キム・セロン

やあやあやあみんな元気かね。ご無沙汰しております。
今日はハロウィンだそうだよ。
ハロウィン?あれでしょ?ジャーマンメタルバンドでしょ?とか言ってるそこの中年のおじさん、コラコラコラ、そんなんじゃFacebookとかでリア充自慢している連中に押しつぶされてしまうよ。
そういう連中から自分のメンタルを守るためにも、どうだい、リアルだが、暗くて陰鬱でシリアスで見終わった後全くいい気分にならない韓国映画でも見まくってみようじゃないか。

キム・セロンという韓国の女優さんがいる。
今はもう14,5歳だから子役というにはもう失礼だろうな。
「バービー」という映画で初めてみて、素晴らしい演者だなと思った。
そのほかの主演作をここ一月で一気に見たので、「バービー」も含めて時系列順にご紹介。

「冬の小鳥」
予告編。



ストーリー:1975年、よそ行きの格好をした9歳のジニ(キム・セロン)は、父(ソル・ギョング)と一緒にソウル郊外にあるカトリックの児童養護施設の門をくぐる。彼女がシスターに施設の案内をしてもらっているうちに、父親は黙って去って行ってしまう。そのことにショックを受けたジニは食事にも手をつけず、周囲に溶け込むことも頑として拒んでいた。
(シネマ・トゥデイより)

「アジョシ」
予告編。



ストーリー:過去の出来事が原因で心に闇を抱え、街の片隅で質屋を営んで生きる男テシク(ウォンビン)。隣に住む孤独な少女ソミ(キム・セロン)は、テシクをただ一人の友達として慕っていたが、ある日、ソミが麻薬中毒の母親共々犯罪に巻き込まれ、組織に誘拐されてしまう。ソミを救い出すため、立ち上がったテシクは……。
(シネマ・トゥデイより)

「バービー}
予告編。



ストーリー:知的障害のある父親と暮らす幼い姉妹。
姉スニョンは家族思いのしっかり者。
妹スンジャはバービー人形に憧れる病弱でワガママな女の子。
ある日、叔父マンテクを仲介し、スニョンの方を養子にもらいたいというアメリカ人がやって来る。

「私の少女」
予告編。



ストーリー:ソウルからとある港町の派出所所長として赴任した女性警察官ヨンナム(ぺ・ドゥナ)は、母親に捨てられ養父と義理の祖母から暴力を振るわれている少女ドヒ(キム・セロン)と出会う。何とかドヒを救い出そうと手立てを考えるヨンナムだったが、自身の過去が世間に知られ窮地に陥ってしまう。そんなヨンナムを助けるべく、ドヒはある決断を下すが……。
(シネマ・トゥデイより)

どの作品も、はっきり言って後味はよろしくない。
それがどうした、スカッとする映画なんて今は見たくもない、などというおれのようなひねた人には全作お勧めである。

「冬の小鳥」はとても静かな映画で、4作品の中で唯一ハッピーエンドととっていいかもしれない。父ちゃんが結構簡単に娘を孤児院に入れちゃう(ように見える)のが、いかにも韓国の社会派ドラマ然としてはいるけれど、映画自体は少女が成長する姿を映し出したヒューマンドラマ。
韓国映画だけど、残虐な感じはなくて、結構ホッとする。

「アジョシ」これはキム・セロンちゃんの演技も素晴らしいけれど、どちらかといえばウォンビンのアクション映画。ウォンビンはかっけーな。「母なる証明」では全く違う役を完ぺきにこなしててこちらも必見。ちょっと木村一也に似てるきがする。キムタクじゃないよ。カズヤだよ。

「バービー」テーマ的にはこれが一番エグいかもしれない。韓国の子供と欧米人との養子縁組の多さ、という意味では「冬の小鳥」に通じるものがある。この作品ではこれに「臓器移植」の問題が絡んでくる。キム・セロンちゃん演じるお姉ちゃんが、活発で、働き者で、明るいので余計に暗い話が胸に突き刺さる。

「私の少女」これも社会派ドラマ。テーマは多岐にわたる。児童虐待、性的マイノリティへの偏見、不法移民、田舎の閉塞感、貧困など、日本も同じく抱えている社会問題を見事に2時間に納めている。「空気人形」のあの娘さんがすっかり大人の女性になっていた。

ここで作品別の、キム・セロンちゃんが演じる少女の家庭環境を比較してみよう。

冬の小鳥 父:娘を孤児院に入れて行方不明 母:不明
アジョシ 父:不明 母:麻薬中毒
バービー 父:精神障害者 母:不明 叔父:臓器売買のブローカー
私の少女 父:継父で児童虐待者 母:不明 義理の祖母:児童虐待者

なぜこんなに悲惨な設定ばかりなのか。
かわいそうではないか。
いつかはクロエ・モレッツちゃんのようにアクション映画ではじけるとか

キック・アス

もしくは能年怜奈ちゃんのようにコメディエンヌとしてはじけるとか

あまちゃん

あ、間違えた、こっちだ

あまちゃん

いろんな役柄の彼女も見てみたいが、いっそのことこのままジメジメ路線の映画に出続けるのも悪くないかもしれない。

この4作品、どれを見ても、全く気分は良くならない。
そう、明日への希望なんて全く見いだせない素晴らしい映画ばかりだから安心して見るように。

追記:ブログは気楽でいいな。フェイスブックを始めたけれど、ネガティブな事を書いてはいけない空気が漂っててなんか窮屈だ。中年のおっさんにそうそうポジティブなことなんかあるものかってんだ。