2017年1月28日にさいたまスーパーアリーナで開催されたGuns N' Roses(ガンズアンドローゼズ)のライブのセットリストは、以下のとおりです。
 
 
1. It's So Easy 
2. Mr. Brownstone 
3. Chinese Democracy 
4. Welcome to the Jungle 
5. Double Talkin' Jive 
6. Better 
7. Estranged 
8. Live and Let Die (Wings cover) 
9. Rocket Queen 
10. You Could Be Mine 
11. New Rose 
12. This I Love 
13. Civil War 
14. Coma 
15. Speak Softly Love (Love Theme From The Godfather) (Nino Rota cover) 
16. Sweet Child O' Mine 
17. Used to Love Her 
18. Out Ta Get Me 
19. Wish You Were Here (Pink Floyd cover) 
20. November Rain 
21. Knockin' on Heaven's Door (Bob Dylan cover) 
22. Nightrain 
アンコール:
23. Don't Cry 
24. The Seeker (The Who cover) 
25. Paradise City 
 
 
ライブの、1曲目は It’s So Easy です。
 
以前は Welcome to the Jungle や Nightrain で幕を上がるパターンが多かったと思いますが、It’s So Easy もガンズならではのナンバーで初期のガンズを象徴する有名な曲なので、会場はオープニングにふさわしい盛り上がりを見せました。
 
ベースで始まる曲もあまりないので、興味深い楽曲です。
 
ただ一つ昔と違ったのは、ボーカルのアクセル・ローズの体重です。
 
アンタッチャブルのザキヤマさんと同じか、それよりもちょっと太っているように見えました。
 
それでも、セクシャルな雰囲気を醸し、動物的で眼光鋭いあの目つきだけは変わっていません。
 
ちゃんと声が出るかちょっと心配していましたが、ハイトーンボイスは健在でした。太い声も出てたので満足度80%です。
 
スラッシュのギターテクニックも圧巻でした。
 
手と指の速さだけでいえばもっと上のギタリストはいるかもしれませんが、スラッシュにしか出せない音がそこにありました。
 
2曲目は Mr. Brownstone で、こちらもガンズならではの個性的で有名な楽曲なので、さいたまスーパーアリーナはさらに沸き立ちました。
 
3曲目もファーストアルバム、アペタイト・フォー・ディストラクションのナンバーかと思いきや、サウンドの感じから、Chinese Democracy とわかりました。
 
スラッシュは自分が所属していなかったときの曲はやりたがらないんじゃないかと私は思っていましたが、ギターをレスポールから別のものに持ち替えて弾いていました。
 
往年のファンが多いのか、Appetite For Destruction や Use your Illusion 以外の曲だと、残念ながら盛り上がり方が一段下がります。
 
スラッシュも自分が作った曲ではないので、バンド演奏があまりうまく絡みっていないような印象を持ちました。スラッシュがいた時の曲を、前に所属していたギタリストがやるのを聴いた時に感じたのと同じような感覚です。しかしそれでも聴いちゃいられないというレベルではありません。
 
そして、4曲目がいよいよ Welcome to the Jungle です。
 
始まりのリフが現代風にアレンジされていましたが、往年のキッズは一斉に沸き立ちました。
 
アクセルの
 
「シャナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ニーズ、ニーズ」
 
のシャウトは相変わらずパンチが効いてます。
 
ちなみに、私は昔から、「シャマ・マ・マ~」に聞こえます。
 
とにかくガンズのライブは、Welcome to the Jungle をやってからが本当の始まりです。
 
5曲目はオリジナルメンバーでリズム・ギターを弾いていたイジー・ストラドリンが作り、リードボーカルもイジーが担当していた Double Talkin’ Jive です。
 
スラッシュは歌えませんが、アクセルの喉を休ませるため、長めのギターソロを弾きました。
 
スタジオアルバムでは、この曲の終盤にスパニッシュギターが流れるのですが、スラッシュは、エレキギターをスパニッシュギターのように哀愁漂わす音に近づけた状態で演奏をしました。
 
6曲目は、Better です。
 
個人的には好きな曲ですが、チャイニーズ・デモクラシーのナンバーのためか、ご多分に漏れず、いまいちの盛り上がりでした。
 
そして、7曲目が Estranged
 
キーボードのディジー・リードの腕の見せどころです。
 
ピアノの旋律が印象的で美しく、ギターリフも個性的で興味深い楽曲です。
プログレッシブ・ロックが好きな人にはたまらないかもしれません。
 
恐らく、歌詞も奥が深そうに思いますが、和訳しないとすんなり頭に入ってこないのが、口惜しくてなりません。洋楽好きのジレンマの一つです。
 
8曲目は、ポール・マッカトニーのバンドWings の曲 Live And Let Die です。
 
映画『007』のテーマ曲でも有名らしいです。
 
カバーですが、ガンズの自家薬籠中の物にしているといっても過言ではありません。
盛り上がりも良かったです。
 
前の Estranged が長い曲なので、Live And Let Die が短くまとまっていていい感じに終わったなー、なんて思いました。
 
9曲目は Rocket Queen です。
 
アペタイト・フォー・ディストラクションではラストに流れるので、「(中盤の)ここできたかー」と思わずつぶやきました。
 
コンサートの前半部分はここまでだという暗示もあるのかもしれません。
 
10曲目が、『ターミネーター2』のテーマ曲でも有名な You Could Be Mine でしたが、疾走感のある楽曲なので、中盤以降も盛り上がって「まだまだいくぞー」という感じが出て良かったと思います。
 
11曲目は、カバーアルバムThe Spaghetti Incident? に収録されてる New Rose で、ベースのダフ・マッケイガンがセンターに立ちボーカルを務めました。
 
パンクの曲なので、それほど長くもなく、良い感じに盛り上がり、アクセルにバトンを渡しました。
 
12曲目がチャイニーズ・デモクラシーに収録されてるバラード This I Love で、 曲は良いのですが、これもそれほど盛り上がらず、次の Civil War のイントロが流れると一気に活気づきました。
 
私も好きな曲で、" I don't need your civil war" とかろうじてなんとなく歌詞がわかるところは、アクセルと一緒に歌いました。
 
Civil War も結構長めの曲ですが、次がUse Your Illusion Ⅰ のラストに入っている、これまた長い Coma と相成りました。
 
ベースの「デン、デン、デン、デデン~」という音が流れた瞬間、「お!Coma かー、これやるのかー」と個人的にテンションがチェンジしました。
 
間奏が長いので、アクセルの声を休ませる意味合いもあるのかもしれません。
 
好きな曲ですが、アペタイトからもう1曲と Patience を聴きたかったという思いもあります。
 
Coma の後はスラッシュのゴッドファーザーのソロ演奏です。
 
生で聴けたのは嬉しいのですが、何か違うギターソロも聴きたいとも思いました。
 
マイケル・ジャクソンの Beat it とか演ればかなり盛り上がると思います。
 
ともかく、スラッシュのギターソロが終わると、ついにいよいよあの Sweet Child O’ Mine の始まりです。
 
有名な美しいリフが聞こえると、さいたまスーパーアリーナはテンションMAXに達しました。 
 
スラッシュのギターソロは、ライブを通じて基本的にオリジナルに忠実だったので、観客も一体感を感じやすかったと思います。
 
Sweet Child O’ Mine はだいたい歌詞がわかるので、一緒に歌いました。
 
ほとんどのオーディエンスも "Oh, ~ Oh,Oh, Sweet Child O' Mine" と "Where do we go, where do we go now, where do we go" は知ってるので合唱状態となりました。
 
アクセルも微笑みを浮かべながら歌っていたようにみえます。
 
17曲目以降は、ダイジェスト気味にご紹介します。
 
17. Used to Love Her 
18. Out Ta Get Me
19. Wish You Were Here (Pink Floyd cover) 
 
19曲目のボーカルなしのギター演奏での Wish You Were Here が良かったです。
亡くなってはいませんが、オリメンのイジー・ストラドリンとスティーブン・アドラーでバンド演奏をしたらどうなるんだろうかー、と考えてしまいます。
 
20. November Rain 
21. Knockin' on Heaven's Door (Bob Dylan cover) 
22. Nightrain 

 
November Rain で楽しみにしていたのが、曲の終盤でスラッシュがギターソロに入る前に、アクセルが弾くピアノの台の上にあがるかどうかでした。
 
MVでは、スラッシュがお行儀良くピアノの上でギターソロを弾きまくります。
ライブでも同じ演出でやったことがあると思います。
 
翌日の公演のことを考えてセーブしたのか、歳なのか、ピアノが乗っかれるようになっていないのかわかりませんが、残念ながらスラッシュはそのまま舞台上でソロを弾きました。
 
演出は少し残念でしたが、やっぱ、特にNovember Rain のソロはスラッシュじゃないとビビットきません。
 
私が座っていた前の列に、アメリカ人と思しき30代前後のカップルがいたのですが、スラッシュのギターソロ中に流れるのコーラスのところで、酒で酔っていたアメリカ女が振り返って、 "You're not the only one" と両手で指をさし顔をクシャクシャにしながらシャウトしました。
観客に「お前だけじゃない」と訴えたかったのでしょうか。
 
カップルの隣りに、同じくアメリカ人ぽいキャップをかぶった50歳前後の男性とその息子がいたのですが、しばらくするとその男性とカップルは親しげに話していました。
異国の地で同じ英語を話す人と出会い、アルコールが入って、好きな音楽をライブで楽しんでる状態でテンションが上がりまくっているとはいえ、日本人とはコミュニケーションの取り方が違うように感じます。
カップルのほうは、公演中も曲の合間にしょっちゅう飲み物を買ってきたり、スマホでお互い写真を撮ったり、とにかく自由です。
それが少し目ざわりというか、邪魔くさかったのですが、世界的なバンドなので仕方がありません。
 
さて、November Rain の次はボブ・ディランのカバーの Knockin' on Heaven's Door でした。
 
アクセルとファンとで「ノ・ノ・ノッキンオンヘヴンズドゥォー」の掛け合いができて、楽しめるナンバーです。
 
ボブ・ディランノーベル文学賞受賞おめでとう。
 
 
そして、アンコール前のラストが Nightrain です。
 
You Could Be Mine と同じぐらい疾走感がある曲で、スラッシュの素早いギターソロが堪能できる楽曲でもあります。
 
この曲がアンコール前の締めというのは少し意外です。
 
一旦幕を閉じて、コールが起こると、メンバーはすぐに登場しました。
 
スタートが遅かっただけに、時間が押して巻きがかかっていたのでしょうか。
 
アンコールでアクセルは、動物のミニチュアのフィギュアのようなものがいくつか乗っているキャップをかぶって現れました(猫のようです)。アメ横ででも発見してゲットしたのでしょうか。ダーティーで荒々しい感じの歌を歌うアクセルには珍しく、人懐っこい笑みを浮かべながら Don't Cry を歌い始めました。
 
愛嬌のためだったと思いますが、曲が終わるたびに、ほぼ毎回おじきをするアクセルもコミカルでお茶目でした。
 
日本人の客は総じてマナーがいいし、おもてなしの精神があるので、アクセルも気分がいいのかもしれません。
 
歳を重ねるごとに、ミュージシャンとしてボーカリストとして多くの人の前で仕事ができることの有り難さを実感しているのかもしれませんね。
 
無論才能はありますが、誰もが、このように多くの人を惹きつけ多くのお金を稼げる仕事ができるわけではありません。
 
舞台上以外でどのような接し方をしているかわかりませんが、またスラッシュと一緒にできることにも喜びを感じているのかもしれません。
 
ステージ上で目を合わせたり肩を組んだりすることはありませんが、演奏に関しては他のギタリストにはないシナジーを実感しているのかもしれません。
 
アンコールラストの前はザ・フーのカバー The Seeker でした。
 
この曲を聞いたとき最初、 You're crazy かと思いましたが、"crazy" とは言っていなかったので、新曲なの? と思いました。
 
しかし、後で調べるとザ・フーのカバーと知りました。
 
できたら、AC/DC のWhole lotta Rosie が聴きたかったです。
 
 
そして、アンコールラストが、言わずもがなの Paradise City
 
ラップ調のアクセルのボーカルは、今でも新鮮に聞こえます。
 
ラストなので、私ものれるだけのり、体を動かすだけ動かし、歌える箇所は大声で歌いました。
 
アクセルも重い体をやっとこさ動かし、ステージを右に左に移動をしていました。
 
会場全体が盛り上がり、紙吹雪が舞い上がったところで本当のラストです。
 
2回めのアンコールはないのか、と期待しましたが、時間も22時をまわって皆急いでいたのか、観客のほとんどがそそくさと席を後にしていました。
 
パラダイス・シティをやったら終わりだろうというのもあるし、メンバーの体力もあまり残っていそうではなかったので仕方ありません。翌日も公演がありましたし。
 
パラダイス・シティが終わって、メンバーがステージ上を去ると、すぐにまた登場して、皆で一列になり肩を組んでおじきをしました。
 
ここでアクセルとスラッシュは隣り合わせになるのか、と目を凝らして見つめましたが、2人の間にはキーボードとコーラスを務めていたメリッサという女性が挟まれていました。
 
ベタベタしたところを見たいわけではありませんが、アクセルとスラッシュが思わず肩とか組んだりしちゃうところが見れたら嬉しいです。
 
とにかく、もうメンバーの脱退とかいう悲報は聞きたくありません。
 
メンバーが生き続ける限り、Guns N' Roses としてやっていってほしいですね。
 
 



 アペタイト・フォー・ディストラクション