お酒のCDジャケット写真集 | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

CD2016Liquid1


CDジャケット写真を見て楽しむ記事です。

今回のお題
「お酒のジャケット写真集」

ジャケットにお酒が写ったもの、またはそれに関係すると僕が判断したCDジャケットを集めてみました。

今回は17枚プラスボーナスディスク(?!)付き。

早速行きます。



 ◎その1、本筋の前にいきなり逸れて

☆1枚目
CD201608Traffic

 JOHN BARLEYCORN MUST DIE
 Traffic
 (1970)

 今回の記事を思いついたふたつのきっかけのひとつ。

 トラフィックのこのアルバムタイトルにあるJohn Barleycornなる人物が、実はお酒を擬人化したもので、英国民謡にもなっていることを、先日読んだ「図説 世界史を変えた50の植物」という本で知りました。
 
 アルバムを慌てて手に取ると(なんで?)、この表題曲はその英国民謡をスティーヴ・ウィンウッドが編曲したものであることも分かりました。
 実はこのアルバムまだ聴き込んでいないので覚えていなかった・・・その本を読んでからこのアルバムは25枚連装CDプレイヤーに入れっ放しで聴いています。

 ところで、スティーヴは酒が嫌いなのかな。
 或いは、酒に悪い影響を受ける人が嫌いなのか・・・それで困ったことがあるとか・・・
 スティーヴ自体は酒癖は悪くなさそうなイメージがあります、ほんとうはどうかもちろん分からないけれど。



☆2枚目
CD201608RG

 AGAINST THE GRAIN
 Rory Gallagher
 (1975)

 ロリー・ギャラガーはいつも酒と一緒にいたことはあまりにも有名。
 タイトルにある"grain"は、ウイスキーの原酒になる「グレイン」で、ロリーは酒の誘惑に抗いながらギターを弾いている、というのが僕がこのアルバムを買った時に思ったことでした。
 酒は写っていないですが、でもロリーのギターとこの色遣い、なんとなく大麦やウィスキーを連想させられませんか?
 何より、そんなロリーを酒の記事ではぜひ取り上げたかったのでした、はい。



☆3枚目
CD201608GP

 LIQUID SPIRIT
 Gregory Porter
 (2013)

 グレゴリー・ポーター3作目のアルバム。
 これもジャケットのどこにもお酒はないのですが、「液体の魂」というタイトルが洒落てていいですよね。
 "liquid"も"spirit"もそれだけでお酒を指す言葉だし(Hotel Californiaの歌詞でも"spirit"で魂とお酒をかけている)、この方がどれだけ酒好きかが分かろうというもの。
 もしかして体型が酒瓶に似ているから、なのかな・・・(笑)。



 ◎その2、片手に酒

☆4枚目
CD201608JJ

 PEARL
 Janis Joplin
 (1971)

 ジャニス・ジョプリンのこれ、今回いちばん有名なジャケットでしょう。
 椅子に体を傾けるジャニスの手には何かの酒の瓶。
 当然のごとく写真は生前に撮られたものでしょうけど、酒と薬から離れられなかった彼女の死後に出されたこのアルバムにこの写真を選んだのは、多少きついユーモアと僕には感じられます。
 もちろん、愛情と敬意を持って送りたかったのでしょうけれど。



☆5枚目
CD201608Ringo

 BAD BOY
 Ringo Starr
 (1978)

 海岸の椅子に座ってグラスを傾けるリンゴ・スター。
 左手の指輪がリンゴであることを暗示するうまい写真ですが、リンゴがアルコール依存症にかかっていたこと、そしてそんな自分を「悪い子」と称するなど、こちらもなかなかユーモアきついですね。



☆6枚目
CD201608GNR

 GN'R LIES
 Guns N' Roses
 (1988)

 ガンズ&ローゼズが飛ぶ鳥を落とした頃に出た、デビュー前のライヴとアコースティックな新曲を集めた変則的アルバム。
 この大きさでは分からないですが、右上のスラッシュの左手側に酒の瓶が見えます(厳密には持っていないですが)。



☆7枚目
CD201608VanMorrison

 THE BEST OF VAN MORRISON VOL.3
 Van Morrison
 (2007)

 ヴァン・モリソンの「レアリティーズ」的な編集盤ベストアルバム。
 下の左から2枚目、レイ・チャールズと一緒の写真、ヴァンさんは何かの瓶を持っていますが、酒ではなく炭酸水かミネラルウォーターではないかと思われます。
 でも、それだけで飲むのだろうか?
 まあコンサートの後やステージでは水だけ飲むのもあるだろうけど、きっとこれはその先を暗示しているのでは、と勝手に解釈しました。

 ところで、その横にキャンディ・ダルファーの写真がありますが、ヴァンさんよっぽど彼女のことが気に入ってたんだなあって。




◎その3、そこに酒がある

☆8枚目
CD201608Meters

 REJUVENATION
 The Meters
 (1974)

 4月のレコードストアデイでも出てきたミーターズの1枚。
 家でレコードを聴きながらくつろぐ、そこにはやはり酒が欲しい。
 
 で、テーブルにある青いお酒の瓶をよく見ると、冒頭写真でマーサと写っている魚の形をした瓶のように見えませんか。
 違うかな・・・LPだともっとよく見えるのでしょうけど・・・
 これ、イタリアのPesce Vino「ペシェ・ヴィーノ」という銘柄のワインで、"pesce"はそのもの魚のこと。
 面白くて買ったのですが、まさかこんな偶然があるとは嬉しい。
 ちなみに「うお座」は"Pisces"で語源が同じなのでしょうね。



☆9枚目
CD201608RodN

 A NIGHT ON THE TOWN
 Rod Stewart
 (1976)
 
 ロッド・スチュワートがTonigth's The Nightで波に乗った1枚。
 フランスの絵画のようですが(よく分からないで言ってます)、これはルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」という絵が元だそうです。
 ロッドは書き足されたものですが、彼の左手、向かって右のテーブルにデキャンタとグラスが。
 でもこれは水かもしれない(違うと思うけど)。

 

☆10枚目
CD201608HallOates

 BIGGER THAN BOTH OF US
 Daryl Hall & John Oates
 (1976)

 ダリル・ホール&ジョン・オーツは自宅でミニセッション中かな。
 テーブルにはワインとリッツ、洒落てますね。
 だけど実際の商品を分かるようにジャケットに使っていいのかな。
 と、ワインよりそちらの方が気になる。

 ところで、ヤマザキパンとナビスコの提携解除によりヤマザキナビスコという会社自体が来月なくなりますが、リッツはそもそものモンデリーズ・ジャパンから販売されるということ。
 リッツは好きなのでよかったですが、でもヤマザキナビスコ時代より高くなるのかな・・・
 などとお酒からは大きく話が逸れましたが、でもお酒のおともにリッツという人も多いでしょうね。

 と書いてふと気づいた。
 このアルバムにはRich Girlが入っていてNo.1ヒットになった。
 だから"Ritz"、これは一種の駄洒落だったのだと。



☆11枚目
CD201608obDylan

 THE BOOTLEG SERIES VOL.9
 THE WITMARK DEMOS:1962-1964
 Bob Dylan
 (2009)

 ボブ・ディランのブートレグシリーズより。
 タイプライターに向かって作詞中、横にはやはりお酒が。
 リアルですね。




◎その4、酒場という聖地

☆12枚目
CD201608Kinks

 MUSWELL HILLBILLIES
 The Kinks
 (1971)

 酒場ジャケットといえばやっぱりキンクスのこれでしょう。
 今回で僕がいちばん好きなアルバムはこれですね。
 ロンドンのパブとアメリカ南部をつないだ「夢の酒場」。
 Alcoholはほんとうに酔っぱらったような歌、最高。

 順番が変わりますが、今回の銀賞とさせていただきます。



☆13枚目
CD201608EC

 NO REASON TO CRY
 Eric Clapton
 (1976)

 エリック・クラプトンがザ・バンドの協力を得て作った1枚。
 エリックが肘をかけたテーブルには(もちろん)お酒が。
 これ最初エリックの自宅かと思ったのですが、よく見ると後ろの大きな鏡にエリックの後ろ姿が写っている。
 家といよりは店かな、と判断しました。



☆14枚目
CD201608Zep

 IN THROUGH THE OUT DOOR
 Led Zeppelin
 (1979)

 レッド・ツェッペリン事実上最後のアルバム。
 LPで出た当時はジャケットごと紙袋に入っていて、中の写真には5種類あり買って開けるまで分からないというアイディアが当時(いろんな意味で)話題に。
 CDではそのうち1種類、このデザインの写真が選ばれ、他の4枚はブックレットの中に写真がありますが、そのうちの1枚にはもっと酒の瓶が大きく写ったものも。




◎今回のアイディア賞2枚

☆15枚目
CD201608RodS

 SING IT AGAIN ROD
 Rod Stewart
 (1973)
 
 ロッド・スチュワートがMERCURYを離れるに当たって作られたこのベスト盤。
 スコッチのロックが入ったグラスの向こうでロッドが微笑んでいますね、これもなかなか洒落てていい。
 
 今回のアイディア賞の1枚目とさせていただきます。



☆16枚目
CD201608DP

 COME TASTE THE BAND
 Deep Purple
 (1975)

 今回のアイディア賞のもう1枚はディープ・パープル解散前最後のこれ。
 リッチー・ブラックモア脱退にともないトミー・ボーリンが参加した唯一のアルバムとなりましたが、ワイングラスにメンバーの顔が写し(浮き)出されるという洒落たアートワーク。

 しかしですね、なんでも斜めや下から見てしまう僕の悪い癖(笑)、リッチーは無類の白ワイン好きで白ワインしか飲まないそうで、そのリッチーがいなくなって赤ワインというのは、リッチーへのあてつけなのだろうか、と・・・

 そういう意味も込めてアイディア賞としました。




◎今回の金賞

☆17枚目
CD201608BG

 LIVING PROOF
 Buddy Guy
 (2010)

 今回の金賞はバディ・ガイ。
 バディ・ガイが醸造(密造?)する架空のウィスキー"whiskey"ラベルというアイディア、いかにもウィスキーらしいデザインが素晴らしい。
 "proof"はお酒の「度数」を表す言葉でもあり、酒を飲むことがバディが生きている「証し」でもあるといダブルミーニングもいい。
 
 Amazonで見つけてジャケット買いしたこのアルバムをきっかけにブルーズを普通に聴くようになった僕、感謝の意も込めて今回の金賞とさせていただきました!
 全体のイメージも「金」という感じがしますよね。




◎ボーナスディスク

☆18枚目
CD201608YRui

 吉田類の『酒場放浪記』サウンドトラック

 今回の記事を思いついたもうひとつのきっかけがこれ。
 
 内容はその通り、オープニングテーマ曲のEgyptian Fantasy、エンディングのBad, Bad Whiskey他が収められ、さらにその曲の吉田類ヴァージョンも。
 番組を観てそれらの曲もすっかりお気に入りになったので、CD1枚で手元に揃えられたのはよかったです。





 いかがでしたか!

 意外とと少ない、と思いませんでしたか?
 もちろん僕の見落としはあるでしょうけれど、思ったほど多くない。

 なんとなくですが、アルバムジャケットはやっぱり窓口であり、最初に接するところだから、そこでお酒を大々的に出すのは社会的にどうなのかという意識があるのかも、と。
 だからリンゴ・スターのが余計に大胆だと感じますが。

 今回は端っこにちょっと写ったものが結構ありますが、そのような感じでどこかに写っていないかといろいろ探しました。
 ガンズのはそれで発見したのですが、ローリング・ストーンズのEXILE ON MAIN ST.なんてありそうなのになかった。

 ちなみに僕は、酒が飲めないわけではなく、仕事の付き合いでは飲まず、友だちや近しい人と会う時にたまに飲むといったところです。
 だから、年に2、3回かな、お酒を飲むのは。


 でも、「吉田類の酒場放浪記」は大好きで録画して観ています。
 僕は(冷たい人間なのになぜか)人が楽しそうにしているのを見るのが好きであり、番組の酒場の雰囲気は楽しそうでいい。
 といって僕がそこに加わりたいとは思わないのですが。

 そして何よりキャラクターとしての吉田類さんが好き。
 時々ほんとうにろれつが回らなくなっていて、それでももう1軒行きましょうと言う。
 この人大丈夫なのか、と(笑)。

 もうひとつ、番組で紹介される酒の肴で時々おいしそうなものがあり、自分でも作ってみようと思いますね。