フェニックス探索も終え、一夜が明けた。昨晩は、ティファとも話をし、その後、夕食をしながらコブラ達とも今までの出来事など、色々な話をした。気が付くと、深夜になっていたので皆、それそれ就寝した。そして、夜が明け、俺達は最後の目的地、中央帝都に向けて出発する。そう言えば、昨日から少し身体の調子がおかしい。着ているものが小っちゃくなった気がする。

「さて、僕たちは、中央帝都に向けて出発しますが、コブラ兄さん達はどうされますか?もしよろしければ、ドアマンドまでゲートを繋げますが。」

「なんか、タカミにコブラ兄さんと言われるとぞくぞくするな。それに、そんなに畏まらないでくれ。それはそうと、俺とキャップは、自力で修業がてら戻るとするよ。タカミに負けてられないもんな。ヴァイロンとティファを送ってあげてくれ。」

 コブラとキャップは魔獣を討伐しながらドアマンドに戻るらしい。もっと自分達を鍛えるそうだ。

「では、これを持って行ってください。リカバリーのスクロールです。大抵の怪我や異常状態はこれで解除できます。」

 俺は、リカバリーのスクロールを5枚ずつ渡した。

「あまり無理はしないでください。」

「うん。ありがとう。大事に使わせてもらうよ。」

 コブラとキャップは俺からスクロールを受け取り、荷物にしまう。

「私は、本当はタカミについて行きたいニャ。でも、お父さんの手伝いをしないと・・・、次にゃう時は私ももっと立派な回復師になるニャ!だから、タカミ!浮気はだめなのニャ!」

 ヴァイロンは俺を抱きしめてくる。む、胸が苦しいです。

「浮気って・・・もう、勘弁してください(;’∀’)」

「私もタカミに少しでも近づけるように頑張る。次会う時はビックリさせるんだからね。」

「うん。頑張ってね。ティファなら出来るよ。」

 俺は、ティファと握手をする。

「さて、皆さん、最後に渡したいものがあります。」

 俺は、小さな小瓶を皆に渡す。

「これは、フェニックスの血です。昨日、ノアにお願いしてもらいました。ただし、その血には少し細工がしてあります。これは、俺のエゴからきているのですが、やはり不老不死はちょっとだめだと思うのです。ただし、この血にはすごい効果があります。

1.病気にならない。ただし、現在、病気を発症している人には効果はありません。病気も治りません。ここは注意が必要です。病気が完治すればそこから病気にかかる事はありません。

2.自分が一番いい時の年齢で居られる。勿論、身体の衰えもありません。

3.寿命が再度リセットされる。つまり、これを飲んでから死ぬまでの時間が倍になります。寿命を延ばす効果だと思ってください。本来は不老不死なのですが、倍になると死の魔法が発動します。それが寿命です。俺の魔力を上回る階位での解除は出来ると思いますが、多分、出来ないでしょう。

4.とても高価な薬です。高値で取引されると思います。下手したら一生困らないくらいのお金が手に入ります。

と言う代物です。今回の探索の報酬だと思ってください。フェニックスの探索にはこれほどの価値があったと言う事です。」



「そんな凄い物、貰ってもいいのか?」

あのキャップがしり込みしている。

「勿論です。どう使うかは皆さん次第ですね。勿論、自分に使ってもね。もし、俺なら王族に高値で売ります。(笑)。それに、この報酬は誰も損も無理もしてまいませんよ。ノアもイグニールの結界から解放されたと喜んでいたので、喜んで血を提供してくれましたよ。」

「そうか。では、遠慮なく頂こう。ありがとな。タカミ。」

「いえ、皆さんのお力添えがあったからここまで来れたのです。こちらこそありがとうございました。」

 俺は、深々と頭を下げた。

「つーか、お前、本当に9歳か?なんか、俺達より人間出来ているな。」

「いやいや、キャップ兄さんの教えの賜物ですよ。(笑)」

「タカミ!君なら大丈夫だと思うが、何か困ったことがあったらいつでも遠慮なく言ってくれ。俺達はいつでも君の手助けになる。」

「ありがとうございます。その時はよろしくお願いします。短い間でしたが、お世話になりました。あの、出来ればアルファードの件は皆に黙っていてほしいのですが・・・」

「ん?アルファードか。彼は良い冒険者だよ。流石、君の弟子だね。」

 コブラは気を使ってくれた。

「ありがとうございます。彼はいい男です(笑)」

 俺は、コブラとキャップ、両者と握手を交わす。

「さて、俺らは行くわ。タカミ、世話になったな。」

「とんでもないです。キャップ兄さんもお達者で。」

「また、どこかで会おう。またな。」

「はい。コブラ兄さんもお達者で。」

 二人は、俺達に別れを告げ、来た道を戻っていく。俺はゲートをドアマンドの冒険者ギルドに繋げる。

「はい。ヴァイロンとティファ。ここからドアマンドに戻れるよ。」

 なぜか、ヴァイロンは黙っている。そして、急に

「やっぱり、私はタカミと離れたくないニャ!タカミについて行くニャ!ティファは帰っていいニャ!」

「な、何言っているのよ!ヴァイロンがついて行くなら私だってついて行く!ヴァイロンこそ、早くお父さんの所に帰れば!」

「お父さんは、ヴァイロンの好きにしていいって言ったニャ!だから、タカミについて行くニャ!」

 ヴァイロンは俺を抱きしめる。む、胸が苦しい・・・

「ちょ、ちょっと離しなさいよ。タカミが苦しがっているじゃないの!」

 ティファがヴァイロンから俺を引き離し、自分が抱きしめる。む、胸が・・・

「あー、ティファはわざとタカミに胸を押し当てて誘惑しているニャ!」

「な!!そ、そんなことしてないわよ。ほら、とっとと帰るわよ!!」

「私は、タカミと一緒に居るニャ!!」

「タカミ、次会うときはもっといい魔導士になっているんだから。あんたも頑張りなさいよ。」

「う、うん。分かった・・・」

「じゃあ、私達も戻るわね。またね。」

”チュッ”

 ティファは俺のおでこにキスをした。

「あーーー!!ティファだけずるいニャ!!私もするニャ!!」

 ヴァイロンが駆け寄り、同じく俺の額にキスをする。

「ほら、行くわよ。じゃあね。タカミ!」

「私はタカミと一緒に行くニャーーーー!」

 ヴァイロンはティファに引きずられながらゲートを潜っていく。まぁ、しんみりした別れよりは良いかな。こうして俺達のフェニックス探索は幕を閉じる。さて、今度は俺達だ!

「ティナ、ナディア、ノア、行こうか!」

「タカミ、モテモテ。」

「いいのう。妾もご主人にキスしたいのう。」

「あら、私はいつでもご主人にくっ付いていますのよ。」

 ノアは、俺の肩に”チョコン”と乗っている。両腕にはティナとナディアがくっ付いて離れない。

「ほら、歩きにくいだろ!ここから先は下り坂なんだから気をつけないと転ぶぞ!」

 と言っている矢先にティナが躓いて転ぶ。

「痛い・・・」

「ほら、ふざけているから・・・《ヒール》」

 俺達は、山を下り中央帝都を目指した。これから中央帝都なのでタカミのままで行こうと思う。中央帝都ではどんな出来事が起こるんだろう。少し楽しみだ。

 

 

後書き

さて、更新が小説に追いつきました。「小説を読もう」、「アルファポリス」サイトでは土曜日に更新しております。気になる方はこちらをご閲覧下さい。ここでの更新は不定期となります。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

「や、やっと、下山出来たぁー!!!」

「ナディアが道に迷うからいけない。」

「わ、妾はちゃんと道案内したであろう。」

「ノアが空から誘導しれくれたから街道に出れた。偉い!」

 あれから俺達は道に迷い、ナディアが

「こっちじゃ、こっち」

 と言いながら道案内してくれたが、同じところをぐるぐる。見かねたノアが空から誘導してくれてやっと街道に出られた。

「兎に角、やっと街道に出たれたんだから今日の所はこの辺でキャンプしよう。」

 俺は、簡易宿泊所(拠点よりちょっと狭い)を取り出し、目立たない所に設置する。

「今日は、BBQにしよう。俺は、準備するから皆はシャワーでも浴びてきな。」

「ティナは、お手伝いする。」

「妾も汚名を挽回するのじゃ!」

 汚名は挽回じゃなくて返上だろ・・・、まぁ、皆が手伝うって言うなら皆でやろう。

「じゃあ、ティナはそこ野菜たちを切ってくれ。ナディアは肉を切って串にさして味付けして。ノアは・・・任せる!」

「な、なによー。私だって手伝いくらいできるわよ。」

 そう言うと、ノアが人型に変身する。

「え!?人型になれるの?」

「誰も成れないなんて言ってないわ。」

 ノアは、ティナより一回り大きな15、6歳くらいの女の子になる。整った顔立ちにちょっとした吊り目が可愛らしい。髪は尾の先と同じように青くきらきらとしている。見た目は、スラっとしたお嬢風な感じ。胸はティナよりは大きい位で、これから成長?するだろうと思われる。

「なぁ、俺、いつも思うんだけど、なぜ人型になる時女の子の姿なんだ?フェニックスにも性別があるのか?」

「妾は子を産むぞ。なので女性でよかろう。っていうか、人化の時はこの姿じゃ。」

「私には性別と言う概念はないけど、同胞はすべて牝のみよ。」

「え!フェニックスって牝のみなの!?」

 Q&Aフェニックスについて教えてくれ。

”フェニックスは、不死鳥とも呼ばれている鳥で、500~600年程生きた後、炎の中で死にますが、再び蘇って永遠の時を生きます。単性生殖をする鳥で、性別は牡のみです。同胞には鳳凰、ガルダ、火の鳥または火喰い鳥がいます。“

 なんだ、なんだ。フェニックス=鳳凰=火の鳥じゃないのか!?何が違うんだろう・・・日本人、中国人、ロシア人みたいな感じなのかな?

「牝だけって、ちょっと驚いた。じゃあ、ノアはティナを手伝ってあげて。」

「わかったわ。任せて頂戴!」

 俺は、”テキパキ”とBBQをするための焼場や椅子、テーブル等を土魔法で創作する。そこに、準備が出来た食材が並べられた。炭をくべ、火を付けて準備完了だ。

「さて、出来た!好きな物を焼いて食べよう!ナディア、お酒もあるからね。」

「おー!流石ご主人。妾の事良く分かっておる!」

 久しぶりに飲むお酒にナディアは上機嫌になった。

「あら、私も頂いても良くて?」

「ああ、一緒に飲もうぞ!」

「え!ノアも飲めるの?」

「勿論ですわ。私も成人していますのよ。人化ではそうは見えないかもしれませんが。」

「ほう。なるほど。ナディア、良かったな。飲み仲間が出来て。」

 ノアとナディアはお互いにお酒を注ぎ合い楽しそうに飲んでいる。ノアも数百年、こういったことが無かったんだろうな。数百年か・・・ぞっとする年月だ。たった一人で、楽しみも無く寂しくずっと居たんだろうな。なんだか、イグニールがムカついてきた。

「なぁ、ノア。嫌な事聞くようだけどさ。嫌なら答えなくていいから質問していいか?」

「あら、何かしら?」

「なんで、イグニールに閉じ込められていたんだ?今のノアを見ていると、凄く楽しそうで、ノアを閉じ込めたイグニールに俺も憤りを感じているんだ。事と次第によっては許さない。」

 イグニールの名前を聞いただけで、ノアは怒りに震え出しそうだったが、俺もノアの気持ちに同調している事が伝わったのか少し落ち着き始めた。

「ふぅ。イグニールめ。いつかぶっ殺してやる!!」

 あ・・・余り落ち着いてなかったかな?(;’∀’)

「あれは、もう数百年前だったかしら・・・」

 ノアが語り始める。

「私は、転生するためにあの火口に行ったのよ。転生直後は、力も魔力も安定しないから暫くそこで身体を休めるの。フェニックスは転生する前に一度だけ、”太陽の恵み”という死者を蘇らせることのできる宝珠を生み出すことが出来るの。でも、それは前(前世)に私が生きてきた証。次の生涯で”この人?”と思った人?にあげる物なの。それは、私が生涯をささげると言う証でもあるの。本来だったらご主人のような人にね。転生も終わり、ここを離れようと思ったその時、奴が現れたわ。奴は私にその宝玉を渡せと言ってきたわ。勿論、そんな簡単にあげられるものじゃない。あげるのを断ったら、力ずくで奪いに来た。勿論、抵抗して、それはそれは熾烈な戦いだったわ。しかし、相手はエンシェントドラゴンのイグニール。一瞬のスキを突かれ奪われてしまった。取り返そうと奴を追い回した結果、結界を張られてその場から出られなくされてしまったの。思い出すだけでも虫唾が走るわ。」

”イグニール。許せんな。ノアの大切な物を奪い、自由まで奪って、奴はのうのうとしている。俺は、殺しはしない。しかし、ノアと同じ思い、いや、それ以上の思いをさせて償わせてやる。”

 俺は、怒りで胸が爆発しそうな感情に捕らわれていた。ノアの怒りも俺に伝わってくる。従属関係にあるからなのだろうか。と言う事は、こちらの怒りもノアやナディアにも伝わっているって事か。少し落ち着こう。

「ノア、俺の大事な友達にそんな思いをさせたイグニールを俺は許さない。嫌かもしれないけど、俺にも手伝わせてくれ。」

「そんな、嫌なわけないわ。ご主人の思いは、さっきから私に伝わっているもの。嘘偽りのない真実の感情が。それにご主人は私に自由をくれた。しかも、自由にしていいとまで言ってくれた。貴方がご主人で良かったわ。でも、ごめんなさい。私にはあなたに捧げるものが無いの。」

「そんなの要らないさ。その思いだけで十分。ある意味、ノアの心を貰ったようなもんだからね。話してくれてありがとう。ノア」

 なんか、話を振っといてなんだけど、暗くなっちゃったな。

「ノアはもう妾なんかの仲間じゃ!それ、飲むぞ!」

 ナディアが気を利かせて明るくふるまってくれる。そうだ。明日はやっと帝都に着く。楽しまないとね。

「明日はいよいよ帝都だ!朝になったら、一旦、ドアマンドに置いて来た馬を連れてくる。ここから帝都までは半日くらいだから、夕方までには着けると思う。もう少しだから頑張ろうね。」

「うん。でも、ここまでの旅も楽しかった。」

「そうじゃの。やはり旅はいいの。色々な出会いがあるしの。」

「あら。帝都って言ったら一番栄えている街じゃないの。楽しみだわー」

 各々、感想はあるみたいだ。しかし、帝都に来るまで色々あったな。それぞれの思いを話しながらBBQは終わった。片づけをして、煙に塗れた身体を洗うために入浴をする。案の定、全員入ってくる。ノアは、最初は”モジモジ”していたが慣れてしまえば結構堂々としたもんだった。俺の方が恥ずかしい・・・それよりも、全員に来られると狭い。風呂、改装しないとな・・・夜は夜で俺が寝ている隙に皆が寝床に押し掛けてくる。これも狭い・・・。相変わらず、ナディアは裸だし。俺が思春期になったらどうなっちゃうんだろう・・・

 朝になり、やっぱり、身体がおかしい。昨日着ていた服が小っちゃくなっていたので、一回り大きい服を着ているのだが、またキツイ。皆がごそごそと起き出してくる。

「皆おはよう。ん?あれ?皆、少し縮んだ?」

 昨日と比べて明らかに目線がおかしい。

「タカミ、昨日比べて大きくなっている。」

「そうじゃな。確かに大きくなっとるの。」

 もしかして、俺の身体が急成長しているのか!?あー、フェニックスのユニークスキルに不老不死があった。確か、その種族の一番いい時期で成長が止まり衰えることが無いんだっけ?つまり、成人に近くまで成長し続けるって事か!?俺は、身長を測ってみる。

”やっぱり、大きくなってる。”

 身長は大体だが小学6年生位、150cmほどあった。一昨日、昨日で約20cm伸びている。ってことは、明日は160cm位になるのか?

「ま、まぁ、成長期だな。うん。」

「タカミに身長抜かれた・・・」

 ティナが”シュン”としている。なんだかんだでお姉さんのつもりだったのだろう。兎に角、俺は、帝都に向けて出発する準備をする。

一旦、ドアマンドにゲートで戻り、宿の料金を支払い、馬を返してもらう。馬車に馬を固定し出発した。ここから中央帝都までは半日くらいなので休みを考えても夕方には到着てきる。その道中には多くの集落があり、帝都に近づくにつれ増えていく。帝都への道のりは、街道に沿っていくだけだが、いくつも存在する集落へ行くための道が交差していて、街道から反れたら絶対迷子になる。すれ違う馬車や馬も多く、このような通行人たちをターゲットにしたお店が街道沿いにも多く出ている。まるで国道だ。っていうか、国道だろう。俺達は、休憩の為、街道沿いのお店に入ってみる。馬車を停める所に誘導され、馬車を停める。そこには、馬の餌や水もある。行商人や冒険者にとって凄く助かる。俺達は、お店に入った。

「いらっしゃいませ!太古レストラン ダイナソーにようこそ!何名様ですか?」

「4名で。」

「はい。畏まりました。それでは店内のご説明をさせていただきます。」

 冒険者風の服を着たウェイトレスがレストランの説明をした後、俺達を席に案内してくれる。店内は広々としていて、テーブルや椅子もとても雰囲気がでている。お店の中には亜竜が展示されており、どのような魔法が使われているか分からないがすべて動く。特に危険は無さそうだ。楽しく食事をする環境としてはすごくいい。メニューを広げると絵と説明書きがあり、そのメニューがどんなものなのかとても分かりやすい。きっと、様々な所からやってくる人たちへの配慮だろう。メニューは、冒険者ギルドの酒場によく似ている。分かり易くていい。

「じゃあ、俺はこのダブルポンドハンバーグにしようかな。成長期だし。」

「妾はやっぱり肉なのじゃ。」

「ティナも大きくならないといけないからお肉食べる!」

 どうやら、結構気にしているらしい。

「では、私はナポリタンと言うのにしようかしら」

 全員、注文する物が決まったのでウェイトレスを呼んで注文する。ここは、お酒以外は自分で持ってくるそうだ。ティナとノアはエールを頼む。暫くすると、

ウェイトレスが全員の前にそれぞれ注文した食事を置く。

「お待たせしました!ダブルポンドハンバーグをお持ちしました! 」

鮮やかな色のニンジンと大盛りのポテトフライ、鮮やかな色合いのインゲンに彩られ皿の中央に置かれた、平たく丸い2枚の肉。

傍らに置かれているのは、いかにも上質であることをうかがわせる、器に盛られた純白の飯。

「へえ……」

その、匂いと大量の肉の塊に、俺はごくりとつばを飲む。

「これ……」

俺は目の前の肉の塊にナイフを入れる。

「……あ、結構柔らかい」

ナイフとフォークを手にした俺まず肉を切り分ける。よく磨かれた、金属製のナイフで切るくらいだから結構硬いのではと思っていたそれは予想以上に柔らかく、あっさりと切れる。

「いただきます……」

それから、一口分に切った肉をフォークで口に運ぶ。

そしてかみ締め……

「……えっ!? 」

そのおいしさに驚いた。その肉は獣くささの無い、上質な肉だった。かみ締めるたびに、肉の中にたっぷりと含まれた肉汁が溢れ、口の中に広がる。

“こ、これ……ご飯が欲しくなる!”

傍らに置かれた飯を手に取り、フォークでかっ込む。

(おお!これはすごいな!)

ほんのりと甘い、ねっとりとした米の淡い風味が、肉汁と汁の風味と出会うことで、すばらしい味になる。ハンバーグそれだけでも十分うまいが、米と一緒に食べるはんばぁぐはまた別格であった。

「……デミグラスも試すか」

その味に魅了され、盛大にハンバーグとライスを食べ進める俺を、皆が注目する。

「その肉、そんなにうまいのかの?少し分けてくれぬじゃろうか。」

「ティナも欲しい!」

「私も!」

 俺は、少しずつ切り分け、皆に配る。

そう、肉の味に、複雑な味のソース加わり、更に味が高まるのだ。

「……本当じゃ。このソースと肉とってもおいしいのじゃ!」

そんな言葉と共に俺に向けられる、笑顔。それは俺に、満足感をもたらした。

こうして食事も終わり皆が満足して店を後にする。道中は特に何事もなく進めたが、中央帝都に到着する事にはもう日が沈もうとしていた。

俺達は、防壁の兵士に身分証を呈示し中に入る。中央帝都の内部は、今までと別世界である。もう夕方だと言うのに、町中に魔石の街灯があり、道を照らす。道はしっかり舗装されていて馬車が通る道と人が通る道とに分けられている。街道には、所狭しとお店や家が立ち並び、多くの人が往来する。これ、道に迷うパターンだ。俺は、マップを映し出し、冒険者ギルドを目指す。マップによると中央帝都の中心のちょっと手前側に方に表示されている。

「ここをまっすぐ行って、2つ目の所を右に・・・」

俺は、ナディアをナビゲートしながら冒険者ギルドを目指す。そして、賑やかな繁華街の一角に冒険者ギルドはあった。俺は、師匠から貰った図書館への使用許可書を用意して冒険者ギルドに入っていく。

「冒険者ギルドへようこそ!どういったご用件でしょいうか?」

「ヤマトのウォーレン大魔導士の弟子のタカミと言います。中央帝都の図書館を利用したいのですが手続きをお願いします。」

 俺は、師匠から貰った図書館への使用許可書を手渡す。

「図書館の使用許可ですね。少々お待ちください。」

 受付嬢は、許可書を魔道具の入れ、何かやっている。そして、

「では、ここに手を乗せてください。」

 俺は言われた通りに手を乗せる。

「はい。タカミさん、確認が取れました。こちらが図書館の使用許可証となります。私は、受付を担当していますテスラと申します。よろしくお願いしますね。何か他にご用はありますか?」

「暫く中央帝都に滞在するので、家を購入したいのですが、この辺で手頃な広さの物件は無いですか?もちろん、少し離れてもいいのですが。」

「この辺ですか。この辺は高いですよ。どれくらいの広さがご希望ですか?」

「そうですね。あまり広くなくていいのでダイニングキッチン、浴室、トイレ、部屋が4つほどあるといいんですが。」

「かなり高価な建物になりますね。中古物件がいいですか?それとも新築がいいですか?」

「どちらでも構わないのですが、出来れば新しい方がいいですね。」

「分かりました。少々お待ちください。」

 テスラは奥に行き、何冊かのファイルを持ってくる。

「ご希望の部屋ですと戸建ての方が良いと思いますので、こちらをご覧ください。この辺ですと大体大金貨60枚近いですね。いい物件になりますと大金貨120枚ですかね。ちょっと、離れれば大金貨40枚位からありますが。」

俺はペラペラとファイルを見ていく。あまりピンとくるものが無い。

「すみません。この辺で格安の物はないですか?訳アリでもいいので」

「あるにはあるんですがね…」

 ほら!やっぱりあった。事故物件。

「それ見せてもらえませんか?」

「いいですが・・・少々お待ちください。」

ステラは奥に戻り、数枚の紙を持ってきた。

「この物件は、住んでいた方が孤独死してその後、奇麗にしてもすぐ浮き上がってくるそうです。これは、この家に前の方の怨念があり、不幸になると言われている物件です。前住んでいた商人の方のお店が倒産し、売りに出ています。こちらは・・・」

 いくつかの訳アリ物件を一つずつ説明してくれる。なんだか”これだ!”っていう物件が無い。最後に、赤い紙に書かれた物件がある。

「この赤い紙の物件は?」

「え、これですか!!これはやめた方が良いですよ。この紙は”ゆずり物件”になります。かなり難題で、その難題をクリアした方に譲ると言う物です。これは、王都から直々に出ていますね。」

「そんなに厄介なんですか?

「厄介なんてもんじゃないです。エクソシストの方やプラチナ冒険者が挑みましたが皆が皆、この物件に手を出すもんじゃないと言っていました。」

「そうなんですね。どんな物件なんですか?」

「これは、昔、著名な魔導士の方が住んでいらっしゃったお屋敷なのですが、おとりつぶしになりまして。そこの一族全員が主人に惨殺され、今ではレイスの住処になっているんですよ。そこの元主人が著名な魔導士だったこともあって、浄化が出来ないんです。ここを浄化できる方にお譲りすると魔導騎士団の方がご依頼されています。」

「うん。じゃあ、俺が問題を解決してここに住もう。問題を解決できればくれるんでしょ?」

「まぁ、確かにそうですが・・・」

「その物件はどこにあるの?」

「本気ですか!?魔導騎士団の方も手を焼いている物件ですよ。」

「問題無いと思います。ではその物件に案内して。」

「そうですか。分かりました。では、参りますか。丁度、これ位の時間からレイス達が活発に動き始めるので・・・」

ステラは乗り気じゃない。そりゃそうだ。ある意味、お化け屋敷に行くようなもんだからな。俺は、皆に物件の詳細を話す。

「ティナはタカミが決めたならそれでいい。」

「妾も全然問題ないのじゃ。」

「私も問題無くてよ。」

 満場一致で、その物件に行くことになった。そうこうしている内にテスラがやって来た。

「それでは参りましょうか。」

 俺達は、冒険者ギルドの馬車に乗り、問題の物件に行く。

 

 

後書き

さて、更新が小説に追いつきました。「小説を読もう」、「アルファポリス」サイトでは土曜日に更新しております。気になる方はこちらをご閲覧下さい。ここでの更新は不定期となります。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

 フェニックス探索も終え、一夜が明けた。昨晩は、ティファとも話をし、その後、夕食をしながらコブラ達とも今までの出来事など、色々な話をした。気が付くと、深夜になっていたので皆、それそれ就寝した。そして、夜が明け、俺達は最後の目的地、中央帝都に向けて出発する。そう言えば、昨日から少し身体の調子がおかしい。着ているものが小っちゃくなった気がする。

「さて、僕たちは、中央帝都に向けて出発しますが、コブラ兄さん達はどうされますか?もしよろしければ、ドアマンドまでゲートを繋げますが。」

「なんか、タカミにコブラ兄さんと言われるとぞくぞくするな。それに、そんなに畏まらないでくれ。それはそうと、俺とキャップは、自力で修業がてら戻るとするよ。タカミに負けてられないもんな。ヴァイロンとティファを送ってあげてくれ。」

 コブラとキャップは魔獣を討伐しながらドアマンドに戻るらしい。もっと自分達を鍛えるそうだ。

「では、これを持って行ってください。リカバリーのスクロールです。大抵の怪我や異常状態はこれで解除できます。」

 俺は、リカバリーのスクロールを5枚ずつ渡した。

「あまり無理はしないでください。」

「うん。ありがとう。大事に使わせてもらうよ。」

 コブラとキャップは俺からスクロールを受け取り、荷物にしまう。

「私は、本当はタカミについて行きたいニャ。でも、お父さんの手伝いをしないと・・・、次にゃう時は私ももっと立派な回復師になるニャ!だから、タカミ!浮気はだめなのニャ!」

 ヴァイロンは俺を抱きしめてくる。む、胸が苦しいです。

「浮気って・・・もう、勘弁してください(;’∀’)」

「私もタカミに少しでも近づけるように頑張る。次会う時はビックリさせるんだからね。」

「うん。頑張ってね。ティファなら出来るよ。」

 俺は、ティファと握手をする。

「さて、皆さん、最後に渡したいものがあります。」

 俺は、小さな小瓶を皆に渡す。

「これは、フェニックスの血です。昨日、ノアにお願いしてもらいました。ただし、その血には少し細工がしてあります。これは、俺のエゴからきているのですが、やはり不老不死はちょっとだめだと思うのです。ただし、この血にはすごい効果があります。

1.病気にならない。ただし、現在、病気を発症している人には効果はありません。病気も治りません。ここは注意が必要です。病気が完治すればそこから病気にかかる事はありません。

2.自分が一番いい時の年齢で居られる。勿論、身体の衰えもありません。

3.寿命が再度リセットされる。つまり、これを飲んでから死ぬまでの時間が倍になります。寿命を延ばす効果だと思ってください。本来は不老不死なのですが、倍になると死の魔法が発動します。それが寿命です。俺の魔力を上回る階位での解除は出来ると思いますが、多分、出来ないでしょう。

4.とても高価な薬です。高値で取引されると思います。下手したら一生困らないくらいのお金が手に入ります。

と言う代物です。今回の探索の報酬だと思ってください。フェニックスの探索にはこれほどの価値があったと言う事です。」



「そんな凄い物、貰ってもいいのか?」

あのキャップがしり込みしている。

「勿論です。どう使うかは皆さん次第ですね。勿論、自分に使ってもね。もし、俺なら王族に高値で売ります。(笑)。それに、この報酬は誰も損も無理もしてまいませんよ。ノアもイグニールの結界から解放されたと喜んでいたので、喜んで血を提供してくれましたよ。」

「そうか。では、遠慮なく頂こう。ありがとな。タカミ。」

「いえ、皆さんのお力添えがあったからここまで来れたのです。こちらこそありがとうございました。」

 俺は、深々と頭を下げた。

「つーか、お前、本当に9歳か?なんか、俺達より人間出来ているな。」

「いやいや、キャップ兄さんの教えの賜物ですよ。(笑)」

「タカミ!君なら大丈夫だと思うが、何か困ったことがあったらいつでも遠慮なく言ってくれ。俺達はいつでも君の手助けになる。」

「ありがとうございます。その時はよろしくお願いします。短い間でしたが、お世話になりました。あの、出来ればアルファードの件は皆に黙っていてほしいのですが・・・」

「ん?アルファードか。彼は良い冒険者だよ。流石、君の弟子だね。」

 コブラは気を使ってくれた。

「ありがとうございます。彼はいい男です(笑)」

 俺は、コブラとキャップ、両者と握手を交わす。

「さて、俺らは行くわ。タカミ、世話になったな。」

「とんでもないです。キャップ兄さんもお達者で。」

「また、どこかで会おう。またな。」

「はい。コブラ兄さんもお達者で。」

 二人は、俺達に別れを告げ、来た道を戻っていく。俺はゲートをドアマンドの冒険者ギルドに繋げる。

「はい。ヴァイロンとティファ。ここからドアマンドに戻れるよ。」

 なぜか、ヴァイロンは黙っている。そして、急に

「やっぱり、私はタカミと離れたくないニャ!タカミについて行くニャ!ティファは帰っていいニャ!」

「な、何言っているのよ!ヴァイロンがついて行くなら私だってついて行く!ヴァイロンこそ、早くお父さんの所に帰れば!」

「お父さんは、ヴァイロンの好きにしていいって言ったニャ!だから、タカミについて行くニャ!」

 ヴァイロンは俺を抱きしめる。む、胸が苦しい・・・

「ちょ、ちょっと離しなさいよ。タカミが苦しがっているじゃないの!」

 ティファがヴァイロンから俺を引き離し、自分が抱きしめる。む、胸が・・・

「あー、ティファはわざとタカミに胸を押し当てて誘惑しているニャ!」

「な!!そ、そんなことしてないわよ。ほら、とっとと帰るわよ!!」

「私は、タカミと一緒に居るニャ!!」

「タカミ、次会うときはもっといい魔導士になっているんだから。あんたも頑張りなさいよ。」

「う、うん。分かった・・・」

「じゃあ、私達も戻るわね。またね。」

”チュッ”

 ティファは俺のおでこにキスをした。

「あーーー!!ティファだけずるいニャ!!私もするニャ!!」

 ヴァイロンが駆け寄り、同じく俺の額にキスをする。

「ほら、行くわよ。じゃあね。タカミ!」

「私はタカミと一緒に行くニャーーーー!」

 ヴァイロンはティファに引きずられながらゲートを潜っていく。まぁ、しんみりした別れよりは良いかな。こうして俺達のフェニックス探索は幕を閉じる。さて、今度は俺達だ!

「ティナ、ナディア、ノア、行こうか!」

「タカミ、モテモテ。」

「いいのう。妾もご主人にキスしたいのう。」

「あら、私はいつでもご主人にくっ付いていますのよ。」

 ノアは、俺の肩に”チョコン”と乗っている。両腕にはティナとナディアがくっ付いて離れない。

「ほら、歩きにくいだろ!ここから先は下り坂なんだから気をつけないと転ぶぞ!」

 と言っている矢先にティナが躓いて転ぶ。

「痛い・・・」

「ほら、ふざけているから・・・《ヒール》」

 俺達は、山を下り中央帝都を目指した。これから中央帝都なのでタカミのままで行こうと思う。中央帝都ではどんな出来事が起こるんだろう。少し楽しみだ。

 

 

後書き

さて、更新が小説に追いつきました。「小説を読もう」、「アルファポリス」サイトでは土曜日に更新しております。気になる方はこちらをご閲覧下さい。ここでの更新は不定期となります。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

==========ここからティファ目線============

私はそれを目の当たりにした時、本当に驚いた。今まで魔導師として尊敬してきた相手が本当は9歳の子供だった。私は、私なりに魔導士として自信があった。16歳で冒険者ギルドに所属して、様々な依頼を熟してきた。その甲斐があって、16歳の終わりにはゴールドランク、17歳にはプラチナランクとなり冒険者ギルドから仕事を任されるようになった。異例の速さでランクを上げて来たと思っていた。氷魔法も今では5階層まで使いこなすことが出来る。これもかなり優秀だと思っていた。しかし、そんな自信も既に打ち砕かれた。ギルドマスターから、ゴールドランクの冒険者の監視をして欲しいと依頼され、同じ冒険者ギルドに所属するプラチナランクである3人の冒険者で依頼を受けた。その対象者がアルファードだった。彼は、ゴールドランクであるにもかかわらず、私の知らない上位魔法を平気な顔をして、普通に使う。上位魔法は、膨大な魔力とMPが必要とされ、大魔導士でもそう何度も連続して使えるものでは無い。私は、彼は大魔導士だと思った。しかし、彼は、それを否定した。彼曰く、”魔導剣士”だそうだ。彼の言う通り、剣の腕前も超一流だ。あの伝説のアサシンであるボルボ=アイーン様をまるで”子供の手を捻る”様な感じで打倒してしまった。それどころか、聖獣である九尾様を従属に従え、勇者パーティーでさえ打ち取れなかった八頭オロチを余裕で討伐してしまった。そんな彼に特別な気持ちを抱き始める事に気付いた。しかも、あの天才獣人のヴァイロンでさえ彼に夢中ときている。煽られた感は否めないが、私は、アルファードと離れたくないと思った。私は、きっとアルファードを好きになってしまったのかもしれない。そんなアルファードと一緒に居るために、フェニックスの探索を提案した。アルファードのは乗り気で、二つ返事でOKしてくれたのだが・・・

 探索を翌日に控え、準備をしている時にキャップがやって来た。

「ティファ、次の依頼も良かったら俺とコブラとヴァイロンでパーティーを組まない?」

「うーん、ちょっと考えさせて。もしかしたら、しばらくの間、留守にするから戻ってからでいい?いつになるか分からないけど。」

「ん?なんか、面白い依頼でもあったのか?俺達と一緒の方が楽だと思うけど。」

「今回は、結構ハードな探索だから、皆に迷惑をかけられないよ。報酬もどうなるか分からないし。」

「報酬が分からないってどういうことだ?」

「まぁ、見つかったら何かあるかもしれないけど、無いかもしれない。見つからないかもしれない。そんな感じだから、皆に悪いから」

「でも、危険な依頼なんだろ?一人で大丈夫なのか?」

「依頼っていうか、探索なんだけどね。」

「なんの探索をするんだ?何々?一人だけ何か特別な物でも探すのか?」

「そんなじゃないって。兎に角、帰って来てからパーティーの事は考えるわ。」

「あ!探索ってアルファードが言っていたあれの事か?」

 キャップが手を”ぽん”とする。

「え!!アルファード!!アルファードがフェニックスの事言っちゃったの?」

「フェニックスだって!!何?フェニックスを探しに行くのか?しかも、アルファードも?」

「あ!・・・」

 つい、キャップに口を滑らせてしまった。キャップがコブラとヴァイロンにも声をかけて皆でいくことになってしまった。フェニックス探索中にリザードマンの村に行き、そこで中央帝都の騎士団長パジェロ様とアルファードが対決する。ここでも、パジェロ様を軽く捻り、捕虜にしてしまった。そして、その道中、危険な”死の空気”が蔓延する火口へ入る際も、アルファードは、魔道具を作り出し、皆が火口に行けるようにする。そしてついにフェニックスと他御対面だ。そんな伝説のフェニックスを今度は従属にしてしまった。正直、規格外の魔力の強さと魔法は、私の心を虜にしていく。しかし、その際にアルファードの正体が”実は9歳の子供”だった。その事実を知り、様々な感情が吹き上がる。尊敬し、ほのかに恋心を抱いていた相手が”9歳の子供”なのだ。しかも、自信があった魔法があんな小さな子供に劣るのだと思うと私の心中は穏やかではない。話を聞くと、あのウォーレン大魔導士の弟子だと言う。やはり、住む世界が違うんだなと感じた。私は、これからアルファード?タカミ君?とどうやって接していいか分からなくなっていた。私は、頭を”くしゃくしゃ”っと掻き、

”あー、もう。兎に角、お風呂に入ろう!!”

 私は、浴室に行き”シャワー“を浴びる。

”これもあの子が作ったんだよね・・・”

 私は”シャワー”浴びながら”つい”そんな事を考えてしまう。そんな時、

「お邪魔するニャー!」

「ちょ、ちょっと、ヴァイロン!なんで?」

「いいからいいから、一緒に入るニャー」

 ヴァイロンが突然入ってくる。仕方が無いので一緒に入る事にした。

「おー、ティファの胸は相変わらずいい形しているのニャー」

 ヴァイロンがじゃれて、私の胸を揉む。

「ちょ、ちょっと、やめてよ。もう。”シャワー”が浴びられないでしょ!」

「一緒に浴びるニャー」

 ヴァイロンが豊満な胸を押し付けてくる。相変わらずすごいモノを持っている。

「ちょっと、分かったからそんなに押し付けないでよ。」

「当たっちゃうんだニャー、しょうがないニャー」

 こうして、ふざけながら”シャワー”を浴びていると余計なことを考えなくいい。きっと、ヴァイロンなりの配慮何だろう。私達は、”シャワー”を浴び終え、浴槽に浸かる。

「ねぇ、ヴァイロン。アルファードの事どう思う?」

「ニャ?アルファード?」

「うん。だって9歳の子供なんだよ。それなのに・・・」

「そうだニャー。私は凄いと思うけどニャ。私が9歳の時はあんなに色々なこと出来なかったニャー。」

「皆そうじゃない?(;’∀’)」

「でも、私にとってアルファードはアルファードニャ!見た目と年が変わっただけニャ。すごい物は凄いのニャ。私は、アルファードもタカミも両方好きニャ。年下の旦那様もいいニャ(笑)」

「アルファードはアルファードか。確かにそうなんだよね。でも、なんか、しっくりこないんだよな。」

「そんなに見た目が大事かニャ?それなら、後8年もすれば見た目も年も同じになるニャ。でも、私は、今出会ったアルファードに憧れて好きになったニャ。今回なんかそうにゃけど、見た目はいくらでも変えられるし、年もいくらでも胡麻化せるニャ。大事なのは、その人をどう見るかじゃないのかニャ?ティファは、アルファードが9歳だと、アルファードとして認められないのかニャ?」

「そういう訳じゃないけど・・・」

「アルファードが今までやってきたことが事実ニャ。私は、それをちゃんと受け止めているニャ。だから、見た目や年は関係ないニャ。」

ヴァイロンは、上を見上げながら離す。

「確かに、彼は私達より大人の対応だったし、考え方も子供の考えじゃなかった。言われなきゃ9歳だなんて誰も思わないよ。」

「それにエッチなのは他の男達と変わらないニャ。たまに、私の胸を”ジー”っと見ている時があるニャ。」

「確かに、ちょっとエッチだけど、何気に紳士的なんだよな。子供だからまだ思春期が来てないんじゃない?(笑)」

「じゃあ、その時はおねーさんが色々教えてあげるニャ!それいいニャ!」

「ちょっと、ヴァイロン、何言っているのよ。私が教えてあげるんだからね。」

「じゃあ、二人で教えてあげればいいニャ!悩殺ニャ!」

「もう、馬鹿な事ばっかり言って!でも、ありがとう。」

「ううん。私は、ティファも好きニャ。ライバルニャ!」

「ライバルって・・・、ティナちゃんやナディアさんも含まれるの?」

「きゅ、九尾様!!九尾様は別ニャ・・・」

 ヴァイロンは、”ブクブク”浴槽に沈んでいった。やっぱり、獣人にとって聖獣の九尾は特別なんでしょう。そんなヴァイロンに励まされ蟠りも全部とはいかないが晴れて行った。「ヴァイロン、ありがと」

 ヴァイロンは私に微笑みかけてくれた。まだ、出会ってあまり時間が経っていないにもかかわらずこれだけの信頼関係が築けた。私にとってアルファードもそうなんだろう。中には人との付き合いは時間と言う人もいるだろう。確かに多くの時間を共に過ごせば信頼関係も出来てくるかもしれないが、濃度の濃い付き合いをする方が一段と信頼関係が強くなると私は思った。

「にゃあ、今度は、ティファの胸を大きくするのを手伝うニャー!」

 浴槽を”バシャバシャ”して私の胸を揉もうとする。

「それは、大丈夫!!」

 二人で“キャッキャ”言いながらヴァイロンとの入浴タイムは終わった。

 すっかり暗くなった拠点の外でタカミが座って森から浮かび上がるほのかな光の景色を見ている。

「アルファード」

 タカミが振り返る。

「ティファ」

 私は、その振り返る光景がアルファードと重なる。

「アルファード・・・ううん、タカミ。私ね・・・」

 私は、今まで思っていたことを素直にタカミに告げる。タカミは、それを優しい目で”ウンウン”と頷きながら聞いてくれた。また一つ、アルファードいや、タカミとの大切な時間が出来た。

 

 

後書き

さて、更新が小説に追いつきました。「小説を読もう」、「アルファポリス」サイトでは土曜日に更新しております。気になる方はこちらをご閲覧下さい。ここでの更新は不定期となります。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

 フェニックスが落ち着きを取り戻し、俺を”ジッ”見ている。

「ねね。本当に私と一緒に居てくれるの?」

「いるって言っているだろ。じゃあ、自由になったら、俺と一緒に来るか?別にどこか行きたい所に好きに行ってもいいけど。」

「ううん。私もあなたと言う人間に興味が湧いたわ。もし、ここを出られたとしても一緒に居たい。」

 ふむ。どうやら本当らしい。俺も、”真偽”のスキルがあるから分かる。さて、イグニールが施した結界とやらを見てみるかな。

「なぁ、その結界はどこにあるんだ?」

「マグマの中心位に切り立った岩があるの。そこから半径10km以内に結界が張られているから火口から出られたとしてもそれ以上は行かれない。ここが一番安全で煩わしくないからここにいただけ。」

「じゃあ、その結界に行こうか。」

 俺とフェニックスは飛行してその結界の場所に行く。

 結界は、尖った岩山のようになっている。高さは20mくらいだろう。その中心に青白く光る部分がある。俺は、それに触れてみた。

《スキャン》

内容範囲結界

強度8階層

対象フェニックスのみ

効果行動の制限:この結界より半径10km以上の行動が出来ない。

術者イグニール

 

 8階層の結界か。かなり強力だな。って俺が言うなって感じだけど。

「なるほどな。これじゃ、ファニックスは出られないか。」

「でしょ。もう、最悪でしょ?イグニール、絶対に殺すわ!」

「うーん、まぁ、俺にとっては大したことない結界だけどね。とりあえず、ぶっ壊していい?」

「へ?」

 フェニックスは、目を丸くしている。俺は、10階層分の魔力を注ぎ結界を解除する。

《リリーブ(解除)》

 中心の光が吹き飛び、岩山がガラガラと崩れ落ちる。

「はい、お仕舞。」

「う、うそ・・・」

「ん?嘘じゃないよ。これで、ファニックスは自由だよ。良かったね。」

「これは夢?あなたいったい何者なの?」

「ん?俺は、一介の魔導剣士だよ。さて、皆の所に戻ろうか。君はどうするの?別に自由に好きな所に行ってもいいけど。」

「私は、アルファード、あなたと一緒に居るって決めたわ。私は、あなたって言う”人間”に凄く興味が湧いたから。私の事、独りにしないんでしょ?」

「うん。君さえ良ければ勿論。じゃあ、戻ろうか。」

 フェニックスは、小鳥位の大きさになり、俺の肩に留まっている。そんなフェニックスと共に俺は、皆がいる所に戻った。ナディアがコブラ達を俺とフェニックスとの戦いからちゃんと守っていてくれたので、ゲートを使うまでもなかったらしい。

「ただいま。すべて終わったよ。」

「ご主人、お帰りなのじゃ。皆は、ちゃんと無事にしておるぞ。」

「うん。ナディア。ありがとう。」

「当然のことじゃ。気にする事は無い。でも、後でご褒美が欲しいのじゃ!」

「分かったよ。なんか怖いけど・・・」

「アルファード!!!」

 ティナがすごい勢いで俺に体当たりしてくる。

「ぐほ。ティナ。それはやめなさい。普通の人なら怪我するから」

「アルファードなら大丈夫!お疲れ様」

「うん。ありがと。」

「あ、アルファード、おかえり。大丈夫だった?」

 ティファ達が小走りにやってくる。

「まぁ、うん。まぁ、全然平気だよ。」

「まぁ、全然心配して無かったけどな。どうせ、フェニックスをボコってたんだろ。」

 キャップがふざけたように話す。

「私は、アルファードの事信じてにゃから全然心配してないニャ。」

「わ、私だって信じていたわよ。」

「おいおい、喧嘩しない。で、フェニックスはどうなった?」

 コブラがフェニックスの事を聞いてくる。

「ん?ここにいるじゃん。」

「ん?どこだ?」

 俺は、肩を指さす。

「え!!この小鳥がフェニックス!?」

「何?コブラさんはお友達の事を忘れちゃったのかしら?」

「そ、そんな事無いよ。ただ、余りにもサイズが変わっていたので分からなかっただけです。」

 キャップの姿が見えない。あ、居た。

「独りボッチにさせないってフェニックスと約束したんだ。俺と一緒にいるんだってさ。」

「そ、その。聞くまでもにゃいと思うけど、イグニールの結界はどうしたニャ?」

「うん。ぶっ壊した(笑)」

「(笑)って、あんた、本当に規格外ね。」

「私もそう思うわ。一介の剣士がイグニールの施した結界を解除できるなんて考えられない。」

 フェニックスも会話に入ってくる。

「まぁ、そう言う人もいるって事だね。イグニールってそんなに強いの?」

「癪だけど、強いわ。多分、この世界で彼に勝てる種族はいないわね。私ももっと力があったら負けないんだけど・・・」

「なんじゃ、お主も力が欲しいのか?」

「ずっと、感じていたのだけれど、あなたは何者なの?人間じゃないわよね?」

「妾か?妾はアルファード第一の従属の聖獣 九尾じゃ。良きに計らうのじゃ。」

「あなたも聖獣だったのね。見える波動が皆と違うから人間では無いと思っていたけれども。でも、なんで聖獣のあなたが人間の従属になんかなったの?」

「何を言っておる。お主も、ご主人の実力を見たであろう。妾も打倒したい奴がおってな。そいつを打倒すほどの力を妾に与えてくれたのじゃ。それに、ご主人は妾よりはるかに強い。しかも、とても頼れ、信頼できるご主人じゃ。なんの問題もありゃせんぞ。イグニール何てご主人にかかればただの蜥蜴にすぎん。」

「おいおい、それは言いすぎだろ。」

「言いすぎじゃねぇって。あの八頭オロチも瞬殺だったじゃんよ。」

 いつの間にか、キャップが会話に入っている。

「なんですって!?あの八頭オロチが討伐されましたの?」

「瞬殺だよ。皆逃げているのにナディアと二人で”あっ”と言う間に討伐しちゃうんだもんな。しかも、”素材がー”とか言っていたし。見せてやれば?持っているんだろ?」

「えー。あんな死体みたいの?」

「見なくてもいいわ。本当か嘘か私には分かるから。ナディアさんの言っている事も本当、キャップさんの言っている事も本当。私が敵うはずないわね。いいわ。私もアルファードの従属になってあげる。あなたとはずっと一緒に居るんだしね。」

「マジか。まぁ、それはそれでいいけど。じゃあ、ぱぱっとやっちゃおうか。」

 俺は、魔法陣を描き、その中心に入ってもらい術式を展開する。青白い光と共にフェニックスに従属の紋章が刻まれる。

「!!!!!!。す、すごい力!!力が漲る。能力が上がるのが分かる。凄すぎるわ。」

《ユニークスキル 不老不死を獲得》

《ユニークスキル ブレスを獲得》

《ユニークスキル 看破を獲得》

 

俺のステータス

賢者(称号:ドラゴンスレイヤー) LV115

HP66240/66240

MP74520/75420

筋力15525

魔力17595

防御力15525

魔防16560

俊敏14490

器用13455

知力18630

幸運14490

 

【称号】

ドラゴンスレイヤー

 

【ユニークスキル】

Q&A 空間収納 鑑定 医療の心得 模倣 偽装 真偽 魔術 剣術 精霊魔術 召喚 全記憶 模倣 空間操作・認識 重力操作 多重詠唱Ⅴ 照準 忍術 奪う 瞬歩 剛剣 心眼 不老不死 ブレス 看破

 

【スキル】

毒耐性(高) 光属性(至) 闇属性(至) 炎属性(至) 水属性(至) 地属性(至)  クリティカル(中)

風属性(至) 無属性(至) 剣(中) 魔力欠乏耐性(至) 無詠唱 魔力調整

魔力向上(極) MP向上(極) 物理耐性(極) 魔法耐性(極) 翻訳 速読

マップ 索敵 演算加速 分離・結合 解体(至) 異常状態耐性(極) 錬金術(極)

創作(極) 忍術(低) 見切り(中)

 

【剣技】

眞陰流 魔人剣

 

【魔法】

《生活魔法》

《医療関連魔法》

《炎魔法》(14階層)

《地魔法》(14階層)

《氷魔法》(14階層)

《水魔法》(14階層)

《風魔法》(14階層)

《光魔法》(14階層)

《闇魔法》(14階層)

《無属性》(14階層)

《錬金魔法》

《創作魔法》

 

 ありゃ、俺までユニークスキルを獲得したぞ。ブレスって・・・とうとう、人間やめたのか・・・

「ご主人!!ご主人!!」

「タカミ!!!!」

 ナディアとティナが大騒ぎをしている。

「へ??タカミ?」

 俺は、空間収納から鏡を取出し、恐る恐る自分自身を見る。え!偽装が解けている!!

”Q&A、なぜ偽装が解けた?”

”ファニックスの能力が向上した時、自然に能力が発現してしまったと思われます。”

マジか・・・、俺は、恐る恐る、コブラ達を見る。勿論、コブラ達は、目を丸くして何が起きているか分かっていない。

「???」←コブラ達

「な、なに?アルファードが子供になっちゃった・・・?」

「アルファード!!かわいーニャ!!」

 ヴァイロンは、俺を抱きしめる。

「な、なんだ?」

”ははは・・・、まぁ、偽装が解けちゃったのはしょうがないか。誰が悪いわけでもないから・・・”

「と、とりあえず、拠点に戻ろうか(;’∀’)」

 俺達は、ゲートを通り、拠点に戻る。そこで俺は、コブラ達にまだ9歳の子供である事、師匠がウォーレン大魔導士である事、魔法学園に行くための勉強しに帝都の図書館に向かっている事、9歳なので冒険者になれないので第二の俺であるアルファードになっている事等、事情を説明した。そして、冒険者ギルドには黙っていて欲しい事もお願いした。

「はぁ、まさか、アルファードがこんな子供だったなんて・・・俺、自信無くすわー、でも、まぁいい!これからはキャップお兄さんと言いなさい!」

「キャップお兄さん。騙していてごめんなさい。」

「くぅ!!なんか、弟っぽくていい!!いい!許す!!」

「アルファードはアルファード。俺は何も変わらないさ。今まで一緒に居たから分かっている。しかし、子供なのに考え方とか行動が随分大人びているな。」

 元は、おっさんですから。ハイ。

「タカミって言うニャ!可愛いニャー!年下の旦那様だニャ!」

ヴァイロンは俺を抱きしめて抱っこする。コブラ、キャップ、ヴァイロンはすぐに俺を受け入れてくれた。なぜか、ティファだけは複雑な表情をしている。

「ティファ?本当にごめんな。」

「何が?別にアルファードは悪くないよ。私が勝手に自分と同じくらいの年って思っていただけだもん。それに、ウォーレン大魔導士様の弟子か。やっぱ、私と何もかも違う・・・、ちょっと、一人になりたいから…」

 ティファは、離籍し、部屋に戻る。今は、そっとしといた方が良いかもしれない。

「まぁ、なんだな。少し、混乱しているのだろう。ここは、そっとしとこう。」

 コブラ達も離籍し、武器の手入れをしたり、防具を磨いたり、各々行動する。フェニックスは、ティナやナディアと一緒にいるので、彼らの下に行った。

「ティナ、ナディア。フェニックスって言い続けるのも何なんで、”ノア”って名前はどうかな?」

俺は、フェニックスに尋ねた。

「あら、いい名前ね。気に入ったわ♪私は、今日からノアね。よろしく、ナディアさん、ティナちゃん」

「うん。すごくいい名前。フェニックスにぴったりの可愛い名前。」

「うむ。妾もいいと思うぞ。ナディアと言う名前も気に入っておる。」

「喜んでもらえて嬉しいよ。よろしくね。ノア」

 新たな仲間が増えた。これから更に俺の生活が賑やかになる。前世では、人と関わる事がほとんどなかった。こんなに色々な人達?と関わった事で俺も多少なりとも変われたのかもしれない。これから、どんな物語が俺に起こるのか楽しみになってきた。

 

 

後書き

さて、更新が小説に追いつきました。「小説を読もう」、「アルファポリス」サイトでは土曜日に更新しております。気になる方はこちらをご閲覧下さい。ここでの更新は不定期となります。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

 やはり不死鳥と言われるだけのことはある。ユニークスキルに”不老不死”が付いている。強さ的には、出会ったばかりの時のナディアよりは強いかな。でも、今のナディアは従属補正があるし、レベルも上がっていると思われるのでいい勝負になると思う。とにかく、俺は、ファニックスの前に出た。

「こんにちわ。一度、伝説のファニックス様に会いたくてやってきました。」

 俺は、恐る恐るフェニックスに近づく。

「あら、久しぶりの来客ね。歓迎するわ。あなた、よくあの死の空気を抜けてこられたわね。皆、あそこで死んじゃうのよね。」

「俺は、伝説のファニックスに会いたくて頑張ってやって来たんだ。出来ればあなたと知合いに・・・いや、友達成れればいいなって思っているんだけど。」

「お友達に?人間が?なぜ?」

「うん。街でこの山の火山に伝説のフェニックスがいるって聞いたから、是非会ってみたいと思って。」

「なんのために?私の血が欲しいのかしら?」

「うーん、俺は、フェニックスの血なんて興味は無いけど、フェニックス自身に興味があって。」

「私の血を欲しがらないなんてなんて珍しい人間だ事。本当かしら?」

「まぁ、嘘言ってもしょうが無いと思うけど。俺自身、ファニックスがどんな生き物なのか興味があるだけ。知的な生き物って聞いたから、色んな話をして、聞いて、友達に成れたら嬉しいなって思ってきたんだ。」

「本当に?」

「うん。本当。」

 フェニックスが俺を”ジーっ”と見つめている。そして、

「嘘じゃないようね。折角、ここまで来てくれたのだもの。お友達になりましょ。私もお友達が出来て嬉しいわ!」

「はい、是非。」

 思ったより、フレンドりーな感じがする。嫌な予感もするが。まぁ、でもいきなり敵意を向けられるよりは良いのかもしれない。特に決定的に”ヤバい”って事は無さそうなので、皆をフェニックスに紹介する事を試みた。

「良かったら私の仲間とも仲良くしてもらえないですか?」

「勿論。それはとても嬉しいわ。大勢の方が賑やかで楽しいもの。」

 うーん。フェニックスってこんなに人懐っこいのか?なんか怪しいなぁ。まぁいいや。折角、皆も来たんだし、すぐに攻撃されるって訳じゃないし。俺は、岩陰に潜んでいるコブラ達を呼びに行った。

「今の所、凄く友好的なので呼びに来たんだけどどおする?」

「私は、折角ここまで来たのだから会ってみたい!!」

「うん。俺も会ってみたいかな。」 

 ティファとコブラが力強く頷きながら答えた。その後、皆がフェニックスに会いたいと言うのでファニックスに紹介する事にした。ゲートはこの位置から拠点に繋ぐ。

「多分大丈夫だと思うけど、何かあったらここにゲートを用意しておくので昨日の打合せ通りにお願いします。」

「了解!!」←全員

 俺達は“ゾロゾロ”とフェニックスに会いに行く。

「あら、こんなに大勢の来客何て何百年ぶりかしら。皆、死の空気で死んじゃうから。」

 ”そりゃ、硫化水素をまともに吸えば人間は死ぬだろうな・・・”

 やはり、火口へ向かう通路にあった人骨は、ここまでたどり着けなかった冒険者たちの亡骸だったのだろう。ご冥福をお祈りします。

 俺は、皆の紹介をする。

「俺は、アルフォード。冒険者ギルド プラチナランク冒険者で魔導剣士。この子がティナ。魔導士でこっちがナディア。魔法武闘家かな?で、この子達が順番にティファとヴァイロン。魔導士と回復師。で彼がコブラ。剣士でリーダー的存在。で、これがキャップね。」

「おい、俺だけ紹介が雑じゃね?アサシンのキャップです。よろしく!」

「私は、名前は特にないわ。聖獣 ファニックスと呼ばれているの。皆さんよろしくね。」

 簡単だが、自己紹介も済ませフェニックスと色々話始める。最初にティファが切り出した。

「ちょっと、質問していいですか?」

「お嬢さん、ティファさんと言ったかしら?何でしょう?

「えっと、その・・・、本当にあなたの血は”不老不死”をもたらすのですか?」

「そうね。確かに、成長が一番いい時で止まると言うのは本当よ。だから、寿命による死は無くなるわね。」

「では、どんな万病にも効くと言うのは?」

「それは、無いわね。基本的に病気にはならなくなるけど、既に病気にかかっている人には効果は無いわ。」

 ほう。予防効果はあるのか。

「では、一回病気にかかって、治った人の再発の防止にはなるのですか?」

 今度は俺が尋ねてみる。

「そうね。はっきりとは分からないけど、可能性はありそうね。」

 それは、それで凄い事だよ。不老寿命不死で病気の予防効果があるなんて。そりゃ、重宝されるな。

 今度は、コブラが質問し始めた。

「では、怪我とかした場合、即座に治癒される効果はあるのですか?」

「あなたは、コブラさんね。それは、無いわね。私だって怪我したら治癒魔法で治すくらいですもの。」

「そうか。どんな怪我や病気も治すと言うのはやはり噂でしかなかったか。でも、その事実を知る事が出来て良かった。この事実が知れれば、むやみにファニックス殿を追いかけまわす輩も少しは減ると思う。しかし、やはり権力者は不老不死を欲しがるから、余り変わらないのかもしれないが・・・」

「不老不死か。俺は、不老不死なんてどうかと思うし、興味ないけどね。限りある命だからこそ、その人生を人は一生懸命生きられるのではないかと思うから。それに、進化の過程で淘汰が作用する事で人は様々な事に適応してきたのだから、その進化の妨げにもなると思うし。まぁ、人それぞれ考え方があるから俺は、どちらがいいなんて言えないけどさ。」

「難しい事は、良く分かんないけど、確かに限りある命だから一生懸命生きられるって言うのは分かる気がするわ。でも、年は取りたくなーーい!」

 女子は、やはりいつまでも奇麗でいたいんだろうな。

「でも、俺は、女性も年を重ねる毎にその年ならではの魅力が出来ると思う。確かに、”異性に対する事”は年を重ねる毎に難しくなると思うけど、人生の深みの魅力は凄く素敵な事で大事なことだと思うよ。」

「なんか、アルファードはおじいちゃんみたいなのニャ(笑)でも、そんなアルファードを私は尊敬しているニャ。流石は私の旦那様ニャ!」

「こらこら、ヴァイロンさん。どさくさに紛れて何をおっしゃっているのですか(;’∀’)」

「アルフォードと言ったかしら?君は、他の人間とは違う感じがするが、何者なんだい?」

 フェニックスがいきなり俺に話を振ってきた。

「え?そうですか?まぁ、中々壮絶な人生を”送った事がある”だけですよ。(笑)」

 俺達は、フェニックスと今の情勢や世界観、冒険の事(特にコブラ達が)等、色々な話をした。ファニックスもそれを楽しそうに聞いてくれたり、自分の昔話をしてくれたりして楽しい時間を過ごした。

「そう言えば、数百年もの長い間ここに居るのですか?ファニックスは、余り一か所には留まらないって聞いたことがあったと思うんだけど。」

 キャップが何気なく言った一言でファニックスが黙ってしまった。

「・・・」

 少しの間、沈黙があった。

「・・・わよ。」

 ファニックスが声を絞り出すような小さな声でつぶやく

「私だって、こんな所にずっと居たくないわよ!!!!!ずっと、一人で。ずっと、こんな狭い息苦しい所に!!!!私だって広い世界にもう一度羽ばたきたい!!色々な世界に行きたいわよ!!!!」

 キャップが言った一言がファニックスのスイッチを入れてしまったようだ。

「くっ。あの忌々しいイグニールめ。私をこんな所に閉じ込めおって。いつか、いつかこの手で殺してやる!!!!」

 フェニックスが今にも暴れ出しそうな感じだ。そんな中、キャップが更に追い打ちをかける。

「さ、さて、そろそろこんな時間だし、下山するにも時間がかかるから、俺達はそろそろお暇しようかな。」

 すると、フェニックスは“ばさっ”っと羽ばたき、俺達を見つめる。

「あら、あなた達は私のお友達でしょ?あなた方もここに住みなさいな。遠慮はいらないのよ。」

「い、いや、一応、俺達には色々やる事があるからここに住むことは出来ない。」

 コブラが恐る恐るフェニックスに答える。

「あなた達は、お友達って言ったのに”また”私を一人にするの?もう、独りぼっちは嫌なの。」

「嫌と言われても・・・」

 ティファが申し訳なさそうにしている。

「あなた達はお友達を置いていくの!?そんなのお友達じゃない!!」

 フェニックスは、”バサッ”と空中に飛ぶ。

「都合のいい事ばかり言って、私を期待させて、そして裏切る。それが人間。あなた達はそうじゃないって思ったのに!!!!あなた達もイグニールと一緒!!!私を一人にする!!!やっと、一人じゃなくなるって思ったのに!!!嘘つき!!」

 長い間、たった一人きりでこんな所にある意味”閉じ込められて”いたのか、精神的に参っている様子だ。そりゃ、数百年も一人で閉じ込められてればおかしくもなるわな。

「イグニール、殺す。イグニール、殺す。イグニールと一緒のお前達も殺してやる!!」

 フェニックスは、ブレスを吐いた。

《エリアプロテクション》

 俺は、即座にブレスに対抗するために防御魔法をパーティー全体にかける。

「ナディア!」

「うむ。分かっておる!」

 ナディアは、コブラ達を守るように構える。

「私のブレスをレジストするなんて、人間のくせにやるわね。でも、逃がさない。私には勝てない!」

《アサルトファイヤー》

 俺足場に向け、炎の攻撃を仕掛け、足場を崩された。

「くっ!」

《レビテーション》

 俺は、浮遊魔法で空中に飛ぶ。

「俺は、出来れば戦いたくない。友達だろ!」

《ファイヤーストーム》

 炎の嵐が俺を包み込むように襲ってきた。

《アイスストーム》

 俺は、それを氷の魔法で打ち消す。

「今更、何言ってるのよ。裏切ったのはあなた達じゃない!」

「俺達は、裏切っていない!」

「私を独りぼっちにするじゃないの!!」

《シャイニングブラスト》

 光の波動が俺を襲う。俺も対抗する。

《ダークマター》

 光の波動を闇が吸い込み相殺する。

「ふん。いつまで耐えられるかしらね。こんなんじゃ話にならないわね。力ずくで説得してみなさいよ。」

《ブレス》

 俺は、魔力を込めプロテクションを張らずに片手でレジストして見せた。

「な、私のブレスを防御魔法無しで、片手でレジスト!?」

「力ずくか・・・あまりやりたくは無いけど、それを望むなら勝負してやるよ。」

「何を!人間のくせに!!死ねー!!」

 フェニックスが翼をはためかせる。その衝撃波が俺に襲い掛かってきた。俺は、その衝撃波を打ち消して、足場を探しそこに降り立つ。そして、レールガンを構え、フェニックスの翼に目掛け数発打ち込む。弾丸は、翼を打ち抜き、フェニックスも地上に降りてくる。

「あなた、魔導士じゃないね。なかなかやるじゃない。」

《ヒール》

 フェニックスの翼の傷口がみるみる塞がっていく。フェニックスはまた飛び立とうとする。それは、それを防ぐ。

《グラビティー》

 フェニックスに大きな重力がかかり、飛び立てない。しかも、重力のせいで動きも鈍くなる。

「ふん、飛ばなくても私の強さに変わりはない。」

《ホーリセイバー》

 数本の光の剣がフェニックスを取り巻く。俺も、剣を抜き身構える。っと同時に光の剣が俺を襲ってきた。俺は、剣で光の剣を受ける。

「ほらほら、余裕がなくなったんじゃないの?」

 応戦一方の俺を煽るかのように魔法攻撃を仕掛けてくる。

《ヴァンジエンド》

 空雷砲撃派が俺の目の前に襲い掛かる。か、俺は、無詠唱で空雷砲撃派を空雷砲撃派で相殺する。フェニックスには、急に攻撃が消えたかのように見えただろう。

「な、なに?」

 俺は、光の剣の攻撃を受けながら反撃する。

《魔人剣 煉獄破》

 魔人剣の炎の衝撃波がフェニックスを襲う。炎の聖獣だけあって致命的なダメージは与えられてない。が、攻撃力の差で結構なダメージを与えた。フェニックスの翼はボロボロになっている。

「な、なんて力なの!この私がここまで追いつめられるなんて・・・」

 俺は、相変わらず光の剣を受け流している。

「さて、そろそろ決着をつけるか。」

《アースバインド》

《フロストノヴァ》

《シャイニングレイ》

 地面がフェニックスを絡めとり動きを止める。そこにマグマも凍るほどの冷気がフェニックスを包み込む。更に、無数の光線がフェニックスの身体を突き抜ける。勿論、急所は外してる。

《瞬歩》

《眞陰流 壱の太刀 斬》

 瞬歩でフェニックスの目の前まで移動し、寸止めで切りつける。フェニックスの奇麗な羽毛が一瞬、波だった。

「もう、終わりでいいだろ。これ以上は、傷つけたくない。」

《レベルが上がった。》×8

 あ、レベルが上がった。一応、聖獣との戦いだったからかな。

 俺は、回復の魔法をファニックスにかける。

 《リカバリー》

 強烈な光に包まれてファニックスの傷は塞がり、体力が回復する。

「あなた、なかなかやるわね。本当に裏切っていないって言うなら証明しなさいよ。」

「分かった。」

 俺は、フェニックスを抱きしめ耳元で囁く。

「独りぼっちにするなんて言ってごめん。俺は、お前を独りぼっちにしない。もし、イグニールの結界が解けないなら俺は、お前の側に残り一緒に居てやる。もし、結界を解くことが出来たら俺と一緒に冒険に出よう。」

「な、何言っているのよ。出来る訳ないじゃない。エンシェントドラゴンが施した結界よ。」

「そしたら、俺がずっと一緒に居てやる。大丈夫。俺なら出来る。お前を自由にしてやれる。」

「ほんとに?ほんとに私と一緒に居てくれるの?」

「うん、嘘じゃない。分かるだろ?」

 フェニックスは俺の目を”ジッ”と見る。そして、

「うん。」

 と呟いた。そして、涙を流し始めた。

「わ、わだじ、もう、一人はいや・・・、一人にしないで・・・」

 まるで、幼い子供の様にフェニックスが泣く。

「もう、独りにしないよ。」

 俺は、フェニックスを抱きしめ続けた。

 

 

後書き

さて、更新が小説に追いつきました。「小説を読もう」、「アルファポリス」サイトでは土曜日に更新しております。気になる方はこちらをご閲覧下さい。ここでの更新は不定期となります。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

 山頂付近の朝は結構冷え込む。

”あー、布団の中は暖かくて幸せだぁー。やっぱ、探索は、昼からにしよう。うんうん。”

 俺は、勝手にスケジュールを変更した。

”しかし、この布団、柔らかくてふかふかで最高だ!”

 俺は、布団に頬ずりをする。

”凄く暖かくて柔らかい。この手触りなんかもう、最高だ!”

 前にある柔らかな二つの膨らみを”サワサワ”すると、何か聞こえたような気がする。

”ん?なんだ?布団んはこんな感触だったっけ?”

 俺は、再度、布団を“サワサワ”する。そして、そのまま手を滑らせていくとちょっと固めの突起物があった。俺は、そこも“サワサワ”してみる。なんだこれは?

「ご、ご主人・・・そ、そんなに触られると妾は変な気持ちになるぞ。」

”へ?ナディアのい声?”

 俺は、目を開けて状況を確認する。すると、全裸のナディアとティナが一緒のベットに居た。俺はどうやらナディアの“おっ〇い”を撫でていたようだ。

「わーー!!お前達、また、俺の布団に潜り込んできたな!しかも、ナディアはまたしても裸じゃないか!」

「妾は、寝る時はこの格好じゃ。前にも言ったじゃろ。」

「じゃろ。じゃない!じゃあ、せめて元の姿に戻ってくれ(;’∀’)」

「この格好の方がご主人は喜ぶと思ってのぉ。でも、実際、良かったじゃろ?」

「ええまぁ・・・じゃない!早く服を着てくれ!誰かに見られたら誤解されるだろ!」

「まぁ、ええじゃろ?妾はご主人の”もの”なんじゃし。」

 ナディアは、”カラカラ”と笑う。そんなやり取りをしている最中、ノックの音が聞こえ扉が開いた。

”コンコン。ガチャ。”

 これってノックの意味あるの?(;’∀’)

 ティファが普通に入ってきた。もし、俺が裸族だったらどうするんだろう・・・

 って、裸族がいた!!!

「アルファード、おはよう。もう起きているの?ちょ、あ、あ、あんた達、一体何をしているのよ!!!!」

「見てわかるじゃろ。ご主人と寝ておったのじゃ。」

「ね、寝るって!!!!寝てないじゃないの!!」

「うるさいのぉ。妾はもう一眠りするぞ。」

 ナディアは、九尾に戻り、ティナの横で丸くなって寝始めた。

「ちょ、ちょっと、アルファード!!!どういうことなの!!!あんた達、そんな関係だったの?」

「え?どうもこうも、こいつらが、俺が寝ている隙に布団に潜り込んできたんだよ。そんな関係って・・・まぁ、主従関係ではあるけれども・・・」

「しゅ、主従関係ってそんな事もするの!!!じゃあ、私も主従関係になる!!!」

「おいおい・・・、訳が分からなくなっているぞ・・・、ってゆうか、誤解だよ。俺は、普通に寝ていただけだよ。やましい事は何も無いって(;’∀’)」

「だ、だって、ナディアさん、裸だったし・・・その・・・ナディアさんの胸を・・・その、・・・していたし・・・」

「寝ぼけていたんだよー。ちょっと、想像してみてくれ。寝ていて、顔にあんな凄いのがあったら、”何だ”って思って触ってみるでしょ?」

 ティファは素直に想像しているみたいだ。何故か顔を赤らめている。

「ま、まぁ、確かに、そう言う状況ならそうかもしれないけど・・・」

「ま、まぁ、そう言う事だよ。で、ティファは何の用なの?」

「わ、私は、朝食を作ろうと思って起きてきたら、アルファードの部屋が騒がしかったから様子を見に来ただけだけど・・・」

「なるほど。まぁ、了解。じゃあ、一緒に朝食作ろうか。」

 俺は、起きてティと一緒に朝食をすることにした。まぁ、定番の朝食だけどね。俺達が朝食の支度を始めようとして時、ヴァイロンもやって来た。

「あれ?随分と早起きだニャ。二人で何やってるんだニャ?」

「朝食を作ろうと思ってね。昨日の夕食はヴァイロン達に作ってもらったから、今日は俺が朝食位作ろうと思ってね。」

「流石アルファードだニャ。にゃんでも出来るんだニャ。にゃあ、アルファードの朝食を楽しみにしているニャ。」

 俺は、人数分のお皿にサラダ、スクランブルエッグ、ベーコンを盛りつけ、テーブルに置いて行く。そして、ブイヨンを使ったオニオンスープを作り、パンをスライスし、軽く炙る。テーブルの中心に、スープとパンとバター&ジャムをセットして完成だ。匂いにつられたのか、皆が起きてくる。

「お!いい匂いだな。うひょー!朝食が出来てるよ。」

 キャップがテーブルに並んだ朝食を見て走ってくる。コブラも朝食に気付きやって来た。俺は、ティナとナディアを呼びに行く。皆が揃い、席に着いたところで朝食となった。

「今朝の朝食は、アルファードが作ったニャ。凄く美味しそうニャ!」

「まぁ、簡単なものだけどね。さあ、食べようか。」

 スープやパンは各自、自分で取って食べる。各々好きな物から食べ始める。凄く和気藹々としていてこれから未知の相手と対峙する様な雰囲気ではなかった。まぁ、力を抜いて挑む方がいいと思うが、ちょっとは緊張感があってもいいんじゃないかなぁ。

「おお!このスープ、すごく美味しいぞ!飲んだことない味だ!」

「これは、オニオンスープって言ってブイヨンってゆう野菜を煮込んで作ったものだよ。時間がかかるから作り置きしているんだ。」

「へー、アルファードは、戦いだけじゃなくてこういう事にも精通してるんだ。すげーなー」

 キャプは、感心しながらスープのを飲む。皆も、このスープを絶賛してくれた。

「このベーコンも絶品ニャ!」

「うん。俺も、このベーコンはお勧めなんだよ。色々なスパイスに漬け込んで、塩抜きをして燻煙してるんだけど、手間がかかるんだよなぁー。」

 ヴァイロンはベーコンを頬張っている。

「しかし、遠征に来て、こんなにのんびりと朝食をしてこれから大物と対峙するなんて考えられないな。普通あり得ないよ。まぁ、アルファードが普通じゃなうがな。」

 コブラは、楽しそうに毒を吐く。ディスられてるのか褒められてるのか分からない。まぁ、良いけど。

「さて、朝食が終わったら早速フェニックスの探索に入る。気を引き締めて行こう!」

一同「おう!」

朝食も終わり、片付けをし、最後の打合せをする。

「さて、昨日も話した通り、どんな相手か分からない。兎に角、逃げ道は作っておくので”まずい!”って思ったら躊躇なく逃げてくれ。俺も駄目だと思ったら逃げるから。」

「アルファードが逃げるとこ何て想像がつかないな。」

「まぁ、どんな相手か分からないから。ナディアもコブラなんかのサポート頼んだよ。」

「任せておくのじゃ!」

「では、出発しようか!」

 俺達は、フェニックスがいるだろうと思われる火口に向け出発した。途中、魔物が現れるが、昨日の経験が良かったらしく、連携をとって対処する。流石は、プラチナ冒険者。適用力が高い。火口に進むにつれ気温が下がっていく。流石に山頂付近は寒い。火口に到着し、火口付近を調べる。すると、火口の中に1つではなく無数の反応がある。

「火口の中にいるらしいけど、反応が一つじゃない。気を引き締めて行こう!」

 皆は、頷き、火口を下っていく。火口を下るにつれ、予想通り有毒なガスが噴き出し、温度も上昇してくる。

「皆、このマスクを付けて。このマスクの中は、樹魔法のエアレーションが発動するので新鮮な空気が吸えるようになっているから。」

 俺は、昨晩ワイルドウルフの皮で作った魔道具マスクを皆に手渡す。

「もう、驚かないけど、アルファードはすげーなー。何でも知ってるし、なんでも作る。その知識と能力はどうやったら養えるんだ?」

「ははは・・・、神様がくれた能力かもね。」

「アルファードが言うと冗談に聞こえないよ。本当にそうなのかもね。」

 まぁ、昔の知識がわりと役立っていることは言うまでもない。この世界は、魔力が存在するからある意味、知識と魔力で何とかなる。ほんとにチートな世界だな。

 俺達は、マスクを付け更に火口に近づいていく。

「わあ!!こりゃ、酷い・・・」

 先頭を歩くキャップとコブラが急に立ち止まった。キャップとコブラの先には、人骨がぽつりとあった。

「多分、このガスにやられて死んだ冒険者だろう。何にも対策してなかったんだな。」

「うわぁー、もしアルファードが居にゃかったら私達もこうなってたかもしれニャイニャ・・・」

火口に近づくにつれ、人骨も増えてきた。俺達は、それを横目に先に進む。進むにつれファニックスの反応がしっかりとしたものになる。

「この先にいるぞ!でも、反応が一つじゃない。みんな気を引き締めてくれ。」

 俺は、ゆっくりとターゲットがいる場所へ踏み込んだ。そこには、炎に包まれた美しい鳥がいる。取敢えず、ファニックスを鑑定してみる。

《鑑定》

ファニックス(聖獣) LV51

HP783/783

MP3874/3874

筋力558

魔力837

防御力691

魔防887

俊敏541

器用541

知力670

幸運558

 

【ユニークスキル】

魔術 ブレス 看破 異常状態耐性(高) 不老不死 真偽

【スキル】

毒耐性(高) 聖属性(中) 炎属性(高) 風属性(中) 火炎ブレス

魔法耐性(中) 物理耐性(中) 威嚇(中)

 

魔力向上(低)  MP向上(低)  魔法耐性(低)  物理耐性(低)

【魔法】

《炎魔法》(7階層)

《風魔法》(6階層)

《聖魔法》(6階層)

 

 

 

 

 

後書き

不定期で更新します。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

「コノタビハ ムラノキキヲスクッテイタダキ ホウトウニアリガトウゴザイマシタ。」

「俺達は、人として人の道から外れるような事をしたくなかっただけです。気にしないでください。」

 コブラが村長にそう言うと、皆が頷く。

「しかし、相変わらずアルフォードはやばいな。不屈の騎士団長って言われていたパジェロ様をボコボコして、最後、脅して言う事聞かせるなんて。もはや、悪人の所業だな。」

 キャップはニヤニヤしながら話をする。

「いや、俺じゃないし。ナダレだし。」

「ワタシハ ソンナコトデキナイゾ」

「姿はな。ここまで来るとある意味、清々しいな。」

「でも、アルファードは、リザードマン達を守ったニャ。アルファードが居なかったらリザードマン達は皆殺しにされたか、生き残っても奴隷の道しかないニャ。流石、私の将来の旦那様ニャ」

 ヴァイロンが怖い事を言う。ティファとティナがちょっとむくれ、ヴァイロンに言い返す。

「ヴァ、ヴァイロン、何言っているの!そ、そりゃ、今回もアルファードはかっこよかったけど・・・ってなに言わせるのよ!!」

「アルファードは、いつもかっこいい」

 ま、まぁ、女性陣は置いといて、俺は、今後について話を始めた。

「ところで長老、ここの山頂にファニックスがいるって聞いたんだけど本当なの?」

 長老は、地図を眺めファニックスについて教えてくれた。

「タシカニ ココノサンチョウニハ フシチョウサマガ イラッシャル。シカシ イカナイホウガイイトオモウガ」

「なぜ?」

「ホンライ フシチョウサマハ イッカショニトドマッテイタリシナイ。シカシ エンシャントドラゴンノ イグニールサマトノタタカイニヤブレ ケッカイノナカニ トジコメラレテシマッタト キク。ソレイコウ フシチョウサマハ ホウモンスルスベテノ モノヲ ソコカラデラレナイヨウニ シテシマウトイウハナシヲ キイタコトガアル」

「なるほど。だから、目撃者が少ないんだ。つまり、ファニックスに会いに行った人?は、そこに閉じ込められて出られなくなってしまうという訳だね。皆はどおする?それでも会いに行く?」

「妾はご主人と共に行くぞ。一心同体じゃからな。」

「ティナもアルファードと行く」

 コブラやキャップ、ヴァイロン、ティファは悩んでいるようだ。

「少し時間をくれないか?」

「それは別にいいけど。確かに即答できる内容じゃないよね。」

 コブラ達は、部屋を出て話し合いを始めた。

「イグニールってドラゴンは、そんなに強いの?」

「イグニールサマハ コノヨデイチバンノ キョウシャダトイワレテイル。ドラゴンゾクヲマトメ ジブンハ ジユウホンポウニ イキテイルトキク。」

「どこにいるかわかる?」

「イグニールサマハ ジユウホンポウノユエ ヒトットコロニ トドマラナイ。タダ キニイッタ”チ”ガアレバ スコシノアイダハ ソコニトドマルカノウセイガアル」

「最近、どこかに留まっていると言う話は聞かない?」

「ワレワレハ イグニールサマニ ”コノチ”ヲ タクサレタ。ソレイコウノ イグニールサマノ ドウコウハ ワカラナイ」

「分かった。ありがとう。自分で探してみるよ。」

「ソウイウコトデアレバ コレヲモッテイクトイイ。」

 長老は、何かのかけらを俺に渡してくれた。

「これは?」

「コレハ イグニールサマノ ウロコノカケラ。イグニールサマガ イルホウコウヲ サシシメルテクレル。タダシ ドレクライサキニイルカハ ワカラナイ」

 鱗を見てみると、一部赤く光っている部分がある。多分、光っている方向にイグニールがいるのだろう。まぁ、今すぐって訳じゃないけど機会があったら探してみるのも面白いかもな。

「長老、ありがとう。凄く助かるよ。」

「キミタチニハ コノムラヲスクッテモラッタ オンガアル。コレクライ タヤスイコト」

 そうこう長老と話をしているとコブラ達が戻ってきた。

「待たせたな。まぁ、話し合いことも無かったんだが・・・、俺達もファニックスに会いに行きたいと思う。」

「まぁ、最初から簡単な相手じゃないって分かっていたしね。」

 キャップが首を振りながら”やれやれのポーズ”をする。

「今回、フェニックスの話を持ってきたのは私だしね。やっぱ、最後までやり遂げないとでしょ!」

「私は、アルファードと一緒ならどこでも大丈夫ニャ!」

『わ、私だって、アルファードと一緒なら・・・』

 ティファはモジモジしながら何か言っているが声が小さくて何を言っているのか分からない。

「ご主人、モテモテじゃのお(笑)」

「とにかくだ、俺達も一緒に行くって訳だ。よろしく頼むぜ!」

「うん、こちらこそ!じゃあ、皆でいこう!」

 俺達は、長老に挨拶をしてリザードマンの村を出発した。近くまで、ナダレ達が護衛をしてくれたおかげで結構楽に森を出る事が出来た。

「デハ、ワレワレハココマデダ。ドウチュウノ アンゼンヲイノッテイル」

「うん。十分分助かったよ。ナダレ、ありがとう。元気でな。」

「アア マタ ジカンガデキタラ ムラニアソビニキテクレ。カンゲイスル。」

 俺達はナダレと別れ、植物があまり生えて無い、ゴツゴツとした岩肌が出てい道?を行く。山を登る事少しして、マップに反応がある。岩山にいる魔物だろう。反応は一つでは無いので群れを成していると考えられる。俺達は、気付かれない様に注意して進んでいたが、気付かれたのか、すごい勢いでこちらにやってくる。

「ギャ、ギャーーーーーー!!!」

 俺達の前にアロスドラゴが5体立ちはだかる。全長5~6m。体重1トン程。分かりやすい特徴である目の上の部分の突起は、特に何の役目もない装飾的な部位である。典型的な獣脚類の肉食亜竜だが、頭がほっそりしていて、体長に対して体重が軽い。走るのが速く、瞬間最高速度は時速250キロを超えると言われている。群れで生活するという習性を持ち、自分たちより大き獲物にも集団で襲い掛かり、鋭い歯で噛み付くと頭を激しく振って肉を食いちぎる。また、亜竜の中では珍しく風属性魔法を使う為、他の魔物に比べて厄介な存在であることは間違いない。

 俺は、レールガンを抜き、眉間に向け打つ。

「プギャーー!!!」

 アロスドラゴは悲鳴を上げ絶命する。

「あ、亜竜だと!!こんな所に生息しているのか!兎に角、陣形を取ってやるしかないな!アルファード、そっちは任せた!!」

「ん?」

 俺は既に3体のアロスドラゴを打ちのめしていた。1体は、ティナとナディアが相手をしている。

「あー、そうだった。ちみは規格外だった・・・。よし!俺達は、俺達でやるぞ!」

 コブラ達はコブラ達でアロスドラゴを相手する。俺は、仕留めたアロスドラゴを収納し、皆の戦いを見守ることにした。風属性の魔法と俊足を誇るアロスドラゴは風のシールドで身を守り、スピードでコブラ達を翻弄させている。

《プロテクション》

《ストーンスプラッシュ》

 コブラが身体強化を使い、キャップがクリティカル上昇をすると当時にヴァイロンが補助魔法をかけ、ティファが地魔法でアロスドラゴの纏う風のシールドを破り応戦する。出だしは、まずまずと言ったところだろう。ティファの魔法攻撃で怯んだ所にコブラが渾身の一撃を放つが、アロスドラゴの風のシールドがそれを阻み、致命傷には至らない。それどころか、コブラにアロスドラゴの鋭い爪の攻撃が当たる。

「ぐぅ・・・」

 コブラは一旦後方に下がり、ヴァイロンの回復を受けている。その間、キャップが持ち前のスピードを生かし、アロスドラゴと対峙している。

《アイスストーム》

 ティファが氷属性の魔法で攻撃を仕掛ける。吹雪がアロスドラゴを攻撃すると同時にアロスドラゴの周りの温度が下がっていく。すると、アロスドラゴの動きが少し鈍くなった。キャップはそれを見逃さない。

《クリティカル》

 キャップの一撃が見事にアロスドラゴに決まる。後方に下がっていたコブラが一気に前に駆け出し、アロスドラゴに渾身の一撃を食らわした。

《マジックミサイル》

 コブラの攻撃で怯んだアロスドラゴにヴァイロンの無属性攻撃が襲い掛かるが、風のシールドに阻まれ致命傷は与えられない。しかし、キャップの一撃必殺がアロスドラゴの胸を貫いた。

「プギャーーーー!」

 アロスドラゴは雄たけびを上げ、地面に倒れこみ、動かなくなる。それを見てコブラ達は勝利を確信した。

「よし!亜竜を倒した!!皆、お疲れ様!」

 コブラが背中を向けたその時、倒れていたはずのアロスドラゴがコブラに食いついてきた。

「ギャーーーー!」

 コブラの腕に食いついているアロスドラゴの脳天にキャップのナイフが突き刺さる。

「グギャ!!」

 その一撃でアロスドラゴは絶命する。そして、キャップはコブラの下に駆け寄る。

「大丈夫か!!コブラ!」

「クッ、油断した・・・」

 ヴァイロンもコブラの下に駆けつける。コブラの腕からはボタボタと血が噴き出している。それをヴァイロンが紐で縛り止血した。

「これは酷いニャ!!街に戻って治療しないとコブラの腕が使い物にならなくなってしまうニャ!!」

 丁度、ティナもナディアのサポートを受け、アロスドラゴに勝利した。俺も、コブラの下に行く。

《アネスシージャ》

《クリップ》

 俺は、止血し麻酔の魔法をコブラの腕にかける。

「兎に角、あそこの平坦な所に簡易拠点を設営しよう。」

 俺は、山の平坦になっている所まで移動し、空間収納より簡易拠点を取り出す。そして、中に入り椅子にコブラを座らせる。

「アルファード、コブラはどうなるの?」

 ティファが目を潤ませて心配している。

「まだ痛いか?」

「いや、痛みは無い。これもアルファードの魔法か?」

「うん。腕の感覚を麻痺させた。兎に角、腕を診せて。」

 俺は、喰いちぎられたコブラの腕を診察する。

「こりゃ、この腕はもうダメだ。筋も神経もずたずたに嚙み切られている。すぐに治療が必要だ。」

 俺は皆にコブラの状況を告げた。そして、

「すぐにオペに入る。」

 俺は、空間収納より白衣を取り出し“バサッ”と着る。

《メディカルルーム》

3*3m四方を空間魔法で仕切り、コブラの装備を外し、着ているものを脱がせ、上半身を裸にしてその中に寝かせる。

《ベール》

そんな彼の”腕以外の所を光の衣で包む。そして、腕をつねってみる。

「何か感じるか?」

「いや、何も感じない。」

「麻酔は効いているようだね。では始めようか。」

 オペの準備は整った。俺は、オペを開始する。

「それではオペを始める!よろしくお願いします。」

《クリーン》

《アンチウィルス》

《アンチバクテリア》

《アナライズ》

 彼の腕が消毒されているのを確認し、腕を切り取る。

《ウォータメス》

 水圧を利用した鋭利なメスで腕の断面の少し上を切り取る。そして、

《クリップ》

 止血しながら傷口を広げていく。そして、切り離された腕を整形し、血管、神経を繋ぐ。

《シール》

《リジェネレイト》

 切り取られ、欠損している部分を再生させる。

「う、腕の一部が再生してるニャ!!」

「おお!!腕が治っていく!!」

《キュア》

 腕に感覚が戻ってくる。

「どうだ?腕はちゃんと動くか?」

「あぁ、問題ない。」

「さ、腕を切り取ってくっつけたニャ。初めて見たニャ。凄い・・・凄いニャ!!!!!!」

 ヴァイロンは、一人で大騒ぎしている。

「コブラ・・・よ、良かった!!!!」

「アルファード!!やっぱ、お前はすげーよ!!」

 ティファとキャップもコブラの下に駆け寄る。

「コブラ、腕はくっ付けたけど、元通りとまではなっていない。暫く、リハビリが必要だ。」

「リハビリ?なんだそれは?」

「そうだな。元通りになるように左腕を鍛錬する事だ。」

 俺は、今後の事をコブラに告げ、治療を終えた。

「今日は、このまま休むとしよう。もう、結構、フェニックスに近づいていると思うし。明日はフェニックスの探索をしよう。そのために、英気を養ってほしい。」

「そうだね。コブラも大変だったし、今日はこれ位にしないとね。じゃあ、私とヴァイロンで食事の準備をするね。」

 ティファとヴァイロンは、キッチンに向かい材料を物色し始めた。何が出来るかは彼女たちに任せよう。暫くして、ティファが皆を呼びに来る。

「食事が出来たので食べましょう。」

「はいよー。じゃあ、行きますか。」

 俺達は、リビングの方へ向かった。すると結構、豪華な料理が並んでいる。

「うひょー、随分、豪勢じゃないか!」

 キャップは、お肉をつまんで”ポイ”っと自分の口の中に放り込む

「こらー、キャップ、つまみ食いするな!ま、まぁ、私とヴァイロンにかかればこれくらい何て事無いわ。」

「ほとんど、私が作ったニャ。でも、ティファは、ちゃんと具材を切ったり、煮るのを見いてくれたりしたニャ!」

「ちょ、ちょっと、ヴァイロン!」

 うん、どうやらこの食事はほぼヴァイロンが作ったらしい。まぁ、孤児院でも食事を造ったりしていたみたいなのでなんとなく頷ける。メニューは、前菜にサラダと野菜のスープ、サイドメニューにビックボアの肉のソテーとビックホローの串焼き、メインにグレートバッファローのステーキが沢山。付け合わせに温野菜が添えられている。主食には、ちょっと固めなパンが用意されている。

「さあ、折角なので冷めないうちに頂きましょう。」

「いただきまーす!」

 結構な、ボリュームだが亜竜と戦った後なのでスタミナも消耗しているらしく皆”モリモリ”

と食べていく。

「ほう。これは旨いのう。」

 ナディアは肉を頬張り、満足げな表情をしている。俺も、ビックホローの串焼きを食べてみる。程よい脂と調味料が格別だ。火がちゃんと通してあるにとてもジューシーで旨い。

「これ、すごく美味しい。」

 ティナもビックボアの肉を食べ、舌鼓している。皆がそれぞれ食事を楽しんでいる。皆が楽しく食事の時間を過ごした。食事の時間も終盤に差し掛かった頃、コブラが皆に提案をしてきた。

「明日、ファニックスの探索を行うわけだが、遭遇した時の打合せをした方がいいと思うのだが。」

「確かに、ちょっと思っていたよりも状況が違う気がする。みんなの意見も聞きたいな。」

 食事が終わり、少し落ち着いたところでミーティングをする事となった。女性陣も含め、片付けはみんなでやる。片付けも終わり、お茶を片手に皆がテーブルに着いた。

「あ、そうそう。まず最初に皆に渡す物があるんだ。」

 俺は、リザードマンの族長より受け取った賢者の石を取り出した。

「こ、これは、賢者の石じゃないか。しかもこんなに沢山。」

「均等に分けてあるので受け取って。」

「私達、大したこともしてないのにこんなに貰えないよ。」

「でも、皆はパーティーなんだからさ。これもパーティー報酬だよ。」

「だが、こんなには・・・流石に気が引けるぞ(;’∀’)」

「うん。だから、私は、これだけ貰うニャ」

 ヴァイロンは、出されている賢者の石を1/3ほど受け取った。

「これだけでも十分な報酬ニャ!アルファード、ありがとうニャ!」

「じゃあ、俺もこれだけ頂こうかな。」

 キャップもヴァイロンと同じくらいの量を受け取った。」

「・・・、では、私もこれだけ貰う。」

「分かった。では、遠慮せずにこれだけ頂こう。」

 皆が賢者の石を1/3程度ずつ受け取ってくれた。別に全部持って行けばいいのに・・・。そんな感じで、今回の報酬の山分けが済んだ所で本題に入る。

「さて、本題だが、今回の相手はエンシェントドラゴンと戦った相手だ。それなりの強さを持っていると考えていいかもしれない。」

「エンシェントドラゴンか・・・、伝説級の魔物だ。俺も話でしか聞いたことないが、魔王に匹敵する力を持ち、奴がその気になれば大陸を吹き飛ばすほどの力があると言う。」

「そんな相手と対峙したんだね。少し怖いニャ。」

「まぁ、アルファードがいるから大丈夫だと思うけど・・・」

「流石に、アルファードだってエンシェントドラゴンを相手にしようなんて思わないと思うけど?」

「ん?えへへへ・・・(笑)」

「思うんかい!!ドラゴン族って言ったら、みんなビビッて逃げる相手で、その頂点に君臨するのがエンシェントドラゴンなんだぜ。」

 キャップが呆れたように話す。このままだと話が進まないので、話をフェニックスに戻す。

「まぁ、ドラゴンに負けたと言っても伝説の鳥と言われるほどの力の持ち主だから注意した方がいい。特に、相手が好戦的なら結構な脅威になると思う。だから、事前にゲートをこの拠点に繋いでおくので、もしファニックスと対峙する事になり”これ以上の戦闘は難しい”と思ったら、躊躇なくゲートをくくってほしい。そして、ナディアは全員のサポートにまわって貰えると助かる。」

「了解じゃ。妾に任せておくのじゃ」

「兎に角、あまり無理はしないようにお願いします。」

「分かった。フェニックスとの交渉はアルファードに任せよう。」

「うん、安全が確保出来次第、再度戻ればいいからね。」

「次に、火山の火口に明日は向かう訳だけど、火口には、有毒ガスが噴き出している可能性がある。そのガスを吸うと次第に意識が薄れ、死に至るとても危険なガスだ。幸いにも、ガスには匂いがある。卵が腐ったような匂いが強くなったらガスが多量にあると言う事。普通にそのまま進めば死ぬから。」

「おいおい、じゃあ、ファニックスの所にはたどり着けないんじゃないのか?」

「いや、その対策は考えている。明日までに用意するのでもし、ガスが発生しているようなら対策しよう。」

「分かった。よろしく頼む。」

「最後に、山頂付近は寒いと思われるが、火口を下るにつれ、溶岩の影響で温度が上がってくる。暑さ対策をしといたほうがいいと思う。特に、キャップとコブラの装備は熱くなりそうだから装備に皮を巻くとかして金属部分がなるべく露出しない様にした方がいいかもね。」

「了解した。我々は我々で対策をしよう。では、明日はこの通り動こう。」

 ミーティング終了後、皆は各々明日の為の準備をする。俺は、いつもの鍛錬をするため外に出てから、異空間へ行く。折角覚えた剣技を自分のものにするために、毎日の鍛錬に組み込んだ。俺は、素振りをし、シャドウをする。そして、魔法を色々試してみる。今は、属性を織り交ぜた複合魔法を試している。その結果、相対する属性ではなく、同じくらいの階位の魔法であれば、合体させることが可能であることが分かった。魔法の創造にした感覚かな。そして、最後に禁呪を炸裂させまくって魔力を使い果たす。今では、けだるい程度で治まるようになった。鍛錬を終え、元の空間に戻り、拠点を目指す。すると拠点から少し離れた所でティファがいた。

「どうしたの!!フラフラじゃないの!何かあったの!?」

「いや、ちょっと日課の鍛錬をしていたから魔力が欠乏してふらふらしているだけだよ。なんか、心配かけちゃったね。」

「そ、そう。それならよかった。何かあったのかって思っちゃったわよ。」

「それよりも、ティファはここで何をしているの?」

「んー。外を見ていたんだ。ほら、見てみて。ここは、山の頂上付近で高いし、木々もほとんど無いからすごく見晴らしがいいの。」

 俺はあまり景色とか気にしていなかったが、確かに凄くいい眺めだ。月明かりに照らされた森がずっと遠くまで見える。そして、そんな森から小さな光の粒が空に向かって浮遊する。とても幻想的な光景だった。ティファは、近くにある大きめの岩に腰を掛け景色を見ている。

「良かったら、ここに座らない?」

 俺は、ティファの横に腰かけた。

「奇麗・・・、この辺の森は、魔力が豊かだから魔力の粒が視覚になって見えているんだ。こんな光景なかなか見られないよ。」

 ティファはうっとりとその光景に見惚れている。俺もつい、そんなティファに見惚れてしまった。

”何だろう・・・この”ドキっ”とする感情は”

母親に対する物とも違う、遠く昔に、そう前世の遥か昔に素敵な異性に対する憧れを抱いた時の様な感じだ。

”俺もそんな年になって来たのか(笑)”

 なんだか、自分で自分が可笑しく思えた。

「どうしたの?”ジーっ”と私を見て。何か付いている?」

「いや、なんか、今日のティファは凄く可愛いなぁって思って見惚れてしまったよ。」

「え、えっ!な、何言っているよのもう。」

 ティファは、顔を赤らめて俯いてしまった。でも、満更では無いらしい。そんな照れたティファも可愛い。二人の間に少しの静寂があった。ティファが恥ずかしそうに俺を見つめる。俺はその潤んだ瞳から目が離せない。二人の顔が徐々に近づいていく。目を閉じようとした瞬間。

「アルファード《旦那様》!!浮気はだめなの《ニャ》!!」

 横にヴァイロンの顔とティナの顔がある。

「おいおい!!いいところなんだから邪魔するなよ(・∀・)ニヤニヤ」

「おほん!ん。つまり、なんだな・・・もうちょっとだったな・・・」

「皆はうぶじゃのお。キスぐらいさせてやればいいものを┐(´∀`)┌ヤレヤレ」

 キャップ、コブラ、ナディアが拠点の陰から姿を現す。

「み、みんな!何時からそこに居るのよ!(゜∀゜)!!」

 ティファがおろおろしながら皆に問いかける。

「”良かったらここに座らない?”らへんからかな。」

「ほとんど、最初のころからじゃないのよ!まったっく・・・」

 俺は、そっとみんなの下を離れて拠点に戻ろうとした。

「あー、アルファードが逃げた!」

「アルフォードは、私とチューする!」

「違うニャー!私の旦那様ニャ!」

 ティナとヴァイロンが追いかけてくる。

「勘弁してくれーーー!!」

 夜を彩る星々と幻想的な雰囲気が俺達を解放的にさせてくれた。仲間に囲まれ、このような些細な日常が明日への活力になると俺は思った。さて、言い訳を考えて明日に備えて今日の所は休むとするか。

 

 

 

 

後書き

明日も更新します。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

 暫く進むと広大な沼が広がりその畔にリザードマン達の住む村があった。そこには、多くのリザードマンとそのリザードマンが進化したであろう種族が共に暮らしている。家は、木造の倉庫みたいな作りで家と言うには少しお粗末である。多くのリザードマンは狩猟や採取で生計を立てているようだ。表情はあまり良く分からないが、俺達が通ると怪訝そうな顔をしているに違いない。そんな雰囲気が醸し出されている。俺達は、そのまま村長の家へを案内された。

「チョウロウ タダイマモドリマシタ。」

「ナダレ!ナゼニンゲンヲ コノムラニツレテキタ!」

 どうやら、この隊長らしきリザードマンは”ナダレ”と言う名前らしい。どうやら俺達は歓迎されていないようだ。

「コノモノタチハ イママデノニンゲントハチガウ。」

「ホウ ドウチガウノジャ」

「コノモノタチハ ワレワレガイキナリオソッタニモカカワラズ コロサズ ハナシスラキイテクレマシタ。イママデノニンゲンデアレバ マケタワレワレハ ゴウモンヲウケ コノムラノバショヲ トワレルハズ。ワレワレガ タバニナッテモ カナワナカッタ ソレホドノジツリョクヲモッタ カレラガ ワレワレニナニモセズ サラニハ ワレワレノケガヲナオシ タチサロウトシタ。ソシテ ワレニイキロットイッタ。シカモ ワレワレガブレイヲハタライタニモカカワラズ チカラヲカストモ イッテクレタ。ソンナカレラヲ ジャケンニアツカウナド ワレニハデキヌ。ソンナコトヲシタラ マツダイマデノハジ!」

 ナダレは長老に食って掛かる。暫くナダレと長老の話し合いが続いた。

「ヨクワカッタ。キャクジン ワレワレノブレイヲ オユルシクダサイ。ソシテ モシ チカラヲオカシイタダケルナラ オネガイイシマス。」

 さっきまでの長老の態度が一変し、歓迎ムードになった。

「俺の名前は、アルファード。順にコブラ、キャップ、ティファ、ヴァイロン、ティナ、ナディアだ。」

「ワタシハ チョウロウノ ”ビーノ”トトモウシマス。コチラハ ムラノセンシデ ”ナダレ”。ヨロシクオネガイシマス。」

「兎に角、事情を説明してもらっていいですか?」

「ワレワレガ エタジョウダト チカヂカニンゲンタチガ コノムラヲ シュウゲキスルト キイタ。ワレワレハ ワナヲシカケ シュウゲキニソナエ ジュンビシテイル。」

「なぜ、襲撃されるんですか?何かしたのですか?」

「ワレワレハ ナニモシテイナイ。ワレワレハ タノシュゾクト イッセンヲオキ セイカツシテイル。モチロン、ムラヲマモルタメニ タタカウコトハアルガ ワレワレカラ セメルコトハシテイナイ。」

「すると、人はこの村の資源を欲しているか、リザードマンを捕らえて奴隷として売るかそんなところなのかな?」

「ニンゲンノ モクテキハワカラナイ。」

「じゃあ、その事については、襲撃者に問いただそう。で、ナダレは、普通のリザードマンとは形態が違うと思うんだけど、リザードマンじゃないの?」

「ナダレタチハ リザードマンガシンカシ アリュウニナッタモノ。ムラノ センシトシテ コモムラヲマモッテクレテイル。」

「進化ってそんなに簡単に出来るの?」

「コノヌマノソコニアル ケンジャノイシニネムルチカラヲ ジブンニトリコムコトデ シンカデキル。タダシ、イチドシンカニシッパイシタモノハ ニドトシンカガデキナクナル。」

「あー、なるほど。人の狙いは、それなんじゃない?」

「ケンジャノイシカ?」

「そうそう。」

「デモ、アレハ ワレワレアリュウゾクニシカ コウカハナイ。ナゼ、ニンゲンガヒツヨウトスル?」

「うーん。詳しくは分からないけど、何かに使おうとしているんじゃないのかな?賢者の石って沢山とれるの?」

「ムカシ、ココニスンデイタ エンシェントドラゴンサマノ チカラガ ナガイネンゲツヲ カケテチクセキサレタケッショウト キイテイル。ナノデ、ソンナニ タイリョウニハナイ。リザードマンノ ホウジュノヒトツトシテ タイセツニサレテイルモノダ。」

「チョウロウ!タイヘンダ!ニンゲンドモガ セメテキタ!」

「ナニ?ナダレ、ミナヲマモッテクレ!」

「ワカリマシタ。」

 ナダレは立ち上がり、長老の家を後にする。俺達もナダレの後に続き、ナダレの一団と一緒に行動する。村の出入り口を挟むように配置された小隊の反応が俺のマップに表示されている。1小隊は50人前後。結構な人数である。

「ナダレ、挟まれているぞ。向こうに約50人ほどの反応がある。そして、こっちにも同じような感じで反応がある。だから、こちらも二手に分かれた方がいいと思うけど。」

「ワカッタ。ヨクオシエテクレタ。ヨシ、ワレワレハ アチラノデイリグチノ マモリヲカタメル。コチラヲ オネガイシテモイイカ?」

「了解。じゃあ、俺達はこっちを守るとしよう。」

「3ハン、4ハン、オマエラハ アルファードサマタチヲ エンゴシロ。」

「ワカリマシタ。アルファードサマ、ヨロシクオネガイシマス。」

「うん。よろしく!」

 俺達は、任された方の出入り口に行き、相手の出方を観察する。すると、既に敵部隊が集結し、今にも攻め込んできそうな勢いだ。その敵をよく見てみると、中央帝都の紋章の入った正規軍であることが分かる。しかも、その中には・・・

「おい。あれ、中央の正規軍じゃねぇか!しかも、指揮官は、あのパジェロ騎士団長だぜ。こりゃ、分が悪いな・・・」

 キャップがその一団を見て俺達に伝える。騎士団と言えば、一人一人がゴールドランク以上の冒険者に匹敵する力を持つと言われている。

「正規軍か。ってことは、中央帝都が国家として侵略を行うって事か。」

「中央帝都は、こうやって他種族を蹂躙して来たニャ。酷いニャ。」

「確かに、中央国家だからと言って侵略はちょっとどうかと思うわね。なんとか止められればいいけど。」

「まぁ、ここまで来るとお互い力ずくになると思うけどな。そうなると、俺達はお尋ね者って訳だ。」

「それは、ちょっと困るね。あ、じゃあ、姿を変えようか。」

 俺は、自分自身が偽装するのと同じように、ナダレを参考にイメージを作り出す。

《カモフラージュ》

「ミナサンガ タイチョウニナラレタ。」

「えっと、偽装の魔法をかけたんだ。俺もそうだけど、人間じゃあまり見分けがつかないと思うのでナダレを参考にしてみた。皆は、装備や話し方で見分けてくれ。この魔法は約1時間で効果が無くなる。」  

 とりあえず、これで正体がばれることはないだろう。俺達は、集まっている出入口へと移動する。

「奪略者に警告する。これ以上侵略行為を行うのであればこちらも容赦は出来ない。速やかに撤退せよ。」

 俺は、帝都軍に忠告する。すると、中央軍から笑い声が聞こえてくる。

「わっはっはっは!コイツら俺ら正規軍に抵抗できると思ってやがるぜ!やっぱり、蜥蜴風情は、考える知能を持ってないらしい。とっとと片付けるか(笑)」

「馬鹿者!敵を侮るなとあれ程言っているだろう!油断が自分の首を絞めるとこを覚えておけ!」

 隊長らしき人物が隊員に叱咤する。彼が中央帝都騎士団隊長のパジェロだろう。流石隊長と言うべきか、彼は冷静にこちらの出方を伺っている。

「私は、中央帝都第3騎士師団隊長 パジェロ=ロン=エクシード。中央帝都第三皇子 ソアラ=リマズール=カトゥー様の命によりこの地を貴様ら蜥蜴族より奪還する。無駄な抵抗はやめて降伏せよ。」

 なんか、この場所は”元々、帝都の物だ!”って言い始めたぞ。どうなっているんだ?俺は、リザードマンに確かめる。

「なぁ、あいつら”この地を奪還する”って言っているけど、元々、帝都の”土地”だったの?」

「ナニヲイッテイル。コノチハ エンシェントドラゴン イグニールサマヨリ ウケツイダチ。センゾダイダイ イグニールサマニツカエ コノチデイキテキタ。」

 なるほど。まぁ、帝都的には、この地を含め一帯を帝都の管轄だと言いたいのかもしれない。奪還って良いように言っているが、結局の所、この地の資源が欲しいから侵略するって事か。

「我々は、先祖代々この地で生まれ、生きてきた。決して、“帝都の地”ではない。貴様らこそ、早々に立ち去れ!」

「ふむ。どうやら降伏する気はなさそうだな。全軍、攻撃に移る。かかれ!」

「おーー!!」

 騎士団が一斉になだれ込んでくる。俺達は中に入れない様に抗戦する。

「ナディア、敵味方含め、けが人が出たら一つの所に集めてくれ。ティナはその補助をお願い。コブラ達は、このまま敵を迎撃するのを手伝ってくれ。でも、出来るだけ死者は出さない様にしてもらえると助かる。」

「分かったのじゃ。では、敵を粛正しつつ、けが人を誘導しようかの。」

「分かった。ナディアと一緒に怪我人を集める。」

 ナディアとティナは後方に周り、敵を粛正しつつ怪我人の誘導をすることになった。

「相手は、騎士団だぞ!手なんか抜けるかよ。まぁ、出来るだけやってみるけどよ。」

「了解した。しかし、相手が騎士団だけに俺達も気を引き締めてかかるぞ!」

 コブラ達が気合を入れ先頭に臨む。中央の騎士団たちが一口になだれ込んでくるがそれを俺達が阻止する。しかし、流石は騎士団。なかなか撃退することが出来ない。コブラやキャップ達前衛をヴァイロンの回復と補助魔法で支援する。騎士団には、魔術師が同行していないため、ここで差が生まれる。俺も、魔法と剣を併用し、後方の仲間に補助魔法と回復魔法をかけながら戦う。おかけで、こちらの戦力は削がれてはいない。

「くそ!蜥蜴野郎達は支援魔法を使ってきやがる。こんな情報なかったぞ!」

 騎士団の連中がぼやき始めた。段々と騎士団との戦力の拮抗が崩れていき、俺達が優勢になり始めた。その時。一直線に鋭い衝撃波が俺達に向かって飛んでくる。俺は、その衝撃波を剣で打ち消す。

「ほう、我が魔人剣を防げるほどの奴がいるのか。」

 後方で指揮を執っていたパジェロが姿を現す。俺は、パジェロと対峙する。

「お前がこの集落のリーダーか?我が名は中央帝都第3聖騎士団 団長パジェロ。」

「俺は、この集落の戦士 ナダレ。」

《瞬歩》

 お互いが一気に間合いを詰め、戦闘が始まる。

《牙突》

 パジェロが攻撃を仕掛けてきた。

”ん?この技”

 俺は、パジェロが放つ”牙突”を交し、反撃する。

《燕返し》

 パジェロも俺の太刀筋を読んだかのように剣で”燕返しを”受ける。

「お前、どこでその技を習った?」

 パジェロが一瞬、驚きを見せた。

「そんなのお前には関係ない。」

「まぁ、いい。どうせ、あの売国奴が教えたのだろう。しかし、我が剣は奴の剣技を凌ぐ。我と剣を交えた事を後悔するんだな。」

 パジェロの剣筋が鋭くなる。俺は、それをすべて受ながす。

《ファイヤー》

 俺は、剣技と魔法を組み合わせて反撃をする。

「ほう。魔法も使うのか。だが、その程度の力では我にかすり傷一つ与え得られぬぞ!」

 お互いの剣が交差する。剣技ではパジェロの方が優れている。それを、スピードと力でねじ伏せる。

「力技で我と戦おうと言うのか。面白い。」

 パジェロが力を貯め始めた。丁度いいからパジェロからも色々学ぼう。

《模倣》

 俺は、パジェロの技術を模倣する。

《重撃斬》

 とてつもなく重い斬撃が襲い掛かってくる。多分、普通の常人であれば真っ二つにされてしまうだろう。これがきっとパジェロの持ち味なのだろう。しかし、魔法を付加させた剣と俺の能力の方が断然上手だ。俺は、難なくパジェロの斬撃を正面から受け止める。

「な、なに!!」

 余程、自信があったのだろう。まさか、その攻撃を受け止められるなんて考えていなかったようだった。様々な角度から繰り出される重い斬撃を俺はすべて受けきる。この技は、消耗が激しいのか、パジェロは肩で息をし始めた。

《スキル 重撃斬を獲得しました。》

 必死ぶりのスキル獲得だ。

《重撃斬》

 俺もパジェロと同じように”重撃斬”を繰り出し、滅多打ちにする。勿論、死なない様に手加減しているが・・・最後に、魔法を打ち込む。

《ブラストウィンド》

 威力を最小減に落とし、パジェロに打ち込んだ。パジェロは、満身創痍でこちらを睨む。そんなパジェロに俺は、切っ先を突き付けた。

「お前の負けだ。」

「くっ。殺せ!生き恥を晒すくらいなら騎士として戦いで果てるまで!」

 おいおい、ここでもクッコロさんかよ。

「そうか。わかった。では、皆殺しにするとしよう。」

 俺は、副隊長と思われる人物の近くまで行く。

「だ、団長・・・」

 副隊長が団長に手をさせ述べようとした瞬間、副隊長の首が飛ぶ。血飛沫がパジェロを襲い、首は、パジェロの前に転がった。

「な、なんてこと・・・を・・・」

《重撃斬》

 次は、その隣にいた騎士団の団員を装備ごと真っ二つに切り裂く。まるで、牧割で真っ二つにされた牧の様に血しぶきをあげて倒れこむ。

「う、うぁーー!!」

 騎士達は我先にと逃げだす。

「や、やめてくれーー!!」

《瞬歩》

 俺は、容赦なく騎士達を惨殺して周る。そして、凶器の目をパジェロに向ける。パジェロは、動けず青ざめて”ワナワナ”している。騎士達全員を惨殺し終わると、俺はゆっくりパジェロの下に行く。

「彼らは、一足先に”あの世”に行ってお前のことを待っているぞ。」

 俺は、更に冷めた凶器の目をパジェロに向けた。パジェロはまるで”ヘビににらまれたカエル”状態だ。

「くッ!」

 パジェロは満身創痍の身体を無理やり動かし、俺へと襲い掛かる。

 が、そんな抵抗も空しく俺の一撃でパジェロは、真っ二つになった。

「はっ!!!」

 と同時にパジェロは、俺がかけたイリュージョンから抜け出す。

「はぁはぁはぁ・・・」

 パジェロは目を大きく見開き、身体中から汗が噴き出している。

「殺せって言うのは、今の様な事になるって事だ。そう、正に、お前たちが我々にやろうとしていた事だ。如何に狂気の沙汰なのかこれでお前達も分かったであろう。侵略とはこういうものだ。そして、侵略が失敗した時もな。」

 騎士達も皆、その場で冷や汗をかき、立ちすくんでいる。俺は、イリュージョンを騎士団全体にかけていたので、騎士団全員が同じような体験をした。

「ぐはぁ!」

 俺は、パジェロを蹴り飛ばし、騎士達の所へ追いやる。

「さて、お前たちをこのまま生かして帝都に返すわけにはいかない。このまま返せば、再度、部隊を編成してここに乗り込んでくる可能性があるからな。」

 俺は、パジェロの前に身を乗り出した。

「ま、待て!待ってくれ!!」

 パジェロが俺の前に立ちはだかる。あんな体験をしても俺の前に出るなんてすごい精神力だな。

「あ、あなた様がとてつもなく強いのは分かった。それに、今後、”この地”を「侵略」しない事を誓う。なので、我が命と引き換えにこいつらを見逃してもらえないだろうか?」

「なぜ、”この地”を「侵略」しないと言える?帝都の王がこの侵略を命令したのだろ?」

「正確には、王自身が今回の遠征を指示したのではない。」

「どういうことだ?」

「現国王は、民の生活環境を重視する政策を行っている。そのため、一部の貴族への利権や癒着を黙認しているところもある。そして、後目の争い。現国王は、より国民を豊かに出来る人物を後目にしようとしている。第三皇子のソアラ様は、貴族との癒着を解消し、国民主体の政をする事そこが世の民の為と考えておられる。そのためには、潤沢な資源が必要なのだ。そこで、開拓が行われていない”この地”を”まず最初”に開拓されるとおっしゃられた。しかし、こうなってはとても開拓なんかできまい。それに、ソアラ様が動かせる兵は精々、親衛隊である我が第三騎士団くらいしかない。その事をソアラ様に進言するつもりだ。」

「なぜ、”この地”を開拓しようとしたのだ?」

「それは・・・、分かっていると思うが、賢者の石の採掘だ。」

「しかし、賢者の石は我々しか、利用価値がないはず。」

「最近の研究の結果、賢者の石には大きな魔力が蓄えられている事が分かったのだ。それは、魔石を上回る。これが、市場に出回れば、革新的なことが出来るからな。」

「なるほど。だが、”この地”を渡すことは出来ない。諦める事だな。若しくは、長老と交渉し、交易をしてもらうかだ。兎に角、お前達は戦いに負けた。捕虜となりここで暫くの間、労役についてもらう。後に長老から今後についてのお達しがあるので、それまでこの者達を牢に入れろ。」

 俺は、リザードマン達に指示をし、けが人の様子を見に行く。けが人は、ナディア達が保護してくれている。俺は、リザードマン、騎士団問わず傷を治し、騎士団の連中は先ほどの奴ら同様、牢に入れる。後に、長老とナダレの下に行く。

「・・・という訳です。とりあえず、彼らには、ここを侵略できない様な呪いをかけておきますが、今後の事を考えて、もし可能であれば中央との交易を持つことお勧めします。そこから友好条約を締結すれば帝都から襲われることが無くなりと思いますが。」

「ソンナコトハ カノウナノカ?」

 村長が俺に聞いてくる。

「それは、今後の関係次第でしょうね?取敢えず、彼らは捕虜として3カ月ほどここの労役に従事してもらおうと思っています。その間に関係を築くことが大事なのではないでしょうか?」

「ロウエキッテ ナニヲサセレバイイ?」

「村の人の手伝いをさせればいいと思いますよ。そして、先ずは彼らと交流を持てるように成れば状況は変わってくると思います。」

「シカシ カレラガサカラッタリ シナイダロウカ?」

 ナダレが心配そうにしている。

「それは、大丈夫。第一にナダレには騎士団達が束になってもかなわないと思っているし、リザードマン達に手出しできない呪いをかけておくから。その代り、ここのリザードマン達と同等の扱いをしてやってくれ。捕虜でもあり、客人でもあるかのように扱ってもらえればいいと思う。」

「ワカッタ。ムラヲスクッテクレタオンジンノ イウコトヲキコウ。ソレト・・・」

 村長は、大きな賢者の石をいくつもくれた。重さにすると100kg近いのではと思われる。

「コレガ ワレワレノデキル セイイッパイノカンシャノキモチダ。ウケトッテクレ。」

「こんなに!?いいのか?」

「モンダイナイ。マタホレバイイコトダ。」

「分かった。有難くいただくよ。さて、村長。村の住人と騎士団を村の中央に集めてくれ。」

「ワカッタ。ナダレ ミナニシジシテ ムラノチュウオウニクルヨウニ モウシツタエテクレ」

「ワカリマシタ。」

 ナダレは、すぐに対応する。そして、皆が村の中央に集まる。

「ナダレは、身を潜めて聞いていてくれ。」

「ワカッタ。」

 俺は、皆が集まっている所に行く。

「オォ。ナダレ モウミンナアツマッテイルゾ。ナンノヨウナンダ?」

 俺は、帝都の騎士団とリザードマン達の間に割り込む。

「この者たちは、”この地”を侵略しようとした者達だ。それを捕らえた。」

「オオオォォォォォ!!!!」

「そして、この者達を捕虜にし、この村で働かせる。異存はないな?」

「コノモノタチヲ コノムラニオイテ ダイジョウブナノカ?」

 リザードマン達が不安そうに俺を見る。

「それについては大丈夫だ!今からこの者達に強制の呪いをかける。それは、我々蜥蜴族も同じ。今からいくつかの約束事を言う。お互いにこれを遵守する事だ。まずは、捕虜たち。

1,蜥蜴族、それと関わる者に対し一切の暴力行為は行わない。

2,我々より提示された労働に関し、”No”は無い。

3,逃亡、雲隠れ等をしてはならない。

4,当該村での生活において、規則を遵守する。

5,この村における強制労働期間は3カ月とする。

6,よって、この強制の呪いの期限も3カ月とする。ただし、1に関しては期限なく有効とする。

7,この村で知りえた事を他言若しくはそれに準ずる行為をしてはならない。

 

次に蜥蜴族達。

1,どのような事を申し付けても良いが、公序良俗に触れる内容は不可とする。

2,拘束、拷問、不当な労働を課してはならない。

3,この者達をこの村の住民と同じに扱い、不当な差別やそれに準ずる行為はしてはならない。

4,この者達に暴力を振るってはならない。

5,捕虜たちの衣食住に関しては、村の警備隊の管轄とする。

6,3ヶ月間の強制労働後、解放する。

 

 上記の条件に従い捕らえた捕虜達の扱いとする。尚、下記条件を破った者は、呪いにより両手足が痺れ、次第に激痛に変わっていく。尚、激痛の解除方法は、当事者同士和解する事で激痛が緩和される。呪いの期限として、捕虜に関しては、1及び7については生涯、蜥蜴族に関しては3カ月である。双方、気をつける様に。」

 俺は、騎士団達と村の住人に強制の魔法をかけた。反発もあるが不当な扱いをしなければ特に何も起こらないので反発に関しては無視した(笑)その後、俺達は、村長の家に戻る。

 

 

 

 

後書き

明日も更新します。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/

 翌日、午前中にティナと午後にナディアとデートした。その様子は、後日機会があったら話したいと思う。そんな訳で、夜になるとティファがやって来た。

「こんばんわー。」

「はーい。いらっしゃい。どうぞ中に入って。」

 俺達は、机を囲むようにして立っている。そこにティファが持ってきた地図を広げる。

「ドアマンドを少し北に行くとイモール山脈の入口付近となっている。山道がある訳でもなく木々が生い茂る森を北北東に登て行くらしい。中腹位から木々の高さが低くなっていき、山頂付近では草木もまばららだろう。そして、山頂より反対側の中腹位まで下山し、再度、北に登った所でファニックスが発見されたとの報告があったみたいだ。しかし、それは、ファニックスではなくガーゴイルかも知れないという曖昧な情報だと言う。

「とりあえず。最初の山頂までは、俺が飛んで行き、そこからゲートを開いて皆を呼ぶよ。そこからは、ファニックスの探索に入る訳だから徒歩になると思うけど。それでどお?」

「確かに、空からだけじゃどこにいるかもわからないわね。じゃあ、山頂までアルファードに任せるって事でいい?」

「馬車や馬は、一旦ここに置いて行こう。ファニックスを見た後で、ゲートで取りにくればいいし。」

「ティナもファニックス見てみたい!」

「見るだけなの?」

「話が出来るなら話をしてみたいけど、無理にとらえるのはどうかと思ってね。」

「私、フェニックスの血が欲しいのだけれど。」

「まぁ、それはファニックスに会ってからの相談だね。まぁ、普通にくれるとは思えないから、それ相応の交渉は必要だと思うけど。」

「アルファードがファニックスと少しだけ戦って血を採取するのはダメ?」

「いきなり、襲い掛かったらその辺の野党と同じじゃないか(;’∀’)」

「そうよね。相手は聖獣だからあまり変な事はしない方がいいかもしれない。」

「聖獣じゃなくても、いきなり襲うのはだめだと思う。そう言えば、ナディアはファニックスとあった事あるの?」

「いや、妾も一度も会ったことは無いぞ。如何せん、人前に姿を現さぬ奴だからのお。」

「まぁ、兎に角、いきなり襲うのはやめよう。」

「分かったわ。」

「了解じゃ。」

「その後は、東に向かって下山すると中央帝都の西側に出るはずだよ。」

「なるほど。じゃあ、ここでゲートを結んで馬車と馬を引き取りに来るか。こんな感じでいこうと思っているんだけど、どうかな?」

「ティナは、アルファードがいいならそれでいい。」

「妾も問題無いと思う。」

「いいんじゃないかな。」

「じゃあ、解散。明日、出発します。今日は、ゆっくり休もう。」

 今後の方針を決め、一旦解散する。さて、鍛錬をとっとと済ませて俺も休もう。俺は、日課である鍛錬を始めた。最近では、レベルアップした事もあり、魔力操作もかなりの物になってきた。画像イメージもより鮮明になって来たし、演算の処理速度も上がってきたような気がする。庭に出て剣の鍛錬をし、最後に異空間に行って魔力を全消費する。頭痛はほぼないが、倦怠感が半端ない。まぁ、寝るだけだし、なんかあったらポーションで回復させるから問題無いと思うけどね。今の俺のステータスは下記の通り。

 

ドラゴンスレイヤー(称号:ドラゴンスレイヤー) LV107

HP54784/54784

MP61632/61632

筋力12840

魔力14552

防御力12840

魔防13696

俊敏11984

器用11128

知力15408

幸運11984

 

【ユニークスキル】

Q&A 空間収納 鑑定 医療の心得 模倣 偽装 真偽 魔術 剣術 精霊魔術 召喚 全記憶 模倣 空間操作・認識 重力操作 多重詠唱Ⅴ 照準 忍術 奪う 瞬歩 剛剣 心眼

【スキル】

毒耐性(高) 光属性(至) 闇属性(至) 炎属性(至) 水属性(至) 地属性(至)  クリティカル(中)

風属性(至) 無属性(至) 剣(中) 魔力欠乏耐性(至) 無詠唱 魔力調整

魔力向上(極) MP向上(極) 物理耐性(極) 魔法耐性(極) 翻訳 速読

マップ 索敵 演算加速 分離・結合 解体(至) 異常状態耐性(極) 錬金術(極)

創作(極) 忍術(低) 見切り(中)

【剣技】

眞陰流 魔人剣

【魔法】

《生活魔法》

《医療関連魔法》

《炎魔法》(13階層)

《地魔法》(13階層)

《氷魔法》(13階層)

《水魔法》(13階層)

《風魔法》(13階層)

《光魔法》(13階層)

《闇魔法》(13階層)

《無属性》(13階層)

《錬金魔法》

《創作魔法》

 

 ん?やっぱりステータスの上がり方が増えてる。もしかしたら、従属の能力も俺の能力に多少反映されるらしい。それなら、折角だからファニックスを是非従属に迎え入れたい!出来るかな・・・。そんな事を考えながら俺は眠りについた。

 

 翌朝、俺達が泊っている宿の前に皆が集まった。

 ・・・

「なぜ、君らがいる?」

「ファニックスの討伐に行くんだろ!水くせーなー。俺達にも声かけてくれよ。」

「そうだな。やはりここは、パーティーで向かうべきだと思う。」

「回復は任せるニャ!」

 なぜか、コブラ、キャップ、ヴァイロンがいる。ヴァイロンの後ろから、ティファがチラッと姿を現した。

「バレちゃった。テヘペロ。」

 ティファは、頭を”コツン”と軽くたたき、ベロを出す。

「なんか、大所帯だなぁ。まぁ、いいけどさ。で、討伐じゃなくて”探索”だからね。むやみに攻撃を仕掛けないでください。」

「了解!!」

 なぜか、全員でいい返事をする。まぁ、俺的には、また、皆と冒険に出られるのは嬉しいけどね。全員揃ったところで出発だけど、まず先発は俺だけか。

「じゃあ、俺は先発で言って来るけど、皆は冒険者ギルドで待機していてください。山頂につき次第、ゲートを繋ぎます。」

 俺は、レビテーション(浮遊魔法)とプロテクションの複合魔法を使い、空に舞い上がる。この飛行魔法にも結構慣れてきた。重力魔法で簡易ジャイロを作り、気圧と風速を測定し、それらを組み合わせて目の前のモニターに飛行機の計器の様な表示をさせてみた。とりあえず、9500フィートの程度の高度、150ノット程度の速度(速い小型機程度)で飛行する。こんなに自由自在に空が飛べるなんて考えた事も無かったが、この世界ではこれが現実だ。そんな事を考えながら目的地を目指す。プロテクションのお蔭で風の抵抗もほとんど受けないので苦痛は感じない。一時間程度で目的地が確認できる。“ナビ付の飛行機はこんな感じなのかな?”なんて考えているうちに目的地に到着する。山自体はそんなに高い山ではなく約6000フィート程度だ。頂上は肌寒く、草木もまばらで見渡しがいい。索敵で当たりの様子を探知する。辺りには、魔物が多少いるが人影は無い。ここにゲートを設置する事にした。俺は、ゲートを開きドアマンドの冒険者ギルドに繋げる。

「はい。お待たせしました。行きますよー。」

「相変わらず、やる事が早いな・・・」

 コブラが”┐(´∀`)┌ヤレヤレ”のポーズでつぶやく。

「はーい。皆行くよ。そうそう、トイレは済ました?」

 ティファが皆に声をかけて回る。

「遠足かい!」

 俺は、思わず突っ込んでしまった。

「と、兎に角、ゲートは山頂に繋がっているから準備が出来た人は来てください。」

 俺は、ゲートをくぐり山頂に戻る。少しして、全員が集まった。集まったのを確認し、ゲートを閉じる。

「さて、ここからの道案内はティファに任せようと思うけどいい?」

「道案内って言うか、私も初めての場所だから皆も協力してね。」

「はいよー。じゃあ、さくさくっと行こうか。トラップは無いと思うけど、俺が先頭を行くよ。」

「じゃあ、先頭は、キャップとコブラに任せる。その後ろにティナちゃんと私、その後方にヴァイロン、最後尾にアルファードとナディアさんお願いね。」

「了解。先頭は任せてくれ!」

「ティナも頑張る」

「後方から支援魔法をかけるニャ」

「俺とナディアは、後方からの魔物を警戒するよ。」

「任せておくのじゃ」

 隊列も決まり、俺達は目的地に向かい動き出した。俺のもマップも来たことのない所は、空白が多い。貰った地図と照らし合わせて迷わない様にする。下山していくうちにだんだん樹木が増えてくる。と同時に魔物の数も増える。この辺りは、人の手が入っていないため、魔物の数も多い。しかし、流石はプラチナクラスの冒険者。中型クラスの魔物をやすやすと片付けていく。そんな中、コブラが声を上げた。

「おっと、大物が来るぜ。援護よろしく!」

 コブラとキャップの間を割り込むようにマッドスコーピオンが飛び出してくる体長は3m前後で強靭な鋏と毒を持つ尻尾で攻撃してくる。表面を覆う殻は鎧の様に固く中々ダメージが通らない。

「支援魔法をかけるニャ!」

《プロテクション》

「おら、こっちだぜ!!」

《アサシンスプラッシュ》

「よし、キャップいいぞ!おりゃ!!」

「キャップ、避けて。」

《アイスニードル》

 キャップがマッドスコーピオンの注意を引き付け、コブラが攻撃をする。そこにティファが氷系の魔法で攻撃する。中々連携のとれた攻撃だ。俺はソロが多いからこのような戦い方はとても新鮮だ。

《ファイヤーボム》

 ティナも負けじと攻撃の間隔が空いた瞬間に炎系の魔法を叩きこんでいる。

「コブラ、危ない!!」

 俺は、レールガンをマッドスコーピオンの尾に向けて放つ。尾の先端に着弾し、毒針が吹っ飛ぶ。

「アルファード、サンキュー!おりゃ!」

《パワーゲイズ》

 力を込めた一撃をコブラは打ち出す。マッドスコーピオンの固い殻も様々な攻撃を受け、ダメージを受けている。

《ヒール》

 ヴァイロンが傷ついたコブラとキャップを癒す。俺とナディアは、後方からパスクコヨーテの群れ約8体が襲い掛かってきているため、そちらを対応する。俺は、レールガンを連射して、パスクコヨーテの群れをすべて打倒した。どうやらコブラ達もマッドスコーピオンを倒し終えたようだ。

「ふう、終わったか。」

 コブラが一息ついている。俺は、討伐された魔物を空間収納に収めていく。ヴァイロンは、戦いが終わったコブラ達に癒しの魔法をかけて回っている。そんな感じで半日が過ぎた。

「もう、魔物多すぎ!」

 ティファがぼやく。

「まぁ、ここには冒険者がめったに来ないから仕方ないんじゃないか。それだけ、難儀なクエストって事だろ。」

「そうだけどさぁ。中々先に進めないよ。そろそろ日が落ち始めているから今日はこの辺でキャンプにしない?」

「まぁ、無理に進むと余計な体力を消耗するから今日は、ここまでにするか。」

 うーん、俺は全然疲れて無いんだけど、皆がそう言うならここで休むとするか。

「じゃあ、あっちに広めの平地があるから簡易拠点を設置するよ。」

 俺は、広めの平地に簡易拠点を展開し、結界を張る。これで、魔物はここに気付かない。

「やっぱり、野宿じゃなくてここは快適よね。もう、野宿できなくなっちゃうわ」

「うん。いつ来てもすごい。遠征でゆっくり休んで体力を回復させられるって凄い重要だよな。夜間の見張りも必要ないなんて今までじゃあり得なかったよ。」

「アルファード、様様ってか(笑)」

 各々、感想を言いながら拠点に入っていく。まぁ、皆が喜んでもらえているから作った甲斐はあったかな。女性陣はそそくさとシャワーを浴びに行く。そして、キャップの姿も消えている。

”うーん、覗けなように作ったのだが・・・。”

アサシンとなれば、どこか俺が分からない抜け穴も把握しているかもしれない。そこはあえて何も言わずにおこう(笑)。さて、全員シャワーを浴び、食事をとった所で打合せを始めた。俺は地図を広げ、話を始める。

「今、この山のこの辺にいると思う。地図自体がアバウトなので確証はないけど。今日、討伐した魔物の数を考えると中々進みが遅いかな。そこで、明日は、前衛を俺とキャップでいきたいんだけど、どうだろう?」

「それは、構わないが。では、俺は後方に周ればいいかな?」

「うん、今日も、前衛で戦っている時、後方からも魔物が出現したから注意してほしい。」

「了解、では、隊列を変更しよう。他に変更はあるか?」

「変更は特に無いかな。じゃあ、次にファニックスについてあまり情報が無いんだけど、だれか詳しく知っている人いますか?」

「俺が知っている情報によると、フェニックスは不死鳥と言われていて不老不死だと言う。炎を纏い、その炎はすべてを焼き尽くすと言われている。死んでも、また、その炎の中からよみがえると言う話もある。」

 コブラが自分の知っている内容を話してくれる。するとキャップも

「それに、不死鳥の血はどんな病でも完治させるらしいから高値で取引させてるんだぜ。一説には若返りの効果もあるらしいが、詳しくは分からないな。」

「今回は、フェニックス見学なので、絶対にフェニックスに遭遇してもいきなり攻撃を仕掛けない様にしてほしい。」

「ファニックス様は聖獣の一角でもあるニャ。攻撃を仕掛けても私ちじゃ太刀打ちできないニャ。だから、変な事はしない様にするニャ。」

「聖獣と言えば、ナディアも聖獣だよな。聖獣同士で上手く話しできないかな?」

「一応、そう呼ばれておったな。しかし、奴とは会ったことが無い故、奴がどう出るか分からぬ。期待はせんでくれ。」

「そっか、でも、上手くフェニックスと遭遇出来たら一旦の橋渡しはお願いできないかな?」

「それは構わぬが、話が通じるとは限らぬぞ。」

「その時は、その時だよ。まぁ、気が舞えず気軽にやってみてよ。」

「了解じゃ。まぁ、ご主人の頼みを妾が断る訳がいないのじゃ。」

「うん。ありがと。ナディア」

「まぁ、会えたらラッキーって事でね。」

「確かにニャ。居場所が確定している訳じゃにゃいから、会えるか分からないニャ。」

「ま、気長に探そうや。」

 これと言って今まで以上の情報は無いらしい。後は、フェニックスに会ってみるしかないようだ。部屋割りは男性と女性で分けた。俺達は、各々部屋にもどり、次の日に備えて休無ことにした。そんな次の日に事件は起こる。

 夜が明け、俺達は再びフェニックスの探索のためイモール山脈の中ほどにある火山に向け出発する。この森を抜けてた山が目的の火山らしい。昨日に引き続き、相変わらず魔物の数は多い物のきっちり休息をとった俺らプラチナ冒険者のパーティーは難なく森を進む。すると、先頭のキャップから皆に声がかかる。

「この辺りにいくつかトラップが仕掛けられているぜ。気をつけてくれ。」

 ん?こんな所にトラップ?誰が仕掛けるんだ?マップを見ると赤い点に囲まれている。

「うーん、何かに囲まれている。皆、注意してくれ!」

 すると森から大きなトカゲが出てきた。

「リザードマン!!」

 ティファが声をあげる。

「オマエラ コノモリ アラシニキタ。スグニ デテイキケ。サモナケレバ チカラズクデ オイダス」

 十数体のリザードマンが姿を現す。一体は、より人型だが大きな尻尾が生えている。リザードマンの進化した種なのかもしれない。それより、リザードマンは話をすることが出来るのか?

「俺達は、決して森を荒しに来た訳じゃない。この山の山頂にいるファニックスに会いに来ただけだ。」

「ソンナコトハ ドウデモイイ。ハヤク コノモリカラ デテイケ!」

 まいったな。この森を抜けなければフェニックスのいる山頂へは行けない。

「俺達は、ここを通りたいだけだ。危害を加えるようなら俺達も容赦はしないが。」

 リザードマンの一人が襲い掛かってきた。俺は、レールガンでリザードマンの足を打ち抜く。

「グキャアァァァ!」

 叫びながらリザードマンが転げ悶える。すると、一斉にリザードマン達が襲い掛かってきた。

《プロテクション》

 俺は全員にプロテクションの魔法をかける。

「ここは、俺に任せて手出ししないで欲しい。頼む。」

「わかった。ここは、アルファードに任せる!」

「ありがとう!」

《瞬歩》

 俺は、走りながら片っ端からリザードマンの腕や足を打ち抜いていく。俺の速さにリザードマンは全くついて行けない。しかし、流石はリザードマン。普通なら戦意を喪失させるぐらいのダメージを与えているがそれでも襲い掛かってくる。特に1体のリザードマンがしぶとい。仕方が無いので更にダメージを与え続けた。

「コノ イノチニカエテモ コノサキニハ イカセナイ」

動くのもやっとなほどダメージを受けているが、それでも尚戦意を喪失させることが出来なかった。しかし、状態が状態だ。いくら戦意を喪失させられなくても戦う事は出来ない。

《パラライズ》

 俺は、リザードマン全員を抵抗できない様に全身を麻痺させる。そして、リザードマン達を集め範囲を指定し、傷を癒す。

《ヒール》

 指定された範囲にいるリザードマン達の傷がみるみる塞がって行き、体力も回復する。しかし、リザードマン達は麻痺しているため身動きが出来ない。

「クッ コロセ!オレタチハ オマエラニ クップクハ シナイ!」

 あー、ここにもクッコロさんがいた。全く、命を何だと思ってるんだよ。

「俺は、お前らを殺さない。俺達の目的はここを通ってあの山の山頂に行くだけだ。それに、俺らは、むやみな殺生は好まない。1日すれば、その拘束も解ける。そうしたら自由にすればいい。」

 リザードマンのリーダーが信じられないと言う顔(表情は分からないが雰囲気)をしている。俺達は、森を進もうとするとリーダらしきリザードマンが声をかけてきた。

「チョット マッテクレ!オマエタチ ホカノニンゲント チガウ。ワレワレ コロセタ。ダガ ソレヲシナイ。ナゼダ?」

「話が通じるのであれば話し合いで解決したい。話し合いに応じられないのであれば無力化するまでだ。無暗に殺しはしたくない。」

「ワカッタ。ブカガ イキナリ オソイカカリ スマナイコトヲシタ。ホカノ ニンゲンタチハ ワレワレヲギャクサツシ イロイロナモノヲ ウバッテイク。ソンナヤツラカラ ムラヲマモノルガ ワレワレノ ヤクワリナノダ」

「え。人間がそんな事するのか?盗賊や一部の冒険者ならそう言う事をする奴らがいるかもしれないが。それは、君らが何かしたからじゃないのか?」

「ワレワレハ モリデシズカニクラシテイル。ニンゲンガ コウゲキシテコナケレバ ナニモシナイ。ソレヲイイコトニ ニンゲンタチハ ワレワレノムラヲオソイ リャクダツヤユウカイヲシ ニンゲンタチノ ドレイトサレテイル。ワレワレモ モウユルセナイ。ダカ キミタチハ ドウヤラチガウヨウダ。アットウテキナ チカラノサデアルニモカカワラズ ワレワレヲタスケタ。」

「なるほど、俺達を野党と間違えたわけだね。しかし、いきなり襲ってくるのはどうかと思うけど。」

「コノサキニ ワレワレノムラガアル。ソコニチカヅケタクナカッタノダ。ソレニ ワレワレノムラヲ ニンゲンノブタイガ オソウトイウ ジョウホウモハイッテイル。」

「え!?討伐隊が編成されているの?何かしたの?」

「サキホドモイッタトオリ ワレワレハモリデシズカニクラシテイルダケダ。ニンゲンタチニ キガイヲクワエタコトハナイ。ムロン オソワレタラ ソレニタイコウハスルガ。」

「これが、人間の実態ニャ。獣人の村も度々、人間に襲われたりするニャ。だから、基本的には人間を毛嫌いする獣人も多いニャ。私は、おとーさんやコブラやアルファード、良い人達に出会ったからこうして仲良くしているニャけど、人間を恨んでいる獣人も多くいるニャ」

「なるほどね。種族間差別って感じか。なんか、そう言うの嫌だね。みんな同じに生きているのにね。今、討伐隊が組まれているみたいだけど、何かしたの?」

「ワレワレハ ナニモシテイナイ。ニンゲンドモガ カッテニセメテクルノダ。」

「なんか、それは納得いかないな。皆、急いでいる所悪いんだけど、討伐に関してちょっと事情が知りたい。寄り道してもいいかな?」

「俺達は、勝手に付いてきただけだ。アルファードの好きにすればいいさ。」

「うん。アルファードに任せるよ。」

「まぁ、しゃーねーな。一度言い出したら聞かないんだろ。任せるよ」

「私も協力するニャ。」

「妾はご主人のが思う通りで良いと思うぞ。」

「ティナもアルファードの言う通りにする。」

 皆の賛成を得られた。兎に角、無意味な殺戮は俺の望む所ではない。出来れば、回避したい。

「なぁ、もしよかったら俺達も力になるけど、どうだ?」

「イイノカ?アイテハ オナジニンゲンゾクナンダゾ。」

「同じじゃない。人間だからって暴虐の限りを尽くして良い訳がない。逆に、そんな人間が恥ずかしい。」

「ワカッタ。アリガトウ。ドウヤラ ワレワレハ キミタチノコトヲ ゴカイシテイタヨウダ。サキホドノ ブレイモアワセテ オワビシタイ。キミタチヲ ワレワレノムラニ ショウタイシヨウ」

 俺は、“麻痺”を解除し、リザードマン達の後を追っていく。

 

 

 

 

後書き

明日も更新します。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(__)m

(・∀・)イイネ!!をもらえると更新が早まります(笑)

 

******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

良かったら我々と同じ、冒険者になろう!

冒険者募集中!

https://www.k-scc.co.jp/guild/