航空便の利用者が航空チケットを購入する際に座席を選ぼうとする時、目にするものがそのまま手に入るわけではないかもしれない。

 航空会社はさまざまな理由で日常的にエコノミークラスの座席をブロックし、客が前もって航空便の予約をしようとするときに、追加料金なしで指定できる空きの座席数を減らしている。

Just like slipping the restaurant maître d’ a tip, airline carriers will save your seat for a fee. Scott McCartney has details on the practice, and tips for avoiding unnecessary charges, on The News Hub.

 現在、多くのフライトで、エコノミー席の30‐40%は航空会社が上得意客や特別なニーズのある人々、あるいは追加料金でのみ指定可能として取り置かれている。実際には違うのだが、チェックインの際に悪い席になる確率が高かったり、子供たちと離れて座ることになったり、あるいは予約超過で乗れなかったりすることさえあると見えることから、乗客の多くは追加料金を払ってでも席を予約しなければいけないとのプレッシャーを感じる。

 このプレッシャーは増している。航空会社が前もって指定できる座席数を減らし、足元のスペースの広いエコノミー席の列を増やしていることが背景にある。こうしたエコノミー席は、エリートクラスの頻繁な搭乗者には追加料金なしか割引価格で提供するものの、他の乗客には正規の追加料金で販売している。航空会社は、ブロックされたり、追加料金で指定できる座席はすべて、出発直前には利用可能になり、あらかじめ座席指定をしていない乗客もほぼ大体において席を確保できると明らかにしている。前もって座席を指定していなければ、渋々便を取り消されるリスクは高まるが、そうしたケースはまれだ。

 デトロイトから仕事で航空便を頻繁に利用するダグ・バーグさんは5月に、デンバー発ワシントン州スポケーン行きのユナイテッド航空の便でエコノミークラスで空いている座席が足元のスペースの広いエコノミープラスの席だけだと知って驚いた。デトロイトからデンバーへのフライトの座席は指定してあったが、ネット上でチェックインして搭乗券を印刷するまで、スポケーン行きの便では旅行代理店が座席を指定できなかったとは知らなかった。

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 バーグさんは乗れないかもしれないと心配して、44ドル(約4400円)の追加料金を支払ってエコノミープラスの座席を指定した。これは夜の便で、翌朝7時には仕事に行かなければならず、乗れなければ大変なことになるところだったからだ。

 空港に着くと、発券機ではボーイング737型機のエコノミークラスに空いている席が多く表示された。ゲートでバーグさんは他の乗客たちに、いつ座席を指定したかについて聞いてみた。そして、多くの乗客たちが出発の数時間前にエコノミー席を指定したことを知った。バーグさんは損をした気分になった。というのもユナイテッド航空が人為的に座席がふさがっているかのように見せていたように感じたからだ。

 「私のクラスの座席が空いていたにもかかわらずスポケーンに確実に行くために座席の指定に追加料金を支払ったことに怒りを覚えた」とバーグさん。

 バーグさんはユナイテッド航空に苦情を書いて送り、ユナイテッドは書類を送ってくれば44ドルを払い戻すと回答した。

 私も最近、ユナイテッド・エクスプレスの地方のジェット機便で同じような経験をした。予約時には指定できる座席がなかった。出発の2日前、エコノミープラスの座席が2席出てきた。そこで39ドル支払って1席を確保した。翌日、出発の24時間前には追加料金なしで指定できる座席が10席空いた。

 ユナイテッド航空は、チケットは購入しているが座席指定のない乗客はほぼ常にチェックイン時に座席を確保できると話す。乗客が追加料金を支払ってエコノミープラスの座席を確保しようと決めたり、エリートクラスの乗客がファーストクラスやエコノミープラスにアップグレードしたりするなかで、足元のスペースの広くない普通の座席が出てくる。例えば、シルバークラスレベルの頻度の搭乗者は、出発の24時間前までは追加料金なしでエコノミープラスの座席を確保できない。彼らが空きのエコノミープラスの座席に移れば、「伝統的な」エコノミークラスの座席が座席指定のない乗客に手に入るようになる。

 ユナイテッド航空は平均ではエコノミー席の22%はエコノミープラスだと話す。しかし、一部の便では40%まで上昇するという。エコノミープラスの需要がほとんどない時には、乗客のうちの非常に多くの割合が座席指定の不安に直面する可能性がある。

 ユナイテッド航空の広報担当者ラサーン・ジョンソン氏は「極めて多くの場合、乗客は出発前に座席を指定する」と述べた。

 アメリカン航空は足元の広い席も広くない席も含めて、多くのエコノミー席を取り置く。すべての便で、フリークエント・フライヤー・プログラムの最上位の階級の乗客向けに席を確保するためだ。こうした座席はエリートクラスではない乗客には座席マップ上で、指定済みと表示され、乗客たちは席が少なくなっていると思い込むことになる。このため、こうした乗客の一部は慌てて空いている席を指定することになる。