あれは・・・海風が身も心も凍らせる昨日のことでございます。


東京ビックサイトで行われたあの「コミックマーケット81」という地獄、もとい戦場・・・いやメビウスの輪から無事帰還してきました三神真一でございます。

初のサークル参加でのガンダム小説本販売でしたが、相方のBlue+さんのサークルに委託してもらっての販売だったので、何故かけいおん!エリアでのガンダム小説を売るという矛盾した構図になってしまい・・・(^w^;

かなりの敗戦濃厚の中、私のコミケは幕を開けたのでした。

相方のこひなた氏のけいおん本が飛ぶように売れる中・・・彼の下僕となり丁稚に甘んじながら彼の本を売り続け、臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の念を忘れずに、自分のかわいいハロの表紙が目印の小説を手に取ってもらうように、一番前に陣をとっていつでもマックの店員以上のスマイルを用意できたのですが

「あっ・・・このガンダム本 以外 全部ください」

と言われ、もうやめて!セイジのライフポイントは0よ!と誰かが突っ込んでくれることもなく、無残にも時は流れていったのでした。

そして、その後も全く売れる予兆すらなく、もう耐えきれなくなった私は、自分たちの飲み干したペットボトルを外に捨てるために席を外したのでした。

「・・・やっぱり・・・内容がアレだったし・・・そもそも・・けいおんのところで売るのもおかしいよな・・・」

そんなことを呟きながら、相方の待つ席にゆっくりと戻ると、席に座って見せ番をしていた相方が私にボソッと呟いたのです。

「・・・君が席を外した時に、1冊売れたよ。」

貴様ほど急ぎすぎもしなければ・・・俺は人類に絶望もしちゃいない!!(^w^;

いました!国際展示場こと東京ビックサイトにも神が!いやニュータイプが!

この場を借りて、あんなよくわからないガンダム小説を買っていただいたお客様!

本当にありがとうございます!

僕は、まだ帰れるところがあるんだ・・・こんなにうれしいことはない!!

大量の在庫を抱えながら、家についた私は、また、イベントに参加してもいいかなと思った次第です。

ガンダム用語ばかり書いてすいません。

また何かあったら、このブログで報告しますね

セイジこと三神真一でした

さる、12月30日(金曜日)に東京ビックサイトで行われる


「コミックマーケット81」にサークル参加することになりましたセイジです。


皆様は、この年末をいかがお過ごしでしょうか?(^w^;


わたくしこと小生(しょうせい。自分をへりくだった言い方)は、身も心も凍えるクリスマスイブや年末を送ることが確定しそうです・・・・・ってなめるなぁ!!(ラカン風に。知らない人はスルーしますw)


先日、サークル参加する場所をお伝えしたのですが、コミケ常連じゃない人が東地区のUブロック-23bでこひなた そらさんのサークル「Blue+」のとこ(わかりやすくいうとけいおん!エリア)と書いてもピンとこないですよね。


で、↓に配置写真をうpしましたので参照してくださいです。



ガンダム・ノベル・ワークス



えっ?よくわからないって?



勘弁してください(^w^;


あの、小さく丸のついた場所がそうです!!


下にかすかに U の文字がありますです。はい


是非、ゆっくりしていってね!!

来月12月30日(金曜)東京ビックサイトで行われる

「コミックマーケット81」にサークル参加することになりました。

場所は、東地区のUブロック-23bでこひなた そらさんのやっているBlue+(ブルータス)と共同販売です(ってかけいおん!のエリアで販売するのですが・・・まっいいか・・^w^;)

本の内容は、このブログの小説と新たに書き下ろした「機動戦士ガンダム F91 クロスボーン・ヴァンガードの凋落」を収録した小説になります。

よかったら遊びに来てくださいです(^w^;

冬のコミックマーケット81 12月30日にサークル参加します。


こひなた そらさんと同じブースで、連載していた、このガンダム小説とオリジナル小説(ガンダムF91)の二本収録した作品を出すつもりです。


詳細はまたのちほど。



「今日は帰って!何も、あなたと話すことなんかないんだから!」


「・・・・・・わかりました・・・・・・明日・・・・・また来ます・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


女性は、おもいっきり、玄関のドアを閉めた。


ジェスは、彼女のマンションの青いドアを、しばらくの間、見つめていた。






「・・・・・・・・・まだ・・・・・・・・そこにいるの・・・・・・?」


玄関のドア越しに、女性の瞳が、ジェスの顔を覗いた。


「・・・・・・・・・今日は、帰らないと決めました・・・・リリー少尉のこと・・・・少し話しませんか・・・・・?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・少しだけで・・・・いいんです・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


女性は、何も言わず、手をつかって、部屋に入っていいという合図を、ジェスに示した。


「・・・・・ありがとうございます・・・・・・」


ジェスは、女性に会釈をすると、ゆっくりと、リビングに足を踏み入れた。





「・・・・・・・・リリー少尉は・・・・・・戦死しました・・・・・・・・」


ジェスは、女性の顔を見ることもなく、テーブルの上に置かれた、紅茶のカップを、見続けていた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・それで・・・・・この・・・・・・遺族・軍人年金のことで・・・・・・・」


「・・・・・・・ちょっとまって!・・・・」


「・・・・・・・なんですか・・・・・・?」


女性の大きな声に、ジェスは、少し言葉を待った。


「・・・・・・・何でいきなり、年金の話になるの・・・・・?そんなこと・・・・・直ぐに考えられるわけ・・・・・ないじゃない・・・・・」


女性は、大きなお腹をさすりながら、ジェスに詰め寄った。


「・・・・・・・・ジェス少尉は・・・・・自分が死んだときに・・・・・残されたあなたと2人の赤ん坊のために、遺族年金があなたたちに支払われる手続きをしました・・・・」


「・・・・・・・・・・・まだ・・・・・・籍に入ってない・・・・・・・・・」


「・・・・・事実婚として・・・・・あなたは法律的には、リリー少尉の妻に当たります・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・お子さんも、生まれた時から・・・・・子供の加算がつきます・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・遺書も・・・・・・もってきました・・・・・・・」


ジェスは、ポケットから、彼女あての遺書を、年金の書類の横に置いた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・人間は不老不死ではありません。死を回避したわけでもありません。いつか・・・・必ず・・・・・・誰ひとりの例外もなく・・・・・・死にます・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・きつい言い方かもしれませんが・・・・・あなたがリリーの死を受け入れられないのは・・・・わかります・・・・・が・・・・・いつか・・・・・死を受け入れなければならないんです。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・そのための準備を・・・・・・私は・・・・・・・あなたに・・・・・今・・・・・提案しています・・・・・・赤ん坊とあなたは・・・・・これからも・・・・・生きていかなければいけないのですから・・・・・・」


「・・・・・・・・そのための・・・・・・・年金・・・・・・・・・・」


「・・・・・・そうです・・・・遺書も・・・軍人というのは・・・・戦う前に必ず遺書を書くんです・・・・・・死と共存して生きていますから・・・・・」


「・・・・・・・・・・・すいません・・・・・・・・」


女性は、ジェスに、ゆっくりと頭をさげた。


「・・・・・・・あやまらなくていいです・・・・・僕もちょっと冷たい言い方でした」


「・・・・・・・わたしも・・・・・・・自分のことしか・・・・・考えていませんでした。」


2人は、お互いに頭をさげて、そして、少し笑っていた。


今日も、雲ひとつない、青い空が、マンションの窓の向こうに、広がっていた。


「・・・・・・・大人なんですね・・・・・ジェスさんって・・・・・恋人さんとか・・・いるんですか・・・・?」


「・・・・・・・・・・これから・・・・・・つくるんですよ・・・・・・・」





「・・・・・・・・いらっしゃ・・・・・・・・あっ・・・・・・・・・・」


キャバクラの店のドアを開けて、入ってきた男の顔を見て、アリサは、短く言葉を切った。


見覚えのある顔が、少し痩せて、色黒になって、帰ってきた。


「・・・・・店長・・・・・・・・アリサ嬢開いてる・・・・?いや・・・・・・彼女じゃなきゃだめなんだ・・・・・今日は・・・・・・・」


ジェスの眼に、横にいた店長は、何も言わず、アリサ嬢の開いたテーブルを指差した。


「・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・」


ジェスは、まっすぐ、アリサ嬢のテーブルに向かった。


彼女は、真っ赤なドレスに身を包んで、そこに、座っていた。


「・・・・・・・・・ひさしぶり・・・・・・」


アリサは、席についた、ジェスに、水を注いだ。


「・・・・・・・・ああ・・・・・・・ありがとう・・・・・・」


ジェスは、その水を、ゆっくりと、喉に流し込んだ。


「・・・・・・・・リリー少尉は、一緒じゃないの・・・・・・?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・んっ・・・・・?」


「・・・・・・・それは・・・・あとではなすよ・・・・・それよりも・・・・・」


ジェスは、アリサの眼を、じっと見た。


「・・・・・・・・彼氏と・・・・・別れたんだって・・・・・・・?」


「・・・・・どうして・・・・?」


「・・・・・・・・・何でも知ってるよ・・・・・・・君のことなら・・・・・」


「・・・・・・・まあね・・・・・最近別れたの・・・・・・もともと浮気性だったし・・・・」


アリサは、自分の手を、どうとでもなく、弄(いじ)っていた。


「・・・・・・・そうか・・・・・・・・そうか・・・・・・」


ジェスは、白い歯を見せた。


「・・・・・・・・なんか・・・・・うれしそう・・・・・」


「・・・・・・・・そう・・・・?そうみえる・・・・?」


ジェスは、水を、一気に飲み干した。


「・・・・・今日は、何のお酒にする・・・・・・?何か頼もうか・・・・?」


「・・・・・・これ・・・・・・・」


ジェスは、右胸のポケットから、小さな紙をアリサに渡した。


「・・・・・・・えっ・・・・・・」


「・・・・・・俺の携帯番号と・・・・・メールアドレス・・・・・・」


「・・・・・・・えっ・・?」


「・・・・・今度・・・・・・飯でも一緒に行かないか・・・・・?」


「・・・・・・・・・・・そうゆうのって・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・さびしいんだろ・・・・・・?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アリサは、自分の手を、もじもじさせていた。


「・・・・・・・・・・・・・・あんた・・・・・・・何度目よ・・・・・連絡先渡すの・・・・」


「・・・・・・・・・5回目くらいかな・・・・・・・忘れたけど・・・・」


「・・・・・・・・キャバクラで連絡先渡すの・・・・・禁止なの・・・・知ってるでしょ・・・?」


アリサも、白い歯を見せた。


「・・・・・・・知ってるけど・・・・店長も言ってたぜ・・・・?連邦軍に、恩を売っておくのは、商売として当然だってさ・・・・・」


「・・・・・・・・あんたは別なんだけど・・・・・・どうせ出世できなんでしょ?」


「・・・・・・さあ・・・・・・・どうかな・・・・・・?」


店は、男と女の熱気で、溢れていた。


「・・・・・・・・・・・・・・行こうぜ・・・・・・なっ・・・・・?」


「・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・うん・・・・・・わかった・・・・・・」


アリサは、ジェスのその、小さい紙を、細い指で受け取った。


「・・・・・・・ほんと!?」


「・・・・・・・今、うんって言ったでしょ?」


「・・・・・・・いや・・・・・絶対断られるとおもったから・・・・・信じられなくて・・・・やった!!・・・・」


「・・・・・・大きい声出さないの!他の客に迷惑じゃない!」


「・・・・・・・店長!俺やったよ!」


「・・・・・・ちょっと、どこに行くの!」


「お客さん!注文は!?」


ジェスは、スキップをしながら、キャバクラのドアを開いて、夜の街に消えていった。


ジェスの眼に、夜の街のネオンの光は、ダイヤモンドのように光り輝いて見えた。


つまらない日常の世界は、何も、変わってはいない。


変わったのは、ジェスの中の、世界 だった。


「俺は、昔のどうしようもない 自分自身を、超えることができたぞおおおおおおお!!!」


何もない、つまらない日常は、自分の行動で、自分の手で、変えられることを


ジェスは、今、知ったのだった。


小説 一年戦争終結 ~それから~


おしまい。

「・・・・・・あの・・・・・・・ちょっといいですか・・・・・・?」


カイ・シデンは、後ろから女の声がしたので、急いで振り返った。


「・・・・・・えーっと・・・・・誰子ちゃん・・・・・?」


カイは、その顔に見覚えがなかったので、とっさにそんな質問をしていた。


「・・・・・アナハイム・エレクトロニクス社(MS開発・製造・組み立てを専門にしている月に本社を置いている軍事・複合企業)から出向してきたセシルと言います。あの・・・・・連邦の兵士さんのことで、聞きたいことがありまして・・・・・」


彼女は、金髪を一つにまとめて、ポニーテールにしていた。


「・・・・・・・・・一応・・・・・・そうゆうことは軍事機密なんだけど・・・・・・・?」


「・・・・・・・・・わかっています・・・・・・・でも、どうしても聞きたいんです・・・・・聞いたら・・・・すぐにこの戦場を離れますから・・・・・・・・」


彼女の真っ直ぐな眼は、カイの心臓を、少し跳ね上がらせた。


「・・・・・・アルバート少尉は・・・・今・・・・どこにいるんでしょうか・・・・?」


彼女の声は、少し、震えているようだった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


カイは、セシルに言われて初めて、アルバート機である、ジム・カスタム(量産型ジムのパイロットごとのカスタム仕様機)が、このマン島の海岸沿いに帰還していないことに気がついた。


「・・・・・・・・えーっと・・・・・・・・ね・・・・・・・・」


「・・・・・・・どこを探してもいないんです!!戦闘指揮所を訪ねても知らないってゆうし・・・・・・・軍人名簿にも行方不明としか記載されてないし・・・・・・行方不明ってどうゆうことなんですかぁ!!」


セシルは、その尋常じゃない取り乱し方をして、カイに、彼女にとってアルバートが特別な存在であることを教えていた。


「・・・・・・・・帰ってくるって・・・・・・君のことが好きだって・・・・・言ってくれたんですよ・・・・・・なのに・・・・・なのに・・・・・・!」


セシルは、もう、他人に、自分たちの関係を隠すことはしなかった。


「・・・・・・・・行方不明っていうのはさ・・・・・・・まだ死んだと決まったわけじゃあ・・・・・」


「・・・・・戦場において行方不明っていうのは、死亡と同じですよね!?」


セシルのその声に、遠くで座っていたジェスが少し反応したが、反応したまま、動こうとはしなかった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


カイは、否定も肯定もしなかった。


ただ、顔を手で覆って泣いている、セシルの震える肩に、そっと手を置いた。


こうゆう時に、彼は、慰める言葉を知らないのだ。


『・・・・・・・・・・・柄じゃない・・・・・・・・慰め役なんて・・・・・・・・さ・・・・』


カイは、彼女が泣き終わるまで、肩を抱くつもりだった。


が、もう、それは、しなくてよくなった。


「・・・・・・・・・ただいま・・・・・・・・・・」


カイ達のうしろで、波の音にまぎれて、そんな声がした。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


2人は、その声が聞こえなかったのか、ずっと同じ姿勢のままでいた。


「・・・・・・・あの・・・・・・・・・ただいまって・・・・・・・言ってるんだけど・・・・?」


もう一回いっても、2人は、振り返らない。


「・・・・・・・・・・・・あの~・・・・・・・・・」


「・・・・・・うるさいな・・・・・・今、話しかけるなって・・・・・・・・・言ってる・・・・・」


カイは、ようやく振り返って、言葉が出なくなった。


「・・・・・・・カイ隊長・・・・・・・セシルさん・・・・・・・・みんな・・・・・・・」


青年は、海の向こうから歩いて、カイ達のもとにゆっくりと近づいてきた。


「・・・・・・・・・セシルさん・・・・・・・・ただいま・・・・・・・・・」


青年は、まだ手で顔を追っている、セシルの前に立った。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


彼女は、まだ、手で顔を覆ったま、青年の顔を見ようとはしなかった。


「・・・・・・・・・・・・夢じゃない・・・・・・・の・・・・・・?」


「・・・・・・・・足もちゃんと付いてますよ・・・・・手だって・・・・・指だって・・・・・・五体満足で・・・・・・・傷は多少あるかな・・・・・・・」


青年は、セシルの指を、そっと触った。


「・・・・・・・あっ・・・・・・・・・」


彼女が小さく、呻く。


「・・・・・・・逃げられちゃいました・・・・・・・ごめんね・・・・・」


セシルの網膜に、傷だらけのアルバートの優しい顔が、飛び込んでくる。


「・・・・・・・そんなこと、どうだっていいの!!どうだっていいんだから!!」


セシルは、もう、アルバートの腕の中で、彼を離すことはなかった。


2人には、もう、周りの風景なんて、どうでもよかった。


「・・・・・・・・まったく・・・・・・生きてるなら・・・・・・生きてるって・・・・・早く言えばいいのに・・・・・・なっ・・・・」


「・・・・・・ほんと・・・・・・キザですね・・・・・アルバート少尉って・・・・・」


海に浮かんでいたジム・カスタムの機体が、夕陽の光で、赤く染まっていた。


「アルバートさん!早くデートに行きましょう!」


「へっ!?」


突然、恋人たちの前に、60過ぎの老婆が、現れた。


「・・・ああっ!・・・・ラブ・ホテルの受付のおばあさん!!どうしてここに?」


「・・・・・・・・デートの約束したじゃない!早く行きましょう!!」


老婆は、アルバートの右腕を、老人とは思えない力で、強くひっぱった。


「・・・・・・・どうゆうことなんですか!アルバートさん!!」


セシルは、アルバートの左腕を、もっと力強く引っ張った。


「・・・・・・・・・・・死んじゃう・・・・・ここで死んじゃうよ・・・・・」


アルバートは、2人の女性にもみくちゃにされていた。


「・・・・・・・・・・もてる男はつらいねぇ・・・・・・じゃあ・・・・・行くか・・・・・」


「・・・・・・・・・そうですね・・・・・・・俺はもてなくてよかった・・・・・・」


カイとジェスは、アルバートの痴話喧嘩に、付き合う気はなかったのである。


アルバート編 おわり

「カイさん・・・・・・お兄ちゃんを助けてくれてありがとう・・・・・・」


ミリー・ラトキエは、アイルランド紛争で、生き残ったカイ・シデンと兄、ジル・ラトキエの姿を見て、駆け寄ってきた。


「んにゃ、俺は何もしてねーよ。こいつが生きたいと思ったから、生き残っただけさ。」


カイは、ジルの背中を、ポンと叩いた。


「・・・・・ただいま・・・・・」


「・・・・・おかえり・・・・・」


兄妹は、小さな島の海岸で、静かに抱き合った。


「・・・・・ミハルお姉ちゃんな・・・・・・・まだ帰ってこれないみたいなんだ・・・・仕事が忙しくて・・・・・・だから・・・・・これからは・・・・・僕たち兄妹で・・・・ちゃんと生きていけなきゃ・・・・・駄目なんだよ・・・・・・」


ジルは、言葉を慎重に選びながら、ミリーに話しかけた。


「・・・・・うん・・・・・・・うん・・・・・・・」


ミリーは、幼い頭で、兄の言葉を、理解するように努めていた。


「・・・・・でも、僕たちは、やっちゃいけないことをしたんだ・・・・・だから・・・・すこし・・・・・・ここには・・・・・べルファウストには戻れないかもしれないけど・・・希望を失っちゃだめなんだよ・・・・・ミリー」


ジルは、ミリーの赤い髪を優しく撫でた。


「うん・・・・・・・お兄ちゃんが・・・・・そう言うなら・・・・・・」


「・・・・・シェルドさんもいる・・・・さびしくないぞ・・・・・・」


「・・・・・そうだね・・・・・・・・」


ミリーは、小さな手で、顔をぬぐった。


「・・・・・おいおい・・・・勝手にお前たちで話を進めるなよ・・・・・お前たちを保護するために、俺はここまで来たんだぜ?」


カイは、兄弟の頭に手を置いた。


「・・・・カイさん・・・・・」


「・・・・・俺は軍を辞めるが、お前たちが一生安心して暮らせるように、政府に生活保護費を出させるように、手続きをしてやる。」


「・・・・・僕たちも・・・・・対象になるの・・・・?」


「・・・・・戦災孤児・保護法が制定・施行された。ベルファウストも、特に空襲がひどかったからな・・・そこに住んでるお前たちも、対象になるはずさ。」


「・・・・・・・・・・・・カイさん・・・・・・・」


「・・・・・・収容所生活に耐えるんだぞ・・・・・お前たちは正式な軍人じゃない・・・だから・・・・・扱いもきっとゆるいはずさ・・・・・」


「・・・・・・・・ありがとう・・・・・・・・」


「・・・・・・連邦軍の施設の中には、学校だってあるし、軍隊に入れば、無料で飯と住居にありつける。中で資格をとれば、就職だって有利だぜ?」


「・・・・・でも・・・・・カイさんは、辞めるんでしょ?」


「・・・・・・俺は、いいんだ。一年戦争で、人の死をいっぱい見すぎたんだ・・・発狂する前に・・・・・辞めたいんだよ」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ジルは、そんな戦争の実感はなかったので、そうなんだと思うしかない。


「・・・・・・・ミサキお姉ちゃんは・・・・・どうなるの・・・・?」


ジルは、もうひとりの、ジオン軍の女スパイのことを、カイに聞いた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


カイは、太陽の沈もうとしている、赤い焼けた空の方に、顔を向けた。


「・・・・・・・・親や恋人が死んだって、腹は減るし・・・・眠くもなる・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・?・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・太陽が沈んだって、また明日になれば、太陽は、人間の営みとは関係なく・・・・・素知らぬ顔で登ってくる・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・俺は、男に依存しないでも、ひとりで生きていける、そんな女が好きなんだ・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「あいつは、きっと、大丈夫さ。罪を償えば、きっと、みんな許してくれるよ。」


太陽は、地平線の向こうに、身を隠していった。


ジル編 おわり

「・・・・・・・・海って・・・・・・こんなに綺麗だったんだな・・・・・・」


「・・・・・・・・ああ・・・・・・そうだな・・・・・・」


アランとユウは、砂浜の上に腰をおろして、遠くで、波と戯れて、はしゃいでしる、エレナを、ずっと見ていた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


静かな時間が流れていた。


もう、彼らは、ジオン軍のために、戦わなくていいのだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・女の子なんて・・・・・・・世の中にいくらでもいるのに・・・・・いるのに・・・・・・」


「・・・・・・・いるのに・・・・?」


「・・・・・彼女が・・・エレナが・・・・・・すべてに思える・・・・・・・彼女以外に・・・・素晴らしい人なんて・・・・・・いない様な気がする・・・・・・」


「・・・・・・・・そうだな・・・・・・そう思うよ・・・・・・」


水の粒の中で、ボロボロの服を着た彼女の肌は、誰よりも綺麗で、輝いて見えた。


「・・・・・・・・・・でも・・・・・エレナも・・・・・性格悪いかもよ?」


「・・・・・・・悪くてもいいよ・・・・・俺だって・・・・・・聖人じゃないんだし」


「・・・・・俺もさ・・・・・・お前が俺たちの前からいなくなってくれと・・・・・思ったことあるもん。」


「・・・・・・俺は・・・・・・・自分のことしか・・・・・自分の欲望にしか・・・見えていなかった・・・周りの他人の人生なんて・・・・どうでもよかったんだ・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・俺は・・・・・・エレナさえいれば・・・・・・・な・・・・・」


「・・・・・俺も・・・・・・・・」


そして、2人は、黙った。


「・・・・・・・・・言うこと・・・・・・・・もう決めたんだろ・・・・・?」


「・・・・・・・・ああ・・・・・・・初めっから・・・・・・・ひとつしかないじゃん。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだな・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ・・・・・・行くから・・・・・・」


アランは、立ち上がると、エレナのもとへ、歩いて行った。


ユウが、うしろでどんな顔をしていても、アランは、足を動かし続ける。


エレナが誰を選ぼうとも、アランは、後悔しないと決めたのだ。





「・・・・・・エレナ・・・・・・・・君に聞いてほしいことがある・・・・・・」


アランは、空と海のあいだの、地平線を眺めていたエレナに、声をかけた


「・・・・・・アラン・・・・・・・」


アランの真っ直ぐな瞳に、エレナの瞳は、揺らいだ。


「・・・・・・ユウに何を言われたのか・・・・・俺は知らない・・・・・知りたくもない・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・だけど・・・・俺も・・・・・・君に伝えたいことがある・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「遅いとか、早いとか・・・・・そんなの関係ないんだ・・・・・・・」


「・・・・・・・うん・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・俺が、今まで戦い続けてきたのは・・・・・・君がいたから・・・・・・どんなに苦しくても・・・・・・死をまじかに見ても・・・・・・希望を捨てなかったのは・・・・・・・君がそばにいてくれたから・・・・・・・君を守るために・・・・・俺はガンダムにだって・・・・・乗れた・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・死なずに済んだのは・・・・・・エレナのおかげなんだ・・・・だから・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・好きです・・・・・・・ずっと前から・・・・・・君のことが・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


波の音が、2人の世界の中に、響いては消えていた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・ユウにも・・・・・・同じこと・・・・・・・・言われた・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


唾を飲み込む音が、やけに、大きく聞こえた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・ユウに・・・・言われて・・・・・返事を待っていてもらってたの・・・」


「・・・・・・・・そう・・・・・・・・」


「・・・・・・だから・・・・・・・ユウも・・・・・・・・ここに・・・・・・・・」


エレナは砂浜で、体育座りをしていたユウに視線を送っていた。


エレナに見つめられて、ユウは、ゆっくりと近づいてきた。


「・・・・・・・どうした・・・・・・?」


「・・・・・・・・・・・・今、ここで、2人の返事を返すね・・・・・・・・」


エレナは、目の前にいた男2人に、平等に視線を送っていた。


「・・・・え・・・?」


男は、そんな声しか、出てこなかった。


「2人とも・・・・右手を・・・・・出して・・・・・・・目をつぶって・・・・・・・・・そして・・・・・・握った方と・・・・・・・その・・・・・・・なんというか・・・・・・Yesってことで・・・・・・」


エレナは、顔を真っ赤にしながら、説明をした。


男たちは、顔を見合せながら、エレナの言うことに従った。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


心臓の音が、激しくなる。



きっと、今日は、眠れそうにない。



明日も、明々後日も



彼女の手の柔らかさと、温かさを知った時


世界は、きっと、その時、変わるだろう。



何でもない、つまらない日常が




バラ色に変わる瞬間なのだから・・・・・・・





アラン編 おわり


かくして


イギリス地区の北、アイルランドの小さな島で起きた


地球・連邦軍とジオン軍の小さな人間たちの、小さな戦争は


静かに、ここに終わりを告げた。


ジオン軍のリーダーのひとりである、メナドが、アクシズ(ジオンの小惑星・要塞)に逃げるために用意した、最後の置き土産である、核ミサイルたちは


突如現れた、白いガンダムとジオン軍が一年戦争後も秘匿していた謎の黒いモビル・スーツ(人型兵器)の、不思議な力によって、宇宙(そら)の彼方へ、吹き飛ばされていった。


彼らは、その役目を終えた後、静かに自らの機体を崩壊させ、アイルランドの海へ落下していった。


乗っていた、パイロットたちを、吐き出しながら。


そして彼らは、二度と人間たちの前に、姿を表すことはなかった。




「・・・・・・・・・子供が・・・・・・・あのMSに乗っていたんですか・・・・?」


「・・・・・・・・そうなんですよ・・・・・ダン少尉・・・・・・・」


カイ・シデンは、マン島の海岸沿いに、ジム・キャノンⅡの機体を着陸させて、砂浜にいた連邦軍・陸戦部隊の隊員である、ダン少尉と合流していた。


「・・・・・・・・・・自分は、MS乗りになりたくて、連邦軍に入ったんですけど・・・・適性がなくて・・・・・・ね・・・・・」


「・・・・・・・・・・子供に・・・・・・・負けましたね・・・・・・・」


「・・・・・・・・まあ・・・・・・そうゆうことになりますかね・・・・今・・・陸戦では・・・誰にも負けない自信はあるんですよ・・・・・」


「・・・・・・いいですね・・・・・何かに自信をもつことは・・・いいことですよ」


カイは、ジム・キャノンⅡの手の上にあった、コクピット・コアの脱出部分から這い出してきた、アランの姿を見ていた。


彼は、まっすぐ、ジオン軍の捕虜が集まっているテントに向かっていた。


「・・・・・・・・すいません・・・・・・またあとで・・・・・・」


カイは、ダンに軽く会釈すると、アランのあとを追った。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アランは、テントの入り口を、手でゆっくりと開けた。


中には、自分と同じくらいの、子供たちでびっしりと埋まっていた。


その中に、自分の胸を、高鳴らせる相手の、顔があった。


「・・・・・・・・エレナ・・・・・・・!」


「・・・・・・・・アラン!・・・・・・」


2人は、目があった。


あって、生きていて本当によかったと、アランは、その時、思った。


「・・・・・・ユウ・・・・・・・」


エレナの横に、もう一つの顔もあった。


「・・・・・・ああ・・・・・・よかった・・・・・・」


言葉とは裏腹に、アランとユウは、複雑な顔をしていた。


「・・・・・・3人で、話があるんだよな・・・・・・兄ちゃん・・・?」


カイは、アランの肩に手を置いた。


「・・・・・・・どうして・・・・・・・?」


「・・・ジル・ラトキエが、あの黒いMSのパイロットが教えてくれたよ・・・・・・何か・・・・・彼女に伝えたいことがあるんだろ・・・・・・?」


アランは、カイのその言葉に、顔を真っ赤にさせた。


「・・・・・・はい・・・・・・・少し・・・・・時間を・・・・・」


「・・・・・・・・・・だそうだ・・・・・少し・・・・・・時間貰っていいか・・・・?すぐ戻るらしいから・・・・・さ・・・・?」


「困りますよ・・・・・・彼らは子供だってジオン軍の少年兵士だったんですよ?何かあったら・・・・・私は・・・・・・・」


テントの前にいた、自動小銃を抱えた連邦兵士は、カイに、そう言った。


「・・・・・・・・何かあったら・・・・・・俺が責任をとる・・・・・・軍を辞めるよ・・・」


「カイ中尉!」


「・・・・・・・・いいんだ・・・・・・もともと辞めるつもりだったし・・・・・・・俺は人殺しを恒常的に仕事している軍人に、向いてないとわかったからさ・・・・・・・」


カイは、テントの中にいたエレナとユウに、外に出るよう合図を送った。


2人は、最初は戸惑っていたが、しばらくたってから、ゆっくりと、テントの外へ出てきた。


「すぐ・・・・帰ってくるんだぞ?じゃないと・・・・・・ここに置いて行くぞ!」


3人は、カイに小さく手を振ると、ゆっくりと、静かな場所に消えていった。


「・・・・・・・・・いいねぇ・・・・・・・・若いっていいねぇ・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・あの・・・・・・・・カイさん・・・・・・今いくつですか・・・・?」


「・・・・・・17だけど・・・・・?」


「・・・・・・・そうですか・・・・・」


連邦兵士は、それ以上、カイに、何も言わなかった。

ジル・ラトキエにとって、死は、身近にあった。


だが、彼は、どんなに絶望しても、自殺しようと考えたことは一度もない。


彼のそばには、いつも妹のミリーがいたし、いなくなったお姉ちゃんが、いつか返ってきて、三人で、あの家で一緒に暮らすことを、夢見ていたからだ。


だが、もう、その夢は、消えようとしている。


でも、彼は、希望を捨てなかった。


死ぬことよりも、生きることのほうが、楽しいことに出会えると思ったから。


それだけだった。




『・・・このガウンドというモビル・スーツ(MS)にだって、I・フィールド(バリアーのようなもの)機能はあった・・・・・だからガンダムがそれを応用して核ミサイルを封じ込めたなら・・・・僕にだって・・・・・それができるはずなんだ・・・・』


ジル・ラトキエは、そんなロジック(論理)のようなものを頭に浮かべながら、核ミサイルを、I・フィールド空間に封じ込めているガンダムの横に並んだ。


『・・・・・・・?・・・・・・・・・』


ガンダムに乗っていた、アランは、黒い死神のようなMSが、自分の機体の横で、何かしようとしているのに気がついた。


『・・・・・ガンダムは、核ミサイルを封じ込めることしかできないんですか?』


『・・・・・・・らしい・・・・・としかいえない・・・・・・・僕もさっき一度使ってみたんだけど・・・・ケンプファー(ジオン系のMS)の自爆を・・・・・一時的にしか抑え込むことができなかった・・・・・』


『・・・・・この機体にも・・・・・I・フィールド機能はあります・・・・・それを何かに使えませんか・・・・?』


『・・・・・・できるのか・・・・・・?』


『・・・・・・もう・・・・・やるしかないんでしょ・・・・?ここまできたら・・・・』


『・・・・・・ガンダムも・・・・・機体にガタが来てる・・・・・・・ガウンドの機体だって・・・・』


『・・・・・彼女も・・・・・待ってますよ・・・・・あなたの・・・・・・告白・・・・・』


『・・・・・・・・・・・・・・・・』


『・・・・・僕は・・・・まだよくわからないけど・・・・・そうゆう気持ち・・・・』


『・・・・・・・・・・・そうだった・・・・・おれは・・・・・ジオン軍や連邦のために・・・・戦ってたわけじゃ・・・・なかったんだな・・・・・・・』


ガンダムの両手の腕の上に、ガウンドの、片腕が、そっと添えられた。


『・・・・・・・僕は・・・・・妹のとの・・・・・生活のために・・・・・・ジオン軍に入りましたけど・・・・・・ね!』


ガウンドの、360度フル・液晶スクリーンのコクピット・コアが、白の世界から赤い世界に移り変わる。ジルの思惟(しい)とガウンドのシステムが、有機物と無機物の垣根を越えて、結合し始めていた。


『・・・・人間の作ったものなら・・・・・人間のために・・・・何とかして見せろ!』


ジルは、ガウンドのシステムの中に、I・フィールド・バリアー・プロジェクション(IFBPシステム。機体の周りをうごめくバリアー粒子を放出して、反発力を使って触れた物体そのものを吹き飛ばすシステム。)を見つけ出すと、それをすぐさま実行するようにガウンドに伝達した。


ガウンドは、デュアル・アイ(2つめ)を発光させ、ジルに返事を返した。


ガウンドの右腕の手のひらから、ピンク色の粒子が、勢いよく飛び出して、ガンダムが形成した空間を、ゆっくりと、動かしていく。


『・・・こいつ・・・・ガンダムと同じシステムを搭載していたのか・・・・・・?』


アランは、目の前の空中に浮遊している核ミサイルたちが、見えない力で離れていくのを目撃していた。


『・・・・・・・・・・気を抜かないで・・・・・・・こっちも・・・・・いま・・・・・・手探りでやっているんです・・・・・』


『・・・・・すまない・・・・・・・』


アランは、ジルにそう言われて、すぐ謝った。


『・・・・・・・・よく・・・・・寝る前に・・・・・想像することがあるんです・・・・・』


『・・・・・・・・何を・・・・・・・?』


『・・・・・・・戦争がもし・・・・・起こっていなかったら・・・・お姉ちゃんがスパイなんかしていなかったら・・・・・・・・僕には・・・・・・どんな人生が待っていたんだろう・・・・・って・・・・・・』


『・・・・・・・・・・・・・・・・・』


『・・・・・・普通に・・・・・学校へ行って・・・・・・友達と遊んで・・・・・・勉強をして・・・・・・好きな女の子とか・・・・できたりして・・・・・』


『・・・・・・・・・・・・・・・・・』


『・・・・・・・・・僕にだって・・・・・・そんな未来があったのかなって・・・・妹の顔を見ながら・・・・・・・・・こんなMSに乗って・・・・殺し合いなんか・・・・・したくはなかった・・・・・・・誰の性なんでしょうね?・・・・・ぼくの人生がこんな風になってしまったのは・・・・・・』


『・・・・・・・・・・・・・・・・・』


『・・・・・・・・・・・・・・・・・』


『・・・・・・・・・・俺は・・・・・・・後悔してないよ・・・・・・・・』


『・・・・・アランさん・・・・・・・』


『・・・・・・・・・・ジオン軍が・・・・・おれたちストリートチルドレン(浮浪孤児)をスカウトして、少年兵士に仕立てあげる作戦を組まなければ・・・・・俺は・・・エレナと出会えなかったわけだし・・・・まあ・・・・・学校で会えたらもっとよかったけど・・・・・・・』


『・・・・・・・・・・・・・・・』


『・・・・・・・・・・MSを操縦できなかった俺が・・・・・・・ガンダムに乗れたのも・・・・エレナを・・・・彼女を助けたいと思ったから・・・・・・でも・・・・実際なんで操縦できるのかは、乗ってる俺もよくわかんない・・・・・』


『・・・・・・僕もです・・・・・・・』


『・・・・・・ガンダムとガウンドが・・・・・・なんで、何のために作られたのかなんて・・・・・俺達には関係ない・・・・・・俺たちは・・・・・・』


『・・・・・・・・・・・・・・・・僕は・・・・・・・・・』


『・・・・・・好きな人を・・・・・・守りたいだけ!!』


ガンダム・インブレイス(包み込む)とガウンド・ラディエーター(放射)は、


今、機体すべてから、光を放っていた。


『・・・・・行くぞ!?』


『・・・・・いつでもどうぞ!!』


2人は、もう迷わなかった。


『・・・・・・あっちへ、行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!』


核ミサイルたちは、2機のてのひらから放出された、ピンク色の光の力によって、閉じ込められていた空間ごと、宇宙の彼方へ飛んで行った。


彼らは、地球を飛び出した直後に、ガンダムが形成していたIフィールド空間の呪縛が解けて、核ミサイルの機動スイッチが、作動した。


カチッ!


核ミサイルの爆発が、地球の外で起こって、それは、アイルランドの空を、いつまでも、夕焼けにしていた。


白と黒の鉄の塊は、そんな空を見ながら、役目を終えたように、ゆっくりと崩壊していった。


彼らは、すべての力を使い切り、もう飛行する力もなく、アイルランドの海に、垂直に落下していくことしかできない。


今、2機は、仲良く海に向かって、吸い込まれようとしていた。


そんな中、落下していく2機のコクピット・コアのパイロット操縦スペース(空間)の部分が、本体と切り離されて、空中に飛び出すのが見えた。


それを、いち早くカイ・シデンの乗ったジム・キャノンⅡが、モビル・スーツの両手で、優しく受け止めた。


そして・・・・・・・・


遠くの空で、連邦軍のマークの入った、スペース・シャトルが、宇宙(そら)へ向かって、登って行くのが見えた。


そのシャトルの向こうに、小さな家のテーブルを囲んで、父と母の優しい腕に抱かれた、赤ん坊の姿を、ミリー・ラトキエは、マン島の海岸の場所から、それを見た。


いつまでも、いつまでも、それを見ていた。