◎So Much In Love
originally released by The Tymes in 1963
coverd by Timothy B. Schmit in 1982
and Art Garfunkel in 1988
ソー・マッチ・イン・ラヴ
2015/7/28
今日は「この1曲」の記事にお付き合いください。
暑い夏にはいい爽やかな曲ですよ。
◇
どこで知ったかまるで覚えていないけれど、小さい頃から知っている洋楽の曲ってありますよね、ありませんか?
という話はこれまで何度かしたような。
So Much In Loveも僕にとってはその1曲です。
初めてそれと意識して聴いたのは、高校時代、確かパイオニアのCMで使われていた時でした。
何だろう、最初に観て聴いて、「ああこれ知ってる!」と。
なぜ知っていたかはまったく覚えていなく、まるで空気のように周りにあったのを自然と覚えた、という感じ。
でも、誰の何という曲かは分からない。
しかし運よく、すぐに、それはティモシー・B・シュミットの歌と判明。
「ベストヒットUSA」でティモシー初のソロアルバムからの新曲Playin' It Coolが紹介され、その曲が終わった後、小林克也さんが喋るバックにLPからの曲として流れていた、と記憶しています。
ただ、それだと、曲名までは紹介されないので分からない。
それを手掛かりに何かで調べた、といったところかな。
もしかして、タワーレコードでLPを手に取って見て、歌詞に出てくる言葉の曲があったのでそれと分かったのかもしれない。
今思うと、ネットがなかった時代に自分としてはよくやった、と(笑)。
ただ、カヴァー曲とまでは分かったけれど、オリジナルには当時はまだたどり着きませんでした。
この曲は1984年のTBS初のソロアルバムにも収められていますが、その前、1982年、フィービー・ケイツが話題を呼んだ映画『初体験リッチモント・ハイ』のサウンドトラックの1曲として元々録音され提供されたものでした。
ということを、実は、数年前、サントラCDを買って知りました。
そのサントラからはジャクソン・ブラウンのSomebody's BabyがシングルカットされてTop10入りする大ヒットになりましたが、ウェストコースト系のアーティストが多数参加し話題になりました。
ジャクソンのそれは僕がいちばん好きな彼の曲で、5年前、コンサートに行った後、ベスト盤には入っていたのですが、「オリジナル」であるサントラも買って聴いたところ、So Much In Loveも入っていた、というわけ。
だからそのサントラを買って、予想外の二重の喜びを得ました。
パイオニアのCMで使われたのは、当時はワーナー・パイオニアで、このサントラもそこから出ているからでしょう。
ということも後になってつながった話で、中高生時代の僕はそこまで深く考えず、ただただいい歌に反応して聴いていました。
先ずはそのティモシー・B・シュミットのヴァージョンから。
◇
少し経ち、1988年、またこの曲にめぐり合いました。
歌っていたのはアート・ガーファンクル。
アルバムLEFTYからのシングルカット。
当時はまだこの曲のレコードを持っていなかったので、店頭でCDシングルを見つけてすぐに買いました。
写真にあるのがそれですね。
当時はCDシングルが普及し始めた頃で、新しモノ好きとしても反応しました。
アーティのこの曲は大好きで、何度も何度も聴きました。
1'55"の部分にオリジナルにはない歌メロをつけているのが、気持ちがこもっていてとっても好きです。
オリジナルを変えるのはどうか、という声も上がりそうですが、ここはまったくもってアーティらしい、それしか言いようがないですね。
後年、親友の結婚式で使う洋楽曲を選んで90分のカセットテープに録音して送ってと言われ、この曲を入れました。
式では使われなかったけれど、今となってはいい思い出です。
続いてアート・ガーファンクル。
◇
1990年代にMTVをよく観ていた頃にも誰か歌ってたなあ。
思い出せなかったけれど、記事を書くのにYou-Tubeを観て分かりました。
All-4-Oneでした。
これは他より1分ほど長いですが、テンポが遅いおとと、途中でBメロの部分を繰り返し、そこに台詞を入れて長くしているもの。
90年代は古い音楽がいろいろな形で甦った頃だった、時代ですね。
3つ目はAll-4-One
◇
しかし、オリジナルはずっと聴かないままきていました。
ドゥワップ・グループのタイムズによるものですが、今年、今月、先日、ついにオリジナルを聴きました。
もう5年以上ウィッシュリストに入りっぱなしだったベスト盤を、
漸く注文したものでした。
オリジナルは、曲が始まる前に台詞と海のSEが入っているのがなんというか意外でした。
僕が知っているカヴァーはすべてフィンガーティップスから始まる。
しかし曲が始まると、ティモシーのものとアレンジがほとんど同じ。
というか基本アカペラにフィンガーティップスとコーラスそしてベース、それだからアレンジしようがないですよね。
メインヴォーカルの人の声の太さも印象に残りました。
ともあれ、ついに念願かなってオリジナルを買って聴きました。
そのオリジナル、ザ・タイムズ
◇
この曲は、歌っていると気持ちが崩れてゆくのが分かります。
壁のように壊されて崩れるのではなく、カステラのようにほろほろと、溶けるように崩れてゆく。
特に"So in love are we too, no one else but me and you"と声がすっと上がるところで心がかき乱された後、何事もなかったかのように"So in love"と落とすところが最高に気持ちいい。
そこばかりずっとずっと繰り返して歌ってしまうくらい。
"And the stars are twinklin' high above"という歌詞、もう恥ずかしいくらいロマンティックでいいですね。
そんな心境や境遇になったこと、残念ながらないけれど・・・
歌が好きな人でこの曲をいいと思わない人。
僕は、絶対に仲良くなれない自信がありますね(笑)。
歌です、歌、ただそれだけ、しかしただそれだけが素晴らしい。
ベスト盤を買ったのですが、他もいい歌は多いけれど、この曲ほど浮かび上がって後光が差した曲はなかった。
「奇跡の1曲」、これもそのひとつでしょうね。
そうそう、鼻歌でもフィンガーティップスは忘れずに(笑)。
◇
この曲についてもうひとつ話しておきたいこと。
ビリー・ジョエル1983年のアルバムAN INNOCENT MAN。
ビリーがドゥワップ風に歌うThe Longest Timeを初めて聴いた時、これはきっと「あの曲」の影響を受けているのだと思いました。
その時はまだSo Much In Loveの曲名は知らなかったのですが。
ついでといってはビリーに失礼ですね。
オマージュとしてその曲、The Longest Timeも紹介します。
◇
最後にもうひとつ。
You-TubeのSo Much In Loveでこれを見つけました。
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのライヴ
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、あまりにもこの曲にぴったり!
昔から彼らが歌うことを想像していましたが、まさかほんとにあるなんて。
公式ライヴCDかDVDは出てないのかな(CDはないと記憶しているが)。
ライヴだからフェイドアウトしていないけれど終わらせ方も大納得。
ただひとつ気になるのが、客がほとんど無反応、特に男性は棒立ちする人が多いこと。
歌おうよ!
ヒューイ達が大好きだった頃を懐かしく思い出しました。
涙が出るほどではなかったけれど(笑)。
ところで、今回記事を書くに当たって知り、驚いたこと。
この曲、「渚の誓い」という邦題がついていたんだ!
確かに歌詞の内容はその通りだけど・・・なんかこう、「誓い」という言葉は硬すぎるような・・・
今では原題そのままの方が通用するみたいだし、僕がこの邦題を言うことは金輪際もうないでしょうね(笑)。