日本は新たな原子力発電所の事故への準備ができているのだろうか。米原子力規制委員会(NRC)の元委員長グレゴリー・ヤツコ氏によれば、これは日本が再び原発に大きく依存する前に答えなければならない問題だという。

ヤツコ氏は11日、ジャパン・リアル・タイム(JRT)とのインタビューで、「回避不可能なある種の事故というものがあることを忘れてはならない」とし、「日本が自問しなければならないのは、もう一度事故に遭いたいかということで、答えがノーなら、原発は2度と使わないというのが解答でなければならない」と語った。

与党自民党は今、原発をほとんど常にフル稼働する重要な「ベースロード電源」と定義付ける新しいエネルギー基本計画案を承認するかどうか議論している。伊吹文明衆議院議長(自民党)は11日の東日本大震災3周年追悼式で、「われわれは電力の恩恵を享受する一方で、福島の人々にコストを負わせているように感じられる」と述べた。

2012年末の総選挙での安倍晋三首相の公約の一つが原発利用の約束の再確認だった。しかし、首相は10日の国会審議で、「できる限り」原発依存度を減らすことが必要だと述べた。それにもかかわらず首相は、原発の重要性を強調し、福島での事故以来運転停止状態になっている原子炉の再稼働が必要だとしている。

世論調査では依然として安倍氏の指導力に高い支持が見られ、同時に原発への強い反対が示されている。

2011年3月の巨大地震は津波を起こし、これによって福島原発のバックアップ電力システムが崩壊。冷却システムがまひ状態になり、6基の原発のうち3基がメルトダウンに至った。のちの調査では、原発運営会社の東京電力が津波の潜在的な規模と電源喪失の可能性を過小評価し、より強力な安全システムを勧告していた研究結果を無視していたことが明らかになった。

ヤツコ氏は、東電が災害に十分な準備をしていなかったことは本当だと語った。その上で、「しかし結局のところ、地震を引き起こしたのは東電ではなく母なる自然だった」と述べた。

13年7月には、福島原発のような大事故を防ぐためのより厳しい新規制が導入され、それ以降、原子力規制委員会は電力会社が再稼働させたいいくつかの原発の安全性を審査している。同委員会は13日の会合で、再稼働の準備がほぼ整った一つか二つの原発を発表すると見られる。