コント赤信号のあの人はなんであんなんになってしまったんでしょうかね。

 

というわけで、内部監査の実務上でわりと頭を悩ませる話題を今日はひとつ。

 

あなたは今、歩行者信号機付きの交差点にいます。

そしてあなたが進もうとしている方向の信号は赤です。

車道はとても見通しが良く、遠くの方まで車は一台もいません。

さて、あなたはこの状況で目の前の赤信号を青になるまで待ちますか?

それとも、車が来ないから渡ってしまいますか?

どちらでしょうか?

 

 

内部監査人がこの問いに答えるのならば、

「この状況で信号を守る必要があるのか、国と話し合う」

ということになると思います。

 

国からすれば、これは渡ってよいとは絶対に言いません。

それでよいと思っているからです。

歩行者からすれば、車が来ないことがほぼ確実ならば渡ってもいいんじゃね?となります。

だってこの状況で待つ意味が分からないし。

意味が分からないから、別にいいだろと。

でもそこには監視カメラがついていて、歩行者が渡った瞬間、

 

ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!(柳沢慎吾)

『アウトー。』

 

で、国が白バイを飛ばしてきて怒られることになります。

でも歩行者は納得いきませんよね。車が来ないのに待つことに何の意味がある?と。

車が居るから、信号が停めてくれるのを待っているんであって、

車が居ないのであれば、別に関係ないよねって。

じゃあ何が悪くてこの状況で捕まえたの?なーんにも来ないのにボケっと待ってろってか?って。

 

国としては、「ルールはルールだから」とか言うんでしょうね。

なし崩しにケースバイケースで判断されたら運用自体が危うくなる、と。

イカンものはイカンのだ、と。

(こち亀の大原部長で再生願います)

 

警察24時の交通取締コーナーでよく見られそうな感じで、容易に想像がつきます。

ここで監査人は何をするかというと、まず両方の言い分を聞いて

無人の交差点を赤信号で渡るというところにどういうリスクがあるのかを検討します。

 

いろんな考えがあるでしょう。

これはルールだからいかなる状況でも守らなければならない。

あそこでこんなルール守ったって意味ないよね、車来ないのに。

だったら何メートル先まで車いなければ渡っていいことにしようぜ。

俺は車が来なきゃ渡るよ。

オイオイ目視を誤ったらどうする?お前責任取れんのか?

そもそもあの信号おかしいんだよ、車の量に青信号の長さがあってないから

信号の設定見直した方がいいよ。

設定ってお前、メーカーが設定したやつだぞ。

そのメーカーの言う通り動くのが正解じゃねぇだろ、呼んで考えろってんだよ。

いや、ここでゆるくしたら絶対事故るやついるだろ。絶対緩めねぇ。

のような形で。

 

まぁこういう、言っちゃあれですけど無人の交差点というリスクの低い、

割と重要性的にクソどうでもいいところで盛り上がることがあるわけです。

 

そういう時は監査人の腕の見せ所。

国のこだわりのせいで不必要な非効率が発生してしまっているとき、

国を対応に前向きにさせるのは監査人の仕事です。

今回の例のように法律で決まっているものは駄目でしょうが、

社内のルールであれば改善の余地もあることでしょう。

うまく社内の担当者や経営層を巻き込んで、双方にとって合理的な修正案へ落とし込むのが

プロの仕事ってもんです。

あとは、それを国と歩行者双方に納得してもらう。納得したやり方で運用されているかのフォローもする。

ここまでが内部監査の仕事です。

 

あとはさっさと他の重要な論点にエネルギーを投じる。

内部監査部門は施策を決定してはいけないのです。

賢い内部監査部門のリーダーは、そこを上手く見極めて偉い人や現場に託します。

悔しいけれどこればっかりは若手じゃ無理。各方面に太いパイプがあり根回し政治談合あれこれ搦め手寝技が使えるひとでないと今日日内部監査部門長は務まらないでしょうね。

だいたい社歴15年のワシでも、15年後くらいにその力があればなぁと考えています。

だから若い監査人はそこの部分でがっかりする必要はないのです。

内部監査はチームプレーであり、かつ監査人は専門技能職です。職人です。5年10年じゃハナタレです。

今は現場で指揮をとっている大工の棟梁がカンナ削りやらせたら神という噂がある、みたいなのが夢ですね。

 

CIA受験生の皆さん、監査には夢があります。息の長い仕事です。

なのでじっくり勉強する価値はあるので、なかなか内容が覚えられなくても、パートごとで落ちても、積み重ねてください。2年もあれば受かりますよ。だって地頭の悪いことで有名な私が受かったんですから。あなたなら大丈夫です。

あきらめずに頑張って。