民主、首相批判 「パフォーマンスだ」

 民主党は18日、安倍晋三首相が新国立競技場建設計画の白紙撤回を表明したことについて「都合のいいことだけのパフォーマンスだ」(安住淳国対委員長代理)と批判を強めた。国会などで追及する構えだ。

 岡田克也代表は仙台市で記者団に「(撤回は)遅すぎた。もっと早く決断するチャンスはあった」と強調。枝野幸男幹事長はさいたま市で「最終的に(撤回を)決断できたのだから、責任は首相にある」と指摘した。

 安住氏は仙台市での街頭演説で「首相は(安全保障関連法案と違い)数で押し通さず、内閣支持率を上げようと思って見直した」との見方を示した。

すでに多額の出費が出ている
建築のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞している建築家の伊東豊雄さんは昨年5月、旧競技場を改修した案を発表しました。スタンドの一部を削り、観客席を増設する内容で、工費は新国立計画の『半分程度』。つまり700億円程度と試算していました」

 この時、見直していれば現状工費(2520億円)の3分の1以下で済んだが、今や旧競技場は跡形もない。
安倍首相は「ゼロベースで見直す」と威張っていたが、既に事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が新国立の関連工事費で使ったカネはざっと85億円にも上る(表)。
ハディド氏に支払ったデザイン監修料13億円と合わせると約100億円。血税100億をただただ無駄にする白紙撤回。
思いつきで政策をやってしまう安倍首相らしい。

また、デザイン変更に伴う違約金や損害賠償が発生する可能性もある。
JSCは9日、スタンド部分の資材を大成建設に発注し、32億9400万円の契約を結んだ。大成建設が担当するスタンド建設費は現段階で約1570億円、屋根部分を担当する竹中工務店は約950億円の建設費を見込んでいるが、大幅見直しとなれば、両社がJSCに“損失補填”を求めるかもしれない。
JSCは「ハディド氏側から、デザイン見直しに伴う違約金や損害賠償を求められる可能性はある」(広報)と認めた一方、他の賠償については「分からない」(同)。
大成建設や竹中工務店に、JSCに賠償を求める可能性を問うと「個別の工事についてお答えしていない」と答えた。