ご訪問ありがとうございます。
ご無沙汰しております。
最近は、この言葉ばかり繰り返している気がします。
今度は、カンボジアとの争いで爆破された病院の患者さん達のケアのため、しばらく出張しておりました。
カンボジアとタイは、歴史的にしばしば「国境問題」や「文化遺産の帰属」をめぐって争ってきました。
島国である日本に住んでいる時は、尖閣諸島等をめぐる問題はあるものの、国境の領土争いで武力行使が行われ戦争勃発の危機が迫るという恐怖を感じることはありませんでした。
大陸に住んで、目と鼻の先が他国であるという状態に置かれ、簡単に他国から侵略される可能性がある恐怖を知りました。
今は、ドローン等で簡単に空から爆弾を落とされる時代になりましたが、それでも海に囲まれている日本と、目と鼻の先が他国である大陸との違いは大きく、国境から遠く離れたバンコクに住むタイ人でさえ、多くの人が不安を感じておりました。
タイでは、シャム王国の時代から、長らくカンボジア(クメール王朝の後継国)と戦い、領土の取り合いを繰り返してきてきました。
19世紀末には、フランスがカンボジアを保護国化し、シャムから領土を割譲させたことが、国境問題の原因となっているのです。
カンボジアに割譲された領土は、保護国化とは聞こえがいいものの、実質は植民地化されたのです。
このことにより、シャム国はフランスからの植民地化を免れます。
一部の領土と人々を切り捨てることで、シャム国は独立国として生き残ります。
カンボジアに旅するとわかるのですが、カンボジアの国民のタイへの恨み、あこがれが強く交差していることを感じます。
この歴史は、現在も両国の国民感情に影響を与えていて、特にナショナリズムが高まると国境問題が再燃しやすい状態なのです。
特に、国境近くの山上にある寺院「プリア・ヴィヘア寺院」が、ユネスコの「カンボジアの世界遺産」として登録されてから、この寺院をめぐり、度々紛争が勃発しています。
私は、この寺院にはまだ行ったことがないのですが、11世紀頃にクメール王朝が建てたヒンドゥー教寺院であり、見た目はタイの寺院というより、アンコールワットやアンコールトムのように、石造りのカンボジア独特の寺院です。
この寺院をめぐっては、フランス植民地時代に国境線が曖昧に決められた後、タイとカンボジアの両国が所有権を主張してきました。
1962年に、国際司法裁判所(ICJ)が「プリア・ヴィヘア寺院はカンボジア領」という判決を出しました。けれど、周辺の土地の帰属ははっきりせず、両国の衝突が続きました。
その後の2008年、ユネスコが寺院を「カンボジアの世界遺産」として登録 したことで、タイで大反発が起き、国境付近で武力衝突にまで発展しました。
2011年には、国境紛争が激化し、死傷者もたくさん出ました。
2013年に、再びICJが「寺院周辺の土地もカンボジア領」と判決 が出て一応の決着を見ていたのですが、国民感情としては「寺院や文化遺産は自国のもの」という思いが強く、完全に和解したわけではないのです。
今年の5月に、再び国境付近で小競り合いがおこり、そこでカンボジア兵が1名死亡しました。
これが原因で再び紛争が始まります。
タイでは、この紛争を巡り、首相ペートンタルン・シナワトラ氏のカンボジアの旧首相フン・セン氏との電話会談が録音・流出するという事件が起こり、これがタイの国民感情に火をつけました。
この歴史的背景に、内政的な要因が加わり7月末には激しい紛争へと発展したのです。
現在は、ペートンタルン氏の政治危機に発展し。与党連立が崩れ、首相が憲法裁へ差し止められるなど政情が不安定になっています。
そして、7月24日には、カンボジア軍による砲撃などを含む国境での激しい衝突の中、タイ東部・スリン県のプンノム・ドンラック病院(Phanom Dongrak Hospital)が被弾し、大きな被害を受けたのです。
施設の建物は甚大な損壊を受け、入院患者らは緊急避難させられています
私は、今回緊急避難されている患者さん達の心のケアのために派遣されました。
マスターシャーマンの修行のため、夏休みを利用してマスターシャーマンの祖母の元に行き、修行を受けてバンコクに戻って来た途端、派遣を命じられました。
地震の被害によるケアを行った時とは比べ物にならないくらい、被害を受けた方々の精神的恐怖は大きく、日常生活を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうです。
戦争は本当にひどく恐ろしいと感じました。
現在、トランプさんが間に入り、ロシアとウクライナ戦争の終戦に向け動いています。
トランプさんやそれを支えるアメリカの高官の方々の働きには頭が下がります。
一刻も早く、「終戦」の二文字を目にすることができるように、私も祈りを捧げたいと思います。
私自身、今後、頻繁に出張が入ってくることになるので、なかなかブログが進みませんが、こうした争いをなくすために、人類が起こしてきた争いの歴史、守らないといけない文化遺産や民族の誇り等をを知る事が非常に大切だと感じたので、がんばって自分が学んできた表には出ない歴史等について紹介していきたいと思います。
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