福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを加筆して書いていっています。
2021年のポストです。
小学校の卒業式の写真をお母さんが送ってくださいました。
お友達と一緒に笑顔でピースをしているスミレちゃんの姿に感慨深いものがあります。
御礼の言葉、前日からずっと涙が止まらないというメッセージとともに、
言葉ポツポツの頃から今日まで本当にありがとうございます。
もう昨日から涙が止まらず泣きっぱなしです。
「わたし、大きくなったら お母さんみたいに わたしも赤ちゃんを産んでお母さんになりたいな」という言葉に、なんでそんなこと言うのと、またさらに号泣です。
と添えられており、ぐりさんも思わず涙してしまいました。
お母さんの複雑な胸の内もお察ししますが、
お母さんの背中をみてきちんと育っているな
お母さんの想いは伝わっているな
と、確信できたことを覚えています。
DQ65、言葉ポツポツで小学校入学前に福岡に引っ越して見えてからの週2レッスン。
レッスンの為に引っ越しをやめて福岡に残られるという選択をなさり、仕事への復帰、そしてキャリアアップ。
忙殺されながらも タイプの異なる困難を抱えるお子さん二人それぞれの為に週2回、遠方より通ってくださいます。
いろんなドラマがたくさんありました。
学習面でのお母さんとの『できている』のギャップを機に低迷が始まり、各所で大騒動を起こすまで荒れに荒れ、ブログを書いた後2年ほど空白期間があります。
ぐりさんは3年目のジンクスと言っていますが笑
春遠からじ~DQ65からの挑戦~ | 福岡ぐりむ療育とピアノと学習教室 (ameblo.jp)
レッスン以前に教えられたことが困り行動として定着していたこともあり、小6までの7年は本当に手を焼きました。
ぐりさんは療育オタクだからさ笑
導入の段階からも含め、どんなところで どんな療育 教育を受けるかは、この子たちにとって、一生を左右すると言っても過言ではないくらいとても重要です。
そして些細なきっかけで一気に荒れて加速してしまいます。
タラとかレバとか思うことは誰しもありますが、 心折れてもやめずに続けてくださったからこその今日です。
3年・・いや1年でも続けられないご家庭はたくさんありますので、
遠方から、しかもタイプの異なる特性を抱えるごきょうだいそれぞれに週2レッスンをと、本当にお子さん想いのお母さんの並々ならぬ決意と覚悟には頭が下がりますし、感謝に堪えません。
スミレちゃんは、小学校の6年間を支援学級在籍で過ごしました。
日々の生活で長時間過ごすことになる、特に支援学級の先生には いろいろと思うことはあります。
スミレちゃんには学習面はもちろんですが、活動全体に物足りなさを感じますが、もうそこはそこで。
学校はフワっとこなしながら、淡々と黙々と、着々と準備を進めることが大事だと考えています。
よく、就学前のお子さんの親御さんが「支援学級の方が手厚いから」とおっしゃいますが、それはその学校のシステムや先生個人の裁量によるのが現実だと、いろんな生徒さんを見て思っています。
肩書きと能力と人間性 | 福岡ぐりむ療育とピアノと学習教室 (ameblo.jp)
そしてそれは、言葉を失うようなニュースを目にする機会の増えた学校や塾、放課後デイ、保育施設、グループホームや医療福祉施設、それに病院等も同じかと。
スミレちゃんとは、
学習面、活舌講音練習、感覚機能面、運動機能面、SST…etc
可能な限りのことをレッスンで取り組んできました。
レッスンは一般的な療育といわれているところとは、趣旨も指導内容も全然異なります。
いまの国の情勢、全然先のみえないこれからを思い悩むのなら、
とにかく
いまできる、いまやるべきことを黙々と淡々とやる
それだけ。
小さな積み重ねの差は、やがて圧倒的な差になります。
正しい場所で、正しい方向で、十分な量をなされた努力は報われる by林修
言語理解、知識、論理的思考、感情理解の深まり、感情表現の伸び、お行儀や所作の徹底(まだまだ目を光らせたいところです)
自閉特有の話し方や行動はみられますが、楽しく会話できるレベルにまでになったと感じています。
冗談も通じるし、人との関係性を考たり相手の立場に立って思いやり、言葉を選ぶこともします。
目に見えない人の気遣いにも気づき、感謝の気持ちを伝えることもします。
正確にこなせる作業も多くあります。
通常学級の下位集団よりは、高い能力を身につけられただろうと思っています。
スミレちゃんのコミュ力の高さゆえ、いろんなところで関わってくださる皆さんにも、お仕事とはいえ、よく気にかけてもらっている様子で、まるで親戚のおばちゃんと同じように本当にありがたく思っています。
向上心も高く、努力を続けるタイプでもあります。
お母さんあってこそですね。
ぐりさんは、レッスンを始めた時から、彼女が社会に出てからのことを見据えて取り組んできました。
ふわっふわっして焦点が定まらず反応が薄かった幼い頃を思えば、適応できる場所は格段に増えたのではないかと思います。
彼女を必要としてくださるところが ひとつでもたくさんあるといいなと願っています。
見た目や話し方から受ける印象よりは、はるかにできることや理解していることは多くあります。
わかるって大きい、わかるって大事
このように書くと、浅い解釈をなさる方は すぐに学校の勉強をやらせたり、やれ塾だの通信教材やアプリだの、スイミングや運動教室、職業体験のできるテーマパークのようなところに行ったりで非常に残念なのですが、受け取り方や解釈はそれぞれなのでね。
まぁやってみなはれの精神です。
子どもは あっという間に大きくなります。
何から何まで、やることは本当にたくさんあります。
伸びていかれるご家庭というのは、もっと深いところで全力で受け取ってくださる。
だから伸びていかれるのか。
小5の春の遠足で女の子たち何人かとお弁当を食べた話をしてくれたのですが、
「わたしだけが○○学級です」
と、その中で自分一人だけ支援学級だということを口にしたことがありました。
もうこの時点で みんなとの『違い』を認識できるまでになっていたのです。
なんとも切ない言葉でやるせなく、掛ける言葉もみつからなかりませんでしたが、とても素晴らしい非認知能力の伸び。
伸びるということは、自分のわからないこと できないこと、人との違いが認識できるようにもなり、嬉しいことばかりではありませんね。
理解できることが多いということは、自分の身を守るということにもつながります。
そして、理解していることが増えたからこそ、自閉や特性が絡むことによるアンバランスさもでてくることもあります。
これから青年期にかけての微妙な時期をうまくやり過ごしながらも、今まで以上に豊かに過ごしてもらえたらと思います。
イラストが大好き
ためらうことなくペンを入れて、5分もせずに描きあげてくれました。
自閉強めで今よりも理解できることが少なかった小学生の頃、学校生活はほとんど興味なく、運動会などの見ごたえのある競技にもまったく見向きもしなかったスミレちゃんが、中3の合唱コンクール直後のレッスンで、「こんな歌がありましたよ」と、その日に初めて聴いたであろう歌を数曲パッとうたってくれたことがあります。
歌も大好きで、出だしの音をハズすことなく見事に口ずさみます。
Xにも彼女のピアノの演奏をいくつかあげていますので、よかったら
「10年後なんてイメージできません」
と、小学校入学後におっしゃっていらしたお母さんですが、この秋レッスン10年目に突入し、あっという間に中学3年生です。
いつまでも小さいままではありませんね。
これからも着々と準備を進めて参ります。
ペースを落とさず通ってくださるお母さんには感謝の言葉もありません。
ちょっとこのお母さんのような真似はできないなと思います。
思ってもみなかった生活はあります。
さぁ遠慮せずに伸びてしまえ