2014年に安倍政権が閣議決定した原子力着せ委員会の新基準。当時、阿部さんは「世界で最も厳しい基準」と明記しました。当時そ「その世界一」の基準という根拠を示せと各方面から声が上がりました。

皆様は、なぜ安倍首相が「世界一の基準だ」なんて言っちゃったのかご存知でしょうか。
安倍政権は基本計画で再稼働を進める条件に「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合」と明記しちゃったんですね。

当時国会では菅直人元首相が諮問主意書でこの根拠について回答を求めました。
答弁書では
「諸外国の規制基準を参考にしながら世界最高基準となるよう策定した」と答えています。

まぁ、こんな酷い回答は無いんですよね。
世界最高を計る尺度が無い。示せない。
でも、作成した人達は世界最高基準だと言っているわけで、
当時原子力規制委員会内部でも、その言い草はいかがなもんかと疑問視する声が上がっていました。

元東芝技術者の後藤正志氏は炉心が解け落ちる大事故に備える為のコアキャッチャーの設置や格納容器の二重化など具体例を挙げて、「欧州では日本に無い安全対策が始まっていて、後れをとっている。」
と、昨年4月に、具体例をあげて指摘をしています。
また、この世界最高基準というのには自民党内部、党幹部からすら「嘘、再稼働向けのリップサービス」と声があがりました.

今回の高浜原発差し止め仮処分に対して、政府は裁判官が「わかっていないのではないか?」
とか「事実誤認がる」というコメントを出しました。
司法が「新基準は甘い」という判決を出したにも関わらず、それを無視しようというしています。

昨年もあっちこっちで問題視されていた新基準。
最も問題なのは、実質的でないという事です。

例えば、中央制御室が破壊された場合は原子炉の冷却を遠隔で操作できる「緊急時制御室」の設置を義務づけています。
ところが設置には5年の猶予期間を認めたんですね。
つまり、そんな物は設置されなくても稼働していいんです。
でも、地震や新たな災害が5年以内にこない補償はない。
ちっとも厳しい基準ではないんですね。

それから、メルトダウンが起きた場合を想定してのコアキャッチャーの設置が日本の項目にはありません。
これは欧州が福島原発事故を教訓に設置計画を進めています。
ところが、これを日本で行う事ができないんですね。
なぜなら日本の原子炉はすごく古いタイプなんです。
だからコアキャッチャーの設置がそもそもできません。
そこで、新基準では、古い原発は危ないので原発施設の稼働機関を40年に制限しました。と明記しています。
ところが現実は廃炉にするプロセスが確立されてないですから、現実としては出来ませんし莫大なお金がかかります。
そこで、抜け穴をつくりました。
新基準では、40年経っても「特別点検」を実施すれば一回に限りさいだい20年間延長しますといってるんです。
つまり、世界ではぽんこつで既に使用されていない危ない原子炉が日本には沢山ありますが、それらはあと20年は廃炉にされないで
稼働し続けるわけです。
さすがに、この基準の「甘さに」は当時市民からの抗議の声が沢山上がりました。

そして、今年安倍政権は対北朝鮮、対ISISへのリスクを上げました。
今までより外からの攻撃されるリスクが上がっているわけです。
ところがこれに対する備えが今の所全く有りません。
安倍政権が言っている「事実誤認」とか「裁判官が分かっていない」というのは何を根拠にしているんでしょう。