今回の、高浜原発稼動差し止めにあたっては、感電は裁判官忌避(裁判官失格の烙印といえる)という荒技まで駆使しました。この荒技にはさすがに裁判官もご立腹。樋口英明裁判長は、当時名古屋に移動する予定でありましたが、手続きをとりこの採決は俺がやると言って、差し止め仮処分の決定を下したのでした。

しかし原発の再稼働をしないと、政府からお金が降りてこないし、原発施設と燃料を経費計上できない電力会社はこんな事はひるんでいられません。電力会社にとって、原発を使用しないことは、赤字計上になるからです。

関電は17日、早速「(2基の)安全性は確保されている」として決定の取り消しを求める保全異議を福井地裁に申し立てをしました。
さらに、再稼働の禁止で「大きな経済的損失を被る」として決定の執行停止も請求しました。
この大きな経済的損失ってのはどうでしょうかね。
このブログでも何度も取り上げていますが、我が国の電力は他の先進国と比べてそもそも2倍なんですよね。
これが、どのくらいこの国の第一次産業を圧迫していることか。。
ところが、電力会社と経産省は手を組んで莫大な原発施設の予算を何の根拠も無くただただ我々の税金から抜き去っていました。

そもそも、化石燃料の方がよっぽど原子力施設から供給される電気よりやすいんですよね。
おまけに効率で言えば、化石燃料の方が原発より使える電気を作り出す効率がよい事をごぞんじでしょうか。
また、CO2とことあるごとに言う人達はいますけど、原発施設の建設にどれだけの二酸化炭素が使われたかをそもそも計算していません。
つまりは、国民に原発を使用させて電力会社と官僚が設けるシステムをこしらえただけの話。
そのゆるゆるの環境になれてしまった電力会社。なんの企業努力もせずに、我々の税金を吸い取るシステムだけで熱心に作って何十年と過ごしてきたわけです。

当初化石燃料は単価が高いとして福島の事故後、原発施設を再稼動できない変わりに電気料をばんばんと値上げしました。

ですが、皆さんここで思い出してもらいたい。

電力会社が、最初に再稼働が必要だと言い出した時の最大の理由は、化石燃料だけでは今や日本の国民に十分な電気をお届けできない。
これでしたよね?
ところが、再稼働しないまま1年経っちゃったんですね。
最初の半年は、電気節約なんて言ってましたけど、国民も「あれ?」と思い出したんです。

そうしますと、電気野供給は間に合ってるけど、化石燃料は海外から輸入してお金がかかるから、電気代を上げないとならん。
とこうきたわけです。

ところが、石油の値段ががくんと下がっても、何の事はない。彼らはなんでかんで原発を再開したいと言っています。

皆さんは、原発というのは仮想リサイクルビジネスだと言う事をご存知ですか?
使った燃料棒はリサイクルなんて出来ないんですが、「できる」という仮定にしていビジネスしているんです。
そうすると、原発施設が稼動している間は、原発施設及び燃料棒は資産として財務計上できるんです。
電力会社にしてみれば、原発は美味しすぎるビジネス。
核のゴミの始末にいくらお金がかかろうがレートベース方式です。
つまり、彼れらの経費は全て電力の使用者の負担になるわけです。
おまけに、建設中でまだ稼動していない原発施設のコストも私たちが払っている電気代に上乗せできちゃうんです。

さて、今回の仮処分が決定するとアゴラの編集長池田信夫さんを筆頭に、テレビへの露出が多い評論家なるものを生業にされている方々が一斉に、この判決を出した樋口英明裁判官のバッシングを始めました。

以前も私は池田信夫さんは原発事故発生当初から完全電力会社よりの人で、時に言ってる事がひどすぎると書いた事があります。
今だから言わなくなりましたが、当初は法律で1年1ミリシーベルトなど定められていないと原発に関わってきた人達にテレビの前で毒づいていました。
その内、国民に原子力関係の法律に対するリタラシーが上がってくると、法律が厳しすぎるのだから法を変えるべき他と主張するようになりました。
池田信夫さんのブログ記事:http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51926310.html
池田信夫さんは、物理、熱力学といって工学系の知識が乏しいようで、「セシウムは燃やせば分解される」とツイートした事もありました。
さすがに、これに対しては素人からも多くの突っ込みが入り、「だったら福島第一原発施設は焼き払えば問題が解決するのか」と切り返されたんはネット上では有名なお話です。

事故から国民のナレッジがここまで上がっているのに、あからさまにテレビや自分のブログでトンデモ科学を提唱する評論家は、もやは『毒』そのものでしかありません。

私は、福島の事故が無かったとしても日本のエネルギー問題は抜本的に改革が必要だ強く思います。
エネルギー問題で、一部の官僚、政治家と電力会社が設けるような事をこのまま続ければ日本は更に衰退し、更に中国との差が開くでしょう。
日本は科学大国、経済大国であることが安全保障につながるんです。

私たちは、なぜ、他の先進国よりもこんなに高い電気代とガス代を支払わなくてはならないか考える必要があります。

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