神様、今日だけでいいです。


あたしを素直な子にしてください。














【微笑みの色】

















その日、部屋には日差しが差し込んで、冬にしては暖かい日だった。

ルビーは自室のベッドで目を覚ました。


「ん…」


突然、頬を何かが擽る。

寝ぼけ眼でその擽った主を見て、ルビーは頬を緩ませる。


「COCO。おはよう。」


自分の頬を舐めたCOCOの頭を撫でながら、ルビーはゆっくりベッドから立ち上がる。



今日は何も予定が無い。


昨日はコンテストに向けてずっとポロックを作っていたし、その前の日まではずっとジムに挑戦者が殺到して、その相手をしてたっけ。


「今日…何日だっけ…?」


ルビーはカレンダーを見つめる。昨日は確か13日だった。じゃあ今日は…



「…2月14日…バレンタインか…」



バレンタイン…

ずっとセンリから逃げながら旅をしてコンテストに出て、その後はコンテストに出たりジムの相手をしたりしていたルビーにとって、
バレンタインというイベントは縁の無いものだった。


「……」


少し呆けるルビー。頭が起き切っていないらしい。


その時。



ピンポ――ン…



呼び鈴の音が、ルビーの部屋まで届いた。しかし1階からルビーの母親が受け答えしている声が聞こえたので、
ルビーはそのままいつものようにクローゼットに向かった。

が。



「ルビーっ!!お客さんよー!!」



大声でルビーを呼ぶ母親に、ルビーは少ししかめっ面をする。


「誰?ママ!」


着替えながら1階へ降りていくと、玄関に立っていたのは。


「…サファイア?」


ルビーの視界に入ってきたサファイアは、いつもならありえない位おしとやかに玄関に立っていた。


「おはようサファイア。どうしたの?何か用?」


サファイアに問うルビー。サファイアは物凄く恥ずかしそうに、上目遣いでルビーを見つめて。



「あの…っ…これっ、もらってほしいったい!じゃあ!」



そう言ってサファイアはルビーの胸に桃色の紙袋を押し付けて、顔を真っ赤にしながら走り去って行った。



「…?」



「あら?サファイアちゃんどうしちゃったのかしらね?」


ルビーの母親も不思議そうに、去っていくサファイアの背中を見つめる。


無理矢理渡された紙袋をルビーは恐る恐る開いてみると。




「…チョコレート?」




その中にはチョコレートがいくつかと、小さなカードが1枚入っていた。



『ルビーへ。


バレンタインのチョコ作ってみたから、食べてみてほしいと。


味の保障はないったいよ!これは義理チョコったい!!


サファイアより』




「あらあらwルビーったらもー、隅に置けないじゃないv」


ニコニコしながら言う母親を無視して、ルビーはチョコレートを1枚口に入れる。


「甘…」




鮮明に思い出される、恥ずかしそうに自分にチョコを押し付けるサファイアの顔。






「…バカだなぁ…義理なんて言わなくても、ちゃんと君の気持ちは解ってるよ」





ルビーはふっと笑うと、もう一口チョコレートをかじって、呟くように言った。














「…好きだよ。僕も」















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あとがき。

フォルダを漁ってたらバレンタインに書いたブツが出てきたのでUPしてみました。

燃え尽きました。ルサって難しいですね…
でもルサ大好きですよ!!私!
たとえ扱うのが苦手でもね!!(死