『ロッキー』とNFL | 自然と音楽の森

自然と音楽の森

洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。


自然と音楽の森-September21Rocky


◎ROCKY ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK

▼『ロッキー』

☆Music Composed and Conducted by Bill Conti

★ビル・コンティ

released in 1976

CD-0440 2013/9/21


 9月、NFLが開幕しました。


 昨年からまた熱心にNFLを追い始めた僕、今年は9月が待ち遠しかった。
 でも始まってみると2月からの7か月はあっという間だった気も。
 まさに"Time flies"。
 ところで余談、僕はこの"Time flies"というのは、つい最近まで「時間が流れるのが早い」という意味だとは思っていなくて、ただ時間が流れてゆく様を表したものだと勘違いしていました。


 それはともかく、僕が今年応援するNFLのチームは以下の7つ、好きな順に並べてみました。


1:フィラデルフィア・イーグルス
2:カンザスシティ・チーフス
3:デンヴァー・ブロンコス
3:セントルイス・ラムズ
5:ニューオーリンズ・セインツ
6:グリーンベイ・パッカーズ
7:シアトル・シーホークス


 なぜ好きかを説明するのは簡単なようで難しいですが、一応。


 イーグルスはわが家でNFLを見始めた1991年に最初に好きになりましたが、鳥であることとイメージカラーが緑であることに引かれました。


 チーフスは弟が最初に好きになり、つられて応援していますが、弟の好みなのでなおさら説明が難しい(笑)。

 イメージカラーが赤というのに引かれたのでしょうね。
 あのジョー・モンタナが入った時はスーパー狙っていたのですが。
 ちなみに今僕が使っているマウスパッドはもう20年前に買ったKCのもので、フィールドの中央にKCのロゴマークがあります。


 ブロンコスは見始めた頃のあのジョン・エルウェイがいて時々ある「ミラクル」な試合に痺れました。
 後にスーパー2連覇した時はうれしかった。


 ラムズは、僕が未年だから(笑)。
 ポール&リンダ・マッカートニーのRAMもあることですし。

 実際、見始めた頃は弱かったのですが、21世紀になってカート・ワーナーでまさかまさかのスーパー制覇、うれしかった。


 セインツは昔はそれほど好きではなかったけれど、3年前のスーパーでついに勝ってから好きになりました。
 なんて軽薄な・・・ただ、音楽好きとしてニューオーリンズが好きなので、昔からいつか好きになりたい、と思っていました。
 セインツがNFLに加入したのは僕が生まれた年というのもありますし。


 パッカーズは僕がちょうどNFLを見始めた頃に、今や伝説的QBブレット・ファーヴが出てきてそのプレイに一発でやられました。
 パッカーズも後にスーパーボウルを制しましたね。


 ここまで6チームは少なくとも2011年以降は固定で応援しています。


 シーホークスは一方、昨年までまあ好きくらいでしたが、QBのウィルソンが面白いのと、ヘッドコーチのピート・キャロルがキャラクター的に好きなので今年は応援チームの仲間入り。
 来年は分からない(笑)。


 応援するチームが複数あるのは違うかもしれない。
 まして、チーフスとブロンコス、ラムズとシーホークスは同じ地区(注1)のライヴァルだから、本来はどちらかになるはず。
 でも、まあ、いいじゃないですか、いろいろな楽しみ方があって(笑)。


(注1)
 NFLはNFCとAFCの2つのカンファレンスで構成されており、日本のプロ野球のセリーグとパリーグと同じよなものです。
 NFCもAFCも16チームがあり、それぞれ東西南北4つの地区に分かれて順位を争います、大まかにいえば。


 シーズンが進んでプレイオフ(注2)の争いになると、この7チーム以外でも応援に回るチームが出てきます。
 (この7チームがプレイオフ争いにすべて残ることも珍しいし)。
 例えば、昨シーズンは12月になってワシントン・レッドスキンズを応援するようになりましたが、それはQBのロバート・グリフィン3世が面白かったから。

 ミネソタ・ヴァイキングスもプレイオフに絡んでくると応援しますが、クォーターバックが魅力的なら、もっと早くから応援するけれど・・・


(注2)
 プレイオフは、両カンファレンスとも、4つの地区の優勝チームと、ワイルドカードでそれ以外の12チーム中の勝率1位と2位のチームが出場し、トーナメント方式で行われます。



 さて、2013年シーズンが開幕した最初の週は、僕が応援するチームは6勝1敗と好ダッシュを見せました。

 2週目も5勝2敗と、今年はいいかもしれない。


 3週目はもう1試合が行われましたが、その試合がなんと僕の1位のフィラデルフィアと2位のKCの戦い。
 どっちも負けてほしくなかったけど、KCが勝って開幕3連勝。

 KCは昨年は全16試合でたった2勝しかできなかったのですが、今年はチーム改革がうまく行っているようで期待できます。
 ディフェンスは元々タレント揃いでよいのですが、あとはパスオフェンスをもう少し強化すれば、スーパー行けるかも。


 一方イーグルス、KCのヘッドコーチは昨年まで14年間イーグルスのHCだった人で、フィラデルフィアで行われた試合はその点でも注目されていました。

 そのイーグルス、HCが新しくなったわけですが、見ているとなんとなく試合運びが緩い(脆い)感じがまだしました。
 イーグルスはスーパーに勝ったことがなく、近年は何度もチャンスがあったのですが、どうだろう、来年以降かな・・・


 前振りが長くなりましたが、そろそろ本題に近づきます。

 カンザスシティ・チーフスatフィラデルフィア・イーグルスの試合はGAORAで生放送されていたので録画して観ました。

 

 フィラデルフィアといえば、何を思い出しますか?


 僕はやっぱり、映画『ロッキー』ですね。

 ロッキー・バルボア役のシルベスター・スタローンが、夜明けの街中で走ったりシャドウボクシングをするシーンが印象的。
 生卵を幾つも幾つも割るシーンもありましたが(笑)。


 件のチーフス対イーグルスの試合では、会場で誰かがロッキーの写真のパネルを掲げていました。
 さすがはフィラデルフィア、と思ったのですが、よく見るとそれを掲げていたのはファンではなくチーム関係者でした。
 確かイーグルスがオフェンスの時に上げていましたが、どういう意味があるのだろうとしばし悩み、いまだに悩んでいます。


 劣勢時にロッキーのように勇気を奮い立たせろ、という意味かな。


 ロッキーのように走れ、という意味か。


 フィラデルフィアの誇りを忘れるな、かな。


 ただ単に緊張をほぐすのに笑わせたいだけかな・・・


 今シーズンはこの謎を解明することも楽しみの一つになりました(笑)。


 試合中継はもちろんアメリカのテレビ局(NBC)から映像を買ってGAORAで放送しているわけで、時々街中のシーンが写りました。
 その中で、フィラデルフィア市役所前の光景がありましたが、試合の夜でもジョギングをする人がたくさん集まっていました。
 GAORAのアナウンサーの話では、フィラデルフィア市役所前は、日本の東京でいえば皇居前のような感じの場所なのだそうで。
 解説の人が、やっぱりそこに行くとロッキーのように両手を高く上げたくなるのでしょうね、と言っていました。


 フィラデルフィアとロッキーはもはや、切っても切り離せない存在なのだと分かりました。


 音楽の話もしないと(笑)。


 映画のテーマ曲で何がいちばん好きかと聞かれると、僕は迷わず『ロッキー』のテーマと答えます。
 いつもの枕詞で、一応、ビートルズのは除きますが(笑)。

 正式な曲目はGonna Fly Now (Theme From Rocky)ですね。


 音楽でどれだけ人間の感情、気持ちを表すことができるか。
 この曲は、最高の形で表されているのではないか。


 僕は、ボクシングをするわけでもないし、抽象的な意味としても今は別に何かと戦っているわけでもないけれど、この曲のイントロを聴くと、自然と勇気が湧いてきます。

 時には、なぜか、なぜか、涙が出てきたり。


 ラッパが奏でる主旋律をハミングで口ずさみます。
 もうほとんど歌といっていいくらい。
 途中でソウル風のコーラスが入るところももちろん一緒に大仰に歌う。
 ギターソロはいかにもというフュージョン風、それもいい。
 この曲は大まかに分けるとフュージョンなのでしょうけど、そうか、僕もフュージョンで大好きな曲があったんだ。

 曲は決して軽くなく、暗くはないけれど明るくなる寸前の雰囲気、威厳や誇りは決して忘れない、まさに勇気、そんな響きがいい。

 でも、この曲は、コーラスで示唆はされているけれど、歌詞がない、歌ではないから余計に伝わってくるものが大きい、そんな気もします。


 このサントラは、ビル・コンティのスコアを集めたものです。
 サントラは、ポップソングを集めたものとスコア集とその折衷がありますが、僕は、スコアだけのサントラはほとんど聴かないですね。
 これを買ったのは、大好きな曲が世に出た形のオリジナルのアルバムを基本的には買い集めたいと思っているから。
 持っていると、やっぱり、気持ちの入り方が違うんですよね。

 まあだからこれも買った時に数回聴いただけですが、スコアのサントラはやはり映画を回想しながら聴くものなのでしょうね。


今回、前曲は触れないけれど、曲目は書き出してみました。


1.Gonna Fly Now (Theme From Rocky)
2.Philadelphia Morning
3.Going The Distance
4.Reflections
5.Marines' Hymn / Yankee Doodle
6.Take You Back (Street Corner Song from Rocky)
7.First Date
8.You Take My Heart Away
9.Fanfare For Rocky
10.Butkus
11.Alone In The Ring
12.The Final Bell
13.Rocky's Reward


 中では、3曲目Going The Distanceと12曲目The Final Bellで用いられている主旋律は結構知られた曲でしょう。
 アポロとの試合が終わって勝敗が発表された後、ロッキーが「エイドリアーン」と叫ぶところで流れるあの涙を誘う曲。


 6曲目Take You Backは『ウェストサイド物語』風の歌。


 Butkusは犬の名前でしたよね、あれ、誰の犬だったっけ? ポーリーが飼っていたのではなかったかな。
 亀の名前は何だったっけ・・・!?・・・


 他も、タイトルを見るとシーンを思い出すような曲ですが、記事を書きながらかけていると、なかなかいいですね。


 僕は、『ロッキー』は3回観たかな。
 1回はテレビ、1回は録画、もう1回はDVD。
 最近は冒険心がなくなってきたようで、新しい映画よりも一度以上観てよかった映画をまた観たいと思うことが多い。
 だから、『ロッキー』、また観たくなってきました。


 ところで、『ロッキー』といえば、今読んでいる小林信彦の本で、たまたま『ロッキー・ザ・ファイナル』の話題が出てきました。
 小林信彦さんはそれが気に入ったというのが僕には意外でした。
 落ちぶれた感が時代の空気によく合っているのだという。
 実は僕はそれはまだ観たことがないので、『ロッキー』の前にそれを観ることにしようかな、とも。


 フィラデルフィアといえば、最近はソウルもよく思い浮かべます。
 「フィリーソウル」ですね。
 その派生でダリル・ホール&ジョン・オーツも思い出します。


 来年、2014年2月2日に行われる第48回スーパーボウルのハーフタイムショーは、なんと、ブルーノ・マーズに決まったそうです。
 僕が見るようになってからではいちばん若い人じゃないかな。
 どんなショーを見せてくれるか、どの曲を歌うのか、今から楽しみ!


 その前に、どのチームがブルーノの歌を聴けるのか。

 これから毎週日月(時差の関係で)は一喜一憂する季節となりました。


 ところで、最後にひとつ、思い切って言います。


 僕は、サンフランシスコ・フォーティナイナーズを応援して、いません。


 日本では49ersのファンの人がいちばん多いのではないかな。
 僕は、へそ曲がりだから・・・以下略・・・(笑)・・・


 今年は、AFCはKCとデンヴァーで決勝戦を戦ってほしい。

 どちらもまだ無敗だから、お互いホーム&アウェイで1勝1敗、それ以外は全勝して15勝1敗同士でプレイオフに進む、なんて壮大な夢を見ています(笑)。


 NFCは、気持ちの問題と実際の戦力の均衡を図るのが、まだ、難しい、少し保留にしておきます。