Blue wadi 枯れ川の伏流水

Blue wadi 枯れ川の伏流水

画家:竹光(たけみつ)の各種情報

本日より10日まで

青森県十和田市とわふる中ギャラリーにて個展開催。

十和田市内からのバスは五分ほど遅れで徒歩出発点の奥入瀬渓流センターへ向けて出発。


平日早朝ということもあり高校生が結構多い。国道を真っすぐ走るわけではなく、高校や集落地を縫うようにバスは走る。


小さい頃はともかく近年では積雪のない冬もあり残念に感じることが多かった、しかし今回は冬らしい景観を見ることができたのでその点よかったけれど、大雪の青森市等はそれどころではないだろう。





9時前に奥入瀬渓流センターに到着。降りたのは自分一人。


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野外トイレは閉まっておりちょっと困ったが、博物展示をしている本館が開いていたのでトイレを借りる。観光客もそう多くはないと思うけれど真面目なんだな。





冬の奥入瀬を歩くなんて初めての経験だ。最も遊歩道は雪かきをしているわけではないので車道端を歩くことになる。





乗用車は時折通過する程度、なぜか十和田湖方面から大型トラックが結構来るのだが、「人間歩いてますよ」とアピールしないまでもちょっと緊張してしまう。


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空は曇天。本当は晴れの日を狙いたかったけれど翌日以降はまた降雪の予報、ということで天候の崩れを心配しながらの徒歩旅行となった。気温はそれ程低くなくおそらく氷点下前後。





テクニック不足と言われればそれまでではあるが、曇天下の雪景色撮影は明暗のコントラストに欠け、どうしてもダークモノトーンとなりがちで出来上がりが面白くない。その分寒さ、厳しさが伝わってくるとも言えるけど。どちらにしろ67年落ちのズームコンデジによる素人写真なので大したことはない。





一時間ほどで石ヶ戸に到着。





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店は開いていなかったもののトイレは開いていた(休憩室には入れ外の自販機も稼働)。外のベンチでお茶休憩。前日テキトーに買っておいた缶コーヒーや菓子を食べられるだけ腹に収める。雪中行軍は頻繁なカロリー摂取が大事。











単調といえば単調だけど、それでも奥入瀬の雪景色は興味深い視覚体験だった。


冬眠中の熊はともかくカモシカでも見られればと思ったがそれは叶わず、尻尾を立てるポーズが独特なミソサザイを見つけた程度。可愛いものだが何を食べているのだろう?と不思議になる。





滝が凍っている。


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歩き始めて3時間ほど、漸く十和田湖の水門が見えてきた。


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そしてこちらも漸く出会えたちょっと大きめの野生生物、白鳥夫婦(かな)。





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白鳥は都会の池でも見られるが、寒さの厳しい自然環境で目にするとちょっと感慨深いものがある。








さて、子ノ口で温かいものでも食べて、バスの時間まで周辺をぶらぶらしようという腹積もりが全く崩れてしまった。店が全部閉まっていたのだ。おまけに自販機までも。ただ、トイレだけは開いていて暖房が入っていたのには助けられた。単に凍結防止なのかもしれないが、心底ホッとした。


とはいえ帰りのバスには3時間以上間が開く。かといって奥入瀬渓流を折り返すのは全然気が進まない。というわけでバス始発場所の十和田湖休屋まで歩いていくことにした。距離的にも何とかなるだろう。内心「エーッ、まだ歩くの・・」ではあったけれど








湖畔で風が吹き抜けることもあり渓流より寒さがきつい。鼻汁もツーっと垂れてくる。


歩きながらチョコレートをモグモグ。








しかし景観という点では申し分なし。岸辺の樹木が湖面と連なるような氷結現象はとても新鮮な映像だった。


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宇樽部集落を過ぎバイパスのトンネルを抜けなければならないが、これが結構長い。途中でカロリー切れになりかかったので、出口付近で最後の缶コーヒーと残りの菓子を食べ尽くす。





トンネルを抜けて暫く歩きやっとのことで休屋に到着。さあ温かいものでも食べよう。と見回すものの営業している店の気配が全くない。そうか冬の十和田湖はこんな感じなのかと納得。カロリーはまだ持ちそうなので乙女の像まで歩く。


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白鳥が水面に頭を突っ込み何やら漁っていた。





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こんな白鳥の姿も初めて見たが、これまた何を食べているのだろう? 藻らしきものが生えていたのでそれなのかな。





バス発着所で時間を確認しまだ30分ほど時間がある。と、近くのビジターセンターが開いていたので中に入る。


屋内は簡単な博物展示がなされ、奥では職員さんが数名働いていた。暖房が利いていてすごく温かい。


セルフで入れられるココアの代金100円をボックスに入れ、湯をもらうついでに話を聞くと、平日は店が閉まっていて休日に営業している、震災以降は客足も全然駄目と話してくれた。





ココアを飲みながらふくらはぎや股関節のストレッチで体をほぐし、四季の紹介ビデオ、十和田湖の冬を見た後にビジターセンターを出、そしてバスで十和田市内へと帰還した。乗客は自分の他に中年男性が一人。焼山でもう一人と計三名のみ。





結果的に天気は崩れなかったけれど、少しでも吹雪いたら相当難儀したと思う。車にしても歩行者がいるなんてまず思わないだろうから、不慮の事故なんて可能性も高まっただろう。そんなリスクがあっても積雪期の奥入瀬渓流・十和田湖歩き旅は、ドライブでは絶対味わえない鮮烈な視覚的・肌感覚的体験だった。雪国育ちの都会暮らしはやはり雪景色と寒さが嬉しいのだ。





次回があるかどうかは分からないが、コンロとカップめん、そしてお握りを持参したい(映画:八甲田山死の彷徨の教訓からお握りは身体近くに結えて凍結防止)。


防寒は勿論怠りなく、できればスパイク付の防寒ブーツが欲しい。今回は軽登山靴で防水素材のせいか足が凍えるようなことはなかったものの、転ばないまでも結構つるつる滑った。簡易アイゼンではオーバーなので、革靴用の簡易滑り止め程度のものが着けられればいいと思う。





以上は一月下旬のお話。