国宝の多宝塔は現在6基あります。多宝塔というのは、「法華経」の中で、釈迦が説法中に地中からどーんと出てきた塔で、そこには多宝如来が鎮座していて、釈迦の説法を絶賛して横に来なさいと言って座らせた・・・というのが元になっている日本独特の形状のものです。初重が方三間(1辺に柱が4本立ち柱間が3間あるの意)のものを多宝塔と、方五間のものを「大塔」と言いますが、まあ大きめのものは大塔という感じです。結構多くの寺社にあるのですが、あまり気にしないと気づかないこともあります。例えば知恩院だとか、よみうりランドとかは目立たないです。逆に高野山や根来寺などの大塔はメインになっていますし、京都の常寂光寺や永観堂はシンボル的存在で、紅葉と一緒に撮られている写真をよく見ますね。私も今では仏塔の中で一番好きです。
1.石山寺(いしやまでら):<滋賀県>鎌倉時代。建築時代が明確なものでは日本最古、本尊は快慶作大日如来。石山寺は真言宗の大本山で梅と桜の名所。見どころ沢山の大寺院です。
2.金剛三昧院(こんごうざんまいいん):<和歌山県>鎌倉時代。実にプロポーションが良く、石山寺に続いて2番目に古い塔。金剛三昧院は高野山にあり、北条政子が源頼朝公の菩提を弔うために建てたという寺院。本尊は運慶作という五知如来!世界遺産の貴重な仏塔ですが人は多くありません。高野山に行くときは絶対に訪れるべき。
3.長法寺(ちょうほうじ):<和歌山県>鎌倉時代。上の2基と比べて違いがわかりますか?屋根が瓦ぶきです。長法寺は一条天皇の勅願寺で、紀州徳川家初代藩主頼宣の帰依により藩主の菩提寺として庇護を受けたというお寺。
4.浄土寺(じょうどじ):<広島県>鎌倉時代。堂々とした綺麗な塔。尾道市の海が見えるところにあり、これまで2度訪れていますが、道が細いんですよねー。
5.慈眼院(じげんいん):<大阪府>鎌倉時代。こちらは国内最小の塔。きれいなな庭園によく合います。天武天皇の勅願寺のすごいお寺ですが、ちょっと目立たない場所にあるせいか、ここも全く人がいませんでした。
6.根来寺(ねごろじ):<和歌山県>室町時代。慈眼院とは真逆で、でかい大塔。この形式で古くから残る唯一のもの。根来寺は私の好きなお寺の一つで、本堂内の仏像も圧巻。