なぜ?

なぜ?

浦和の来期監督にゼリコ・ペトロビッチの名前が挙がっているらしい。

噂を報道したのは、どこぞのスポーツ紙らしいので、
頭から信用しているわけではないが、火のない所に煙はたたない。
どのポジションにいる人間かはわからないが、クラブ周りにそのような考えを持ったヤツがいることは確かなのだろう。

しかしこれが上層部にいる人間の考えであれば、
その人間には即刻クラブから出て行ってもらいたい。

ペトロのことは大好きだ。
プレイはもちろんのこと、その闘志溢れる愛すべきメンタリティは今の浦和に減少してしまっている要素でもある。

しかし詳しくは知らないが、監督としての実績は?
伸二が居たころのエールディビジでコーチをしていたのは覚えている。
確かPSVだったか…。
報道では現在プレミアのクラブでアシスタントコーチをしているらしいが、コーチと監督とでは話が違う。

フィンケを切るという判断を下すのなら、そのフィンケよりも
上積みが出来る監督を連れてこなければならないはずだ。

フィンケの仕事に100%満足かと言われれば、答えはNOだ。

しかしここまでの全体的な仕事の成果としては、概ね成功だろう。

実情はもちろん分かりようがないが、限られた補強費・かつての剛腕はどこへやらの頼りない強化部門、絶えること無い主力級選手の故障(これは練習法やシーズンを通したゲームマネジメントが本当に適切かという疑問も残るところだが…)という表象を考慮すれば現在の順位や繰り返される拙い試合運びにも、ある程度は納得せざるを得ない。

そしてそういった結果に限らず評価されるべきは、
就任前には見られなかったボールオリエンテッドな能動的ゲームを
チーム全体が習得しつつあるということだ。

さらにはもう一つ、世代交代を粛行したこと。
もちろんこれは、しばしば指摘されていることだが、
それを行うに足る才能に恵まれたこと自体は、育成部門と
本人達の天賦の才、及び努力による功績である部分は大きく、
フィンケならずともいずれは抜擢され、花開いたことだろう。

たとえそうだったとしても、今現在において、直輝、峻希、元気、
そして最近で言えば岡本。
彼ら浦和のゴールデンエイジを起用することによって、開花させた
事実は変わることはないだろう。

そういったポジティブな要素があり、そもそもが3年計画で
プレイスタイルの確立と世代交代を行うという課されたタスクに対しては、順位やスコアを別として、踏むべきステップは踏んでいるのではないか?

それに対し、現在のトップには確たる評価基準が全く見えない。
発せられるのは、ACL出場権というお題目ばかり。

そもそもACL出場権とは何を指すのか?
リーグでの3位以内なのか?天皇杯制覇なのか?
リーグ3位以内に入ったチームが天皇杯を制した際に付与される
リーグ4位という成績までも含んだものなのか?

その全てが含まれるのであれば、未だ道半ばである。
天皇杯は実際にベスト8に残り、優勝の可能性=ACL出場の可能性は当然残っている。
であるならば、来季の構想は最大で1月1日までは猶予を残すということだ。

しかし、最悪なのは決勝まで勝ち進み、負けた場合だ。
目標に達しなかったのだから、監督は交代。
その時点で監督探し・新監督によるチーム再編成・選手獲得。
これは現実的に無理な話。

そんなことはいかにサッカーに無知な代表とはいえ、
分かっていたはず。

それならば言外に天皇杯獲得でもOKと取れるような曖昧な目標の
掲げ方はするべきではなかった。

つらつらと書き続ければ不満には際限が無い。

つまるところ言いたいことは、評価基準さえ持たない
クラブトップが、何を以って浦和レッズの目指すべき方向を
指し示すのか?
評価基準すら設定できない輩に理想などが描けるのか?
そしてそれをサポーターに示せるのか?
答えなど見ずとも分かりきっている。

これ以上の迷走はたくさんだ。

浦和レッズというクラブの最大の武器はサポーター。
このままでは120%確実に来季も観客動員を減らすだろう。

サポーターは単に目の前の試合に一喜一憂する存在ではないことを理解してもらいたい。

我々は未来を託しているのだ。

浦和レッズの行く先は、我々の行く先なのだ。

先頭を歩くべき人間を信じられなければ、人々はその列から外れていくだろう。

そろそろ自分は先頭を歩くべき人間ではないと気付いてくれ。
少し立ち止まって周りを見回してみればスグに解かる筈だ。
取り巻きのその向こう側の人間達が、どんな目で自分を観ているかを。

引き際の美学をどうか見せてくれ。
私の何よりの願いだ。

浦和レッズに必要なもの。
愛される対象。

経営陣よ。
今日の試合を観て解っただろう?
何が人を熱くさせるのか?

熱い人間が、観ている人間を熱くするんだ。

浦和レッズというクラブがサポーターの愛の対象であることは
もちろん間違いない。

だが、それに胡坐を掻いたことで辿り着いた
今の寂しいスタジアムは、経営判断の誤りを象徴するものだろう。

いや、元々理解をしていないのだと思う。
ラグビー出身のリーマン社長には無理だ。
付け焼刃に施策を繰り出したところで、サポーターの
求めているものなど解っちゃいない。

魅力的な試合内容。
プレーヴィジョン。
未来への布石。
確かに必要だ。

だけどそれだけじゃない。
今現在、愛しているものを奪っていいいものではない。

何かを得るために、別の何かを捨てなければいけない。
そんなこともある。

だけど失ってはいけないものもある。
我々は既に失いすぎている。
このままでは取り返しのつかないことになるよ。


スタジアムから観客を奪ったのは
低迷する成績ではない。

愛する選手達へのあまりにも不義理な仕打ち。
そんなクラブに対する不信感。
失意・落胆。


もうやめよう。
我々が望む10番はロブソン・ポンテだ。

これ以上、浦和レッズから魅力を奪わないでくれ。
点を取っても喜ばないマルクス
勝ってもチームメイトと目が合った時以外は笑っていないマルクス

魂の無い人形に狂喜する人間はいない

魂を全て吐き出してしまったクラブの行く末は



そして誰もいなくなった

なんてシャレにもならんよ