30に豊中ペ〇カンに行ってなァ~、ほな宜しゅう~に 』。


 『なんかまたあの課長に丸め込まれたわ~、どうせ他には断られてんやろ~、まあしゃない市内中心部ゼ〇ックスだけしか嫌や言われへんしなァ~』。


 嫌々私は翌日7:30豊中ペ〇カンの課長を尋ねていきました、大阪支店本館横の梅田に比べ、豊中は(当時)下請けの配送員は日〇通運の制服など誰も着ず、シャツ一丁でくわえタバコ、今の中国みたいな現場でした。


 『君か梅田でバリバリの加賀澤君は、やっぱり下請けとは言え市内中心部を配達してる人は身形服装もピシッとしてるなァ~、昨日持込の上〇が怪我して1週間穴あくんやそこを君に配送してもらう、ただ問題があんね~、上〇は1人で1日に300個以上配送しよる、君に出来るかな~』。


 『えぇ1日300個、ほんまですか?そんなんこの住宅地でヤマトでも絶対むりですよ~、もち戻りが3割で400個積込ですよ、人口50万の豊中の6/1の広いエリヤそれも南部の下町ばかり、そんなん1人でできません』。


 『そのとうりや、加賀澤君この完了伝票見てくれや、全部上〇がした自分のサインや、配達と言うより玄関前に置いて行ってるんや、しかし不思議な事にこのエリヤはこれでクレーム無しや、やつはテコ(鉄道小荷物)の時代からこのエリヤを配達してるんや、ただこれを機にちゃんとせんとな、そこで君に来てもらったんや』。


 私は『課長了解しました、これを機にちゃんとやりましょ、こんな事して金儲けしている上〇の悪を一掃しましょ』、そう言うと闘士がでてきて何とかがむしゃらにその日から上〇氏の半分以下ですが当り前の宅配(印鑑やサインをもらう・留守は不在票入れる)を何とか130個こなしました。


 するとまともな事をしているのに毎日クレームの嵐、『今日はペ〇カン便です、お荷物届いています』、ガラガラ~戸が開き、『誰やおまえうるさいな、上さんはどうした、いつもここに置いてるやろ!サイン自分でしとけ呆け』と怒鳴られる始末、当然不在で持ち戻れば『何でメーターBOXに入れてないんや』とクレームの電話、ある意味このエリアは自分勝手に仕事をしやすい様に上〇氏が長年かけて築いた帝国でした。

 

 苦痛とクレームの2週間がすぎた朝、50すぎの髭ぼうぼうでシャツ一丁、汚い身形の上〇氏が再び豊中ペ〇カンに戻ってきました、『梅田の小僧はおまえか~、俺の怪我の間かき回してくれたのは、お前にわこのエリアの宅配でけへんやろ~!とっとと元に帰れ』。


 私はムカァとしましたが、これでやっと梅田のゼ〇ックスに帰れるとホッとし、どうでもよい豊中ぺ〇を後にしました、


 すると2~3日後また豊中ぺ〇から直ぐに来いと連絡が有り、課長から『なあ~加賀澤君、上〇の足の状態まだええ事ない、悪いけど上〇と2人で宅配してくれへんか』。私は『そら~嫌ですわ、あんな酷い男と2人で仕事するなんてお断りです』、『そらそやな~、しかしあの上〇本当は君に感謝してるみたいやで~、あんな男やから豊中ぺ〇では誰も助けてくれへんかったし、性格的にも君にお礼よう言わんねんな~、まあ解った仕方ないわ』。


 断った私はその日、宗教団体の人が炎天下に道案内をしている光景を目にし、その時ふと思いました『なぜこの人達はお金ももらわず自ら喜んで奉仕が出来るのかな~、待てよ~これって似てないか?なぜ嫌われ者の上〇氏が置き配してもノンクレームで宅配エリア人々に指示するのか、よし上〇氏の宅配手伝ってその極意を学ぼ~!豊中ぺ〇の課長もお願いって言うてるし』、翌日から私は上〇氏の横乗をしました。


 一緒に仕事をしてビックリ、あんな愛想の無い風貌の酷い男が全ての町の人と挨拶し、早朝の道掃除、エリア住人の御通夜出席、年寄りの愚痴を聞き、隣どうしの喧嘩の仲裁と、自治会長いや市会議員よりも地域に尽くしています、ペ〇カンの自分勝手な上〇氏は何所にいったのでしょうか。


 そして横乗最終日に上〇氏に『お前には解れへんけど、ながれ者の俺をまともにしてくれたココの人々を愛してるんや、それに客にすかれたら俺の理論で仕事が出来るやろ~』、『そやけど上さん置配はルール違反ですよ、いつか事故がおきペ〇カンに切られますよ、せっかくエリヤ住人に奉仕しこんなに好かれてるのに、もったいないわ!』。


 『まぁそやな~時代も変ったし置配も何時までもできんなァ~、昔からのここの人達にはプラスの預金口座があるけど、若い人とペ〇カンにはマイナスの預金口座やからな~、ええか~!ヤクザ者の俺にはでけへんかったけど、お前は人にマイナス預金を作ったらあかんで、プラスマイナスの差引きが人生を決るからなァ~、梅田にもどたら人よりも自分ができる少しのプラスアルファを考え、そして大事な事は実践や、ほとんどの人はこれがでけへん』、とこの様に教わりました。


 それから2年後上〇さんは無理が祟ったのか帰らぬ人になりましたが、

                私の心にはプラスマイナスの預金口座理論が生きております。


 


                                  次回をお楽しみに!