今日は閑話休題的な話です。
NFLのプレイオフ第2回戦、Divisional Playoffの4試合が日本時間の12日と13日行われました。
AFCは第1シードのデンバー・ブロンコスがサンディエゴ・チャージャーズを24-17で、第2シードのニューイングランド・ペイトリオッツがインディアナポリス・コルツを43-22でそれぞれ下し、順当ともいえる勝ち上がり。
NFCは第1シードのシアトル・シーホークスがニューオーリンズ・セインツを23-15で、第5シードのサンフランシスコ・フォーティナイナーズが第2シードのカロライナ・パンサーズを23-10でそれぞれ下しました。
次週、AFCはニューイングランド・ペイトリオッツ対デンバー・ブロンコス、NFCはサンフランシスコ・フォーティナイナーズ対シアトル・シーホークスでチャンピオンシップ・ゲームが行われ、いよいよスーパーボウルの対戦カードが決まります。
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プレイオフに進出し勝ち上がったサンフランシスコ・フォーティナイナーズが本拠地としていたのが、サンフランシスコにあるキャンドルスティック・パーク。
このスタジアムの運用が、今シーズン限りで終わりました。
49ersは来シーズンから近隣にある「リーヴァイス・スタジアム」に本拠地を移して闘うことになります。
サンフランシスコは地区優勝を逃したため本拠地ではプレイオフの試合ができず、結果として、第16週目、2013年12月24日に行われた対アリゾナ・カーディナルス戦がキャンドルスティック・パークでの最後の試合となりました。
キャンドルスティック・パーク最後の年の話題は、日テレG+のオードリーが司会を務める番組「NFL倶楽部」でも取り上げられました。
「キャンドルスティック」Candlestickという情緒ある名前は、サンフランシスコ湾にろうそく上に突き出した半島の部分であり、スタジアムはその付け根にあります。
スタジアムの開設は1959年。
当初はMLBのサンフランシスコ・ジャイアンツのみが運用していましたが、1971年から49ersが本拠地として共用を開始。
1999年にジャイアンツは今のAT&Tスタジアムに移転しましたが、共用だったため、グラウンドに対してスタンドが正対していないなど形状が多少いびつだったり、今でも野球のダッグアウトがそのまま残されそこが客席になっていたりと、歴史を感じさせる話が面白かった。
野茂英雄投手がMLBにデビューしたのもキャンドルスティック・パークだったそうです。
さらに余談、映画『ダーティ・ハリー』1作目のクライマックス、クリント・イーストウッドと「さそり」が対峙するシーンもこのキャンドルスティック・パークでのロケだったかと思います。
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「NFL倶楽部」の放送時はまだ最終戦の前でしたが、観客の中に、Candlestick Park MemorialのTシャツを着た人が多くいました。
それを見て僕も欲しくなった。
いつものネットのNFLショップで探すと、あることはあったけれど、子ども用と女性用しか残っていなかった。
記念買いで着ないつもりではあっても、やはり何かちょっと引っかかる。
さらに別を探すと、もってこいのグッズがセール品であったので注文し、届いたのがこれ。
The Paragon Pyramidというのが商品名だと思われ、何かを記念するプリズムのシリーズにキャンドルスティック・パークのものもある、ということでしょう。
ただしよく見ると、NFLマークがどこにも入っていないので、正式なNFLグッズではないようです、非公認というわけでもないのだろうけど。
注文した時にネット上で見て想像したよりは小さなものでしたが、逆に置く場所に困らないし、Tシャツよりはよかった、気に入りました。
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ところで、ここまで書いてこんなこと言うのもなんですが、僕は、サンフランシスコ・フォーティナイナーズを特に応援はしていません。
ファンのかたには申し訳ないですが、僕が応援するチームの「敵」であり続けている。
敬意をもって表現すれば、常に「大きな壁」として存在し続けているよいチーム、ということになります。
それなのに、記念品を買うというのはおかしな話かもしれない。
まあ最近は、例えば東急渋谷駅のように何でも「最後」に盛り上がることが多いようですが、それだけとういうわけでもなく、僕がキャンドルスティック・パークにこだわるのは、大きな理由があります。
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ビートルズが最後のコンサートを行ったのがこのキャンドルスティック・パークだったのです。
1966年8月29日のことでした。
1枚目の写真に写っているCDはこれはそのコンサートの海賊盤。
僕は大学時代一時ビートルズの海賊盤に凝っていて、本を買って研究しながら、40枚ほど買ったかな。
ちょうどレコードからCDに移る頃だったので、最初はLP、そのうちCDとなりましたが、これはその中の1枚。
音は最悪、客がカセットテープで録音したものでしょうか、いや当時はまだカセットテープは普及していなかったかな、何かのテレコか。
ともあれ、ライン録りではなく、とても鑑賞用にはならない、音楽ではなくただの記録といったところ。
おまけにピッチが多少高いようで、テンポが速く、音が半音くらい高くなっています。
海賊盤は音の当たり外れが大きいですからね。
ビートルズの唯一最大の弱点、それがライヴでしょう。
結局のところ、ライヴバンドとしての名声は得られなかった。
まあしかそれは、1960年代半ばはまだまだ「ライヴ」というより「ショー」であって、もっといえば「ただの見世物」であり、コンサートはあくまでもレコードを売るためのプロモーションであって、彼らは仕事をこなしていただけ、そんな時代だから仕方のないことですが。
かつてはLPでも公式のライヴ盤が出ていましたが、それも含め、海賊盤で聴く限りは、4人が歌っている、ということ以外にはあまり意味や価値を見いだせないものばかりと言っていいかもしれない。
それでもまだ1964年の前半くらいまではまだ気持ちが入っているのは感じるけれど、最後のこの頃はもうやる気がないとしか感じられない。
このCDの曲目は以下の通り。
1.Rock ANd Roll Music
2.She's A Woman
3.If I Needed Someone
4.Day Tripper
5.Baby's In Black
6.I Feel Fine
7.Yesterday
8.I Wanna Be Your Man
9.Nowhere Man
10.Paperback Writer
同じ年の武道館公演と同じですが、先ほども書いたように当時はあくまでもプロモーションだから、変えることは意味をなさなかったのでしょうね。
「セットリスト」と書かなかったのは、おそらく最後にI'm Downを演奏したはずがここには収録されていないから。
厳密にいえば最後の最後が聴けないこのCDは、残念を通り越して欠陥商品ですね。
今は他に完全収録されたものが出ているのかもしれないですが、今は、同じお金を出すなら海賊盤を買うなら聴いたことがないアルバムやアーティストを買って聴きたいです。
まあそれでも面白いので、気づいたことを書きます。
1曲目が始まる前、4人がステージに出てきて会場が絶叫の渦に巻き込まれたところで、静かに聴いてもらいたいのでいきなり曲を演奏せずにギターのチューニングを合わせる行動をとってRock And Roll Music歌い始める。
一見サプライズ風の演出も一緒ですが、このCDではチューニングの途中から音が入ってきて、そうか尻切れのみならず頭も欠けているということなんだな。
She's A Woman、この2曲の流れは好きだなあ。
If I Needed Someoneを、ポールが、ジョージが書いた曲だと紹介するのも武道館と一緒。
Day Tripper、中間部のコーラスが盛り上がるところが薄っぺらいのは、やはりオリジナルはスタジオ録音の効果なのかな。
Baby's In Black、これは武道館では間奏の部分でジョンがワルツにのって踊るのが印象的なシーンでしたが、この時もやっていたのかな、音だけでは分からないのが残念。
I Feel Fineでジョンが珍しく歌詞を間違っていない、これが最大の話題か(笑)。
"I'm in love with her"と"She's in love with me"の部分ですが、僕が買った海賊盤で間違っていないのはこれともう1つ、確か1965年のいつかのパリ公演のどれかしかなかった、
それくらいジョンは歌詞をよく間違いますが、"I'm in love with me and I feel fine"なんて歌われた日には、ジョンはどれだけ己が好きなんだ、と、若い頃には茶々を入れたりもしました。
そうそう、この曲のライヴヴァージョンは、Bメロの"I'm so glad..."の部分の演奏でオリジナルにはない「てっててれれっ」というギターが入るのが面白いんだけど、でもそれが入ると多少土臭くなってしまうので、洗練さを望んだジョージ・マーティンは入れさせなかったのかもしれない、と。
Yesterdayをジョージが紹介する時、曲名を言う前にYESTERDAY AND TODAYのLPからと言うと、そのYesterdayというだけで会場が大絶叫するのは、当時の人気ぶりがあらためてよく分かります。
でも、そこで違う曲をやったらどういう反応をしたのだろうかと、これまた意地悪(笑)。
I Wanna Be Your Man、リンゴはいつも苦虫を噛み潰したような顔で歌っていた、だからこの時の顔は想像に難くない。
Nowhere Manを紹介するジョンは、歌詞を台詞風に早口でまくしたてるのがお茶目というか面白い。
ステージにいる時はやはり人を楽しませるのが好きだったのでしょうね。
Paperback Writerに及んではポールまで歌詞を間違っている、というか言い淀んでいる部分がある。
疲れていたのでしょうね。
まさか、実際にやっている時はこれがビートルズとして最後のコンサートだとまでは考えていなかったでしょうけど、でも現実問題としては、これが終わったらツアーも終わりで解放される、くらいには思っていたでしょう。
かえすがえすもI'm Downがないのが残念。
隠し録りした人はその曲が終わる前にテープが止まってしまったのかな。
とまあ今回は海賊盤の印象記でした。
ポール・マッカートニーのコンサートの後で久しぶりにビートルズのライヴを聴いたということもあって、まあ、ファンとしては結局それでも楽しいことは楽しい。
ファンなんてそんなもんでしょう(笑)。
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さて、NFLは今年もあと3試合、プロボウル(NFL版オールスターゲーム)を入れても4試合。
9月からこちら、ほんとうにあっという間に過ぎてしまいました。
早くも今年の9月が楽しみでしょうがない(笑)。
その前にそうそう、スーパーボウル、今年はデンバー・ブロンコス対シアトル・シーホークスを望んでいます。
今残っている4チームのうちまだスーパーに勝ったことがないのはシアトルだけ。
NFLに限らずスポーツは何でも初めてを見るのが楽しい。
僕は本来はデンバーを応援していますが、相手がシアトルなら負けても仕方がない、そう思うと気楽に試合が見られそうだし。
いや、やっぱり熱くなるかな。
もちろん2月3日は仕事は休みにしてあります(笑)。