チャンフィ☆ファッショニスタ その7 | ゆかりんsoku☆チャン・グンソク

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韓国人俳優チャン・グンソク君のファンのブログ。
現在、記事の更新は不定期です。


シンガポール公演の騒ぎもなんのその、
ひたすら自分の趣味まっしぐらの
チャンフィ・ファッショニスタ『道袍(トポ)』編その2であります。

長くなりすぎて、自分でも困ってしまった…。

⑭男性の頭飾りと、金の唐草文様の上衣を重ねた紫の道袍

『快刀ホン・ギルドン』第18話で、
チャンフィは両班たちの協力を得るために
チェ都承旨の手引きにより、
故リュ大監の父、リュ・ヨンホ老の館を密かに訪れる。

その際、チャンフィは長く伸ばしていた髪を結い上げて、
サントゥという髷を頭頂部に結った髪形をしている。

これは王朝時代の成年男子の髪形で、
当時はトンコッという簪に髪を巻きつけてサントゥ髷を結い、
髪が乱れないように幅6cmほどの網布(マンゴン)を鉢巻のように巻き、
その上に略帽の宕巾(タンゴン)をつけ、さらに黒笠(フンリプ)などを被っていた。

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現在、時代劇ドラマで使われる
サントゥ髷のかつらは、
網布に髪のかつらが付いていて、
それをかぶってから結い上げて
サントゥ髷の形を仕上げるようになっている。

その際、網布を固定するための紐は
慎重に適度な力で結ばねばならない。
強く結んでしまうと頭痛を起こすし、
ゆるいとすぐに外れてしまうからだ。

だが男性はまだ楽な方。
時代劇の女性用の高く結い上げた髷の
カチェ(かつら)は軽いもので2.5キロ、
重いものは5キロにもなる代物なので、
女優さんは撮影待ちのあいだは
カチェをすっぽりと外して
しばし首を休めている。

      そんなに大変そうなかつらを着けたままでも、平気で寝ているグンちゃん…。
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網布の左右の紐に通した小さな輪は貫子(クァンジャ)という。
貫子は玉や金製のものがあり、
金貫子は品階が高いほど小型で簡素なものを用いている。

 貫子がちょっと見えにくいかな…。
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また、黒笠の上に付いている笠飾りは
頂子(チョンジャ)というもので、
品階により金・銀・銅・玉・水晶と素材が異なる。

チャンフィの頂子は玉で白鷺を象った
「玉鷺(オンノ)」と呼ばれる頂子のように見える。

      お習字みたいに見えるけど、台本広げているだけ。
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冠帽に装飾することは
両班だけに許されていたことであり、
それらの装身具は着用する人物の品階に応じて
材質や色彩、種類などが厳格に定められていた。

チャンフィのこの服装は、
黒笠が金貫子や玉鷺で飾られ、
また笠紐(カックン)に
翡翠や白玉などを用いていることで、
品階の高さが即座に分かる身ごしらえなのだ。

また、両班の礼服である道袍は紫、
細く平らに編まれた腰帯や別の腰紐は赤と
王族がよく身につけていた色を使っており、

加えて、黒の繻子織り地に
唐草文様を金襴で表現した豪華な上衣を重ねれば、
身分が高い人物だと一見して分かる。

そのようにチャンフィの装身具も服装も、
いかにも王族にふさわしくあつらえてはいるのだが、
いかんせん、貫禄はカケラも感じられないのがザンネン。

第1話の黒地の着物よりもジジむさい柄なので、
若君の優しげなベビーフェイスにはいかにも似合わない。

  あれ、まさか上着はノ尚宮とお揃いかな?! それにしても、ノ尚宮のミッ○ーマ○スを横倒しにしたみたいな頭飾りはいったい。
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だが、このジジむさい衣服を着ている時のチャンフィは、
いたって冷静沈着で合理的な思考を持つ人物だ。

第19話冒頭で、イノクがリュ・イノクではないかと
配下から報告を受けた時も、
チャンフィは彼女のこれからの人生を慮って
慎重な態度を崩さない。

だが、第20話でイノクがチャンフィを王にするための
計画に協力すると申し出ると、
チャンフィは彼女を使って
両班の勢力を利用するために素早く行動する。

ギルドンのサングラスを掌に握りしめて
慣れぬ環境に耐えるイノクを、
簾の向こうから痛ましげに見守りながらも、
確固たる意思をもって
チャンフィは王座への道をひた走っていく。

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チャンフィが王位に就いたことは、
善意や情熱のみで実現できたわけではなかった。

即位した後も、四寅剣の秘密を握って
政権運営を独占したい両班たちと渡り合うために、
チャンフィは反感を封じ込めて
計画的な駆け引きをしながら時を待つ。

第23話でチャンフィは臣僚のみの
秘密会合の場にみずから乗り込み、
ギルドンと活貧党の討伐を宣言したうえで、
四寅剣の秘密についても
必要とあらば生命を奪うと恫喝して
家臣の口を封じさせる強さを見せる。

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王として強くならない限り、
自分の世を守ることはできない。
そのためには他者に犠牲を強いることも辞さない。
それができぬ者に王の資格はない。

たとえその者が利害を離れた時間の中で
お互いに気心が知れたギルドンであっても、
理想を分かち合えなかった以上、
覚悟を決めて戦うしかない。
両者とももうすでに逃げ場はないのだから。

そして愛する人を欺くことさえも
チャンフィはやってのける。
残酷な運命から守るために
イノクの入内を解消し、
清国に一時滞在する手はずを整えてやる。

内面に刺さる自責の念にさいなまれつつ、
イノクだけは何としてでも生き延びてほしいと願う
ひたむきな心情が滲むチャンフィの表情に、
慈愛と残酷さがどこで反転してしまったのだろうかと、
たまらなく切なくなってくる。

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人はこの世でたった一人しかいない、
この自分を生きるしかない。

その孤独さや寂しさを眼の底に湛えつつ、
今、チャンフィはもう2度と
活貧党の暮らす山へ去った彼女の名を口に出さない。

けれど、そのひとへの思いは深い。

彼女が与えたささやかな喜びも、
胸を裂くような悲しみも、

それらすべてを胸の奥に抱え込んだまま、
これからも生きてゆくしかない。

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昨日はすでに過ぎ去り、明日はまだ来ない。

ただ今日1日はあのひとも自分も生きている。

ギルドンに最後の別れを告げに来た、
王族の印の紫の道袍をまとったチャンフィが
うっすらと穏やかな笑みを浮かべた時、

どこまでも哀しい現実のなかでも
新しい時代へ踏み出そうとする覚悟と意思が、
その若々しい風貌とあいまって
心に確かに伝わってきたのだった。



コメントのお返事が遅くなって申し訳ありません。
今夜から少しずつでも必ずお返事いたします。よろしくお願いいたします。