もうすぐあの震災から一年が経とうとしています。
今も被災地では厳しい状態が続いている事を忘れてはならないと改めて思います。特に国政を担うポジションにおられる方々にはふんどし締め直してきっちりやって頂きたいです。

わたくしはこの震災後この1年で何が一番変化したかと言いましたらば、物の見方や考え方ですね。なんと今までぼんやりと過ごしていたのかと思う程でございますよ。
というのはですね、やはり福島原発でおきた事故は大変なショックでございました。原子力はクリーンエネルギー!
これのおかげて電気代が安いのよ。
(正直ここは前から思ってないけど。
と言われ信じていたわけです。
ところが、あのような重大な危機の最中、主要機関はたいした事ではないかの世の中を動かそうという雰囲気が当時漂ったわけですね。海外メディアはえらい騒ぎでした。我々日本国民情報をシャットアウトされ、日本政府は外国へも情報をまったく出しませんでした。これに対し、外国からはかなりの批判がありました。当然ですね。近隣諸国は他人事の問題ではありません。自己の規模によっては自国に被害が及ぶ可能性がありあす。アメリカやフランス、他の国にしても、日本で働いている自国民を守る義務があります。日本で暮らす人達に情報を提供せねばなりませんが、何がおきているかも教えてもらえない状態でした。
さすがにこれには驚きました。同時に日本政府に大きな不信感と失望を感じました。自民党時代も首相がコロコロ変わったり、年金問題、外交と「なにやっとんじゃい」と常々感じていたんですが、あの時の失望感は次元が違います。
なんやかんや言っても日本人として日本の事を心の底で信じていました。それが揺らいだのは大きかったです。
まぁ、東電電力さんを筆頭に、日本一賢い大学を出た科学者様、お医者様、政治家樣方の発言には去年1年驚かされ通しでした。お陰さまで今までのほほんと暮らし、全て鵜呑みにしていた私の脳みそに「喝」が強制的に入りました。物事の背景を考えるという基本動作をおもいだしました。当たり前の事なのですが、日本で暮らしているとなぜか怠ってしまう動作です。でも私は、「これってそれだけ日本は平和ってこと。
考えなくたって外国より安心してくらせるのよね。」と思っていました。

例えば身の回りにある製品、食品、健康食品等もうたい文句だけでなくそこに効用の根拠が有るか、説明に整合性がちゃんとあるんかなと、説明を読んだ後にちゃんと頭で考えて判断するって事やるようになりましたね。
「どんだけぼんやりと怠惰に過ごしとるんじゃい
と声が聞こえてきそうですが全くその通りでして、今までどれだけ節穴な眼で世の中を見ていたのかしらと、恐ろしさすら感じます。

震災関連に限らず世の中には本当でない情報があふれているので騙されないように皆様気をつけましょう。

被災地復興。まだまだ問題山積です。
「復興」「絆」といった言葉だけが流れているように聞こえます。
復興というゴール。このゴールの途中にはたくさんの問題が山積しています。これを放置して復興を達成する事はできません。
現在、政治やメディアの動向をみていますと、どうも良くわからない議論を持ち出して、そちらに目が向いているうちに政をすすめてしまおうとしているのではないかと思う事がおおくあります。
現地の被災した中小企業は本気で立ち直ろうと必死です。国は銀行に資金を投入しましたが、じつは貸し渋ってそこで資金がだぶついています。
そんなもたもたした事をする間に資金繰りが間に合わず復活の機会を失う人達は少なくありません。また、政界全体の景気も落込んでいます。色々回復していると指数をだしても最近では市場すら反応しなくなってしまいました。げんに雇用は上がらず、新卒者は仕事がみつかりません。古い体質で給与を分配している企業も多いですから働き盛りの年代に対価に見合った賃金が行き渡っていません。企業によってはその体質が故、優秀な人材を確保できず、しまいには自社の首を絞めている所もあります。

人々が助け合っている美しい姿や立ち直っていく様子、希望を未来に向ける!といった番組もよいでしょう。気持ちが明るくなればやる気もでてきます。
だからといって大きな社会問題を放置し、それを伝えないというのでは報道機関」としての役割を欠いていいます。この一年で私は日本のメディアにたいしても大変な失望感を覚えました。
震災の爪痕は大きいです。今年もこの問題に日本全体で取り組んでいかなくてはなりません。