新国立競技場問題 安藤忠雄氏が会見_YouTube

デザインを選定した責任はある。

だが、我々が担ったデザイン選定の段階では設計図がないので細かい予算の見積もりはできないが、
選定段階で、デザイナーも1300億円というのは分かっていた。
これが2008年。2012年の段階では正式にではないが1600億円程度まで予算が膨らんだと聞いている。

現在、天井部分が700億円かかるとして話題になっているがこれは当初あらあったデザインでこれも含んだ経費は最初から考えられていた。

実際、ゼネコンが参入する基本設計の段階でなぜここまで予算が膨らんだのかは私には分からない。

公開された議論を徹底的に行い、予算を見直す必要はあると思うが、ザハのデザインを見直して欲しいとは思はないし、ザハの設計を採用しなければ国際的な信用もうしなう。

と、コメントしました。


その後、問題の基本設計に携わった側、
日本スポーツ振興センター(JSC)の鬼沢佳弘理事への会見がされました。

ゼネコンはこの規模の工事ができる力と技術をもっているところは限られているから変更できない、
予算が上がっているのは現在建築ラッシュで需要が上がっているから建設費も当然上がる。
この話がでた2008年とは物価も違う。
その分が屋根の700億円分に入っているといった事を言っています。

記者から、
これくらい大規模の設計に設計書が全くないデザインのみの選考で決定というのは珍しいかどう思うか?

デザイン選定の際、予算は決まっており技術設計部門で選ばれた人間が総工費が大体これくらいかかるとチェックしているはずだが、この人たちの見積もりが間違っていたという事か?

予算が大幅に拡大された責任はどこにあるのか?

と問われていましたが、きちんとした回答はされませんでした。
安藤氏は予算がここまで膨らんでいく経緯は全く聞いていないが、少なくとも自分たちが選定した時は決められた予算を元に話を進めていたとしています。
実際に、ゼネコンを入れて具体的設計に入り値段を見積もる段階の話は全く聞いていないと明確に述べました。

安藤氏の会見でこのプロジェクトを具体化するにあたり基本設計に携わった実行委員とゼネコンらの話がよく分からない状態になった事は明らかで、具体的に数字をあげてなぜ膨らんだかの計算詳細を国民に説明する必要があるでしょう。

個人的には、安藤氏、JSCの鬼沢理事、双方への記者からの突っ込みが甘かったと思っています。
特に安藤氏への質問はかなり甘かったという印象がありました。
会見の時間が短すぎるというのが一番大きいですが、
記者の方が選定プロセスに関する取材や勉強を今日の会見までにしていなかったのか、それとも安藤「先生」に遠慮したのだろうか。。。という印象が否めません。

安藤氏がリードした選定プロセスと基本設計とのコストがここまで違うという説明を書類と共に双方から出してもらう必要があります。

安藤氏は、自分は総理ではない。その予算に関わっていないし、予算のGOを出したのも自分ではないとしています。
ですが、オリンピック招致に関わり、これだけの予算を割く建築プロジェクトのデザイン選考プロセスのトップを引き受けたのですから、もっと真面目につっこんだ詳細、つまり当時の技術見積もりの資料を出しながら説明をして欲しかったと思います。
大きなイベントにちょいと関わった自分には関係ないという雰囲気を私は感じました。

私は、これだけの大事業ですから有識者会議に欠席した事について大変いい加減な対応であると個人的に感じていました。
安藤氏からはそれに対して、有識者の東京での会合を欠席した時、大阪での講演会を優先した、また膵臓全摘出手術などを受け長距離を移動できない健康的理由もあった。大阪でやってくれと頼んだと説明しました。

現在このプロジェクトの予算は見直しの方向を考えているという事ですが、今回予算が膨らんだ理由についての資料を実行委員とゼネコンに政治家は求めるべきです。
報道もまた、それを求めるべきだと強く感じた会見でした。