Bad Gateway #04
「お兄ちゃん、今どこ?」「どこ…って、言っても分かんないだろう」「家だったら分かるよ」「…もうすぐ家だけど…」「お母さんが、渡したいものがあったんだけど、忘れたって。今から行ってもいい?」二人が泊ってるホテルから家まで、電車とバスを乗り継いで30分以上もかかる。日付をまたぐような時間に差し掛かろうとしていた。「…明日でもいいじゃん」「今じゃなきゃ、ダメなの!」「…分かった…。今からホテル行くから。待ってて」「お兄ちゃんちに行きたい!…ダメ?」一度言い始めたら通すまであきらめない。よくも悪くも彼女はそういう性格だった。どんな魂胆なのかは分からなかったけど、僕は根負けし、タクシーで来るように念押しした。あんな恰好で街を歩いていたら、必ず声を掛けられるに決まっている。僕も僕で急いで家に帰り、部屋を片付けなければならなかった。雪乃が使っているものが、大量に部屋にあったからだ。帰ってからさほど経たないうちに、ドアのチャイムが鳴る。ドアホンの画面をのぞくと、そこには妹の姿があった。