諸君、ご壮健かな。
以前 、ギレン・ザビの独裁政治の源泉について語った。
今回はその続きとも言えるコラム。
彼の思想の意外性について語っていきたいと思う。
デスラーが率いるのはガミラス帝国。
それはナチス・ドイツがモデルといわれているように、独裁政治だったかもしれない。
自分の嗜好に合わない、下品な将軍を消したり。
自分のやることに反対した、副総統ヒスを撃ち殺す。
その自分の思想を押し付けるのは、独裁政治の一端を表している。
しかし。
デスラーには、違う一面がある。
それは、敵対する勢力に対する寛容さ。
下品な将軍を消したのも、懸命に戦うヤマトを愚弄したから。
その思いは、2作目の作品となる「さらば宇宙戦艦ヤマト」で結実する。
前作でデスラーは、ヤマトに敗北し。
宇宙を漂流したのを、白色帝国に拾われることとなる。
そして、白兵戦で傷つく古代進をかばう森雪の姿を見て。
その愛の深さを知り、しかし白色帝国への恩も忘れずに宇宙に身を投げることとなる。
その後。
デスラーは、ガルマン民族という先住民のいる星に辿り着き。
国民の生きる場所を作ろうと、その民と力を合わせてガルマン・ガミラス帝国をつくる。
そして、イスカンダルのスターシャの危機のために。
身を盾として戦ったり。
危機が迫るヤマトの前に現れ。
ディンギル帝国の艦隊の攻撃を一手に引き受け、地球を救う。
そう。
彼の思想は、独裁者特有の「己」に起因したものではない。
その根本は、いつも「他者」なのだ。
指導者としての立場を考えると、それは民主主義。
彼は、自分を押し付ける独裁者ではない。
常に国民や他者の幸せを願う。
いわば、「国王」もしくは「大統領」ではないだろうか。
その卓越した、秘めたる愛と優しさで。
多くの人を包み込んでいく、まさにダンディズムと。
そして、理想を求めるロマンの塊。
死闘を演じた相手のことをも愛することができる。
シャア!はそんなデスラーになりたい。
そう思ってやまないのだ。
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