2020311日ムギマキ発見

 

 朝が来た 有難い! 目を覚ますと、外は既に夜が明けていた。

と云っても陽の光で目が覚めたのではない・・

私が目を覚ますと、雨戸の隙間から僅かに・・ほんの僅かに陽の明かりが漏れているのだ。

 

私は雨戸を開けた瞬間の眩いばかりの陽の明かりが大好きだ。

その理由は上手く説明できないが、なぜか心が安らぐのである。

それは、雨が降っているそれよりも、晴れた日の方が気も晴れる。

 

今から4年も前の10月ごろ2階の寝室で休んでいた時のことだ。

私達がようやく寝込みに入った夜半過ぎに悲劇が起こった。

それはアルミニウムで作られた我が家の雨戸を何者かが叩く音から始まった。

 

「こんな時間になんやろ?」

 

私は家内を起こし、音のするガラス窓を開けた。

さらに外側に閉まっている雨戸に手を掛けようとした瞬間、何か小石のようなものが当たる音がした。

 

「やっぱり・・この音や!」

 

小石を見た訳ではない、悪までも知覚神経の知る範疇である。

私は音の正体を確認すべく、雨戸に耳を近づけた、

 

驚いた! なんと私の頬が熱を感じたのである。

 

「まさか⁉・・」

 

私はアルミ製の雨戸に手のひらをそっとあてがえた。

 

「まるで真夏の太陽を浴びたように温かい・・いやもしかして熱いが正しいかも⁉・・」

 

もう迷うことは無い、私は思い切って雨戸を開けた、

驚いた!「なに?これ!偉いこっちゃ」

なんと裏のお家の2階の窓から炎が溢れていた!

私は直ぐに消防に連絡したが、沈下には4時間が費やされた。

命がけの消化活動のお陰で、我が家は半焼で済んだ。

 

あれから4年経った・・今でこそ窓を開けてもあの恐怖が思い出されることは滅多に無い。

横に並んでいた4軒の住居の姿は跡形も無くなってしまった。

今ではところどころが雑草に占拠された空き地に変わってしまったのだ。

 

 東側の建屋の影が空き地を占有するが、それ以外の周りの景色では、陽の明かりが眩しく反射するばかりだ。

どうやら私のEEはまだ暗闇のままであり、晴天の照度を認識できないようである。

 

それほどまで順応出来ていない筈の私の目が、なにやら空き地に動くものを見つけた。

 

「なに?スズメ・・とは違うわな?・・あれ何の鳥やろ⁉」

 

この辺りで目にするのは、カラス・ムク・スズメ・ハト・ヒヨドリたちである。それと・・今では少なくなったが4月以降ともなると、時々ブルーインパルス?・・いやそのような華麗な飛び方をするツバメを見かけることがある。

 

しかし、いま目の前に居るのはそれらのどれでも無い! 

オレンジ色の胸に羽根はツバメと同じ真っ黒だ、その羽根には絵筆を尻尾に向けて走らせたような白いラインが入っている。

 

「やっぱりブルーインパルス違うんか⁉」

 

私は急いで一階の居間からカメラを持って上がって来た。

 

「よっしゃ!まだおるぞ!」

 

私は、シャッターを切った、でも相手は気づいていないみたいだ。

彼(雄雌は不明だが・・)は、南側の荒野から西側に移動したため、二階の窓からの撮影はもはやこれまでだ!

 

ダメもとで私は階段を降り、履物を履くと静かに玄関戸を開けてみた。

おそるおそる西側の空き地を覗くと、なんと彼は私を待っていてくれていたようだ。

3メートル程度まで近づいたが彼はまだ私に気づかない。

勿論シャッターを切った。

 

ようやく気付いたのか彼は再び南側の荒野に向かって地面をかすめるように離陸した。

私も再び二階に駆け上がり、窓から顔を出した。

そして半ば諦めながらも周りを見渡すと、

何と、東側の建屋の一階部分の波板の上で待ってくれているではないか。

私は再びシャッターを切った。

全部で5枚ほど撮ったところで、彼はようやく飛び去って行った。

僅かな時間とは故、楽しく遊んでくれた。

 

 朝食を済ませると直ぐにパソコンを立ち上げ、野鳥図鑑を検索してみた。

思ったより簡単に見つけることが出来た。

念のために今撮影したカメラの液晶モニターの映像と見比べてみた。

野鳥図鑑と同じ姿をしている。

その名は勿論ブリーインパルスでは無く「ムギマキ」と明記されていた。

 

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オレンジ色の胸に、上面の羽根が黒いのが雄と言うことだ。

「彼」で合っていたようだ。

全長は13cm

海岸の山麓や松林などに飛来するが、数は少ないと言う記事が掲載されていた。

参考「フィールドガイド日本の野党」様の資料より

西側空き地のムギマキ発見こっち向いてムギマキ

 

 

 

それは一昨年の11月の「茶白は何処の猫」で、こちらに投稿したことを思い出させるかの出来事だった。

あの時の茶白の猫はその後、全く姿を見せなくなった。

 

 二階の廊下側の窓を開けると、思い切り朝がやってくる。

これが私の目覚めの証でもある。

昨夜の雨戸を閉めるときの真っ暗な夜空とは違い、朝日の光にはなんだか希望を感じてしまう。

 

 以前、点灯しっぱなしだった自動点滅機能の外灯が消えていることを確認すると、どこを見る訳でもなく、隣接する空き地を眺めるのが慣習となっている。

夏を惜しむように半枯れの草がぼうぼうだ。

 

 「あれ・・猫ちゃうのん・・あれ、うちで飼ってたガニー君と同じ毛並みやんか」

そう、白地に薄くした黒の縞模様である。

以前の茶白の野良君は、年配とあって、少々の音には物怖じしなかったが、今度の白黒野良は窓を開ける音にも過敏である。

 それが証拠に私が窓を開け切ると、驚いたように後退りしながらこちらを伺っている。

 つい声を掛けたくなるが・・もう私たちの年齢では猫は飼えない・・猫の方が長生きするからだ。

それだけに仲良くなってはいけないのだ。

「写真や・・カメラや・・」

 

 私は一階からカメラを掴んで戻って来た。

勿論、その白黒野良は、もう同じところには居なかった。

見つけた場所を手掛かりに周りを目で探した・・雑草が大きく育っていることもあり上手く探せない・・

「あっ、居った・・」

 

 私は草むらに隠れそうになっている白黒の野良にズームした。

そしてシャッターを切った。

「お尻を向けていやがる・・」

 でもいずれ雑草の少ないところへ移動するはずである。

まるで獲物を狙うライオンだ

 私の思いは直ぐに的中した。

警戒しているからなのか・・その歩く姿はまるでテレビで見るサファリ―のライオンのようだ。

「カシャ!」

とてもクールでシャイに思えた。

 

 

 気が付けば、私の家の路地に茶白の猫(名前をチャシロにした)が

決まって来るようになった。

隣人のエアコンの室外機の上に体を長くして休んでいる。

歳の頃なら14~5歳かな。

この頃は暑かった、だから日陰を求めての行動に違いない。

でも、夜になると必ず居なくなる。


 首輪はついていないがどこかで飼われているに違いない。

そんなに“まるまる”とはしていないが痩せてもいない、

野良ならそろそろ私に餌を求めても不思議ではない筈だ、

それだけお互いが顔見知りになっているからだ。


 私の家も貰い火をしたが昨年の秋に裏の4件のお家が焼失してしまった。

半焼で済んだ私の家の改修は12月から翌年の1月いっぱいかかってしまったが、

3月になって裏の焼け跡の解体が始まり、更地になってしまった。

そのせいで、夏は困ったが今の季節、廊下の窓からの日差しは有り難くもある。


 どうやらチャシロもその日差しを好んでか、その更地にやってくるようになった。

日差しを追いかけるためか、時間によって休む場所が異なる。

午前中は西側の草むらに、日中は私の家の犬走りに、

そして午後遅くには東側の家の犬走りで休んでいる。

まるで日時計ならぬ“猫時計”である。

それにしても、日が落ちると居なくなっている。

いったいチャシロはどこの猫なのか・・・今のところ謎である。



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6)「お早う」の挨拶

 私がまだ布団から抜け出せないでいるとき、老猫のガニー君は朝食のために私より少し早く目を覚ます。

宵のうちの彼(ガニー君)の寝床は女房の布団の中にある。

 そう、女房の腕枕である。

彼女は「手がしびれるから」と迷惑そうに私に愚痴をこぼすが、

自分が休んでいても布団に入って来ないと、無理に連れ込んだりしている。

 どこまでが本心やら、

だが彼は深夜になると自分専用の寝床に移動している。やはり布団の中での就寝となると落ち着かないようだ。

ここまで話すと奥さんがガニー君にはメロメロであることがバレバレである。


  私と奥さんの布団はいつも東の窓を頭にして敷いている。

彼女と枕の向きは同じだが、お互いの布団の間を約30cmほど離している。

 これで互いの距離感が想像できようものである。

だから彼が起きたときはこの隙間を通路として朝食やトイレに出かけるのである。


 私たちの布団の上を斜めに歩けば近道なのだが 彼は育ちが良いのか、爪が布団に捕まるのが嫌なのか、何時もこの通路を利用している。

私がその通路の方に体を横にしていると、私の目の前を彼が通り過ぎて行く、しかもニャ~ゴ、ニャーゴと叫びながらである。

彼なりに朝の挨拶をしているのか?

私も返すように挨拶した「ガニー君、お早う」と衝動的に。

すると、なんと彼も挨拶で返してくれた「おはにょう」と

 

彼の挨拶を初めて聞いた時は「たまたまだよ、偶然だよね」

と判断し面白がったものの、あまり気に留めなかった。

当然その時、休んでいた女房に話しても馬鹿にされただけだった。

でも、その後も私の寝床を同じようなタイミングで通過するとき

「ガニー君、お早う」と声を掛けてあげると、

「おはにょう」と挨拶が帰って来る。

やっと私と彼との心が通じたと、凄く嬉しかった。

女房も一緒に聞いていた「ほんと、賢いね」

感想はそれだけだった。

彼が19歳になって亡くなるまで、お互いの挨拶は続けられた。

面白いのは、昼間に挨拶しても「おはにょう」の鳴き声は

返って来なかったことだ。

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言葉が話せない動物だからこそ

挨拶出来ただけでとても楽しい

それは勘違いだとしても嬉しい

言葉を持たない彼と少しだけ心が通じた


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5)家族旅行

 「旅行はやめてんか、こりごりや」

娘が探してきた、ペットも入浴できる温泉旅館。

この夏のお盆休みはガニー君も一緒やで、

『嬉しいなーガニー君』

「ワシは嫌や、留守番しとくから餌だけ置いといてくれ」

でも何日もガニー君一人で家に置いて行くことは出来ない

だからペット歓迎の温泉旅館にしたのである。


 ペットの移動用バスケットに入ったガニー君は切ない声で鳴き続ける。

そして100メートルでも走って来たかのように息が荒くなる。

「ウ~ウォ~オ、ハァッ、ハァッ」とこれを交互に繰り返す。

温泉地に向かって走り出した車の中で、早速ガニー君の奇妙な鳴き声が聞こえ始めた。

あまりにも荒い息をするため、娘はバスケットからガニー君を車内に解放してしまった。

私は大声で車中の皆に注意した。『危ないがな、あかんて』

ガニー君がアクセルやブレーキペダルの後ろ側に隠れたらペダルが効かなくなる。

だから大声を出したのである。


  だが、その予感は的中した。おりしも車は高速道路を走行中である。

運転中の私は勿論、このことではどうにも体を動かせず何もできない。

あの時は、確か助手席に乗っていた息子がつまみ出してくれたと記憶している。

ガニー君が言ってた通りだ、連れて来るんじゃなかった。

 でも反省はこんなもんでは済まなかった。


 旅館の部屋でバスケットから解放した瞬間、押入れだったかどこかの隙間に隠れたきり、

餌は勿論一滴の水も飲もうとしない。いつもと違った環境を警戒しているようだった。

 「猫の習性を勉強もしないで、人間の勝手で連れて来るなよ」

私にはガニー君の愚痴がよく理解できた『かんにんやで、ガニ君かんにんしてや』

幾ら謝っても伝わる筈がない。

「気持ちの悪い、揺れる車なんかに乗せられて」

「旅館に着くまでのワシは何時間も地震の中やった」

「ワシらは違った環境では暫らく食餌が出来ないくらい勉強してや」と叱られっぱなしの夜だった。

 

 夜中に音がするので目を覚ますと、トイレの前に置いていたペットフードをガニー君がガリガリと音を立てて食餌してくれていた。

『ごめんな、ガニー君』

でも帰路に砂丘に寄ったとき、砂地に下ろすと怖がったガニー君は助けてくれるなら誰でも良かったと見えて、この私の胸に飛び上がってきたのである。

呼んでも来ない、抱き上げれば嫌がるあのガニー君が自ら私にすがり付いてきたのである。

嬉しかったね、私もガニー君の家族だったんだね



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