毎年
お雛祭りが近づくと
思い出すショックなこと
それは
毒親の実母が
嫉妬とワガママから起こした
雛人形にまつわる騒動
私が5歳になる手前
いたずらする年齢も過ぎ
祖母にとっては初孫ということもあって
「そろそろ雛人形を買ってあげましょう
町の人形専門店に行って
奮発して七段飾りのものにしましょうか?
それともコンパクトなものでも
ちょっと良いものにしましょうか?」
祖母がパンフレットを持って来てくれました
保育園やお友達のお家で飾られている
神々しいお雛様は憧れ
優しいお顔立ちと優美なお衣装
雅な従者たちに付き添われて佇む
お内裏様とお雛様
飽きずにずーっと見ているほどでした
そのお雛様が私の元に来てくれるなんて
嘘ででしょ!夢みたい!
嬉しい!
幼い小さな胸が
はち切れそうになるほどの喜びでした
祖母が出してくれた予算は20万円
大金ですよね
お祖母ちゃんに感謝です
祖母と母と3人で
町の大きな人形専門店へ出かけました
そこは私にとっては夢の世界
こういうのとか
こういうのとか
豪華なお雛様飾りが
ずらりと売り場に並んでいて
それはそれは華やかでした
祖母は「まゆみはどれがいいのかしら?」
いつも厳しい祖母でしたが
この日は優しく私の意見を聞いてくれて
ドキドキしながら恐る恐る
欲しい雛飾りを指さす私
値段のことは分からないけれど
私が選んでいいんだ!
嬉しいな!
お雛様がおうちに来たら
まずは弟に見せて
それからお友達にも見せて
私の宝物にするんだから・・・
ああ、本当に嬉しい!
そんな気持ちでいました
が
ここで実母が
「こんな安っぽい人形ダメよ!
大きすぎるし邪魔でしょう
それに人形と言ったら
木目込み人形が最高なのよ!
大きくて安っぽい七段飾りよりも
もっと一体にお金をかけた
最高品質のものじゃないとダメよ!
子供なんかに選ばせても
ろくなことにならないわ
お祖母ちゃん
まゆみに聞かなくていいから
私が決めるんだから!」
そのように言ったそうです
とにかく母がダメ出ししたことだけは
私にも分かりました
祖母:
「そうは言っても
まゆみのお雛様なのよ
選ばせてあげなさい」
実母:
「何よ!
私なんてお雛様ないのよ?
お母さん買ってくれなかったじゃないの!
まゆみにばっかり大金使ってずるい!
お母さんは昔から仕事仕事って
私に構ってくれもしないで
まゆみにばっかり
お雛様なんて贅沢は
許さないんだから!!」
平日の静かな売り場で
店員さんや他のお客様がドン引きするほど
大声で怒り始めたそうです
私もこのシーンは覚えています
店員さんが慌てて
商談室を使わせてくれたり
売り場は騒然としていました
また母の癇癪が始まった・・・
自分の思い通りにならないと
狂ったように怒鳴り
相手にしないでいると
「もういい!勝手にしなさい!」と
捨て台詞を吐いて
そのくせ勝手は許さず
今度は暴力でどうにかしようとする
そんな毒でいっぱいに満たされた実母
小さい頃から
母の癇癪にビクビク怯えて生きてきて
逆らっても無駄な抵抗で
結局最後は
殴られて食事抜かれて雪の中に放置される
酷いことをされるなら
被害は少ないほうが良い
母に従うしかない・・・
そんな風に
体も心も教え込まれていたので
この時も母のいう事を聞くしかないと
さっきまでのウキウキ弾むような気持ちは
くしゃくしゃに萎んでしまい
諦めと悲しみで
一気に塗り替えられてしまいました
結局
母が選んだのは
雛人形ではなく
作家さん作の木目込み人形
ガラスケースに入ったこういうの
泣いたよね
うん
普通に泣くよね?
だって雛人形を買いに来たんですよ?
幼心を弾ませながら
スーパーで
今日トンカツにしようと思ったけど
安かったから牛ステーキ買っちゃった♪
っていうのは訳が違うんですよ?
一生に一度の女の子の宝物
女の子の健やかな成長を願う飾り
それが雛人形なのに・・・
実母の選んだ人形
私の希望も
私への成長への願いも
全く関係ない
自分が欲しいだけの人形
最後は
実母:
「この人形が最高品質で
間違いないわ!
安っぽい雛人形よりも
作家ものの高級品のほうがいいのよ
大人になって違いが分かるようになって
こっちにしてよかったって
ママに感謝するわよ
良かったわね」
「こっちのお人形でいいわよね?
さっきの大きい雛飾りはもう要らないわね?」
何も言えず黙っていると
売り場奥のトイレに連れていかれ
「あれが欲しいって言いなさい」
「お祖母ちゃんに言うのよ」
「あれが欲しいって言え
あれが欲しいって言え
あれが欲しいって言え!」
「分かったか!言えよ!」
すごい形相で圧をかけてくる実母
今でもその恐ろしい光景を覚えています
私
「こっちが・・・いい・・・です」
涙を堪えながら
もう
そう言うしかありませんでした
祖母も店員さんも
訳が分からないという表情
そりゃそうですよね・・・
お雛様をワクワクしながら選んでたのに
泣きそうな顔で市松人形を欲しいって・・・
ちょっと頭のおかしい子供ですよね?
普通にビビりますよね(笑)
欲しかった高級人形を手にして
満面顔の実母
一方
私は帰り道
ずーっと涙が出ないように出ないようにして
帰宅してからお布団に入って
声を殺して泣きました
いや本当、普通に泣くよね?
幼少期に祖母から得られなかった愛情を
母親になって自分の子供から奪う
それで母は満足だったのかな?
あの時の母の年齢に自分が近づくにつれて
実母と祖母の歪んだ母娘関係に
ふと思いが及ぶことが増えました
あの人形は現在も母の元にあります
母のとち狂ったあのチョイスは
未だに理解できないけれど
あの人形が母を幸せにしてくれているのなら
まあ、それはそれでアリなのかな?と
今は思っています
いや、あの人形は怖すぎて
夢にも出てくるほど不気味なので
今後引き取るつもりは、むしろ全然ありません
そんなもんいらねーよ!
買えないけど惚れてる雛人形
宮廷の衣冠束帯・有職故実を研究
女性ならではの優美なセンスで人気の
清水久遊さんの雛人形
実物を見たことありますが
めちゃくちゃ細部まで美しいです!
サイトで見られますが
美しい顔立ちと重厚なお衣装に興奮
買えないけど欲しい!
ポイントでさえ286,800円という
一般人には意味不明な金額(笑)
まさに美術品
サイトで眺めるだけで目の保養
なんと!清水久遊さんの作品が
20万円以内で売っている
小さい頃に戻って
こちらを買いなおしたいです
怖い顔や下ぶくれ顔が多い雛人形
こちらのお店のお人形たちは
古風ながらすっきり美しいお顔立ち
三人官女もついているし
お歌を歌う時も困らないですね(笑)
こちらも上と同じお店
やはりお顔立ちが美しい
コンパクトでマンションにもぴったり
色々とセットでついてお得みたいです
雛祭りだけでなく小学校の卒業式にも
大正ロマンっぽくてシック
写真映えしそうですね・・・素敵
こちらは可愛い袴ロンパース
女の子の赤ちゃんに
落ち着いたトーンのシックな柄
悲しい思い出もありますが
お雛祭りグッズは
見ているだけ心が華やぎます