◎SONGS FOR JAPAN
▲ソングス・フォー・ジャパン
released in 2011
CD-0032 2011/04/28
2011年3月11日、東北地方太平洋沖で起こった大地震による震災からの復興を支援するために37のアーティストが楽曲を提供した「ソングス・フォー・ジャパン」。
当初はネット配信だけでしたが、CDとしてリリースされたのでもちろん買いました。
今回はこの中から、主に僕がある程度以上知っているアーティストがどんな思いでその曲を提供したかをなるべく短く話してゆきます。
◎Disc1
Tr1:John Lennon / Imagine
ジョン・レノンのこの曲はもはや人々の思いの結晶ですね。
Tr2: U2 /Walk On
歩き続けようと語りかけ、焦らずにじっくりと復興していってほしいという思いを感じます。
Tr3:Bob Dylan / Shelter From The Storm
困っている人に安全な場所を案内する人が現れるという歌詞。
特定の人ではなくその無名性が多くの人々の支援の心を表象しているように感じられ、そうした曲をちゃんと書いていたのはさすがボブ・ディラン。
かといって深刻ではなくどこか軽くて明るい曲であるのも洒落てます。
Tr4:Red Hot Chili Peppers / Around The World - Live
レッド・ホット・チリ・ペッパーズは何枚かしか聴いたことがないという人でして・・・
Tr5:Lady GaGa / Born This Way
レディ・ガガは大地震の確か翌々日にはブレスレットを制作してネットで販売し売り上げを義援金にあてる行動を起こしてくれた。
ありがとう!
わが家にガガの音源が来たのはこれが初めてだけど、これからアルバムも聴いてゆきます。
なんといってもロックファンとしてはその名前に反応しますから(笑)。
Tr6:Beyonce / Irreplacable
僕がビヨンセを好きになるきっかけの曲だからうれしい!
なんて個人的なことを言うんじゃなくって(笑)、「取り替えられない」、それはきっと「命」のこと。
生きていれば世の中をうまいほうに取り替えられる。
Tr11:Madonna / Miles Away - Live
マドンナの思いは遠く離れていても一緒。
"This song is for you"と会場に呼びかけるのが印象的。
Tr13:Bruce Springsteen / Human Touch
ブルース・スプリングスティーンが訴えるのは、今この瞬間、世界にとって必要なもの。
◎Disc2
Tr1:Lady Antebellum / I Run To You
レディ・アンテベラムは今年のグラミー賞の後に1枚買ったので、ぎりぎり知っている人の仲間入り(笑)。
Tr2:Bon Jovi / What Do You Got?
ボン・ジョヴィのこれはカントリー系に寄った後の彼らの基本スタイル。
ジョン・ボン・ジョヴィの声の温かみを今回は強く感じました。
Tr3:Foo Fighters / My Hero
フー・ファイターズのこれは2枚目の曲で当時よく聴いていてなんだか懐かしく思いました。
70年代ロック愛に満ちたサウンドもやっぱりいいですね。
ヒーローはみんなひとりひとりが成るものだ、と。
Tr4:R.E.M. / Man On The Moon - Live In Tokyo
このCDの白眉はなんといってもこれですね。
R.E.M.だから、僕がリアルタイムで聴いたすべてのロックの楽曲で最も好きな曲を歌っているから、もちろんそれもあるけどそれ以上にわざわざ東京でのライヴ音源を入れているところが。
調べたのですが少なくともアルバムに収録された音源ではなく、もしかすると初出音源かもしれない。
それはマニアとしてもありがたいけど、でもその心意気はそうではない人にもよく伝わってくるものでしょう。
最後に「ドウモアリガトゴザイマッスゥ」と日本語で言っているのはほんとうに感動します。
R.E.M.はいつも言いますが楽曲から人間性を感じさせてくれて、僕はほんとにR.E.M.が大好きでよかったと今回も思い直しました。
この曲は大元としては亡くなった人への愛情を示す曲であり、生きている人間はその思いに支えられていると解釈できます。
Tr6:Sade / By Your Side
シャーデーは昨年復活したばかり、これはあの「青い影」に雰囲気が似ている以前の曲。
クールなようでそばにいたいという思いがしっかりと伝わり前よりもずっとよく聴こえてきました。
Tr9:Adele / Make You Feel My Love
アデルという人はまったく知らなかったのですが、この曲はとてもよく知っています。
ビリー・ジョエルがベスト盤用に録音し発表し後にボブ・ディランもセルフカバーしたあのバラードですね。
1990年代といえば僕の中ではまだ最近のことだけど、若い人にはもうだいぶ前のことなのでしょうね。
この曲がすっかり名曲としての風格をたたえていることを感じてうれしくなるやら、年齢を感じるやら(笑)。
若い人がこのようにカバー曲で思いをつないでくれるのもいいですね。
Tr10:Enya / If I Could Be Where You Are
エンヤはいてくれるだけでいい。
この音はほんとうに空高くに響いている。
Tr11:Elton John / Don't Let The Sun Go Down On Me
エルトン・ジョンといえば明日はロイヤルウェディングですね。
それはともかく"Sun"が入ったこの曲を選んだのは納得しました。
Tr12:John Mayer / Waiting On The World To Change
ジョン・メイヤーは最近聴き始めた人ですが僕はこの人にクールな知性と洞察力の鋭さそして控え目な優しさを感じます。
きっと世界はいいほうに変わるのでしょう。
Tr13:Queen / Teo Toriatte (Let Us Cling Together)
クイーンと日本との絆は長くて深くて硬い。
Tr15:Sting featuring The Royal Philharmonic Concert Orchestra,Conductor:Steven Mercurio / Fragile
スティングのこの曲はほんとうに感動的ですね。
Tr17:Ne-Yo / One In A Million
ニーヨは大地震の後で来日を控えるアーティストもいる中で
敢えて来日公演を予定通り行い行動で勇気づけてくれた人。
Tr19:Norah Jones / Sunrise
最後はノラ・ジョーンズ。
この曲を選んだノラには優しさと日本への敬意を感じました。
静かな曲の中に誠実さを感じます。
CDの最後にこの落ち着いた曲があるのもいいですね。
オムニバスものを買うと知らないアーティストに出会うきっかけとなるのは楽しいしありがたいところです。
今回のCDで僕が知らない、聴いたことがない人の中では、
Disc1-Tr7:Bruno Mars / Talking To The Moon - Acoustic Piano Version
これがいちばんよかったです。
そして
Disc2-Tr14:Kings Of Leon / Use Somebody
このバンドもずっと気になっていたのですがついに僕のところにCDが来て音を聴くことができました。
何かCDを買ってみようかな。
◇
この度の大地震と津波により被災された方々、及び福島原子力発電所の事故により避難生活を余儀なくされている方々への心よりのお見舞いを申し上げ、復興を願っております。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。