ロンドン(CNNMoney) 優秀な人材を育て、呼び寄せ、引き留めておく「国際人材競争力指数」の世界ランキングがこのほど発表され、スイスが世界一に輝いた。

フランスやシンガポールに拠点をもつ経営大学院インシアード(INSEAD)が発表した。上位は欧州の国々が独占し、9位に米国が入った。今回新設された指標では、教育や政策、生活の質など全48項目に基づき、世界103カ国に順位をつけた。
スイスは全項目で高い評価を得ているが、特に高等教育に注力する姿勢が高い評価を受けた。
2位に入ったのはシンガポール。
成長戦略や人材獲得戦略が明確になっている点が評価された。

この指標には、グローバル企業の人材獲得にあたり、優秀な才能を集めやすい国を選ぶ目的で作られたという側面もある。
インシアードの学長を務めるイリアン・ミホフ教授は声明で、「企業が求めるスキルと現地労働市場が提供できるものの間には、大きな乖離(かいり)がある」と述べ、改善を呼びかけた。今回のランキングで上位を独占したのは、デンマークやスウェーデン、ルクセンブルク、オランダ、英国、フィンランドなど、いずれも欧州の国。米国は長年にわたる移民の受け入れや国際的に優秀な人材の呼び込みに成功した点が評価された。

しかし、2001年の同時多発テロ以降、移民の規制強化などにより、その優位性を失う危険性があるという。
米国は基礎教育や社会的流動性といった項目においても減点されている。
ランキング上位に入った国に共通しているのは、週労働時間が短い点や働きながら子育てをする父母への福利厚生が手厚い点など。IMD国際競争力センターが5月に発表したランキングでは、スイスは米国に次いで2位だった。