ある晩のこと。
ピンポーンとインターホンが鳴った。
玄関のドアを開けてみると、先ほど帰宅時にマンションのエレベーターホールにいた少々強面の男性だった。
どうやらこの方はお隣さんで、自分の部屋の鍵を忘れてしまって家に入れずに困っているとのことだった。
家族に連絡をしているが電話は留守電になってしまって繋がらない。
既に何時間も待っているのだが、帰ってくる気配もない。
もしよければ、一度家に上がらせてもらいベランダを渡らせて欲しいのだが…というお願いをされたのだった。
…とはいえ、ココは7階だ。
この物件のベランダには各部屋を仕切る板があるため塀部分に乗り上げてつたっていくしか方法は無い。
第一、ベランダを無事に渡れたところで、お隣さんの窓の鍵が開いているとは限らない。
だったらそんな危ない橋は渡るべきではないのではないかと考える。
安全は保障できない。
…というか本音は関わりたくなかった。
お隣さんとは今日はじめて会った。
同じマンションの住人には何度も会ったことがあるが挨拶を交わす程度だし、賃貸物件での生活なんて人間関係きっとこんなものなんだろう。
…とはいえお隣さんは自分にお願いをしている…相手はイカツイ兄ちゃんだし、性格上私はそれを承諾するしかないんだろう。
一瞬で応えるべき答えが口から出た。
自分の心の中の葛藤を隠すように、私はあたふたしながら精一杯の親切をアピールした。
自分の部屋のベランダまで誘導し、災害用の明るいランタンでお隣さんの行くべき道を照らしたのだった。
ピンポーンとインターホンが鳴った。
玄関のドアを開けてみると、先ほど帰宅時にマンションのエレベーターホールにいた少々強面の男性だった。
どうやらこの方はお隣さんで、自分の部屋の鍵を忘れてしまって家に入れずに困っているとのことだった。
家族に連絡をしているが電話は留守電になってしまって繋がらない。
既に何時間も待っているのだが、帰ってくる気配もない。
もしよければ、一度家に上がらせてもらいベランダを渡らせて欲しいのだが…というお願いをされたのだった。
…とはいえ、ココは7階だ。
この物件のベランダには各部屋を仕切る板があるため塀部分に乗り上げてつたっていくしか方法は無い。
第一、ベランダを無事に渡れたところで、お隣さんの窓の鍵が開いているとは限らない。
だったらそんな危ない橋は渡るべきではないのではないかと考える。
安全は保障できない。
…というか本音は関わりたくなかった。
お隣さんとは今日はじめて会った。
同じマンションの住人には何度も会ったことがあるが挨拶を交わす程度だし、賃貸物件での生活なんて人間関係きっとこんなものなんだろう。
…とはいえお隣さんは自分にお願いをしている…相手はイカツイ兄ちゃんだし、性格上私はそれを承諾するしかないんだろう。
一瞬で応えるべき答えが口から出た。
自分の心の中の葛藤を隠すように、私はあたふたしながら精一杯の親切をアピールした。
自分の部屋のベランダまで誘導し、災害用の明るいランタンでお隣さんの行くべき道を照らしたのだった。