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前回からの続きを書く前に・・・
本業でのクライアントさんとのやり取りを紹介する。。
私はこのクライアントさんに対して、
素晴らしい可能性と大切にしてもらいたい個性を認めていた。
しかし彼から出る言葉は、自分を認められず、存在を否定する言葉ばかり。
「○○って、いったい何のために生まれてきたん??」
私は、こう尋ねた。
彼は、 「さぁ??分かりません。」
こう答えた。
「ふぅ~ん、じゃぁ、○○なんて、
別にこの世にいる必要なんてないんと違うの??」
私は相手を思うあまり、時に感情を焚きつける問いを投げることがある。
もちろんお互いに関係を作りあい、
信頼関係もあるからこそ出せる言葉なのだが、普段温厚な私から出た言葉に
彼は驚きとともに、怒りとか悔しさとかさまざまな感情を私にぶつけてきた。
そして、この質問の後のセッションは本音の彼の言葉が聞け、
彼の中に人生について真剣に考えるスイッチが入った。
その後の彼は、驚くほど毎日の行動が変化した。
前置きが長くなったが、
私が彼に投げた質問。「あなたは、何のために生まれてきたの??」
この問いに対して、
いったいどれだけの人が、真剣に考えているだろう??
「若いうちは言われたことだけをしていればいいんだ、わからなくていい。」
こういって、ただ毎日を過ごし続けている人。
そんな暮らしをしながら、人生の役割を見つける人もいると思うが、
最後まで自分の生まれた目的を考えることもなく
この世から存在がなくなってしまう人も多いのではないかと思う。
今回ホスピスを訪問して感じたことは、
やはり人生は流されてはいけない!!、こんな思いが湧き上がってきた。
さて、ホスピスとは、一体なんだろう??
辞書によると
末期癌(がん)患者など死期の近い病人を対象に、
延命処置を行わず、身体的苦痛を和らげ、
精神的援助をして生を全うできるように医療を行う施設。
1967年ロンドン郊外にできたものに始まるが、
中世ヨーロッパの教会で病人や巡礼者を泊めたことが起源。
つまり、生に執着せず、死を受け入れ、
残りの人生をどのように生きていくのかを考える場所なようである。
さて最初に書いた、クライアントさんとのやり取りを思い出して欲しい。
明日もこのまま行けば元気に生きている。
そんな、あなたに質問です。
この世に対して、あなたは何のために生きているのでしょう??
そして、あなたは、残りの人生をどう生きていくか考えていますか??
ぜひこの問いを持ちながら
特に次回以降から書いていくこと見つめて欲しいと思う。
今回訪問を許していただけたのは、はやしやまクリニック「希望の家」
理事長は梁 勝則先生
梁先生は、日本ホスピス在宅ケア研究会を設立され、
さらに自殺者の遺族に対してのケアなどの活動もされている。
実はこの取材を行って初めて知ったのだが、
自殺をする人にも色々事情があるが、残された遺族には、
「自殺を止められなかった」「縁起が悪い」―。
こうした批判や偏見のため、社会の理解をなかなか得られず、孤立化し、
悲しみを抱え込みがちになり、複雑な心境に陥ることが多いらしいのだ。
世界で二番目に自殺者の多い日本。
ついつい忘れがちになるが、これからも生き続ける遺族へのケアは
重要な問題だと思った。
この生と死を常に考え
大切にされている梁先生が設立されたのが、「希望の家」
そして、この希望の家には、患者さんの残り少ない時間を大切にし、
患者さんが、最後までどういった生き方を望んでいるのかを
一緒に考え実行するサポートチームが存在している。
そのチームをリードされているのが院長である山本 篤先生である。
実は山本先生は、まだ40歳を迎えていないのだ。
まだ若く、ホスピス運営者として最年少だといえる先生が、
どのような思いをもって死と生を常に見つめ続けているのか
今回は山本先生のお話から知ったこと、
気づいたことを中心に皆さんに伝えていきたいと思う。
希望の家の概観
こちらでは、一階がホスピス。
2階がグループホームとなっている。
老人ホームとは違い、お年寄りたちが共同で生活していける場所。
通常老人ホームのような施設では、末期患者となった老人は転送される。
しかし、ここでは集団生活を送っている老人たちが病気になり
最後を迎えることになっても、移動せず
ここで看取りをすることもできるという特色がある。
HPより引用する理念は
(1)継続ケア
在宅でお過ごしの患者様に対して、
臨終期の看取りのための入院や痛みや苦しみが起きたときの緊急入院、
また介護されているご家族の休息のための入院(レスパイトケア)が、
スムーズに行われます。
また、必要に応じて、病院→在宅、病院→施設、在宅⇔在宅への
橋渡しのためのメディカルショート入院 にも対応いたします。
(2)対象疾患の拡大
がんのみならず、その他の難治性疾患のターミナルステージも受け入れます。
(3)看護専門職の役割評価
高度な専門職として育成された看護職が中心的な役割を担います。
医師は看護職をバックアップし、全体的な最終責任を担います。
(4)チームアプローチ
医師、看護師、介護職、
その他全ての職種が対等な関係で協力して患者様ご家族様をケアいたします。
(5)精神的ケアの充実
患者様を子ども扱いせず、
最後まで尊厳に満ちた自立的な存在として丁寧に接します。
そのために接遇マナー、コミュニケーションスキル、
スピリチュアルペインへのカウンセリングなどの継続教育を行います。
ご家族の方にも適切な精神的サポートを行います。
すごく長くなったが、この理念がどれだけすごいことか、
そしてこの理念を受けて、
患者に対して、どのようなかかわりをしているか、スタッフの思い、
延命を受けないということ。患者と親族の思い。
たくさん伝えたいことがある。
いよいよ次回以降、確信にふれていくことにする。
キーワードは笑顔。
死という重い空気でなく、笑顔に満ち溢れた場所だったのだ。
~続く~
取材協力
はやしやまクリニック 希望の家
〒654-0121 神戸市須磨区妙法寺字薮中1242番地
TEL 078-747-5335 FAX 078-747-5340
http://www.wataboushi.net/kibounoie/index.html