メビウス

キム・ギドクの映画が凄いらしいと聞いて、封切り初日に新宿シネマカリテにて鑑賞。
おれにとっては、キム・ギドク監督作品はこれが初見になる。
事前情報で知ってたのは、セリフが一切ない(サイレント映画ではない)こと、どうやらチムポを切り取ったりするらしいということくらい。
お話はこうだ。

父ちゃん浮気する
母ちゃん嫉妬に狂い、父ちゃんのチムポ切り取ろうとするが失敗
錯乱した母ちゃん、なぜか息子のチムポ切り取り、飲み込んだのち、失踪
チムポ切り取られた息子、学友にそのことがばれ、いじめられる
元はといえばおれのせいだと自分を責める父ちゃん、自分のチムポを銃で撃とうとするが未遂
父ちゃんせめてもの償いとの思いで、手術で自分のチムポ切り取る
父ちゃんの浮気相手、なぜか今度は息子を誘惑するがチムポがないことに愕然
いつものようにいじめられてた息子、通りがかりの不良グループに助けられる
その不良グループ、父ちゃんの浮気相手をレイプする
息子も同行してたため、一緒に警察に捕まる
父ちゃん、息子にはチムポがないからレイプは無理だと警察に出向くが、それほんまかいなと警察官が息子のパンツおろす
息子キレて暴力沙汰になり、結局収監される
父ちゃん、ネットでチムポがなくてもオルガスムスを味わえる方法を探し出す
自分の体を傷つけると痛みでイケることを体験した父ちゃん、それを収監中の息子にも教える
息子、実践、イケることに気づく
(なんかバカバカしいから中略)
父ちゃん、またしてもネットでチムポが移植できることを知る
自分の切り取ったチムポを息子に移植
どっか行ってた母ちゃん帰ってくる
父ちゃんのチムポが息子に移植されたことを知った母ちゃん、息子のチムポしごく
さすがにおれたちどうかしてるということで、父ちゃん母ちゃんは銃で自殺
息子も「罪」に苛まれたか、移植された自分のチムポを銃で破壊
息子、仏の道に入り、映画終了


さすがにげっそりした。
とにかく全篇チムポ・チムポ・チムポである。
登場人物は男女ともにほぼ全員ヤルことしか考えてない(ようにみえる)。
「性」の問題は全人類の課題であるのは間違いないけれど、みんなそんなにセックスのことばかり考えてるんだろうか。
何を言うキサマ「性」の問題は「原罪」であるぞ、と言われれば返す言葉がないんだけれど、おれはそこまで性欲モリモリってわけでもないんだよなあ、自己判断だけど。
確かにね、分かりませんよ、何しろ性欲は第一次欲求だからね。
ただ単に普段は無意識に抑圧してるだけかも知れん、そりゃ確かに分からん。
でも覚醒時にここまでやられるとさすがに笑っちゃう。
笑う場面は一個もないんだけど、笑うしかない、それがおれのこの映画のざっくりした感想だ。
フロイト先生が生きてたら歓喜するだろうこの「メビウス」、上映時間は1時間半と短いうえショッキングなシーンが多いので、眠るということはないだろう。
さすが韓国映画というべきか、これは絶対ハリウッドや日本では作れない。
「性」「原罪」などの問題が、観る人によっては喚起されるかもしれない。
意外にカップルにお勧めかもしれないとおもったね。
そして、セリフが全くなしでここまで作るのは純粋にすごいと思う。
多分この「メビウス」、キム・ギドク監督作品としてはかなり特殊な映画ではないかという気がするので、過去作品も今後見てみようと思いました。
上映館少ないけれど、興味ある方は劇場へどうぞ。

映画「メビウス」公式サイト