本事業の入札に関して不正の疑惑が出てきている。
最低価格で落札したフジムラが失格とされ、理由は明らかになっていない。
2番目に低い価格を提示した業者も、品質確保ができないおそれがある場合に実施する「特別重点調査」の対象としてJSC側が契約を保留するなど、不自然な点が多いというのだ。

フジムラは不正入札の疑いがあるとして内閣府に告発してしる。

入札の際、JSCは入札書と工事費内訳書の提出期限前であるにもかかわらず、各業者の内訳書を開封し、事前に入札金額を把握していた。さらにJSCは、内訳書の開封と並行して予定価格を決める手続きを進めていたという。
これをフジムラ側は問題視し、「予定価格の決定が恣意(しい)的に操作されたとの疑いを持たれる行為。公正性や公平性の確保で重大な疑義がある」「各社の入札額を先に確認してから予定価格を決めたと疑われても仕方ない」と批判している。

その後、内閣府の調査においてJSCの河野一郎理事長は、「(入札情報が)漏れたとは考えていない」「(落札価格の)操作事実はない」と答え、談合入札を否定した。 
しかし、民主党議員の蓮舫氏による「苦情を申し立てた業者、落札した業者、解体設計者にはヒアリングしたが、JSC関係職員11人にはヒアリングしていない」との指摘に対し、河野理事長は「私が直接ヒアリングした。したがって調査部会はヒアリングをしていない」と答えるなど、調査に対しても疑義が湧き上がり、再入札となった。

 総工費とは別に、新国立競技場は将来負担する修繕費と大規模改修費だけで1000億円近く、さらに年間維持費は約45億円にも上ると見られている。ちなみに旧国立競技場の年間維持費は約4億円、横浜国際総合競技場は約5億円、埼玉スタジアムは約6億円で、桁が異なる。