この地に来て2年後に自宅と工場を建てました。

 もう32年前でしょうか。

  まさか自分が60代で死んじゃうとは予想もしていなかったので

自宅に寄り添わせて10坪のプレハブと5坪の鉄筋を建てて

 自分的には一生使うつもりでした・・・

 

90年代当時家電や銀行端末など

 アイデアを盛り込んで世に無いものをいっぱい作って

  後世に発案品を売ってゆくつもりでしたが

店も建てて4年で東日本大震災で被災。

 その後すぐに妻のがん発覚 次女のがん発覚

  そして私の末期がん発覚。

 

人間が60歳過ぎまで生きるのって

 ものすごく大変なのですね。

  結局工場は思ったより使わずに倉庫代わり。

 

電子部品ショップは消費税の度重なる上昇で

 売っても売っても赤字ばかり。

  中国産の激安偽物も市場にガンガン出てきて

もうどうにもならない・・・って状態で事業は昨年廃業。

 

*****

 

工場の上には山があり そこから種が飛んできたのか

 芽が出て木になり・・・上場の入口でなんと日陰を作ってくれました。

樹齢は工場とほぼ一緒・・・(30年くらい)

 知人にお礼を用意して今日、この木を切ってもらいました。

 

横たわる木の残骸・・・

木の種類は(多分ですが)ケヤキかと思われます。

 重くて細胞の密度の高い木ですね・

 

 

30年以上木陰を作ってくれて感謝でしたが

 来年以降にこの木陰の下で作業する体力はもう残っていませんし

  お別れと同時に・・・木に日本酒を注いで感謝。

 

 

ごめんね。

 そしてご苦労さま照れピンクハート

 

切り株をみていると悲しい気分になります。

 

直径25cmくらい・・・

 でも放置すると巨木に育ってしまい

  家を傷つける恐れもあるので

 

私が見送ることが出来るウチに切っておこうか・・・と。

 

 

この木は毎年夏にはセミが停まってミンミン鳴くのですが

 木の下を歩く私に驚いてシッコをかけて逃げるのです。

  (ミンミンミン・・・ジジジっ・・・ジャバーみたいな)

妻に頼んでセミに注意看板を木に下げましたが

 もうこれは必要なくなりましたね。

 

どんな小さなものでも自分の前から消えてゆくのは

 とてもさみしいものですね。

(でも私が死んでも妻は3日で私を忘れるでしょう・・・

  でもその方が良いなあ・・・早く新しい伴侶もね。)