2016、平成28年
新年あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします
本家BLOGでは昨日から平常運転ですが、こちらは今日が今年初めての記事になります。
さて、毎年お正月2日恒例(本家では)、干支で洋楽を語る記事です。
今年は申年、猿にまつわるものを集めてみました。
なお、昨年までの記事は以下のリンクからどうぞ。
2015年「未年」の記事
2014年「午年」の記事
2013年「巳年」の記事
2012年「辰年」の記事
2011年「卯年」の記事
2010年「寅年」の記事
では行きます。
◎その1、先ずはロック界で「猿」といえば
☆01
Daydream Believer
The Monkees
(1967)
そのもの「猿」を名前にしたザ・モンキーズ。
ただしいかにもロックらしく綴りを1文字"y"を"e"に変えています。
モンキーズは、ビートルズなど英国勢の波に負けまいと、アメリカでオーディションでメンバーを募り結成されたアイドル的なバンドというのは有名ですね。
かのスティーヴン・スティルスもオーディションを受けて落ちたのですが、もしメンバーになっていたらどうなっていただろう、と。
モンキーズから1曲、Daydream Believer。
この曲を僕はビートルズを聴く前からタイトルと曲を知っていました。
なぜだろうと考えるまでもなく、それだけ日本で膾炙したのでしょうね。
実は密かな愛唱歌であります、僕が生まれた年の曲でもあるし。
◎その2、ジャケット編
☆02
LOLA VERSUS POWERMAN AND THE MONEYGOROUND, PART ONE
The Kinks
(1970)
最初はキンクスの傑作との呼び声が高いコンセプトアルバム。
レイ・デイヴィスの顔が4分割でそれぞれ違った表情ですが、なぜこれが「猿」なのかというのは、後ほどまた話します。
ただ、なんとなく、全体的に「猿」っぽくないですか?
☆03
☆04
NO HEAVY PETTING
UFO
(1976)
マイケル・シェンカーが在籍していたUFOのこのアルバム。
猿と女性の頭が管でつながれたシリアスすぎるブラックジョークは、ヒプノシスの手になるアートワークといわれれば納得。
絵的には少しばかり衝撃的でしょうかね。
でもよくよく考えるとこれ、英語の駄洒落なんですが・・・(笑)。
なお、生物好きとしてこの猿の種類を突き止めたかったのですが、今日は時間切れにて、分かったらそっと書き足しておきます。
☆05
NAKED
Talking Heads
(1988)
トーキング・ヘッズの事実上最後のアルバム。
"naked"で「裸」になりすぎてチンパンジーに戻ってしまったという皮肉があまりにもきつすぎて可笑しい。
このアルバムは発売日に楽しみにタワレコに行ったところ、ジャケットを見て笑うに笑えず驚いた思い出があります。
僕が買った中でもジャケットのインパクト最大級の1枚かな。
☆06
A LITTLE AIN'T ENOUGH
David Lee Roth
(1991)
デヴィッド・リー・ロスのこれ、ぱっと見猿に見えますよね。
しかしよく見ると脚は人間の女性、つま先は偶蹄類の蹄だし、尾は悪魔、でも僕はずっと猿だと思ってきたので取り上げました。
☆07
DANGEROUS
Michael Jackson
(1991)
マイケル・ジャクソンのこれには、当時世界一有名な猿、チンパンジーの”Bubbles"君が写っています。
マイケルの眼の上、Michael Jacksonの文字のさらに上ですが、この大きさだと分かりにくいですね。
ところで、"Bubbles"君はどうして1頭で複数形なのだろう・・・
☆08
HIGHWAY COMPANION
Tom Petty
(2006)
トム・ペティと思しき宇宙飛行士がチンパンジーを連れてロケットに乗り込もうとしている、どこかほのぼのとした絵。
これは、マーク・ウォルバーグ主演の新しい『猿の惑星』からヒントを得たものだと思われます。
☆09
GRRR!
Rolling Stones
(2012)
ローリング・ストーンズがUniversalに版権が移動したのを機に発売された全キャリアからの3枚組ベスト盤。
一昨年の来日公演ではこの「ガルル」君がアニメーションとなり、ステージのスクリーンで「ホンキートンク娘」と絡んでいました。
☆10
UNORTHODOX JUKEBOX
Bruno Mars
(2012)
ブルーノ・マーズのジャケットにはゴリラ、といっても着ぐるみ。
実際にアルバムにGorillaという曲があるのですが(後で紹介)、やっぱり、ゴリラはアメリカではきっとイメージがいいのだと思う。
◎その3、曲編
☆11
Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
The Beatles
THE BEATLES (1968)
先ずはビートルズから。
これはビートルズでいちばん曲名が長い曲で、スペースとアポストロフィーを含めて57文字分あります。
もっと長々と話したいのですがそれは別の機会に譲るとしてここは短く。
「僕と僕のモンキー以外はみんな何か隠すものを持っている」
その昔(今でも?)、欧米で日本人は「猿」に喩えられました。
ジョン・レノンと「猿」・・・そういうことなのかな???
それと余計な(笑)ひとこと、2'03"のベースを聴いて何も感じない人は、はっきり言ってロックを聴くセンスがないですよ!
☆12
Too Much Monkey Business
Chuck Berry
(1956)
ここからは古い順に紹介。
チャック・ベリーのこれはビートルズもストーンズもカヴァーした曲。
"monkey business"は「いんちき」「いかさま」。
チャック・ベリーが若者を魅了したゆえんが分かる曲。
タイトルを言う前に嘆くような声が入るのが面白い。
この映像ではチャック・ベリーをキース・リチャーズが支えていますが、映画『ヘイル!ヘイル!ロックンロール』からのものだと思われます。
☆13
Mickey's Monkey
Smokey Robinson&The Miracles
(1963)
スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ初期のヒット曲。
最初のスキャットが印象的ですね。
ここで"Mickey"は「猫」の名前であり、その「猫」がダンスをして「猿」のようなことをする、という歌。
☆14
Monkey Man
Rolling Stones
LET IT BLEED (1970)
ローリング・ストーンズがようやくアルバム作りに余裕が出てきた、DECCA時代最後のアルバムから。
"monkey man"とは「ホモ」の隠語だという。
映像は2003年マディソン・スクエア・ガーデンのライヴ。
ストーンズはあまりライヴで演奏してこなかった曲を時々掘り起こして演奏するのですが、これも取り上げていたんですね。
【2016年1月3日追加】
☆15
Nobody's Fault But Mine
Led Zeppelin
PRESENCE (1977)
レッド・ツェッペリンの大事な曲を忘れていました。
Zepファンとしては悔しいので追加させていただくことにしました。
masakiさんにご指摘を受けたこの曲、"monkey on my back"と歌っています。
masakiさん、ありがとうございます。
☆16
Shock The Monkey
Peter Gabriel
PETER GABRIEL IV (1982)
ピーター・ガブリエルのこれ、僕が洋楽を聴き始めた頃にMTV番組で観て聴いて、それこそひどいショックを受けました。
こんな曲歌う人がいるんだって、洋楽の奥深さを知りましたが、80年代リアルタイムでもインパクトがとりわけ大きかった曲のひとつ。
☆17
Monkey
George Michael
FAITH (1987)
ジョージ・マイケルが最大の輝きを放った名盤から。
恋敵を猿に喩えてさげすんでいる曲、と、当時は単純に思っていましたが、待てよ、"monkey man"が「ホモ」であることを今振り返って鑑みると、これはもっと他の意味があるのかも・・・
猿真似ダンスのビデオクリップも印象的ですね。
☆18
Tweeter And The Monkey Man
Traveling Wilburys
VOLUME ONE (1988)
トラヴェリング・ウィルベリーズにも猿がいました。
話すと長くなるのでひとこと、この曲はクスリの売人の話。
物語風のいかにもボブ・ディラン色が濃い曲ですが、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが昨年のコンサートでこの曲を演奏したそうで、Facebookでその記事を見て、「いいなあ」と本当に声に出して言ってしまいました(笑)。
☆19
Monkey Business
Skid Row
SLAVE TO THE GRIND (1991)
スキッド・ロウ2枚目のアルバムの1曲目。
「いかさま」とは、シニカルな彼らのこと、アルバム1枚出して業界で活動してみての実感なのかもしれない・・・
☆20
Mr. Big Baboon
Hooters
ZIG-ZAG (1989)
フーターズのこの曲で歌われる"baboon"は「ヒヒ」。
ゲラダヒヒ、マンドリルなど霊長類の一群の総称。
「ヒヒ」が出てくる曲なんて希少価値高すぎる(笑)。
この曲はとにかく面白い、「ブンブンブンブン」と唸ってみたりして。
☆21
Apeman
Kinks
LOLA VERSUS POWERMAN AND THE MONEYGOROUND, PART ONE (1970)
キンクス、先ほどのアルバムジャケットの解題。
そのアルバムにはこの曲が入っていますが、"ape"は「類人猿」。
映画『猿の惑星』の原題はPLANET OF THE APESで、本来なら「類人猿の惑星」ですが、分かりやすく「猿」としたのは邦題としては正解でしょうね。
日本ではゴリラもヒヒも「猿」ですからね。
キンクスのこれ、もっと気楽に暮らしたいとのんびりと歌う曲ですが、これも『猿の惑星』にヒントを得たと思われる部分があり、映画がいかにインパクトが大きかったかがあらためて分かります。
☆22
Gorilla
Bruno Mars
UNORTHODOX JUKEBOX (2012)
ジャケットで出てきたブルーノ・マーズの「ゴリラ」。
優しくて情感こもった曲ですよね。
でも、"Gorilla!"という低音の掛け声が微笑ましくもある。
◎その4、歌詞編
☆23
At The Zoo
Simon & Garfunkel
BOOKENDS (1968)
サイモン&ガーファンクルが動物園を歌ったこの曲、2番にこんなくだりがあります。
"The monkeys stand for honesty"
この後、キリンとゾウが出てきてさらに"Orangutans"「オランウータン」まで出てきますが、オランウータンが出てくる曲もそうはないでしょう。
そういえば僕はもう3年以上動物園に行っていないので、そろそろ行きたくなってきたなあ。
☆24
Money For Nothing
Dire Straits
BROTHERS IN ARMS (1985)
ダイア・ストレイツ唯一のNo.1ヒットとなったこの曲にはこんなくだりがあります。
"And he's up there, what's that? Hawaiian noises?
Bangin' on the bongoes like a chimpanzee"
「奴が来た、ありゃなんだ? ハワイのノイズか?
チンパンジーのようにボンゴを叩いてやがる」
この曲は当時人気絶頂のプリンスをおちょくったと言われる曲ですが、僕も言いたいことが記事2つ3つは優にあるのでここは短く終わります。
映像は「ライヴ・エイド85」スティングと共演のライヴです。
☆25
Harlem Shuffle
Rolling Stones
DIRTY WORK (1986)
ローリング・ストーンズの「最低期」より、カヴァー曲をシングルとしたもの。
"You scratch just like a monkey"
「猿のように引っかく」
何を引っかくんでしょうかねぇ・・・
☆26
Disturbance At The Heron House
R.E.M.
DOCUMENT (1987)
R.E.M.のこの曲、猿の前に鳥の話、"heron"はアオサギのことで、"Heron House"というのはキーウェストにあるホテルのことだそう。
「ヘロンハウスの攪乱」とでもいうのかな、歌詞には"monkeys"が出てきますが、どうやらその猿が問題のようです。
☆27
Bad Medecine
Bon Jovi
NEW JERSEY (1988)
ボン・ジョヴィが勢いに乗ってNo.1を獲得したこの曲、"monkey on my back"という歌詞が出てきますが、これは「どうにもならない事態」という慣用句とのことです。
☆28
Looking For Changes
Paul McCartney
OFF THE GROUND (1992)
ポール・マッカートニーのマイナーな(?)アルバムから。
猫やウサギや猿を実験動物にするのはやめようと訴える曲で、3番の歌詞に"I saw a monkey that was learning to choke"というくだりが出てきますが、この後を読むと、猿に煙草を吸わせる実験をさせるのはやめろと言いたいたようです。
分かるんです、心情的には。
でも、ポールが自らの曲で社会的メッセージを発信するとうまくゆかないことがあらためて分かった曲でした。
(誰もポールにそれは求めていないから・・・)
◎番外編
ここはまず曲をお聴きください。
☆29
The River Kwai March
Mitch Miller
(1957)
第30回アカデミー作品賞を受賞した映画『戦場にかける橋』THE BRIDGE ON THE RIVER KWAIの主題歌。
邦題「クワイ河マーチ」。
小さい頃、この曲を「サル、ゴリラ、チンパンジー」と歌いませんでしたか!?
僕の周りでは何人かいましたが、それぞれ小学生時代を別の土地で過ごした人で、民間伝承は大袈裟だけど、そういうものがあったんだなって。
でも今の若い人は違うのかな。
余談ですがデヴィッド・リーンは僕がいちばん好きな映画監督2人のうちのひとりで、もうひとりはフェデリコ・フェリーニです。
いかがでしたか!
もちろんまだまだあるに違いないのですが、ひとまず思いついたものだけをまとめました。
日本にはニホンザルおり、日本人には猿は身近な動物ですが、欧米には猿はいないので、日本のように身近な存在ではなく、イメージとして語られることが多いようですね。
うちの犬たちからも、本年もよろしくお願いします