Spring | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

SUPER JUNIORのキュヒョンと、
ウォンキュが中心のブログです。
たまに東方神起も☆
むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

Twitter→@gyuyes

みなさまおこんばんみ。
春ですね〜(*^^*)♡
私のお脳もすっかり春と言うことで←年がら年中春だけども
久しぶりにウォンキュ小説の短編を書いてみました。
随分前に書いていたのですが、手直しを繰り返してたらオイオイ春来ちゃったよ。てな感じで慌てて上げちゃいました。

※ではこちらから 私のどっぷり妄想のウォンキュ小説です。優しい目で見れる方のみお進みください。ウォンキュの意味が分からない方や苦手な方はUターンしてくださいね。












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『間違った選択よりももっと悲しいのは何も起きないことです』

シウォンは気付いているだろうか。
俺たちが間違った選択をしていることに…

今日、シウォンとキュヒョンはお互い別々の結婚式に出席していた。

『式が終わったら』

シウォンから短い文がキュヒョンのカトクに送られてきたのは式が始まる10分前だった。
式が終わったら何だよ。
会うのか、電話なのか、カトクするのかさっぱり分からない。
返信をするのも面倒で、そのままコートのポケットにiPhoneをしまった。
結婚式の会場の駐車場を歩いていると道の片隅に色とりどりの小さな花が目についた。
もう春なんだな…
今日の花嫁のブーケも綺麗なんだろうか。
最初の頃は何回結婚式に出席しているのか数えたり、若いうちは新郎新婦を羨ましく思い、いつか自分も…と考えた事もあったが、今はただ幸せで温かい家庭を築いてほしい。
そう思うだけになった。
教会のバージンロードを自分が誰かと歩く姿を想像出来ず、今日の主役の二人を笑顔で拍手しながらぼんやりとシウォンのことを考えた。
俺たちはどこで間違えんだろう。
日本ツアーで流すVCRを撮影する時、渡された台本の1ページに書かれていた言葉にショックを受けた。







『間違った選択よりももっと悲しいのは何も起きないことです』

相手役の彼女のセリフが自分たちに重なって胸に刺ささりページをめくる手が止まった。
後悔はしていない。
ただ、間違ってることをしてるとは思っていた。

俺たちは間違ったことを選択した。

なのにまだ傍にいたいだなんて相当どうかしてる。
ずっと一緒にいたメンバーのシウォンと一線を越えたあの日、確かに俺たちは幸せだった。
シウォンの暑苦しいほどストレートな愛情表現が冗談じゃなく本気だと分かった時、戸惑いながらも自分の中ですんなりとシウォンを受け入れることが出来た。
最初は男同士なんてあり得ないだろ。ムリ。絶対無理。
と思っていたのに、いつの間にか目で追うようになっていた。

シウォンが絡んできたり抱きつかれるとウザくて離れてほしいとさえ思うのに、他のメンバーに絡んだり楽しそうに話してる姿を見ると腹が立つ。
シウォンは顔に似合わず甘えたで、いつもステージでメンバー達にポッポを迫ったり抱きついたりする。それが彼の寂しさからくるのか、ただそういう事が好きなだけなのかは分からないが、俺以外の相手にも平気でそんな事が出来るんだと半ば呆れたりもした。
そんな時は絶対見ないし、その後で自分のところに来ても相手にするのも嫌だった。

『メンバーの中で俺の1番はお前』じゃなかったのかよ。
『キュヒョンは良い匂いがする。僕は毎日嗅いでます』何言ってんだよ。みんな誤解するだろ?それは…ずっと隣にいるからだし。
『キュヒョンの声を聞きながら寝れるなら、お金を払ってもいい』そう言ってたよな?

それが嫉妬だということに初めて気付いたのはステージの上だった。
ライブが終わって楽屋でも機嫌が悪いキュヒョンを気遣って、ずっと傍にいたのもシウォンだった。
年齢序列にシャワーを浴びてシャワールームに二人になった時、シウォンから話しかけられた。

「キュヒョナ、今日何かあった?もしかして俺、何か悪い事した?」

シウォンの何も分かってなさそうな態度も、それに気付いてくれないシウォンに勝手に腹を立てた自分に嫌気がさして首を横に振るだけで精一杯だった。

「泣きそうな顔してる…」

シウォンのたくましい腕で肩を抱き寄せられた時、この腕の中に居たい。俺だけがこの温もりを知っていたい。
そう思った瞬間、シウォンに落ちていたのかもしれない。

あの日から動き始めた二人の時間は止まることなく今を迎えている。
なのにこんな時はつい不安が頭をよぎる。
花嫁が流す綺麗な涙を幸せそうに拭う新郎が眩しすぎるほど輝いて見え、周りも幸せムードで祝福していた。
美味しいシャンパンに華やかな料理と和やかなムードで式は進んでいく。楽しい宴も式が終わる頃にはすっかり辺りも暗くなりそれぞれ二次会へと流れた。
芸能関係者も多く、誰がどこにいるかも分からない状況で誰の誘いに乗ることもなく早々に新郎と新婦に挨拶を済ませ会場を後にした。

きっとあのカトクのせいだ。

キュヒョンは誰もいない宿舎に1人で帰って来ると、今日はやけに窮屈に感じるネクタイを荒々しく剥ぎ取った。
足元にぽとりと落ちたネクタイが一層寂しさを増し、目線を下に向けたが拾う気にもなれずそのままキッチンへ向かいビールのプルトップを開けた。
妙に虚しい音が響き、一気にビールを流し込む。何も考えたくないのに考えてしまう将来のことを搔き消したくて再びビールを煽った。
式が始まる前にシウォンから届いた短いメール。

『式が終わったら』

俺の方は式は終わって帰って来てますけど?
だいたい式が終わったら何だよ。その後が大事だろ?
もしかしたらシウォンから連絡があるんじゃないか?とか、もしかしたらもう家に来てるかも。とか、返信もしてないくせに勝手に思って何もなくて勝手に怒ってる自分が嫌になる。
俺はいつもこうだ。
何年経っても変わらないガキのままだ。
こんなに恋愛がヘタだなんて、俺自身思ってもみなかった。

ひとつ歳を取るたび、こんな関係は虚しいだけなんじゃないかと思うことがある。
数え切れないぐらいの結婚式に出席していつかは一緒に暮らせる日が…と、夢見たともあった。
でも…夢は夢のままで現実にならないことは重々分かってるつもりだ。

こんなことは間違ってる。
頭では分かってる。
本当にあの日の選択は正しかったのか?
もしあの時拒んでいたら…

時計の針が12時を回る頃、玄関のチャイムが鳴った。インターフォンのモニターを覗くとシウォンの顔があった。

「…はい」

「キュヒョナ!」







どうしてこの男は俺がネガティヴの時にやって来るんだ?
タイミングが良いんだか悪いんだか、それがすごくイライラして腹ただしいのにすごく嬉しいなんて俺の思考回路もどこかイカれてる。

久しぶりに会うシウォンはいかにも結婚式帰りで、シャツにベストを着て憎いほど似合っていた。
式場で貰ったのかピンクの薔薇を胸に刺し、玄関のドアを開けたところでキュヒョンの唇にチュッと触れたかと思うと薔薇を差し出した。

「…どうも」

「綺麗だろ?キュヒョナに似合うと思ってさ」

「あのさ…」

「ん?」

「何でそんなキザなことが出来るわけ?」

何度キスをしても不意打ちはやっぱり照れてしまう。シウォンの目線を外して薔薇に目を向けた。

「キザって…俺はキュヒョンにしてあげたい事をしてるだけだけど?」

そこがキザなんだって…と言いたいのを飲み込んだ。

「間違ったって思うなよ?」

「え?」

「この前さ、見たんだよキュヒョンのソロコンの動画。ずっと気になってたというか、引っかかってる事があってさ。VCRでキーワードになるセリフがあっただろ?『間違った選択よりももっと悲しいのは何も起きないことです』って。アレ見て変なこと考えてないかなって」

「変なことって何だよ」

「俺たちの関係は間違った選択をしてるって考えて、自分を責めてるんじゃないかって。俺の考え過ぎかもしれないけど、キュヒョンはそういうのに感化されやすいだろ?最近おかしかったし、返事も素っ気なかったりくれなかったり」

「…」

「俺はキュヒョンに出逢えて良かったし、行動を起こしたのも良かったと思ってる。キュヒョンに会いたいから会いに来るし、声が聞きたいから電話もするし会いにも来る。キュヒョンの短い返事でもいいから欲しくてメールをする。それって全部動かないと何も起こらないだろ?」

そう言ってウィンクをするシウォンはすこぶる気持ち悪いのに、大体なんでこんな時ばかり勘がいいんだよ。
自分の事は全然分かってなくて、普段は空気読めないしウザいししつこいのに。
でも…
俺のことをちゃんと見てくれているんだと思うとついニヤけそうになる口角を必死で止めた。

「俺は…正直間違ってると思ってるよ。シウォンとこうなったことで自己嫌悪に陥ったことはあるし」

「うん」

「ただ…」

「うん?」

「ただ後悔はしてないよ」

「うん」

「それに…正直ビックリしてる。本当にそう考えてたから…だけどその事をシウォンが気付いてくれていたのは嬉し…んんっ!」

玄関の壁とシウォンの唇に挟まれて身動きが出来なくなった。いきなりの激しいキスにめまいでクラクラしそうになる。薔薇の香りがほのかにシウォンから香り、熱い吐息が漏れた。唇が離れると名残惜しそうにおでこをつけてくる。強く抱きしめられるとシウォンの整わない息が耳元で聞こえ、身体が熱くなっていくのを感じながらずっとこのままでいたいとそっと背中に腕を回した。

「それに、あの時キュヒョン言っただろ?」

「あの時?」

「俺がキュヒョンに何度も告白して初めてオッケーをもらった時」

「何か…言ったっけ?」

「そんなに俺のこと好きなら俺が飽きるまで傍にいてよねって」

「そんなこと言った?」

「言ったよ!まぁ俺はキュヒョンに飽きられても傍にいるつもりだけど」

覚えてるし。またウィンクだし。
その後で夢だと言って信じてくれないシウォンに俺からキスしたのも覚えてる。
全く、なんで俺が恥ずかしがることを…いや、嬉しがることを覚えてるんだ?
さっきまでネガティヴだった俺の心をいとも簡単に超えて悩んでいたことがどうでも良くなってくる。
悩めよ俺!もっと真剣に考えろよ!
そんな声が頭の片隅でもう一人の俺が騒いでたけど聞こえなくなった。
きっとまた間違った選択をする。
でもここでいい。
ここがいい。
シウォンの傍がいい。

「キュヒョナ、ワインでも飲む?」

優しい目で微笑みながら腰に手を回すシウォンは本当にスマートで、こっちが照れる。だけどそれも悪くない。こんな時はもっと近くにいたい。
リビングのドアを開けようとしたシウォンの手を掴んで胸にちょんと顔を埋めた。

「…先にベッドに連れてって」

「仰せのままに」

一瞬驚いたシウォンが頬を赤らめているキュヒョンの髪を撫でその指が頬を伝い顎を上げさせる。深い口づけが甘さに変わっていく。

今夜はちょっとだけ甘えてみたりするのもアリかな。

シウォンの気持ちが高ぶってるのを感じながら、キスをしたままベッドルームのドアの閉まる音が心地よく聞こえた。



〜Fin〜




[画像はお借りしています。ありがとうございます。]