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相互関税について完全に織り込んだとは言えないが過度に警戒している印象。
株価は次第に落ち着きを取り戻し、下げ止まるだろう。
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朝方から大幅に売られる展開、米国の相互関税や報復関税によって世界的な景気後退が懸念されて大幅安となった米株の流れを引き継いだ。
日経平均は寄り付きから600円安となってすぐに下げ幅を4桁とすると、9時25分には2987.74円安の30792.74円まで値を落とした。
(節目31000円を下回るのは取引時間中としては23年10月31日以来、約1年5ヵ月ぶり)
売り一巡後は、短期的な売られ過ぎ感やリバウンド狙いの買いから幾分戻したものの、2188.74円安の31591.84円で前場は終えていた。
後場も売り優勢で取引を開始、その後に下げ幅を縮小する場面もみられたが、戻りの鈍い展開にあった。
ダウ平均先物が時間外取引で安く、東京市場で投資家心理を重くしたもよう。
そうしたなかで、大引けの日経平均は2644.00円安の31136.58円となった。
さて、相互関税について完全に織り込んだとは言えないが、オーバーシュート気味で過度に警戒している印象にある。
確かに、相互関税の行方が流動的な部分が多く、それがはっきりするまでは積極的な買いは入れにくい。
今後の交渉進展など各国の対応が注目され、最悪なのは提案も報復もいずれも実施しないケース。
特に高関税を課せられたベトナムの動向が注目され、ベトナムは対米関税の撤廃を提案したが、この交渉進展が今後を示す一つの材料。
いっぽう、中国とＥＵは報復措置に動く見込み、日本は後者を選ばないと思われるが、どこまで材料を提示し交渉をするかが注目点。
米国と各国との交渉が進み税率が緩和されるような材料が出てくれば、株価は次第に落ち着きを取り戻し、下げ止まるだろう。
また、前週末から進行したドル安／円高がやや落ち着いてきた感があり、テクニカル的にも売られ過ぎを示していることも支え要因。
(日経平均は25日移動平均線とのマイナス乖離が売られ過ぎとされる5％を大幅に超えて本日の終り時点でのマイナス乖離は15.14％)
そして、今月後半から来月前半にかけて各企業の決算発表で示す2026年3月期見通しが明らかになれば方向性が明確になってくるだろう。
ここで思ったよりも、相互関税の影響が大きくなく、増益見通しが示されれば、株価の割安感から本格反騰に向かうシナリオが描ける。
企業側の見通しは、足元でこれだけ株価が下がっているということは、ある程度業績予想の悪化を織り込んでいる状況。
会社予想が控えめでも、市場予想と大きく乖離しなければ、一段と調整が深まる可能性は低いのではないだろうか。
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