平成29年9月30日

「残念ながら、癌です。」

この言葉を聞いてから6年が経つ。
平成23年9月30日金曜日。 
待てども待てども回ってこない診察、名前を呼ばれ入った診察室で告げられた言葉は人ごとのようで、何だかわからなかった。

しかし、私を導いてくれた、女医ママ友は私より先に涙を流し、同僚の同志は
「親のこと言われるより辛い」
と涙を流してくれた。その涙は私に現実を突きつけ、受け入れる覚悟と共に、私の気持ちも涙に変えてくれた。

次の日に、出会えた外科医女医先生には
「この段階で見つけてもらえたことは奇跡です、生きろってことですよ!」
ピストル指で刺された胸のあたりに弾丸があたったような衝撃が走った。
「先生、今直ぐ切ってください」

そのあと見た空は

真っ青で
空高く
うろこ雲
キラッと光る光線が眩しかった。

秋なんだ、もう秋なんだ。

〜なければと、空回りしながら走っていだ私は季節の移り変わりに目を向けれないほど走っていたのだ。

何やってんねん。私は。

自然は淡々と季節を巡り、四季折々の表情を見せる。

何やってんねん。私は。

ちっぽけな私は勝手に頑張るを振りかざし、大切なものを見ていなかった。

病気はそんな私に、時間を取り戻すことを教えてくれた。

印鑑細胞未分化癌

半年、発見が遅れていたら、今私はここにいないかもしれない。

あれから6年。私は生きることに今を費やす。
生き抜くよ。この一年も。

そんな決意を秋空に伝えた。