◎DUETS : RE-WORKING THE CATALOGUE
▼デュエッツ
☆Van Morrison
★ヴァン・モリソン
released in 2015
CD-0472 2015/4/2
ヴァン・モリソンの新譜が出ました。
なお、今回は、You-Tube映像は最後にあります。
タイトルの如く、1曲ずつゲストを招き自らの曲をデュエットするもの。
昨年のスモーキー・ロビンソンのアルバムと同じ趣向ですね。
ヴァン・モリソンには、こそ、それを作って欲しかったので、聴き手としても嬉しい1枚。
ゲストについては曲ごとに触れてゆきます。
曲について話すと、この選曲には唸らされつつ大納得。
ヒット曲、有名な曲は入っていません。
Brown Eyed Girlも、Moondanceも、Crazy Loveも、Caravanも、Dominoも、Wild Nightsも、Jackie Wilson Saidも、そしてHave I Told You Latelyも、みんなありません。
スモーキーが大ヒット曲オンパレードだったのとは正反対。
ヴァン・モリソンの自分の曲への愛情は、売れた売れない、有名かどうかとはまったく関係ないことが読み取れます。
彼の曲の質もそれらとは関係ないことも分かります。
さらには彼の曲への愛情の深さも感じられ、それらの曲がもう一度注目されることを願っての選曲だと思います。
うれしいですね、ファンとして、一音楽好き人間として。
選ばれた曲を年代別にみると以下のようになります。
1970年代=3曲
1980年代=4曲
1990年代=5曲
2000年代=3曲
2010年代=1曲
さらにいえば、アルバムも、ASTRAL WEEK、MOONDANCE、TUPELO HONEYなどの評価が高くて売れた方のアルバムからも選ばれていないのが特徴であり、このことからも売れた売れないとは別というのが分かります。
ただ、ASTRAL...は数年前に全曲再現ライヴ盤が出たのとMOONDANCEは昨年リイシュー盤が出たことにより、近年再び注目度が上がったことと関係があるかもしれない。
1990年代が多いのは、人間として充実していたからではないかと。
現時点でスタジオアルバム最新作からも入っているのは、現役のシンガーソングライターとしての矜持でしょう。
実はここで白状すれば、そのような曲が中心となっているだけに、僕は、曲を聴いて、どのアルバムに入っているかが、ほとんど空では分かりませんでした。
まだまだ数枚を除いては「持っていて何度か聴いた」くらいで、しかもその数枚が上記の「売れた」方のアルバムだから・・・
原曲が収録されたアルバムは、調べて書き出しています。
プロデュースはヴァン・モリソン自身が中心ですが、曲により、ボブ・ロックとドン・ウォズ(2人とももあり)が関わっています。
ボブ・ロック、あれですよあれ、メタリカなどメタル系も多く手がける人で、名前を最初に見つけた時に軽く驚きました。
やはりハードな音が好きな人でもヴァンさんは尊敬するのかな。
逆にいえば、ヴァンさんも実はアグレッシヴな人なのでしょう。
ドン・ウォズは今のブルーノートの社長で、ヴァンさんもブルーノートからアルバムを出したことがあるので、納得です。
今回は、CDトレイにあると同じ表記をしてゆきます。
筆記体だから書体は違うのですが、つまりは、"with ○○"ではなく、ゲストの名前が最初に紹介されています。
1曲目 Bobby Womack : Some Peace Of Mind
HYMNS TO THE SILENCE (1990)
1曲目はボビー・ウーマック。
この録音があったのか、もうそれだけで感動、感涙。
僕はこのアルバムの情報をFacebookで知りましたが、最初に見た記事に出ていたのはボビーの情報でした。
実際に聴くと、やっぱりボビーは気持ちよくハミングしてますね。
もちろんしっかりと歌っていますが、僕にとってボビーさんは、ハミングが印象的な人なんだ、とあらためて分かりました。
サウンドも軽やかで爽やかな風のようで、気持ちが高まります。
ヴァンさんのヴォーカルは、まったくもっていつも通り。
いつ録音されたかはブックレットには書かれていないのですが、これを聴くと、まさかあんなに早く・・・と、再び思いました。
でも、感涙と書きましたが、亡くなったことを悼みつつ、彼の素晴らしい歌声を楽しく聴いてもらいたいというヴァンさんの心意気を感じます、1曲目にあることも含めて。
だからここは素直に、気持ちよく聴きましょう。
原曲は90年代最初に出た2枚組大作に収録。
僕が初めて買ったヴァンさんのオリジナルアルバムでした。
札幌の中古レコード店「レコーズ・レコーズ」本店に、リリース後半年くらいの国内盤が1380円だったかな、2枚組でその時期としては安くあったので買ってみたものでした。
2曲目 Mavis Staples : If I Ever Needed Someone
HIS BAND AND THE STREET CHOIR (1970)
2曲目はメイヴィス・ステイプルズ。
このアルバムですが、聴く人によってはゲストの声のミックスが低すぎると感じるかもしれない。
まあ、ヴァン・モリソンのアルバムだから当たり前かもだけど、この曲では、ハモる時に、メイヴィスがとても控えめに感じます。
でも独唱になると、枯れていながら艶やかな声が孤高の響き。
この曲は、彼女を通してゴスペルにより近づきました。
ステイプルズ・シンガーズも久し振りに聴こう。
曲は、唯一売れたアルバムからの選曲、しかも数字でいえばいちばん売れたアルバムからというのは、この業界の人であることの矜持なのかもしれない。
さらにいえば、ASTRAL...、MOONDANCEに比べると3連作なのに注目度が低いことで敢えて取り上げたのかも。
或いは、そんなことまったく考えていなくて、メイヴィス・ステイプルズと一緒に歌うとなるとこれしかないという単なるひらめきだったのかもしれないですね。
もちろん、それを支持するものですが。
3曲目 George Benson : Higher Than The World
INARTICULATE SPEECH OF THE HEART (1983)
3曲目はジョージ・ベンソン。
ジャズとの距離感も近づいていますね。
ところで僕は、ジョージ・ベンソンの最近のものは聴いていないので、こんなに力強いヴォーカルの人だったか、と思いました。
彼のギターソロ、バッキング、甘美なギターの響きがいいですね。
原曲は1983年のアルバム、ジョージ・ベンソンときて、なるほどサウンドもブラコンっぽいように感じます。
4曲目 Joss Stone : Wild Honey
COMMON ONE (1980)
4曲目はジョス・ストーン。
やっぱりヴァンさんも若い女性が好きなんだ(笑)。
彼女の声はしかし、年齢は関係ない、やっぱりいい声だなあ。
スロウな曲を歌って、意外と懐が深い歌手だと再認識しました。
まあ、若手といってももう10年選手ではありますが、ジョス・ストーンはオリジナル曲の傑作をいつか作って欲しい・・・
と、密かなファンの僕としては、そんなことをあらためて思いました。
ヴァンさんのアルバムですいません・・・(笑)・・・
曲は彼女が生まれる前のはず、と思って調べると、彼女は1987年生まれなんだ、まだ30にもなってないのか!
まあそれならこれから傑作を作る伸びしろ大有りかな。
この曲で印象的な"In the light"と繰り返すところはヴァンサンいつも通り、ジョスは高音でコーラスを繰り返していますが、そのうちヴァンさんお得意の「唸りの繰り返し」が始まってもジョスはけなげに歌い通すのがいい。
5曲目 P.J. Proby : Whatever Happened To P.J. Proby?"
DOWN THE ROAD (2002)
5曲目はP.J.プロビー。
ん、待てよ・・・この曲の人か!
面白いですね、本人を読んでしまいました。
しかし僕はこの方は存じ上げていなかったので調べると、アメリカのシンガーソングライターであり、エルヴィス・プレスリーやロイ・オービスンの頃から活躍していた人とのこと。
ヴァンさんは自らのデビュー前の音楽をたどった2002年のアルバムで彼について歌ったわけで、そこでつながりました。
曲想としてはMoondanceに似たスウィングジャズ風の曲を、濃い2人が軽やかに歌うという構図が面白い。
PJさんの声がしゃきっとしていてりりしく、僕があまり聴かないタイプの声の人だなあと。
この曲が入ったアルバムはヴァンさんの中でも特にポップで、聴きやすい1枚、僕も大好きです。
6曲目 Clare Teal : Carrying A Torch
HYMNS TO THE SILENCE (1990)
6曲目はクレア・ティール。
失礼ながら名前も存じ上げない方だったので調べると、1973年生まれの英国のジャズシンガーとのこと。
曲が1980年代によくあったバラード風で、ヴァン・モリソンも、時代の影響は受けていないようで受けていたのかな、と。
いや、80年代の人たちがヴァン・モリソンの影響を受けたのでしょう。
いずれにせよ、僕にはなんだか懐かしい響きの曲です。
そしてこのアルバムはヴァンさんもお気に入りなんだなあ。
次に聴き込むのはこれにしよう。
しかし、このアルバム、5年ほど前に、新リマスター盤が出るという情報が上がってから中止になり、結局そのまま新リマスター盤プロジェクトは休止となっているのが残念なところ。
もう出ないのかな、残り10枚くらい、他のものも。
7曲目 Gregory Porter : The Eternal Kansas City
A PERIOD OF TRANSITION (1977)
7曲目はグレゴリー・ポーター。
半年ほど前に知ってCDを買って気に入った人なのですが、ヴァンさんのお眼鏡にもかなう人なんだと分かってうれしかった。
これはジャズですね、2人とも気持ちよさそう。
グレゴリーさんもヴァンさんから歌の自由さを学んだのでは。
次のアルバムで言葉の繰り返しを多投しているかも(笑)。
イントロは本格的ジャズだけど、歌に入るといつものヴァンさん。
だけどやっぱり曲全体はスウィンギーですね。
この曲が入ったアルバム、僕は、新しいリマスター盤がなかなか出ないので、旧盤リマスター盤を中古で買い集めた1枚で3年くらい前に買ったものですが、このアルバムはなぜか
ローリング・ストーンズっぽいものを感じました。
それと余談、カンザスシティが出てくるの嬉しいですね。
もちろんビートルズ絡み、そしてNFLのチーフス絡みで(笑)。
8曲目 Mick Hucknell : Sreets Of Arklow
VEEDON FLEECE (1975)
8曲目はミック・ハックネル。
昨年突然思いだってシンプリー・レッドの1枚目を買いましたが、なんだかそこからつながっているようでこれもうれしい。
なんて、かなり自己中な解釈ですが(笑)。
でも、ヴァンさんは彼を自分のフォロワーとみているでしょうね。
真似しているというよりは、R&Bへの姿勢という点で。
原曲のアルバムはデカい犬が印象的な1枚。
曲やサウンドが美しいことではヴァンさんの中でも上位だけど、ミックさんが持つ重たさがよく合っていると感じました。
それにしてもヴァンさんの曲の深さといったら。
この曲は永遠に続きそうに感じられます。
9曲目 Natalie Cole : These Are The Days
AVALON SUNSET (1989)
9曲目はナタリー・コール。
これまた僕が密かにファンという女性歌手で割とよく聴くけれど、ここでの歌い方は割と荒っぽい、もちろんいい意味で。
小生意気な女性、といった感じで、やはり、上手い、というか表現力豊かな歌手なのだと思いました。
間奏のホルンがいい。
基本的にサックスはほとんどの曲で入っているのですが、管楽器のセンスもやっぱりヴァンさん図抜けてますね。
原曲はあの名曲が入った中期の名盤AVALON SUNSETから。
このアルバムは曲に統一感があって、1曲だけ取り出してもアルバムの流れが頭の中で浮かんできます。
10曲目 Get On With The Show
WHAT'S WRONG WITH THIS PICTURE? (2003)
10曲目はジョージー・フェイム。
旧友、朋友ですね、共作アルバムも出している。
この曲に僕はサム・クックを見ました。
音楽的にも60年代ソウルなりかけR&Bの頃のサウンド、モータウン初期によくあったスタイルなのもそうですが、何より、最後に"Cha-Cha-Cha"といってしめるところが、サムのEverybody Loves To Cha-Cha-Chaを思い出しました。
サムは2人にとってのアイドルなのでしょうね。
コーダのヴァンさんのスキャット、待ってました!
原曲は、先述のブルーノートから出ているアルバム収録。
これ、いいですよ、いやヴァンさんみんないいえれど(笑)、このアルバムはブルーノートから出ているくらいだから、
ヴァンさんのジャズへの思いが形になって表れた幸せな1枚だから。
11曲目 Shana Morrison : Rough God Goes Riding
THE HEALING GAME (1997)
11曲目はシャナ・モリソン。
お察しの通り、ヴァン・モリソンの娘さんですが、家族と一緒に録音する例は向こうでは結構ありますよね。
声は、男性と女性だから似てるかどうかは分からないけれど、歌唱はさすが父譲りと感じさせられます。
この曲は、タイトルの言葉の"rhyme"=「語呂」が浮かぶと同時に歌メロも思い浮んだのではないかな、と推察。
あまりにもタイトルの言葉と歌メロが合いすぎている。
芸というより本能に近いものがあるのではないかな。
ポール・マッカートニーもそうですが、語呂がいい歌メロは聴いていて気持ちいいし歌うとさらに気分がいいですよね。
アコースティックギターで静かに始まり、じわじわと盛り上がる。
原曲が入ったアルバムは、サングラスをかけて街を歩くヴァンさん、モノクロ写真で印象的なジャケットです。
12曲目 Steve Winwood : Fire In The Belly
THE HEALING GAME (1997)
12曲目はスティーヴ・ウィンウッド大先生。
この中で僕が最も好きでよく聴くアーティストであり、唯一、本人をコンサートで観た人でもあります。
「ローリング・ストーン誌が選ぶ100人の偉大な歌手」において24位=ヴァンさん、と33位=スティーヴの豪華共演。
しかし、スティーヴ大先生、近年はロビー・ロバートソン、サム・ムーアやスティーヴ・クロッパーなどに客演したものを結構聴いていますが、概して声が細くなったなあという印象。
ウルトラハイトーンなのにパワフルで太いというのがスティーヴの声の特徴でしたが、やっぱり齢相応になっていくものなんだと。
でもやっぱりそれでもスティーヴの声はすごい。
2番はスティーヴの独唱、やったぁ、ヴァンさんありがとう。
そんな彼を、ヴァンさんも抑え込んでいるようにすら感じてしまう。
高音のコーラスはスティーヴならではの味わいですね。
イントロの最初だけ明るいけれどそのうち沈んでいく。
しかしサビに向けて明るくなっていく、凝った曲。
ここ2曲同じアルバムから続けてきましたね。
よく考えると90年代は2枚から2曲とられているので、アルバムの割合としてはどの年代も平均にとられているということなのでしょう。
13曲目 Chris Farlowe : Born To Sing
BORN TO SING : NO PLAN B (2012)
13曲目はクリス・ファーロウ。
英国の白人ソウル・ブルーズ歌手。
僕は彼を、1988年のジミー・ペイジのソロ作OUTORIDERで聴いて知りましたが、その時のヴォーカルに強烈な印象を受けました。
「ばばばばばばっ」というあれ、唸りというかどもりというか、当時はまだブルーズはほぼまったく聴いたことがなかったですが、こういうのがブルーズなんだって思ったものです。
この曲での"sing the blues"と歌っている、だから意味が大きい。
ジミー・ペイジのそのアルバムは僕がZepをCDで聴きまくっていた頃に出たもので、思い出も思い入れも深い1枚、いつか紹介します。
しかし、クリスさんはそこでしか聴いたことがないので、これからですね。
いやあ、声がほんとうに素敵な人。
原曲は3年前(もう3年か!)に出た、現時点で自作の新曲によるスタジオアルバム最新作から。
曲はほぼそのままゲストを迎えているだけといった趣き。
もちろんそれがいいのですが、やっぱりこの曲をわざわざ取り上げるあたり、ヴァンさんの新たなやる気を感じますね。
14曲目 Mark Knopfler : Irish Heartbeat
INARTICULATE SPEECH OF THE HEART (1983)
14曲目はマーク・ノップラー
ボブ・ディランやエリック・クラプトンをはじめ、60年代組からの信頼感は絶大で、ここにいるのも必然と感じます。
そうですよね、やっぱりこのギター、職人芸ですからね。
マークは同じく3月に新譜が出たばかりで、偶然かな、でもヴァンさんと気持ち的には似たものがあるのではないかと。
歌メロが流麗で素晴らしいこの曲、ヴァンさんも得意げに、そして気持ちよさそうに歌っています。
マークの声は意外と枯れてない、今気づいた、むしろ80年代の方が枯れているように感じますね。
マーク・ノップラー、やっぱり味わいがある歌手だと再認識。
この曲も後半の管楽器のソロが、大地の風を感じさせてくれる。
それを受けたマークのギターソロはあくまでも曲の流れ。
そしてコーダでヴァンさんのスキャットを丁寧になぞっているマークのギター、温かい人だなあ。
僕個人的には、この中でいちばん気に入った曲です。
もちろん、敢えて順番をつけるとすればですが。
原曲はジャケット写真も観念的で内省的な1枚からですが、後にチーフタンズと組んでこの曲をタイトルとしたアルバムを作り、そちらの方が今では印象的かもしれないですね。
15曲目 Michael Buble : Real Real Gone
ENLIGHTENMENT (1990)
15曲目はマイケル・ブーブレ。
彼はアルバムは聴いたことがないけれど、ロッド・スチュワートなど何人かのアーティストに客演しているのを聴いています。
しかしそれらはほとんどミディアムからスロウの曲だったので、アップテンポの曲を歌っているのに驚きました。
すいません、これはあくまでも僕のイメージで語ってます。
低い声が意外とかっこいいですね(意外とは余計かも・・・)
唯一ベスト盤に入っている曲。
ヴァンの中でもキャッチーさはトップクラスだけど、敢えてそういうのを1曲だけ入れたのがあまりにも憎い。
これも初期モータウンの味わい、歌詞にはJ.B.も出てきて60年代を謳歌する曲ですね。
16曲目 Taj Mahal : How Can A Poor Boy?
KEEP IT SIMPLE (2008)
最後16曲目はタジ・マハール。
いわば「ブルーズ対決」。
あああ、来た来た、来ちゃったよ!
途中で「ぶぶぶぼぼぼぼまままままとぅとぅとぅっ」と炸裂。
それをタジと交互にやる、2人とも悪ノリし過ぎ!
誰か彼らを止めてあげてぇ、と言いたくなる。
アドリブというか、録音していて乗ってしまったのではないかな。
それくらい生な感覚に満ちていてスリル満点。
これはすごい!
そして今回、僕が「ばばばば」スキャット(!?)を知ったクリス・ファーロウが参加しているのは、偶然かな、でも面白くて、僕の中ではうまくつながりました。
ハーモニカも突き刺さって来る。
新しめの曲でこんなことされて聴き手は放り投げ出される。
ヴァンの音楽はまだまだ続いてゆくことを確信しました。
アルバムはジャケットの蒼い写真が印象的。
「シンプルであり続ける」、まさにヴァンさんそのもの。
◇
このCDがリリースされた日、英国ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで記念コンサートが行われたとFacebookの記事で見ました。
いいなあ、ヴァン・モリソン、生で観たい、聴きたい。
素直にそう思いました。
僕はヴァン・モリソンの音楽についてよくこう言います。
「ヴァン・モリソンはヴァン・モリソン」
今回のアルバムはそれがよく分かりました。
アレンジで趣向を凝らしたり、受けを狙ったりといったものではなく、あくまでも彼が感じたことが音となって表されているに過ぎない。
誰が歌ってもヴァン・モリソンにしか聴こえない。
じゃあこれは意味がないじゃないかといわれればそれは違う。
ヴァン・モリソンへの音楽への思いを多くの人が受け継ぐことで新たなヴァン・モリソンが見えてくる。
音楽は聴き継がれるけど、ヴァン・モリソンはさらに進んでゆく。
そのことが感じられる、これはきわめて前向きな1枚ですね。
でも、肩肘張らずに気軽に聴けるサウンドがいいですよ。
ドン・ウォズが絡んでいるだけあります。
さて、次はどんな展開を見せてくれるか、早くも楽しみです。
最後You-Tube映像は、マイケル・ブーブレとのReal Real Goneです。